アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP、-a、-bはサイト-8102にてそれぞれ別のパスワード付きの高耐久ロッカーに保管し、常時監視カメラで監視してください。実験を行う場合はセキュリティレベル3以上の職員の許可を取ってください。運搬する際は必ず2人以上のDクラス職員に指示し、慎重に運んでください。現在SCP-XXX-JPの実験は停止されています。
説明: SCP-XXX-JPは右側に行くに従って模様が上がる、いわゆる「Z巻き」と呼ばれる型のキャスター付きサインポールです。SCP-XXX-JPは電源に接続されていないにも関わらず作動し、また未知の工学的技術による高度な耐久性を示しており、分解、破壊する事はおそらく困難です。ただしガラスカバーには異常性は無く、問題無く取り外す事ができます。
SCP-XXX-JPの内部のモーター部分における上底と下底には存在しないはずの空間が開いており、SCP-XXX-JPのフィルム部分は回りつつ上底の空間に向かい延々と上昇し続けます。空間は現次元、他次元関わらず別の同じ異常性を示すサインポールに通じていると考えられ、捜索の結果、現在3台のSCP-XXX-JPを収容しています。
発見経緯について:SCP-XXX-JPは京都府██市██町の理髪店にて使用されていましたが200█/03/9午後3時06分頃、ガラス内の下部から煙が発生し、しばらくして爆発と共にガラスカバーが内側から砕けた散ったとの通報を消防署が受けました。潜入していたエージェントが消防士として赴き調査したところ異常性に気付き収容しました。
200█/03/10 SCP-XXX-JP探査記録1
上底、下底の空間口はともに僅かな隙間しかないため、ポールフィルムに小型の映像通信記録装置を貼り付け、上昇した先の空間の探査が試みられました。装置が次の空間に移動するまでの時間は平均して6.4秒です。また、視点が回転している為多くは不明瞭な記録になります。
探査記録1-1
子供が数人周りを走り回っている。ヤシの木と砂丘が遠くに視認出来、白い建造物が側にある。砂丘は海の様に常に波打っている。子供の1人の背中に用途不明の突起物が2本確認できる。
備考:我々の宇宙とは別の宇宙、もしくは別次元に通じている可能性がある。-白波瀬博士
探査記録1-2
ガラスカバーが緑色の粘液に覆われており、微かに未知の球状の生物が空中に浮いているのが視認できる。
探査記録1-8
商店街の様な雑多な風景の中で、人が歩いてるのを見下ろすことが出来る。人類と差異は見られない。近くの店の看板に「██印鑑」という文字が認識出来る。
備考:映像中の場所の特定を試みた所、三重県██市に存在する商店街だと特定されました。問題無く新たなSCP-XXX-JPを収容しました。この他にも探査記録からアメリカ████州でのSCP-XXX-JPの存在も確認され、回収しました。(それぞれSCP-XXX-JP-a、-bと指定)
探査記録1-13
暗く確認し辛いが深海だと思われる。いくつかの微生物の様な小さな生物が分裂と発光を繰り返している。すぐ側には謎の建造物の存在が確認できる。
探査記録1-33
コンクリート製と見られる壁に囲まれた目測4m四方の部屋に大量のサインポールが敷き詰められている。ガラスカバーは取り外されており、周りのサインポールも同様の状態で作動し続けている。ドアは視界上には確認出来ない。
備考:SCP-XXX-JPは何者かの手によって作られた人工物と見られる。-白波瀬博士
探査記録1-35
映像が横倒しになっている。茶色がかった肌の口の無い人型生物がガラスカバーにへばり付きこちらを凝視している。その生物の背後には古い納屋と青空が見える。生物に動きは確認できなかったが、次の空間に移動する直前に突然装置からの通信が途絶える。
備考:SCP-XXX-JPの空間口は電波を問題無く通すようだ。最後に通信が途絶えた原因は電波が距離的にとどかなくなったからなのか、それともあの人型生物の影響なのか。設備を整えた上で再び実験を行うことにする。-白波瀬博士
200█/03/15 SCP-XXX-JP探査記録2
前回と比べて、より強い電波を発する映像通信記録装置を使用しました。
探査記録2-1~34
前回の探査記録と同じ空間と状況
探査記録2-35
前回の探査で確認した人型生物は視界には存在しない。木材と瓦礫の山と赤い空が確認できる。前回の探査記録と同一の空間かは不明。問題無く次の空間に移動した。
探査記録2-39
探査記録1-35で確認した人型生物を再び確認。前回と同様にガラスカバーにへばり付きただこちらを凝視している。背後には高いビルが立ち並んでいる。白いスーツを身にまとった様々な犬種の犬が十匹以上見える。人型生物に向かい吠える、噛みつくなど敵意をむき出しにしている。次の空間に移動する直前に突然装置からの通信が途絶える。
備考:探査記録35の空間と探査記録39の空間は同一の宇宙、もしくは次元という事だろうか。嫌な予感がするが実験を続ける。今後あの人型生物をSCP-XXX-JP-1と呼称する。-白波瀬博士
200█/03/16 SCP-XXX-JP探査記録3
前回と同様の映像通信記録装置を使用しました。
探査記録3-1~38
前回の探査記録と同じ空間と状況
探査記録3-39
SCP-XXX-JP-1は確認できない。大きく損傷したビルの前に赤いスーツを着た犬が大量に倒れている。どれも死亡しているように見える。問題無く次の空間に移動した。
探査記録3-47
SCP-XXX-JP-1を確認。ガラスカバーにへばり付きこちらを凝視している。空間は乳白色の半液状の物体に満たされており野菜(人参、じゃが芋、玉ねぎ、ブロッコリー)と肉の小片が大量に浮いている。次の空間に移動する直前に突然装置からの通信が途絶える。
備考:あくまで推測だがやはりSCP-XXX-JP-1はサインポールを通じて空間を移動している。理屈は分からないが、理屈を期待するのも無駄だろう。しばらくシチューは食べる気にはならないな。再び実験を行う。-白波瀬博士
200█/03/17、SCP-XXX-JP-aの下底の空間から出てきたフィルムに何らかの機器が張り付いており、回収されました。調査の結果それはSCP-XXX-JP探査記録1で使用された映像通信記録装置と判明しました。内部の部品が熱によって溶解しており映像記録の復元は不可能でした。装置は茶色の汚れに覆われており、その汚れを解析したところ、人間の皮膚の死細胞に酷似した物質だと判明しました。
SCP-XXX-JP探査記録2とSCP-XXX-JP探査記録3で使用された装置もそれぞれ200█/03/22、200█/03/23に、同様の状態で下底の空間から現れ、回収されました。
SCP-XXX-JPの探査実験は停止する。-白波瀬博士
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter (適切なクラスを選んでください)
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: [SCPオブジェクトの性質に関する記述]
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]