役に立つかは分からないが、よかったら見ていってください
・Talesの舞台は"Great Breach"からおおよそ600年後
・"Great Breach"とはSCPによる終末のこと
・"Great Breach"により世界の人口の大半が死に、(ゲームの)Falloutのようなレベルの破壊がもたらされた
・その結果、人類の技術は中世の初期を思わせる産業化以前の状態に退行
・財団シニアスタッフたちは来る暗黒の時代のため収容の技術を継承しようとした
・その後財団は中世カトリック的な装飾と科学に影響された図像学を持つ宗教的結社となる
・ブライト博士がその(いやいやながらの)救世主であり、(もはや誰も本来の意味を知らない)収容プロトコルはその聖典とされる
・この舞台設定はA Canticle For Leibowitz(邦題「黙示録3174年」)という小説に強く影響されたもの
(あくまで翻訳wikiで元のページを作成した記事の一覧であり、現在のページはほかの方によって修正されたものである可能性があります)
移行・修正お気軽に
SCP
322:ディズニーネタとは...
576
834:オチは下水道のワニの都市伝説から
1021:出口(入り口にもなる)
1079
1269
tale
何故変わろうとしないのか?
ラバー・サマー:摂氏と華氏を取り違える痛恨のミス(修正済み)
教会の博士前文:(修正予定あり)
ブライトに捧ぐ聖歌
死の陰の谷をゆくときも:壊れた神?
Quid Non Scitum Est:(詠唱部分は翻訳wiki該当部の引用です。また、ラテン語の訳に際しロシアwikiで訳した方の言葉を参考にさせていただきました。)
Placere Non Trinus:こちらはロシア語wikiで訳した方とおそらく異なる解釈になっている
忘れ形見(Wanderer's Libraryより):蛇の手から見た財団の姿
(教会の博士カノン設定)
サン神父の報告(口述筆記)
かの地の噂を耳にしたことがある方もいらっしゃるでしょう。荒れ果てた地に忽然と姿を現すという深い森。そう、"エデンの園"の伝説です。
その物語はこうはじまります......昔々―といってももちろんGreat Breachほどの昔ではありませんが―ある旅人が道に迷い荒野を彷徨っていました。一面の灰色の大地を歩き続け、食料も底をつき疲れ切った旅人はある時、ついにその場に倒れ込んでしまいます。しかし彼はそのまま神の御許に招かれはしませんでした。旅人がふいに意識を取り戻すと彼はいつの間にか森の中、柔らかな青草の上に横たわっていたのです。尖った岩や草の生えない地面は何処にもなく、見渡す限りが緑に覆われ、木々の梢は高く葉は青々と茂り見たこともない果実を豊かに実らせています......旅人が突然のことに戸惑っていると、木陰より木の葉でできた奇妙な服をまとった人間たちが飛出し旅人を取り囲みました。彼らは旅人のことを見つめ彼が弱っているのを理解すると、樹上につくられた家に旅人を運び込み手厚く介抱しました。彼らは"王の臣下"を自称し、何も見返りを求めることなく回復した旅人に道を教え十分な量の果実を持たると、再び旅人を送り出したそうです。
幼いころ寝物語に母から聞かされて以来、私はずっとこの物語に惹かれてきました。洗礼を受け聖なる財団の一員となってもその気持ちは薄れることがなく、私はこの伝承の研究に生涯を捧げてまいりました。
エデンの園の伝承は各地に伝わりさまざまに派生していますが、研究の結果そのいずれにも共通して登場するのが「旅人」が「荒野」で「行き倒れる」という条件でした。ある時これ以上書物を学ぶだけでは研究を進められないだろうと悟った私は、物は試しと言います、さまざまな伝承に伝わる要素をすべて満たした荒野をみつけだし、幸い自分の頑丈さには自信がありましたので、そこで独り瞑想を行うことにいたしました。もちろんそれほど簡単に突破口が開けるとは思っていませんでしたが、結果から言うとこの祈りの行は想像以上にうまく行きました。私は数日で脱水と栄養不足に陥り、意識もうろうとし動けなくなり、行き倒れることに成功したのです。そのまま死なずに済んだのは大変幸運な事でしょう。私を保護する神に栄光あれ。そして私の頬にひやりとした風が触れ、自然に目が覚めました。こうして、そう、私はとうとう子どものころより思い描いていた森の中にいたのです。......私はあれほど大きな森を見たことがありません。いえ、私はそもそも荒廃した地の生まれであり普通の森も見たことはないのですが、それはともかく、どの方向を向いても木々の広がる光景は私を圧倒しました。ついにこの地にたどり着けた歓喜に震えていると木陰から小柄な人々が顔を覗かせました。彼らは皆燃える赤毛をしており、木の葉を繋ぎ合わせた服を身に着けていました。何もかも伝承の通りだったのです......それからの彼らとの生活は本当に素晴らしい体験でした。彼らは全体的に友好的で控えめな性格をしていて、木を切り倒し家をつくり葉を縫い合わせ衣類とし、その実を食べ育ちます......彼らは森に生かされているのです。
数週間を彼らとともに過ごすうち、私は彼らに親愛の情を抱くようになりました。そしてそれはあちらにとっても同じだったらしく、彼らはある日私に王に忠誠を誓い自分たちの仲間にならないかと持ちかけてきたのです。住人達の熱心な誘いの言葉によると、彼らのうちの幾人かはそのようにして仲間に加わった元旅人だそうです。その誘いに非常に心惹かれたのは確かですが、私は研究のためこの地を訪れたのであり教会に戻り論文を書き上げる事こそ我が使命であることを思い出し丁寧に断りました。彼らは残念そうな顔をすると、それなら見せたいものがあると言い私を森の奥へと導きました。彼らの後について森の奥に立ち入るにつれ、木々は一本一本がより大きく堂々としたものになり、あたりは一種荘厳な雰囲気へと変わっていきました。住人たちによる勤勉かつていねいな管理により下生えは刈りこまれ木々も年老いてはいましたが未だに頭上はるか上で実をつけています。しばらく木々の間を進むと突然ぽっかりと木のない開けた空間にでました。私を案内してきた住人が円形の広場の中央に植わった大樹を指差します。怪訝に思いながらゆっくりと近づくと、その根元に小さな十字が建てられていることに気が付きました。もとは白かっただろうその木製の十字架は歳月のせいで風化しぼろぼろになっています。どれぐらい古いかはっきりとは分かりませんが、おそらくBreach直後の時代のものでしょうか?そしてその小さな塚を護るように寄り添って立つ大樹の幹には、"財団研究者にして、我らに糧と安息の地を与えし者 林檎の王ここに眠る"と刻まれていたのです。ああ、あの地が財団に関係するものであるという噂は本当だった!私は思わず拳を握りしめました。また、この墓は聖典に記述が少なく(あるいは記述された部分が失われただけかもしれませんが)、その存在の疑われていた聖キング実在の根拠ともなりましょう。そしてなにより林檎という言葉も私にとっては驚きでした......それまで気が付かなかったのはまったく恥ずかしい話ですが、この森の樹は全て我々の世界から消えたと思われていた林檎の樹だったのです。
その数日後、私は彼らに別れを告げ大量の林檎を持たされて森を後にしました。彼らの指差した方向に歩くにつれ木々がまばらになり、ふと気が付くと私は故郷の街のそばに立っていました。振り返るともう森はもうそこにはありませんでした。
こうして現在私は故郷にとどまりこの報告をまとめています。
本来であればあの土地を財団の所有するものとし監視すべきではありますが、それは難しいでしょう。あの森は移動しつづけているのか?それとも助けを求めるものが転送されているのか?住人達は人間だったのか?そもそもあの森は実在していたのか?いずれにせよあの森に立ち入る別の方法が見つかるまで、その位置を特定(あるいは固定)することは困難であると言わざるを得ません。また、幾度か同じ条件で行き倒れてみたのですがふたたび森に入ることはできませんでした。ある地方ではあの伝承には続きがあり、助けられ森を出て行った旅人はあの森に対する恋しさを募らせ再び荒野にさまよいだし行き倒れたが、こんどは森にたどり着くことなくそのまま死んでしまったという話が伝わっています。残念ですが一度エデンの園を立ち去ったものは二度と入ることができないというのもかの地の特異な性質の1つなのかもしれません。私はこれから数年をかけこの結果を含む集大成となる論文をまとめる予定です。教会に提出した果実は数日で腐ってしまったそうですが、一つだけ手元に置いておいた林檎は不思議なことに腐敗せずいまだみずみずしさを保ち、今も私の机の上で蝋燭の光を反射し赤く輝いています。論文を書き上げた暁にはお祝いにこの林檎を食べ、ここにその種を植える実験をするつもりです。大きく育った木がこの乾ききった土地にささやかな木陰を作ってくれるよう願って。
(別タイトル案:種をまく人)
・教会の博士taleを訳している最中に他の博士はどうなったのだろう?と考えた結果の産物
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter
特別収容プロトコル:
[SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明:
[SCPオブジェクトの性質に関する記述]
補遺:
[SCPオブジェクトに関する補足情報]
16/02/06 献身を修正 リストに追記
10/22 王の献身追加
15/10/06 訳したものリスト追加
〜そして数年がたった〜
5/20 DotCの前文訳を撤去 翻訳wikiのほうにいずれ載せる
6/28 覚え書追加 はたしてなんの役に立つのか