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アイテム番号:SCPxxxx-JP
オブジェクトクラス:Safe
特別収容プロトコル:SCPxxxx-JPはセキュリティ3以上の物品収容ロッカーに施錠し保管しています。
ロッカー内には通信機能を持つ録音設備を設置し内部の音を全て録音します。
何らかの音が記録された際には直ちに解析班に送信されます。
説明:SCPxxxx-JPは重さ500g×ばつ100mmの白い携帯ラジオに見えます。
SCPxxxx-JPには電源スイッチとダイアル式チューナーが存在します。
これらはSCPxxxx-JPの特性発現時にのみ自動的に切り替わる事が確認されています。
これらを人為的に操作しようとする試みは全て失敗しています。
SCPxxxx-JPは空間転移と推測されている現象に関わると予測される、何らかの情報を放送する事があります。
以下は現在確認されている情報の分類です。
1空間転移が行われた座標を示す各種信号(転移先座標の観測例はありません)
2空間転移に関わったと推測される人物の音声
3空間転移を行った存在についての断片情報
41〜3の組み合わせ
現状空間転移は全てオブジェクトの引き起こす現象の一部である為、放送内容を解析し新たなオブジェクトの
発見などに活用されています。
SCPxxxx-JPに対する所見:SCPxxxx-JPの担当になって以来、放送の分析と様々な実験を行った。
SCPxxxx-JPは探知した空間転移に干渉している疑いが強い、確定する事が出来ないのは空間転移の原因が
オブジェクトであり、オブジェクトの完璧に正確な挙動を把握する事が不可能だからである。
当初SCPxxxx-JPは危険性が無いと思われていた為、私は無害な転移を行うと考えられていたオブジェクトを用いた
実験を行った。SCPxxxx-JPに放送されるまで延々転移を行い観測するというものだ。
放送が行われた30例中15例でGPSが途絶え、内5例でその後何らかのトラブルが発生し以降音信不通になっている。
その他の例でも通常とは異なる何かしらの異常を観測した。
二つの可能性がある。異常が発生した転移の場合に放送されるのか、放送した転移に異常を引き起こすのか。
仮に異常を引き起こしていたとしたならば、転移を行うオブジェクトの犠牲者の内一体どれだけの人数が
SCPxxxx-JPの被害者なのか。
真実がどうあれ、判別が出来ない二者択一の場合には悪い方を軸に物事を考えるべきである。
この段階に到って私は放送を妨害するための実験に主軸を移した。
様々な材質の防壁での隔離や妨害電波、構成物質調査の為の微細破壊実験、全てが無駄に終った。
観測されているだけでも火星や金星の座標を放送した事があり、宇宙への投棄が有効かどうかも不明である。
以上の点からEuclidへの再分類を申請する。
財団はオブジェクト同士が影響を与え合う事を忌避する傾向があるが、今この時も我々の与り知らぬ所で
多種多様なオブジェクトが複雑に干渉しあっていると考えるべきなのだろう。
一部の博士が常軌を逸した実験に着手しようとするのも当然の帰結なのかも知れない。
西山博士