営業当時のSCP-XXX-JP-A店内
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 回収されたSCP-XXX-JP-1記憶媒体は市販用DVD-ROM 228枚、ダビングされたDVD-R 3枚、映像データを内蔵したハードディスク 2基がサイト-81██の低危険度物品収容ロッカーに保管されています。SCP-XXX-JP担当エージェントによる未収容記憶媒体の捜索は継続しています。ウェブ上でのSCP-XXX-JP-1への言及、映像のアップロード等は自動検索エンジンによって常時監視されます。発見された場合速やかに削除し、関係者を特定、確保して記憶処理を行ってください。
SCP-XXX-JP-1の直接的視聴を伴う実験は現在凍結されています。調査のために視聴する際はカメラによる再生画面の撮影を通し、別室で視聴を行ってください。SCP-XXX-JP-2が直接視認されるインシデントが発生した場合、曝露者の迅速なクラスC記憶処理または終了措置によって異常現象の発生を阻止してください。
SCP-XXX-JP-Aは内部に設置したカメラで常時監視されています。職員は毎月██日に直接の巡回を行い、建物の内外に異常が無いことを確認してください。
説明: SCP-XXX-JPは2004年に撮影、制作されたオリジナルビデオ映画"██████ ███"の本編映像(SCP-XXX-JP-1)に登場する架空の料理店、"Gatto Selvatico"(SCP-XXX-JP-2)に関連する異常現象です。
SCP-XXX-JP-1を視聴し、劇中の舞台背景としてSCP-XXX-JP-2が登場する場面を視認した人間(以下『曝露者』)はこの料理店に関する何らかの設定情報を無意識的に考え出します。曝露者は自身が考えた設定情報を他者に教えようとする欲求を覚え、発話、筆記、ウェブへの情報発信といったあらゆる手段を用いて伝達を試みます。この試みは一般的な拘束手段で阻止可能であり、また曝露後およそ8時間が経過すると曝露者は沈静化し欲求は最終的に消滅しますが、沈静化が始まる前に設定情報を他人に伝達することが出来たと自身の主観で認識した場合、曝露者は瞬時に消失します。同時に曝露者によって創造された設定情報は新たな人物や料理、[データ削除]の登場、登場人物の会話による説明、店内内装の変化、設定を暗示する描写の追加などの形で映像に反映されます。反映による映像の変化は収容された複数の記憶媒体中のSCP-XXX-JP-1で同時に観測されることから、存在する全ての記憶媒体に同時に伝播すると考えられます。
制作が行われた当時の記録から、SCP-XXX-JP-1の当初の再生時間は約73分であり、SCP-XXX-JP-2が舞台背景として登場する時間は最長でも30秒未満であったと考えられています。SCP-XXX-JPの特性による新たな映像の生成により、201█/██/█現在、SCP-XXX-JP-2を舞台とする場面は合計14時間を超える長大な映像となっています。再生時間とビットレートから概算されるSCP-XXX-JP-1のデータサイズは一般的なDVDのデータ容量と矛盾しますが、VHSを含めたより低容量の映像記憶媒体への複製は問題なく行われ、映像全編の再生が可能となります。
SCP-XXX-JP-1を再生するモニター画面を二次的に記録した映像、写真およびスケッチは異常性を有しませんが、オリジナルのSCP-XXX-JP-1を直接複製した映像は同様の異常性を保持しています。音声を再生しない場合でも、SCP-XXX-JP-2を視認し「料理店が映っている」と認識した視聴者は異常特性に曝露するようです。
映像中のSCP-XXX-JP-2の店内には曝露者の知人、著名人、歴史上の人物、[データ削除]などオリジナルの出演者ではない███人の人物が登場しますが、実在する存命中の人間が映像に登場しても本人に対しての影響は無いようです。消失した曝露者自身が映像に登場する、または登場した人物によって言及される例は未だ確認されていません。SCP-XXX-JP-2店内シーンの終了直前において、オリジナルの登場人物によりジョークとして「この店の壁には死体が塗り込められている」旨の会話が行われます。この際言及される死体の数はSCP-XXX-JPの異常特性により消失した曝露者の人数と対応していると考えられています。
SCP-XXX-JPは「どうでもいいレストランのシーンが長すぎる映画」の噂を調査したエージェントにより201█/██/█に発見されました。カバーストーリー「映像中の不適切な表現」の適用によって収録されている市販用DVD-ROMは回収され、インターネット上の映画配信サービスから削除されました。SCP-XXX-JP-1の制作を行った映像制作会社"[編集済]"は2009年に解散しており、事件記録との照会から監督、脚本家、キャスト、制作会社社員を含む11名の関係者が行方不明となっていることが判明しました。前述の映像中の会話内容から、現在までにSCP-XXX-JPにより消失した人間は最大███名に上ると見られます。
補遺: ██県███市に立地し現在も営業中の喫茶店"[編集済]"内装が映像中のSCP-XXX-JP-2に酷似していたことから調査が行われ、店内にて無許可で撮影が行われたことが判明しました。現地調査および店内で行われた実験の結果、SCP-XXX-JP-2のモデルとなったこの喫茶店自体は異常性を有さないことが確認されています。事件記録2014年11月18日を参照してください。
事件記録2014年11月18日: 喫茶店"[編集済]"店内の内壁の一部が突発的に崩落し、内部から成人男性3名、成人女性1名の遺体が発見されました。身元調査の結果、いずれも2009年に行方不明となった映画"██████ ███"の撮影スタッフおよびキャストであることが判明しました。事件現場の状況は店舗の完成当時から壁内に遺体が押し込められていた事を示していますが、建築工事の時期と行方不明者の失踪時期は明確に矛盾しています。事件に伴い実施されたSCP-XXX-JP-1の内容確認作業において、上述のオリジナルの登場人物が話す「壁に塗り込められている死体の数」が4人分減少していることが確認されました。喫茶店は経営者の判断で閉店し、土地と店舗は財団フロント企業によって購入されました。店舗はSCP-XXX-JP-Aに指定され、新たな遺体の出現に備えて監視が継続されています。201█/██/█現在、同様の事例の再発は報告されていません。
営業当時のSCP-XXX-JP-A店内
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 回収されたSCP-XXX-JP-1記憶媒体は市販用DVD-ROM 228枚、ダビングされたDVD-R 3枚、映像データを内蔵したハードディスク 2基がサイト-81██の低危険度物品収容ロッカーに保管されています。SCP-XXX-JP担当エージェントによる未収容記憶媒体の捜索は継続しています。ウェブ上でのSCP-XXX-JP-1への言及、映像のアップロード等は自動検索エンジンによって常時監視されます。発見された場合速やかに削除し、関係者を特定、確保して記憶処理を行ってください。
SCP-XXX-JP-1の直接的視聴を伴う実験は現在凍結されています。調査のために視聴する際はカメラによる再生画面の撮影を通し、別室で視聴を行ってください。SCP-XXX-JP-2が直接視認されるインシデントが発生した場合、曝露者の迅速なクラスC記憶処理または終了措置によって異常現象の発生を阻止してください。
SCP-XXX-JP-Aは内部に設置したカメラで常時監視されています。職員は毎月██日に直接の巡回を行い、建物の内外に異常が無いことを確認してください。
説明: SCP-XXX-JPは2004年に撮影、制作されたオリジナルビデオ映画"██████ ███"の本編映像(SCP-XXX-JP-1)に登場する架空の料理店、"Gatto Selvatico"(SCP-XXX-JP-2)に関連する異常現象です。
SCP-XXX-JP-1を視聴し、劇中の舞台背景としてSCP-XXX-JP-2が登場する場面を視認した人間(以下『曝露者』)はこの料理店に関する何らかの設定情報を無意識的に考え出します。曝露者は自身が考えた設定情報を他者に教えようとする欲求を覚え、発話、筆記、ウェブへの情報発信といったあらゆる手段を用いて伝達を試みます。この試みは一般的な拘束手段で阻止可能であり、また曝露後およそ8時間が経過すると曝露者は沈静化し欲求は最終的に消滅しますが、沈静化が始まる前に設定情報を他人に伝達することが出来たと自身の主観で認識した場合、曝露者は瞬時に消失します。同時に曝露者によって創造された設定情報は新たな人物や料理、[データ削除]の登場、登場人物の会話による説明、店内内装の変化、設定を暗示する描写の追加などの形で映像に反映されます。反映による映像の変化は収容された複数の記憶媒体中のSCP-XXX-JP-1で同時に観測されることから、存在する全ての記憶媒体に同時に伝播すると考えられます。
制作が行われた当時の記録から、SCP-XXX-JP-1の当初の再生時間は約73分であり、SCP-XXX-JP-2が舞台背景として登場する時間は最長でも30秒未満であったと考えられています。SCP-XXX-JPの特性による新たな映像の生成により、201█/██/█現在、SCP-XXX-JP-2を舞台とする場面は合計140時間を超える長大な映像となっています。再生時間とビットレートからSCP-XXX-JP-1のデータサイズは少なくとも[編集済]テラバイト以上と概算されており一般的なDVDのデータ容量と矛盾しますが、VHSを含めたより低容量の映像記憶媒体への複製は問題なく行われ、映像全編の再生が可能となります。
SCP-XXX-JP-1を再生するモニター画面を二次的に記録した映像、写真およびスケッチは異常性を有しませんが、オリジナルのSCP-XXX-JP-1を直接複製した映像は同様の異常性を保持しています。音声を再生しない場合でも、SCP-XXX-JP-2を視認し「料理店が映っている」と認識した視聴者は異常特性に曝露するようです。
映像中のSCP-XXX-JP-2の店内には曝露者の知人、著名人、歴史上の人物、[データ削除]などオリジナルの出演者ではない███人の人物が登場しますが、実在する存命中の人間が映像に登場しても本人に対しての影響は無いようです。消失した曝露者自身が映像に登場する、または登場した人物によって言及される例は未だ確認されていません。SCP-XXX-JP-2店内シーンの終了直前において、オリジナルの登場人物によりジョークとして「この店の壁には死体が塗り込められている」旨の会話が行われます。この際言及される死体の数はSCP-XXX-JPの異常特性により消失した曝露者の人数と対応していると考えられています。
SCP-XXX-JPは「どうでもいいレストランのシーンが長すぎる映画」の噂を調査したエージェントにより201█/██/█に発見されました。カバーストーリー「映像中の不適切な表現」の適用によって収録されている市販用DVD-ROMは回収され、インターネット上の映画配信サービスから削除されました。SCP-XXX-JP-1の制作を行った映像制作会社"[編集済]"は2005年に解散しており、事件記録との照会から監督、脚本家、キャスト、制作会社社員を含む11名の関係者が行方不明となっていることが判明しました。前述の映像中の会話内容から、現在までにSCP-XXX-JPにより消失した人間は最大███名に上ると見られます。
補遺: ██県███市に立地し現在も営業中の喫茶店"[編集済]"内装が映像中のSCP-XXX-JP-2に酷似していたことから調査が行われ、店内にて無許可で撮影が行われたことが判明しました。現地調査および店内で行われた実験の結果、SCP-XXX-JP-2のモデルとなったこの喫茶店自体は異常性を有さないことが確認されています。事件記録2014年11月18日を参照してください。
事件記録2014年11月18日: 喫茶店"[編集済]"店内の内壁の一部が突発的に崩落し、内部から成人男性3名、成人女性1名の遺体が発見されました。身元調査の結果、いずれも2005年に行方不明となった映画"██████ ███"の撮影スタッフおよびキャストであることが判明しました。事件現場の状況は店舗の完成当時から壁内に遺体が押し込められていた事を示していますが、建築工事の時期と行方不明者の失踪時期は明確に矛盾しています。事件に伴い実施されたSCP-XXX-JP-1の内容確認作業において、上述のオリジナルの登場人物が話す「壁に塗り込められている死体の数」が4人分減少していることが確認されました。喫茶店は経営者の判断で閉店し、土地と店舗は財団フロント企業によって購入されました。店舗はSCP-XXX-JP-Aに指定され、新たな遺体の出現に備えて監視が継続されています。201█/██/█現在、同様の事例の再発は報告されていません。
営業当時のSCP-XXX-JP-A店内
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 回収されたSCP-XXX-JP-1記憶媒体は市販用DVD-ROM 228枚、ダビングされたDVD-R 3枚、映像データを内蔵したハードディスク 2基がサイト-81██の低危険度物品収容ロッカーに保管されています。SCP-XXX-JP担当エージェントによる未収容記憶媒体の捜索は継続しています。ウェブ上でのSCP-XXX-JP-1への言及、映像のアップロード等は自動検索エンジンによって常時監視されます。発見された場合速やかに削除し、関係者を特定、確保して記憶処理を行ってください。
SCP-XXX-JP-1の直接的視聴を伴う実験は現在凍結されています。調査のために視聴する際はカメラによる再生画面の撮影を通し、別室で視聴を行ってください。SCP-XXX-JP-2が直接視認されるインシデントが発生した場合、曝露者の迅速なクラスC記憶処理または終了措置によって異常現象の発生を阻止してください。
SCP-XXX-JP-Aは内部に設置したカメラで常時監視されています。職員は毎月██日に直接の巡回を行い、建物の内外に異常が無いことを確認してください。
説明: SCP-XXX-JPは2004年に撮影、制作されたオリジナルビデオ映画"██████ ███"の本編映像(SCP-XXX-JP-1)に登場する架空の料理店、"Gatto Selvatico"(SCP-XXX-JP-2)に関連する異常現象です。
SCP-XXX-JP-1を視聴し、劇中の舞台背景としてSCP-XXX-JP-2が登場する場面を視認した人間(以下『曝露者』)はこの料理店に関する何らかの設定情報を無意識的に考え出します。曝露者は自身が考えた設定情報を他者に教えようとする欲求を覚え、発話、筆記、ウェブへの情報発信といったあらゆる手段を用いて伝達を試みます。この試みは一般的な拘束手段で阻止可能であり、また曝露後およそ8時間が経過すると曝露者は沈静化し欲求は最終的に消滅しますが、沈静化が始まる前に設定情報を他人に伝達することが出来たと自身の主観で認識した場合、曝露者は瞬時に消失します。同時に曝露者によって創造された設定情報は新たな人物や料理、[データ削除]の登場、登場人物の会話による説明、店内内装の変化、設定を暗示する描写の追加などの形で映像に反映されます。反映による映像の変化は収容された複数の記憶媒体中のSCP-XXX-JP-1で同時に観測されることから、存在する全ての記憶媒体に同時に伝播すると考えられます。
制作が行われた当時の記録から、SCP-XXX-JP-1の当初の再生時間は約73分であり、SCP-XXX-JP-2が舞台背景として登場する時間は最長でも30秒未満であったと考えられています。SCP-XXX-JPの特性による新たな映像の生成により、201█/██/█現在、SCP-XXX-JP-2を舞台とする場面は合計140時間を超える長大な映像となっています。再生時間とビットレートからSCP-XXX-JP-1のデータサイズは少なくとも[編集済]テラバイト以上と概算されており一般的なDVDのデータ容量と矛盾しますが、VHSを含めたより低容量の映像記憶媒体への複製は問題なく行われ、映像全編の再生が可能となります。
SCP-XXX-JP-1を再生するモニター画面を二次的に記録した映像、写真およびスケッチは異常性を有しませんが、オリジナルのSCP-XXX-JP-1を直接複製した映像は同様の異常性を保持しています。音声を再生しない場合でも、SCP-XXX-JP-2を視認し「料理店が映っている」と認識した視聴者は異常特性に曝露するようです。
映像中のSCP-XXX-JP-2の店内には曝露者の知人、著名人、歴史上の人物、[データ削除]などオリジナルの出演者ではない███人の人物が登場しますが、実在する存命中の人間が映像に登場しても本人に対しての影響は無いようです。消失した曝露者自身が映像に登場する、または登場した人物によって言及される例は未だ確認されていません。SCP-XXX-JP-2店内シーンの終了直前において、オリジナルの登場人物によりジョークとして「この店の壁には死体が塗り込められている」旨の会話が行われます。この際言及される死体の数はSCP-XXX-JPの異常特性により消失した曝露者の人数と対応していると考えられています。
SCP-XXX-JPは「どうでもいいレストランのシーンが長すぎる映画」の噂を調査したエージェントにより201█/██/█に発見されました。カバーストーリー「映像中の不適切な表現」の適用によって収録されている市販用DVD-ROMは回収され、インターネット上の映画配信サービスから削除されました。SCP-XXX-JP-1の制作を行った映像制作会社"[編集済]"は2005年に解散しており、事件記録との照会から監督、脚本家、キャスト、制作会社社員を含む11名の関係者が行方不明となっていることが判明しました。前述の映像中の会話内容から、現在までにSCP-XXX-JPにより消失した人間は最大███名に上ると見られます。
補遺: ██県███市に立地し現在も営業中の喫茶店"[編集済]"内装が映像中のSCP-XXX-JP-2に酷似していたことから調査が行われ、店内にて無許可で撮影が行われたことが判明しました。現地調査および店内で行われた実験の結果、SCP-XXX-JP-2のモデルとなったこの喫茶店自体は異常性を有さないことが確認されています。事件記録2014年11月18日を参照してください。
事件記録2014年11月18日: 喫茶店"[編集済]"店内の内壁の一部が突発的に崩落し、内部から成人男性3名、成人女性1名の遺体が発見されました。身元調査の結果、いずれも2005年に行方不明となった映画"██████ ███"の撮影スタッフおよびキャストであることが判明しました。事件現場の状況は店舗の完成当時から壁内に遺体が押し込められていた事を示していますが、建築工事の時期と行方不明者の失踪時期は明確に矛盾しています。事件に伴い実施されたSCP-XXX-JP-1の内容確認作業において、上述のオリジナルの登場人物が話す「壁に塗り込められている死体の数」が4人分減少していることが確認されました。喫茶店は経営者の判断で閉店し、土地と店舗は財団フロント企業によって購入されました。店舗はSCP-XXX-JP-Aに指定され、新たな遺体の出現に備えて監視が継続されています。201█/██/█現在、同様の事例の再発は報告されていません。
営業当時の喫茶店[編集済]店内
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP担当エージェントによる未収容SCP-XXX-JP-1記憶媒体の捜索は継続されています。回収された記憶媒体は市販用DVD-ROM11枚、ダビングされたDVD-R3枚、映像データを内蔵したハードディスク2基がサイト-81██の低危険度物品収容ロッカーに保管されています。余剰分は破壊または焼却による無力化の後廃棄してください。インターネット上でのSCP-XXX-JP-1への言及、映像のアップロード等は自動検索エンジンによって常時監視されます。発見された場合速やかに削除し、関係者を特定、確保して記憶処理を行ってください。SCP-XXX-JP-1の直接的視聴を行う実験は現在凍結されています。調査のため映像を視聴する際はカメラによる再生画面の撮影を通し、別室で視聴を行ってください。SCP-XXX-JP-1中のSCP-XXX-JP-2が直接視認されるインシデントが発生した場合、曝露者の迅速なクラスC記憶処理または終了措置によって異常現象の発生を阻止してください。
説明: SCP-XXX-JPは2004年に撮影、制作されたオリジナルビデオ映画"████"(SCP-XXX-JP-1)に登場する架空の料理店、"██ ██████"(SCP-XXX-JP-2)に関連する異常現象です。SCP-XXX-JP-1中のSCP-XXX-JP-2の存在を視認した人間(以下『曝露者』)はこの料理店に関する何らかの設定情報を考え出し、他人に伝えたいと感じる欲求を覚え、発話、筆記、インターネットへの情報発信などの手段でその設定情報を他人に伝達しようと振る舞います。曝露後およそ8時間が経過すると欲求は徐々に弱くなっていきますが、沈静化が始まる前に他人に伝達することが出来たと自身の主観で認識した場合、曝露者は瞬間的に消失します。同時に曝露者によって創造された設定情報は新たな人物や料理、[データ削除済]の登場、登場人物の会話による説明、店内内装の変化、設定を暗示する描写の追加などの形で映像に反映されます。この変化は収容された複数の記憶媒体中の映像で同時に観測されることから、消失現象に伴うSCP-XXX-JP-1の変化は全オブジェクトに同時に伝播すると考えられます。SCP-XXX-JP-1を再生するモニター画面を二次的に記録した映像、写真およびスケッチは異常性を有しませんが、オリジナルのSCP-XXX-JP-1を直接的に複製した映像は同様の異常性を発揮します。音声を再生しない場合でも、映像を視認し「料理店が映っている」事を認識した視聴者は異常特性に曝露するようです。
制作が行われた当時の記録から、SCP-XXX-JP-1の当初の再生時間は約73分間であり、SCP-XXX-JP-2が舞台背景として登場する時間は最長でも30秒未満であったと考えられています。SCP-XXX-JPの特性による新たな映像の生成により、201█/██/█現在、SCP-XXX-JP-2を舞台としたシーンは合計140時間を超える長大な映像となっています。その時間とビットレートからSCP-XXX-JP-1映像のデータサイズは少なくとも[編集済]テラバイト以上と概算されており一般的なDVDのデータ容量と矛盾しますが、VHSを含めたより低容量の映像記憶媒体への複製は問題なく行われ、映像全編の再生が可能となります。映像中のSCP-XXX-JP-2の店内には曝露者の知人、著名人、歴史上の人物、[データ削除]などオリジナルの出演者ではない███人の人物が登場しますが、実在する存命中の人間が映像に登場しても本人に対しての影響は無いようです。消失した曝露者自身が映像に登場する、または登場した人物によって言及される例は未だ確認されていません。SCP-XXX-JP-2店内シーンの終了直前において、オリジナルの登場人物によりジョークとして「この店の壁には死体が塗り込められている」旨の会話が行われます。この際言及される死体の数はSCP-XXX-JPの異常特性により消失した曝露者の人数と対応していると考えられています。
SCP-XXX-JPは「どうでもいいレストランのシーンが長すぎる映画」の噂を調査したエージェントにより201█/██/█に発見されました。カバーストーリー「映像中の不適切な表現」の適用によって収録されている市販用DVD-ROMは回収され、インターネット上の映画配信サービスから削除されました。SCP-XXX-JP-1の制作を行った映像制作会社[編集済]は2005年に解散しており、事件記録との照会から監督、脚本家、キャスト、制作会社社員を含む11名の関係者が行方不明となっていることが判明しました。前述の映像中の会話内容から、現在までにSCP-XXX-JPにより消失した人間は最大███名に上ると見られます。
補遺: ██県███市に立地し現在も営業中の喫茶店[編集済]内装が映像中のSCP-XXX-JP-2に酷似しており、聞き込み調査によりこの店舗で撮影が無許可で行われたことが判明しました。現地調査および[編集済]店内で行われた実験の結果、SCP-XXX-JP-2のモデルとなったこの喫茶店自体は異常性を有さないことが確認されています。事件記録2014年11月18日を参照してください。
事件記録2014年11月18日: 喫茶店[編集済]店内の内壁が突発的に崩落し、内部から成人男性3名、成人女性1名の死体が発見されました。身元調査の結果、いずれも2005年に行方不明となった映画"████"の撮影スタッフおよびキャストであることが判明しました。事件現場の状況は店舗の完成当時から壁内に死体が押し込められていた事を示していますが、建築工事の時期と行方不明者の失踪時期は明確に矛盾しています。事件に伴い実施されたSCP-XXX-JP-1調査の結果、上述のオリジナルの登場人物が話す「壁に塗り込められている死体の数」が4人分減少していることが確認されました。喫茶店[編集済]は経営者の判断で閉店され、財団フロント企業によって土地と店舗の購入が行われました。新たな死体の出現に備えてカメラと定期巡回による監視が継続されています。201█/██/█現在、同様の事例の再発は報告されていません。
詰め込みすぎでパンクしたんじゃないか? ──██博士
- 明らかに何の変哲もない物品を「歴史上の人物ゆかりの品だ」と思い込ませるSCP
→20世紀製のバターナイフを切り裂きジャックが使った凶器だと思わせる
- 桜の木の下には死体が埋まっている
→桜の木の下を掘り返すと土中に[死体ではない意外なモノ]が生成され、[死体ではない意外なモノ]が埋まっている土を掘り返すと至近に立派な桜の木が数秒間で生成されるスコップ
- 一人一役
→似た2人の人間を実際には別人であるにも関わらず「実は同一人物だった」と改変するSCP
→どちらか1人の実在を示す記録や物品が次々と消えていき、同時に2人が同一人物であるという証拠が出現していく
→人々の記憶もどんどん改竄されていく
→最終的に1人が消え、もう1人も「2人を演じていた」と思い込む、誰も消えた1人が過去に存在していたと信じない
例1:一卵性双生児の甲と乙、性別は違い甲が男で乙が女
→甲と乙が同時に写った写真/映った映像が全て1人だけのものに改変される
→2人と同時に会ったという知人/家族の記憶も「自信が無い」「あやふやな」記憶になっていく
→「誰も2人を同時に見たことが無い」
→乙の実在を証明する記録が消失していく
→乙の知人の乙に関する記憶も「自信が無い」「あやふやな」記憶になっていく
→家族も乙という人間が実在していたという自信を失っていく
→「乙という女性の存在は疑わしい」
→消えずに残った乙の記録の中に「乙が女性ではない」ことを示唆する部分が出現
→甲が女性人格を持つ解離性同一性障害であったという記録が出現、甲自身もそれを信じて認めるようになる
→乙自身も自分という人間の実在を信じきれなくなり、その瞬間、乙の肉体は消滅する
→「実は乙は解離性同一性障害者だった甲の別人格であり、女装することで周囲に別人として姿を見せていた」ということになる
例2:2人の男性AとB、出身地や経歴は大きく異なる、年齢や背格好や性格が近い、顔は言われてみればどことなく似ている程度
→200X/X/XX(当時A30歳/B32歳)を境にそれ以前のBの記録、それ以降のAの記録が消失していく
→人々の中の2人に関する記憶も「自信が無い」「あやふやな」記憶になっていく
→B誕生~200X/X/XXまでの人々のBに関する記憶は高度な洗脳により植え付けられた偽りの記憶だった、ということを示す物的証拠が出現
→美容成形手術の物的証拠が出現
→「実はBとは犯罪を犯し成形手術で顔を変えたA自身であり、Bなる人物は最初から実在しない」ということになる
例3:15世紀ヨーロッパの貴族伊と農民出身の影武者呂、顔はよく似ており影武者呂は伊になりきるよう訓練を施されていた
→伊の記録が「14XX年以降人が変わったようになった」と改変される
→「実は14XX年に本物の伊は死んでおり、以降数十年間は呂が伊になり替わっていた」ということになる
- 石油王
→1「石油の国」の王を自称する知性を持った原油
→2石油(多種多様)を身体から生成できる能力持ちの成人男性
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid【メモ:-1はSafeどころかせいぜいAnomalousオブジェクト程度ですが-2はEuclid以上だと思うので暫定Euclidに】
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-2はその性質上物理的収容が不可能です。インターネット上でのSCP-XXX-JP-2への言及、SCP-XXX-JP-2を描いたファンアートのアップロード等は自動検索エンジンによって常時監視されます。発見された場合速やかに削除し、関係者を特定、確保してクラスA記憶処理を行ってください。SCP-XXX-JP担当職員はSCP-XXX-JP異常特性の対象になり得る一連の行動が禁止されています。不注意から禁止行動に抵触した職員は降格かつ異動処分とします。故意に禁止行動を行う人間はいかなる人物であれ異常特性の発現以前に速やかに終了してください。SCP-XXX-JP-1-ゲームのプレイングに立ち会うなどしてSCP-XXX-JP-2について一定以上の知識を持った職員が担当を外れる際、SCP-XXX-JP-2に関連する詳細な記憶を消去する記憶処置を受けてください。回収したSCP-XXX-JP-1は定期的監視作業と実験のために██枚のSCP-XXX-JP-1-ディスク、█冊のSCP-XXX-JP-1-説明書、█箱のSCP-XXX-JP-1-パッケージのみがサイト-81██の低危険度物品収容ロッカーに保管されます。保管対象外のSCP-XXX-JP-1は破壊または焼却により無力化し処分してください。72時間に一度SCP-XXX-JP-1-説明書およびSCP-XXX-JP-1-パッケージの撮影による画像解析を行い、SCP-XXX-JP-2言及部分の記述に変化が生じていないか監視してください。この監視により変化が発見された場合を除き、SCP-XXX-JP-1-ゲームの起動とプレイングの実験は凍結されています。SCP-XXX-JP担当エージェントが中古ゲームソフト販売店、インターネットオークションを中心に未収容SCP-XXX-JP-1の捜索を継続しています。
説明: SCP-XXX-JPは200█年にゲームソフトメーカー[編集済]より発売されたプレイステーション2専用ゲームソフト"████ ██████"(SCP-XXX-JP-1)に登場する架空の女性キャラクター、"███ ██"(SCP-XXX-JP-2)およびSCP-XXX-JP-2に関連する異常現象の総称です。SCP-XXX-JP-1はゲームジャンル"青春ビジュアルノベル"と登録された15歳以上対象の一般的な恋愛アドベンチャーゲームです。PS2用ゲームソフトを収める標準的材質と構造のパッケージ(SCP-XXX-JP-1-パッケージ)、ソフトウェア(SCP-XXX-JP-1-ゲーム)を収録したPS2用CD-ROM(SCP-XXX-JP-1-ディスク)、基本的なゲーム内容と登場キャラクターの説明が収められた小冊子(SCP-XXX-JP-1-説明書)から構成されています。
SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP-1-ゲーム中の主要キャラクターの一人として登場し、シナリオ中の選択肢の適切な選択により「個別ルート」および「個別エンディング」に進行するようです。SCP-XXX-JP-1発売当時の複数の広告および雑誌記事では、他の主要女性キャラクターに担当声優が配役されていたのに対しSCP-XXX-JP-2のみボイスが存在しないかのように記述されていますが、SCP-XXX-JP-1-ゲーム中においてSCP-XXX-JP-2の台詞全てにボイスが確認されています。その声紋解析からSCP-XXX-JP-2のキャラクター・ボイスは単独の女性の声ではなく、200█/██/█に警察に捜索願が出された女優・声優の3名の女性を含む██人の女性が同じ台詞を完全に同一のタイミング、アクセント、抑揚で発声することで、あたかも一人の女性の声であるかのように聞こえている音声だと考察されています。
SCP-XXX-JPの異常特性はSCP-XXX-JP-2の声を「演じる」、すなわちSCP-XXX-JP-2の言葉であると認識したうえでSCP-XXX-JP-1-ゲーム中の台詞を発声する、SCP-XXX-JP-2がSCP-XXX-JP-1-ゲーム中で発言していない台詞を独自に想像して発声する、等の行為に及んだ際に発揮されます。SCP-XXX-JP-2を演じる行為を即刻中止せずに継続すると、最短で18秒、最長で1分27秒後に対象の人間はその場から瞬間的に消失します。GPS機器による消失後の追跡の試みは失敗に終わりました。発声を継続した人間の隔離や[編集済]による消失現象の阻止は不可能であり、消失前の終了のみが消失現象を阻止する手段となっています。
消失と同時にその人間のパーソナリティ、経歴、経験、専門的知識および技能、身体的特徴などの「個性」と考えられる情報は1個から最大██個までSCP-XXX-JP-2に反映されます。反映はSCP-XXX-JP-1-ゲームの内容の多岐にわたる追加と改変、SCP-XXX-JP-1-説明書およびSCP-XXX-JP-1-パッケージ上のSCP-XXX-JP-2に関連した文章の追加の形で現れます。この変化は収容中の全SCP-XXX-JP-1群で同時に観測されることから、消失現象に伴うSCP-XXX-JP-1の変化は全SCP-XXX-JP-1に同時に伝播すると考えられます。
SCP-XXX-JP-1群は前述の異常現象により特異な性質を有しています。専用機器を用いたSCP-XXX-JP-1-ディスク内部データの解析と閲覧は未知のエラーにより阻害され不可能です。SCP-XXX-JP-1-ゲームのシナリオは非常に長大であり、シナリオの状況に合わせ個々に用意されたグラフィックは差分を含めると█████枚以上が確認されています。SCP-XXX-JP-1-ゲームのスクリプト、シナリオ、グラフィック等の合計データ量はプレイング実験から少なくとも[編集済]テラバイト以上と概算されており、一般的CD-ROMのデータ容量の限界と矛盾します。一般的なプレイング速度での実験が行われ、ゲーム開始から「バッドエンディング」およびSCP-XXX-JP-2以外の登場キャラクターの「個別エンディング」に到達するまでの所要時間は平均で176時間42分となりました。これら他キャラクターが主役級であるシナリオにおいても、台詞の数および登場回数と物語中における重要な役割を果たす頻度は明らかにSCP-XXX-JP-2が最多でした。SCP-XXX-JP-2の「個別エンディング」およびSCP-XXX-JP-1-ゲームの「トゥルーエンディング」を確認する実験はSCP-XXX-JP-1-ゲーム搭載の高速スキップ機能の多用にも関わらずいずれもプレイングが█████時間を超え、途中放棄されました。
SCP-XXX-JP-1-説明書は消失現象に伴いSCP-XXX-JP-2のキャラクター紹介文が文章的矛盾を無視して追加され、現行のページ数では文章が収まらなくなった場合、瞬間的に新しいページが生成されます。現在SCP-XXX-JP-1-説明書は███ページに及ぶSCP-XXX-JP-2のキャラクター紹介とそれ以外の16ページの合計███ページから成り、その厚さからSCP-XXX-JP-1-パッケージに収めることが困難となっています。SCP-XXX-JP-1-パッケージの裏面には主要キャラクターの簡単な紹介文が各キャラクターにつき1-2行ほど書かれていますが、SCP-XXX-JP-2のキャラクター紹介文はSCP-XXX-JP-1-説明書同様に消失現象と同時に増加します。SCP-XXX-JP-2のキャラクター紹介文はパッケージ裏の紙面の空きスペースを縫うように記述されており、一部はパッケージの表面まで達しています。SCP-XXX-JP-1群に物理強度的異常性は無く、一般的な破壊、焼却措置による無力化が確認されています。
SCP-XXX-JPは「担当した声優が次々と失踪した呪われた恋愛ゲームヒロイン」の噂を調査したエージェントにより2008/██/█に発見されました。開発した[編集済]はSCP-XXX-JP-1発売の数週間後に解散しており、事件記録との照会からSCP-XXX-JP-1開発に直接携わった元社員のおよそ20%が行方不明となっていることが判明しました。製造されたSCP-XXX-JP-1-ディスクは財団により約XXX%が回収されましたが、現在までにSCP-XXX-JPにより消失した被害者は最低でも███人に上ると考えられています。
当時SCP-XXX-JP-1-ゲームのボイス収録を監修した██ █氏に対しインタビューが行われました。
インタビューログ-XXX-JP-1抜粋
対象: ██ █氏 38歳 男性インタビュアー: エージェント棚架
付記: ██氏は過去にクラスA記憶処理によりSCP-XXX-JP-2のキャラクターに関連した詳細な記憶のみを除去されています。エージェント棚架は財団フロント企業が出版するオカルト月刊誌の取材としてインタビューを行いました。
エージェント棚架: ......それで、今回の特集の目玉として先生には是非『呪われた恋愛ゲーム』こと████ ██████(以下[SCP-XXX-JP-1])に関する都市伝説の真偽をお聞きしたいのですが。
██氏: ああ、その話なんだけどね。少し長くなりますが簡単に言ってしまうと、失踪した人間が出てそれで会社が解散しちゃった、というのは事実なんです。
エージェント棚架: ヒロインの██(以下[SCP-XXX-JP-2])の担当声優が行方不明になって、それでもボイス無しということで発売を強行したと。
██氏: 僕はあそこのメーカーの人間じゃなかったけど、当時の社長さんと個人的に付き合いがあったんですよ。それで聞いた話だと資金繰りが相当苦しかったらしくて、今更声優が一人消えたからって発売中止になんて出来なかったみたいでね。
エージェント棚架: その行方不明になった声優さんの名前を伺ってもよろしいですか。
██氏: 劇団中心でマンガ系の仕事なんて全然出ない子だったから当時の声優オタクでも知らないと思いますけどね、██ █(以下[A])って子だったんです。演劇の方でも脇役ばっかりだったからこんな大役は初めてだって、最初ははしゃいでたよ。
エージェント棚架: その[A]さんが消えたと。
██氏: そう、全部のボイス収録終わった後、後は広告打って発売するだけになってから連絡が取れなくなっちゃったみたいで。行方不明の子のボイス付けたまま出すのもきまりが悪いからって声無しの扱いで出したけど、スリープにしただけでソフトのデータには[A]の声が残ったままだったみたい。
エージェント棚架: ネットで広まってる都市伝説では[A]さんではなくて██ ██や█ ███(以下[B])が当時活動を休止したのが[SCP-XXX-JP-1]の呪いのせい、という事になっていますが。
██氏: [A]は無名だったからね。██ ██はそもそもあのゲームのオーディションにも出てないし、彼女が活動休止で消えたってのは仲良かった音監との間にデキちゃって[沈黙]今のはオフレコでね。
エージェント棚架: ええ、もちろん記事には書きませんよ。[B]さんの方は。
██氏: [長い沈黙][B]が[SCP-XXX-JP-2]役の収録中に消えたのは事実です。それにその前に、当時デビューしたてだった新人の███(以下[C])って子も消えてるんですよ。信じてもらえないかもしれないけど、[B]はみんなが見てる前で消えた。本当に嘘みたいな話だけど、大丈夫。
エージェント棚架: 信じてそのまま書きますよ。そういう雑誌ですから。それで、その消えたという時の話について、詳しく聞かせていただけないでしょうか。
██氏: ええ。[SCP-XXX-JP-1]の初週売上は悪くなかったし自転車操業も一息付いたから、プレイヤーさんへのお詫びも込めて[SCP-XXX-JP-2]にも改めて声を付けたアペンドディスクを出そうって話をメーカーさんから聞いたんです。
エージェント棚架: お詫びですか。
██氏: [A]ちゃんが消えたから急遽[SCP-JP-XXX-JP-2]だけボイス無しで出したけど、ネット掲示板やレビューブログなんかでは[SCP-XXX-JP-2]だけ声無しなのはおかしいだろと、今で言うプチ炎上みたいなことになっちゃって。それのお詫びですね。
エージェント棚架: それで、[SCP-XXX-JP-2]役は誰になったんですか。
██氏: 事務所のサンプルボイス聞いて、ディレクターの██さんとライターの█君(以下[D])と僕の三人で選んだのが[C]だったんです。それとアペンド新キャラの脇役で、過去作品でメインヒロインやった[B]ちゃんも呼ぼうかなと。
エージェント棚架: 事務所のサンプルボイスということは、[SCP-XXX-JP-2]役を決めるときに[SCP-XXX-JP-2]の台詞を直接演じさせてオーディションしたというわけではないのですね。
██氏: そうです。二人が消えたのが[SCP-XXX-JP-2]の呪いだとしたら、今考えればそういうオーディションやらなくて正解でしたよ。
エージェント棚架: それで、[C]と[B]が消えたのは最初に[SCP-XXX-JP-2]の台詞を読んだときなのでしょうか。
██氏: [C]ちゃんははっきりとはわかりませんね。数日前に台本を渡しておいたみたいですけど、当日収録スタジオに彼女だけ来なくて。声優事務所を通してあちこち電話してみたけどバイト先も親も行方を知らないみたいで。それで事務所の人間が彼女の部屋に行ったけど不在で、散らかったままの部屋にその台本が放り出してあったって言うんですね。
エージェント棚架: それで、どうされたんですか。
██氏: 逃げちゃったなら仕方ない、代役だ、ということでスタジオに来てた[D]君と相談して、第二候補というか[SCP-XXX-JP-2]のイメージにもはまりそうだった[B]に任せようとなったんです。急遽だけど[SCP-XXX-JP-2]みたいな役ではベテランの[B]ならやってくれると思って。
エージェント棚架: そして[B]に[SCP-XXX-JP-2]の台詞を読ませたら、彼女は消えたということですか。
██氏: そうです。[沈黙]あのときスタジオで彼女を生で見てたのは僕と[D]君とスタジオに出入りしてた音響機器担当の子の3人だけで、あの部屋に監視カメラなんかも無いから証言だけになっちゃうけど、[SCP-XXX-JP-2]の台詞をマイクに向かって試しに一つ一つ読み上げていったら、座ってた彼女がいきなり消えたんです。ゆっくり薄くなって消えるとか音や光と一緒に消えるとかじゃなくて、一瞬で消えた。
エージェント棚架: [B]が消えた後はどうされました。
██氏: まず彼女が消えるのを見た3人とも目の錯覚を疑って、それから目を離した隙にどこか行っただけじゃないのかとスタジオの人間全員で建物全部を探し回りましたね。彼女の財布と携帯が入った鞄は部屋に置きっぱなしで、帰ったとも思えなかったので。
エージェント棚架: 警察に届け出たのはどれぐらい経ってからですか。
██氏: 翌日の朝ですね。完全に音信不通になったから事務所も慌てたみたいで。そのとき[C]ちゃんの捜索願も一緒に出したと聞いてます。
エージェント棚架: それで、[SCP-XXX-JP-1]のアペンドディスクはどうなったんですか。
██氏: 立て続けに3人も[SCP-XXX-JP-2]役の声優が消えたらもうね、何かの祟りがあるんじゃとメーカーさんの中でも噂になったみたいで、その時点でもう出せる雰囲気じゃなくなってたと思いますね。そんなときにネット見たら、『今まで声が無かった[SCP-XXX-JP-2]が急にフルボイスになった』と騒ぎになってて。
エージェント棚架: その話を詳しく聞かせてください。
██氏: メーカーさんの会社に僕も呼ばれて、皆が見ている前で[SCP-XXX-JP-1]を付けてみたら本当に[SCP-XXX-JP-2]が全部声付きになってて。あれには驚きましたね。しかも何枚か置いてあったディスク全部で試したけど、どれも[SCP-XXX-JP-2]がフルボイスになってたみたいでした。
エージェント棚架: [SCP-XXX-JP-2]の声は誰の声でしたか。
██氏: その、何というか[沈黙]女の子一人の声なんだけど、基本の喋り方やアクセントは[A]のアテレコそっくりでしたね。だけど[A]の声とは微妙に違ってて、[C]ちゃんや[B]の声色も混ざったようでした。三人で同時に声を出したのともまた違って、三人の声が混ざったような一人の声になってました。みんな顔が真っ青になりましたね。それに、ゲーム自体も変だったんです。[D]君が自分が書いた覚えのない会話が出てきたって驚いてて。
エージェント棚架: ゲームのシナリオが変化していたということですか。
██氏: そう、確か[SCP-XXX-JP-2]に弟が出来ていた話だったと覚えてます。兄弟はいない設定だし、シナリオでも一度も兄弟がいるかいないかなんて触れられなかったはずなのにって、[D]君やデバッグした社員さんみんな騒いでました。
エージェント棚架: 消えた三人の声優には弟がいたんでしょうか。
██氏: どうかな。[A]と[C]ちゃんは短い付き合いだったから知らないけど、[B]にはいなかったと思いますよ。ただ、本人のラジオでは彼氏との惚気話を全部弟の話だって嘘付いて話してたね。アイドル売りしてる声優は怖いと思ったものですよ。
エージェント棚架: 他にシナリオが変化した部分はありましたか。
██氏: 僕はボイスの収録やっただけで、シナリオとか[SCP-XXX-JP-2]については今じゃあまり覚えてないけど、他にも色々あったみたいです。とにかく[D]君がアップしたシナリオが製品になる前に誰かに加筆されたんだろうって事で、彼が家にソフトを持ち帰って検証するって言ってたけど、翌朝には今度は[D]君が消えちゃって。
エージェント棚架: ライターも失踪したんですか。その後[SCP-XXX-JP-1]に変化は。
██氏: いや、[D]君が消えてからはプレイしてない。メーカーのメインライターが蒸発したから次に出すゲームも凍結扱いになって、結局潰れちゃったからそれ以降は[SCP-XXX-JP-1]を見る機会も無くなったね。なんでか最近はネットで検索しても昔は沢山ヒットした『呪いのゲーム』系サイトの[SCP-XXX-JP-1]の記事が全部消えてるし、ちょっと若いオタクの子に聞いても誰も知らないって言うんです。
エージェント棚架: [SCP-XXX-JP-1]を知っている人が誰もいないということですか。
██氏: メーカーさんで直接製作に関わってた人なら覚えてると思って、去年ディレクターしてた██さんに聞いたんですけどね、██さん[SCP-XXX-JP-1]の原案も出してヒロイン全員のキャラ付けにも携わってたはずなのに、[SCP-XXX-JP-1]の名前は覚えててもストーリーも[SCP-XXX-JP-2]のキャラもどういうわけか具体的には思い出せなくなってるって言うんですよ。それに当事者なのに[SCP-XXX-JP-2]の都市伝説を知らないって言うし。
エージェント棚架: その██さんも含めて、[SCP-XXX-JP-2]の具体的なキャラクターや台詞を覚えている人間は業界にもいないということですね。
██氏: そう、僕も台本やゲーム画面で何度も見たはずなのに、どうしてか最近は具体的に思い出せないんだよね。結構ぶっ飛んだキャラで、確か......
インタビュー中断
██ █氏がSCP-XXX-JP異常現象の対象となる危険が生じたためインタビューは即時中断され、SCP-XXX-JP-1の存在に関連したクラスB記憶処理が施されました。██氏が記憶処理にも関わらずSCP-XXX-JP-2の台詞を記憶していた、または思い出した可能性があるため、現在特別収容プロトコル中の記憶処理のクラス引き上げが提言されています。