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金メダルの小林陵侑 兄の潤志郎と抱き合い歓喜「一緒に悔しい思いもうれしい思いもしてきたので」

[ 2022年2月6日 21:48 ]

北京五輪第3日 ノルディックスキー・ジャンプ 男子ノーマルヒル決勝 ( 2022年2月6日 国家ジャンプセンター )

男子個人ノーマルヒル決勝、金メダルに輝き、兄・潤志郎と抱き合って喜ぶ小林陵侑(ロイター)

スキージャンプの男子個人ノーマルヒル決勝が行われ、小林陵侑(25=土屋ホーム)が金メダルを獲得した。ジャンプ個人種目では、1998年の男子ラージヒルで船木和喜が獲得して以来、日本勢では24年ぶりの頂点に立った。

予選では99メートルを飛び、111・4点の4位で決勝進出。この日の決勝1本目で104・5メートルを飛び、145・4点で全体1位で最終ラウンドへ進んだ。会心のジャンプに、思わずガッツポーズも飛び出した。2本目は99・5メートルと飛距離は伸びなかったが、合計275・0点で、2位に4点以上を離す圧勝。着地と同時に確信したのか再びガッツポーズを繰り返し、その後、金メダルが確定すると兄の小林潤志郎と抱き合い、喜んだ。

小林陵は「2本ともすごい良いジャンプですごくうれしい。(兄と抱き合い)一緒に悔しい思いもうれしい思いもしてきたので、すごくうれしかったです」と、ほおを緩ませた。さらに「ノーマル個人で良いジャンプができたので、また次の試合につなげたいです。この金メダルという結果はうれしく思って、次からも頑張っていきたい」と、次戦を見据えつつ、五輪王者の喜びをかみしめた。

今季W杯で最多7勝を挙げている安定感が光った。3日から始まった公式練習で、ジャンプ台への対応として助走姿勢を微修正。しっかりと結果につなげた。昨年11月のW杯開幕から長期遠征に入り、先月末に予定されていたW杯札幌大会で一時帰国する予定だったが中止。日本に一度も帰国せずに五輪本番を迎えたものの、大きな影響は見せなかった。

前回18年の平昌五輪ノーマルヒルは7位に終わった。だが、この4年間での成長は著しく、18-19年シーズンにはワールドカップ(W杯)個人総合を欧州勢以外で初制覇。五輪を控えた年末年始のジャンプ週間で3季ぶり2度目の総合優勝を果たし、今季のW杯総合2位の金メダル候補として自身2度目の五輪に挑み、見事に頂点に立った。今後はラージヒル、男子団体、混合団体と合わせて4部門での頂点も狙えるだけに期待大。葛西紀明から薫陶を受けてきた男が、重圧という"向かい風"にも負けず、レジェンドへの階段を一歩上がった。

◇小林 陵侑(こばやし・りょうゆう)1996年(平8)11月8日生まれ、岩手県八幡平市出身の25歳。5歳でスキーを始める。岩手・盛岡中央高出。15年土屋ホーム入社。18年平昌五輪ノーマルヒル7位、ラージヒル10位、男子団体で6位。18〜19年シーズンに日本人初のW杯個人総合優勝。兄・潤志郎、姉・諭果、弟・龍尚もジャンプ選手。1メートル74、59キロ。

▽ジャンプノーマルヒル 北京大会ノーマルヒルのジャンプ台はHS106メートル、K点95メートル。得点は飛んだ距離による「飛距離点」、ジャンプの美しさや正確さ、着地姿勢などを採点された「飛型点」にウインドファクター(風補正点)やゲートファクター(スタート位置補正点)といった要素が加点または減点され合計点が出る。

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