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船木和喜氏 4冠狙える陵侑ノーマルヒルが最初で最大の関門 飛距離差わずか...小さなミスが結果に直結

[ 2022年2月6日 05:30 ]

男子個人ノーマルヒル予選で飛躍する小林陵侑(AP)
Photo By AP

【今日のツボ教えます ジャンプ男子NH・船木和喜】ジャンプの試合は技術代表(TD)が風の状況などを考慮しスタートゲート、つまり助走距離を決めることから始まる。そして、基準とするのはトップの選手。飛びすぎの危険を回避するためだが、今回の男子でいえば陵侑となるだろう。W杯総合は2位だが、W杯で別格のジャンプ週間覇者。W杯首位でジャンプ週間王者だった長野五輪の経験でいえば、TDは私にゲート設定を確認してきた。これは試合の流れの中で、大きなアドバンテージといえる。

現在の陵侑のジャンプは完成しており、大きな死角は見当たらない。助走姿勢でお尻の位置が高いため、踏み切り時のストローク(動き)が小さく、風の抵抗は最小限で、当たり外れも少ない。ストロークが大きい選手に比べ生み出すパワーは減少するが、筋力で補えている。空中姿勢に移行するまでが早く、空中では腕の細かい動きでブレを抑えている。現行ルールでは理想的な飛躍だ。

ただし、ラージヒル、男子団体、混合団体と合わせて4種目で頂点が狙える陵侑にとって、ノーマルヒルが最初で最大の関門となるだろう。飛距離の差が最も小さいノーマルヒルは、小さなミスが結果に直結する。また、雪が降らずに寒い今回のジャンプ台では湿度のない風が軽く感じられるはずで、感覚の調整は必須。もちろん全選手条件は同じだが、好調な陵侑には特に細心の注意を払ってほしい。(98年長野五輪スキージャンプ2冠)

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