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松岡昌宏 力を入れない40代の境地「こだわり捨てた」豪快と繊細併せ持つ素顔 原動力は仕事後のビール

[ 2024年8月18日 05:00 ]

柔らかな笑顔でカメラを見つめる松岡昌宏(撮影・木村 揚輔)
Photo By スポニチ

【俺の顔】俳優、アーティストとして活躍する松岡昌宏(47)は人の懐に入り、相手を巻き込む天才だ。自分のことは即決。部屋中に響く大きな声で「ガハハ」と笑う。大ざっぱかと思いきや、ラジオ番組にリスナーから寄せられた相談の回答に悩んだ際には「いったん、持ち帰っていい?」と自分の言葉で伝えることを貫くなど、繊細な面も併せ持つ。原動力は「うまい酒を飲むため」ときっぱり。「男のスタートは40歳から」と語る松岡の現在地は――。(西村 綾乃)

薄暗いスタジオの奥で雑誌のグラビア撮影をしていた松岡は、じっとカメラを見つめていた。人を寄せ付けないような鋭いまなざし。1メートル81の体がより大きく見えたが、撮影を終えて席に着くなり「スポニチって、東スポと同じビル?」と質問を投げかけてきた。記者がうなずくと「行きつけのそば屋があって」と地域の名店を口にし「ニンニクたっぷりのギョーザがうまいんだよ」とニコニコ。ドーベルマンが、人懐こい子犬に変化した。

13歳の時に自ら履歴書を送り、旧ジャニーズ事務所(現SMILE―UP.)に入所。先輩グループのバックダンサーを務め、1990年に俳優として始動。94年にTOKIOのドラマーとしてデビューした。

「親が離婚したこともあって、そんなに裕福ではなかったんで、この世界に入ったんです。かっこつけてはいたけど、自分のことをかっこいいとは思っていなかった」

アイドル時代も「俺は俺みたいにバタ臭い顔じゃなくて、森田剛みたいにキリッとした顔が好きだったの。でもそうじゃなかったことが、俺にとって良かったのかも。自分に自信がなかったから、お芝居とかも、あの手この手でやって続けてこられたんだと思う」。

芸能生活35年を迎えたベテランだが「男のスタートは40歳から」が持論だ。

「10代、20代は突っ張って、30代で普通になった。病んだり、スカしたりもあって、40代は力を入れなくて良くなった」。その境地にたどり着いたのは「こだわりを捨てたことが大きい」という。手放したものがある一方で、残ったものは「自分の顔の嫌いだったところが、嫌じゃなくなったこと」。あと3年で迎える50歳。「このまま行けばいい」と揺るがない。

役者としては「京都・太秦の東映撮影所で、自分の顔は自分で作ってこそいっぱしの役者と教わった」といい、メークも全て自分でこなす。2016年放送開始のドラマ「家政夫のミタゾノ」シリーズでは、スーパー家政夫を熱演。女装メークも自ら手がけた。

「三田園は下のアイラインを思いっきり濃く塗るのが秘訣(ひけつ)。びっくりするほどおふくろに似ていて、笑っちゃいました」。第1シリーズの時に30分だったメーク時間は、第6シリーズでは10分に短縮。約7年の間に3度、舞台で女性役を務めたこともあり「色気が増したと言われた」と苦笑いした。

日焼けした肌はつるんとした美肌。男性向けエステも手軽な存在となったが「プライベートは無頓着。白髪もしわも気にならない。肌は...。ニベアを塗るくらい。家は缶のやつで、外出するときはチューブのをかばんに入れて持ち歩いてる」。

自らのことは迷わず、サササッと回答していくが、NACK5のラジオ番組「松岡昌宏の彩り埼先端」では、"兄貴"としてリスナーに向き合っている。

「いつも言ってるのは"人の枠にはまることないように生きてほしい"っていうこと。それは俺の生き方でもある。5人いたら5人の色が出るんだから、自分の色で生きてほしい。どの道を選んでも、自分の生き方になると思うから」

至福の時は、仕事の後のビール。「うまいビールを飲むために生きてる」。その言葉を聞いて冷えたビールが飲みたくなった。


≪難役「自分とは真逆だから演じられた」WOWOWドラマ「密告はうたう2」≫WOWOWで放送中の主演ドラマ「密告はうたう2 警視庁監察ファイル」(日曜後10・00)で、約3年ぶりに主人公の佐良正輝を演じた。警察内の不正を取り締まる警視庁人事一課は「警察の中の警察」と恐れられる存在。過去の事件をきっかけに喜怒哀楽を見せなくなった主人公は、常に体温が"5度"下がるような表情を見せる。「1ミリも共感できなくて、疲弊する現場でした」と心血を注いだ日々を振り返った。「自分とは真逆だから、演じられた」といつもの快活さを封印した難役を終えた後は、「居酒屋でプシュッと"おはらい"しました」と満足そうな笑顔を見せた。

◇松岡 昌宏(まつおか・まさひろ)1977年(昭52)1月11日生まれ、北海道出身の47歳。90年にドラマ「愛してるよ!先生」で俳優デビュー。94年にTOKIOとして「LOVE YOU ONLY」でCDデビューした。主演ドラマ「家政夫のミタゾノ」シリーズは、舞台化されるなど話題に。テレビ東京のバラエティー「二軒目どうする?〜ツマミのハナシ〜」でMCを務める。1メートル81、血液型A。

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