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「光る君へ」道長役・柄本佑「情けなさ唯一出せる」まひろの前では"三郎"今後の吉高は「めっちゃ紫式部」

[ 2024年8月18日 20:45 ]

「光る君へ」で藤原道長を演じている柄本佑(C)NHK
Photo By 提供写真

俳優の柄本佑(37)が、NHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8:00)で藤原道長を演じている。吉高由里子演じる主人公・まひろ(紫式部)と生涯にわたって特別な絆で結ばれた役どころ。柄本は相手によって異なる表情や声色を見せ、道長の多面性を表現している。政(まつりごと)にまい進する道長の思いやまひろへの思いを語った。

<(注記)以下、ネタバレ有>

「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛〜僕を忘れる君と」などを生んだ"ラブストーリーの名手"大石静氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演で、柄本は「風林火山」「いだてん〜東京オリムピック噺〜」に続き、3作目の大河出演となる。

今作の道長は、穏やかでのんびりした性格で政治には後ろ向き。しかし、何の因果か、兄の死や甥・藤原伊周(三浦翔平)の失脚によって政治のトップに上り詰めていく。一条天皇(塩野瑛久)に意見をぶつけたり、長女の彰子(見上愛)を入内させたりと、最高権力者「道長」の一面が出てくる。いつしか鋭い目つきを見せることが多くなった。柄本自身も「今までやってきた道長さんと乖離した部分が現れてきているのを肌で感じている」と語る。演じる上で大切にしているのが、道長の根っこにある「三郎」の部分。「元々の人間性は変わらない。それが道長さんの悩みとリンクする。三郎としての人間性をより意識するようになった」と明かした。

道長が三郎の顔を見せられるのがまひろだ。第27話「宿縁の命」(7月14日放送)でまひろと再会すると、徐々に表情が和らいでいく。内裏では決して見せない切ない目でまひろに駆け寄った。まひろが道長との子供を出産する衝撃の展開について、「このチームの覚悟を感じずにはいられなかった」と振り返った。第31話「月の下で」(8月18日放送)では、一条天皇の気を引かすための物語を書いてほしいとまひろに頼む。「他の人の前では見せられない顔や情けなさを唯一出せるのがまひろさん。頼れるのはまひろしかいない」。ソウルメイトであるからこそ、取り繕わずに弱さを見せることができた。

柄本はこのソウルメイトという関係性について、「愛し合うにしても憎しみ合うにしても本気を出せる人。中途半端がない」と思いを込めた。本来の自分とのギャップに苦しみながらも政治にまい進するのも、まひろの存在があるから。「まひろとの約束を果たすため、民のためのよき政をする。直秀のことが大きく影響していると思う」

2人のやり取りで印象的だというのが、第31話で月を見上げるシーン。道長は「誰かが、今...俺が見ている月を、一緒に見ていると願いながら、俺は月を見上げてきた」と口にする。「まひろさんと道長さんは離れている時間の方が長いから、明らかにまひろさんのことを言っていると思う。今までの関係を決算して次に進む推進力になるシーン。吉高さんと協力して切磋琢磨しました」。まひろを演じる吉高に「懐が深い。新たな発見に連れてってくださる。まひろさんとの長いシーンは導かれているところが非常に大きいと思います」と、厚い信頼を寄せた。今後注目が集まるのが「源氏物語」の執筆シーン。柄本は「めっちゃ紫式部です」とアピールした。

また、道長の父親としての一面に触れた。道長は彰子の入内の際に公卿たちの和歌を屏風に張った。「本人は娘の幸せを必死に願っている。道長は非常に真っすぐな人です。地に足着いた思いが外から見ると、えぐいことをやっているように見える」。権勢を誇示しているように見えるが、実は道長なりの愛情表現。まひろに物語の執筆を頼むのも娘のためで、「非常にパパしています」と柔らかな笑みを浮かべた。

謀(はかりごと)を巡らす左大臣の顔、初恋相手に見せる三郎の顔、娘に見せる父の顔。さまざまな顔を持つ道長を目の奥に浮かぶ感情で表現し、人間味あふれる道長像をつくり上げている。

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