国会を、取り戻そう!
議会制民主主義の明日のために
昨今、国会の手続が重視されない事態が頻発している。与党である自民党は、選挙で勝てば何をしてもいいと言わんばかりだ。たとえそれが正義にもとる行いであったとしても……。
しかし、多数派の意見が通るのが民主主義なのではない。民主主義は、大勢の意見を話し合いや公正な手順で束ねてゆくものだ。そのためには、きちんと手続を踏む必要がある。
現状の問題点とあるべき国会の手続を気鋭の憲法学者がわかりやすく解説する。
I まずは私たちの国のかたちを確認しよう――憲法がもたらしているもの
1 国民主権
主人公は私たち......石埼学
2 直接民主制と間接民主制
私たちの世界をつくる......石川裕一郎
3 立憲主義
国家権力の暴走を防ぐ......永山茂樹
4 平和と人権
人々の命と権利を守る......清末愛砂
II 今の国会おかしくない?――憲法からみてみよう
1 政治と国民の距離
議会は民意を反映しているか......石埼学
2 公的文書の取扱い
文書の改ざんは許されるのか......石埼学
3 唯一の立法機関
立法機能に問題はないか......志田陽子
4 議会運営のルール
熟議なしの採決は許されるか......志田陽子
5 選挙制度
望ましい選挙制度とは何か......石川裕一郎
6 議員構成
弱者の声は反映されるのか......清末愛砂
7 政治とカネ
清潔な政治がなぜ正しいか......永山茂樹
8 外交・条約
国会は外交にかかわりうるか......永山茂樹
9 衆議院の解散
解散は総理の専管事項か......永山茂樹
10 野党の意義
野党は国会に必要ないのか......石埼学
III 私たちにできることは何だろう
1 自由選挙
主権者が自由に声をあげること......永山茂樹
2 言論・集会の自由
民主主義の基礎体力......永山茂樹
3 メディアと政治報道
マスコミの役割......石川裕一郎
4 選挙制度
「一票の較差」を正すには......石川裕一郎
5 憲法改正国民投票
国民投票は信じられるか......清末愛砂
本書にかかわる憲法条文
おわりに