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開発協力戦略

開発協力戦略

日本が開発協力を開始して以来、国内外の政治経済環境は大きく変化しています。歴史から学び、客観的・実証的な分析を行うことで、JICA事業を含む開発協力の将来の方向性を導く研究に分野横断的に取り組むことが今まで以上に重要になっています。

そこで開発協力戦略領域では、日本の開発協力の歴史を総括する研究や、産業開発分野を事例に日本の開発協力の特徴を探る研究、中南米移住史の研究などを行っています。

また、農業分野や協力アプローチに関する研究や、外国人との共生社会の実現などの今日的な課題に関する研究を通じて、世界的に経済・社会構造が変化するなかでの国際協力のあり方や効果的なアプローチを検討します。

研究プロジェクト(実施中)

ケニア国ナイロビ市内のスラム地域等の若者に関する研究:社会・経済的孤立および差別に対するコミュニティを超えた収入創出促進政策の効果

ケニアの首都ナイロビには、正式な居住権を持たない住民が集まり形成された、いわゆる「スラム地域」が複数あります。これらの地域は、面積上はナイロビ市の一部に過ぎませんが、100万を超す人口がこのような地域に住んでいると言われ、高失業率や貧困、衛生、教育、犯罪、過激化など多くの社会問題を抱えています。また、スラム地域の若者たちは、市民間の偏見や差別に晒されていることに加え、警察による暴力に巻き込まれる事例なども報道されています。

研究期間|2024年11月26日〜2027年03月31日
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海外労働希望者の国際移動経路と経路選択メカニズムに関する研究

本研究は、希望者の経路選択カニズムの解明を目的とします。具体的には、国際労働移動の準備から送出までの希望者の意思決定に影響を与える要因の特定を行い、希望者のリスクを最小化し、利益を最大化できる移動ルートが備えるべき要素を特定します。また、影響を与える要因は、送出国、受入れ国の労働市場および政府の労働政策から、海外労働希望者が属するコミュニティで蓄積された資本に関するもの、また、海外労働希望者が抱える個人的要因までを対象とします。つまり、プッシュプルモデルのようなマクロ要因だけでなく、メゾ、ミクロのすべてのレベルを対象とし、複合的で重層的な海外労働移動の動態把握をより精緻に行うことを目標としています。

研究期間|2022年09月22日〜2026年03月31日
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日本と中南米間の日系人の移動とネットワークに関する研究

日本から中南米への移住の流れは19世紀末から始まり、第二次世界大戦期の中断後、戦後は1970年代まで続きました。そして、1980年代以降、今度は一度、中南米へと移住した人々やその子孫の日系二世、三世の人々が就労を目的に来日するようになりました。特に、1990年の入管法改正によって、日本人の子孫とされる日系三世までの定住ビザ発給の法的地位が定められると、来日者数は激増しました。このような日系人の来日の動きは日本から戦前・戦後に移住した人々やその子孫が「祖国」へと戻ってくるUターン現象として、「還流」と言われます。

研究期間|2021年09月03日〜2026年03月31日
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南米における日本人移民に関するトランスナショナルな歴史研究:移民事業、経済開発と文化活動を中心に

近年、外国人労働者の受け入れをめぐる議論が日本社会のさまざまな分野の中で活発になってきている。その際、外国人労働者の受け入れは、人口減少、少子高齢化や人手不足を背景とした社会と経済の諸課題への対処の文脈で議論されることが一般的である。そこでは、近代以降の日本において国境を越えて移動した人々の歴史が想起されることは極めて少ない。ところが実際には、近代日本において、旧植民地・勢力圏と内地との間で人々の移動や移住が盛んだったことに加え、ハワイや南北アメリカなどにも多くの日本人移民が渡っていった。その中でも、たとえば明治期のハワイ移民や昭和初期のブラジル移民、そして戦後の中南米諸国への海外移住のように、国策として行われた移民送出事業もあった。しかし、日本の中で、ほぼ一世紀にわたって海外へ移民を送り出した側であったことは、果たしてどれほど認識されているだろうか。本研究では、外国人労働者の受け入れをめぐる議論が進む中で、国境を越えて移動する人々と日本の国家や社会との関係の在り方とその歴史的文脈について思考を深めることを試みる。

研究期間|2021年08月24日〜2026年03月31日
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日本の産業開発と開発協力の経験に関する研究:翻訳的適応プロセスの分析

我が国は明治以降の近代化や戦後の経済発展過程において、欧米発の技術や知識を、自らのニーズに合わせて修正する「翻訳的適応」を通じて学習・内生化してきました。また、日本の産業政策の重要な特徴として、実体経済を重視する「中身志向」の発想にもとづき、産業構造や市場経済の担い手である産業人材、技術、企業の現場等への強い関心があげられます。JICAを含む日本が得意とする産業開発分野での開発協力の根底には、こうした経験や発想があると言われます。さらに、日本の開発協力は長年、相手国の主体性を尊重し、処方箋を押し付けず、共同作業を通じて選択肢を示す方法を目指してきました。こうした「寄り添い」型・「知識共創」型支援は、開発途上国において日本の経験の「翻訳的適応」と自立的な能力開発を支援する取組といえます。

研究期間|2019年07月24日〜2026年03月31日
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日本の開発協力の歴史

日本がODAで開発協力を開始してから60年以上が経過し、その間、国内の経済状況や国際社会の政治経済環境は大きな変化を遂げています。一方で、開発協力は、日本が国際社会への貢献を行う上で、最も重要な手段であり続けてきました。同時に、日本にとって、開発協力は自国の経済発展と一体不可分の存在であり、また主流の国際開発規範とは異なる独自の理念を世界に発信する手段でもありました。開発協力が国際社会の様々な課題に立ち向かう上での重要な手段であり続ける今日、今後我が国はどのような開発協力を実施していくべきか、それはどのような理念に裏打ちされたものであるべきかが、ますます問われるようになっています。

研究期間|2016年09月01日〜2026年03月31日
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SHEPアプローチの小規模農家への効果に関する実証研究(SHEP研究)

本研究は、ケニアおよびアフリカにおいて広域展開をする小農民の商業化に向けた協力"SHEP PLUS"(Small Horticulture Empowerment and Promotion Project for Local and Up-scaling)プロジェクト(第3フェーズ:2015年3月〜)のインパクトを分析するものです。同プロジェクトは、2006年より断続的に3フェーズにわたり実施されているものですが、第1フェーズ時のプロジェクトの調査によれば、協力の結果、対象農家の平均所得が3年の間に倍増を記録したとされています。しかし、調査手法がコントロール・グループとの比較による分析でないなど、厳密な意味でのインパクト分析上の課題があったため、今般、Randomized Control Trial (RCT)を活用した綿密なインパクト調査分析を行い、得られた成果については今後の事業運営や協力デザインに活用することを目指します。

研究期間|2015年03月20日〜2026年03月31日
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研究プロジェクト(終了)

インクルーシブビジネスの社会・文化的影響に係る研究

途上国の低所得者層をビジネスサイクルに取組むことで社会課題解決を目指すインクルーシブビジネス(IB)は、低所得者層と国際企業及び社員(以下、国際企業/社員)に、経済的のみならず社会・文化的影響を与えます。直接・間接的な経済的利益と共に、両者の意識・行動変容がその社会や組織に受容されるかが、IBの持続可能性に大きく影響します。本研究では、新しい技術や価値観の導入による変化が途上国固有の社会・文化の中で受入れられるのか、国際企業の本業による社会課題解決の支援が組織文化・戦略と調和できるのかといったIBの社会・文化的影響に着目し、低所得者層と国際企業/社員の視点からIBの形成・実施過程を読み解きながら、ビジネスによる社会的課題解決がどの程度可能か、不利益の有無、関係アクターの役割を考察し、消費者意識も考慮にいれつつIBの持続・発展可能性への示唆を得ることを目指しました。

研究期間|2015年04月01日〜2017年03月31日
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サブサハラ・アフリカにおける米生産拡大の実証分析フェーズ2

2008年5月のアフリカ開発会議(TICAD IV)において打ち出された「アフリカ稲作振興のための共同体」(CARD)イニシアティブは、アフリカにおける主要消費作物の一つであるコメの中期的な生産拡大(向こう10年で倍増することを目的)を通じて、中長期的な食糧問題の改善、及び農村地域の振興と貧困削減に資することを目的としたものです。CARDは、アフリカ諸国のコメ生産拡大に向けた自助努力を支援するために二国間ドナー、国際機関やアフリカ地域機関が集まって設立された協議グループであり、JICAはその設立時からのメンバーです。

研究期間|2014年09月01日〜2024年03月31日
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経営的人的資本(Managerial Capital)向上による中小企業振興インパクト分析‐カイゼンを中心に

会社を経営する能力である経営的人的資本(Managerial Capital)は経済成長への主要な要素として見直されてきており、その一環で日本式生産管理手法である「カイゼン」も注目を浴びています。しかし経営的人的資本にかかわる実証研究の積み重ねはまだ少ない状況です。本研究では中米・カリブ地域広域で実施した「中小企業の品質・生産性向上に係るファシリテーター能力向上プロジェクト」を取り上げ、プロジェクト内で育成されたファシリテーターのレベルや能力向上を促進する要因の分析、カイゼンの実施が企業のパフォーマンスに与える影響などを分析しました。

研究期間|2014年01月01日〜2015年03月31日
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学習成果と衡平性に資する教育システム分析ツール(SABER)の開発研究(参加型学校運営制度、分権化とアカウンタビリティを中心に)

世界銀行は同水準の予算投入で高い学習成果を引き出す質の高い政策や制度に焦点を当て、教育システム分析ツール(SABER)の開発及び国際比較データベースの構築を試みています。研究所が行う本研究の目的は、世界銀行のこのような試みに関し改善策を提案することです。同研究では、特に学校運営制度と分権化に係る政策ドメインの分析ツールに焦点を当て、JICAの現場での知見に基づき、分析ツールの有用性を向上させることを目指しました。初等教育へのアクセスと教育の質の両方に大きな課題を抱える低所得国・低位中所得国との政策対話への活用を念頭に、分析ツールの改善案の作成・試行しました。同研究は、文献調査、比較事例分析、現地調査を通じて実施され、現地調査対象国はセネガルおよびブルキナファソでした。

研究期間|2013年04月01日〜2015年03月31日
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主体性醸成のプロセスと要因にかかる学際的研究: 中南米における事例を中心に

途上国の人々の主体性に基づいた「課題対処プロセス」を効果的に支援することは、開発援助に関する政策策定や実務上、最も重要なアジェンダの一つです。しかしこのアジェンダを実行するためには、課題対処の前段階にある、主体的な課題設定のプロセス、いわば「主体性醸成プロセス」自体への支援が必要となります。本研究では、そのプロセスを促進・阻害する要因や支援モデルを学際的な研究により明らかにしようとするものです。具体的事例としては、中南米の農村で展開する、日本の生活改善事業の経験を生かそうとする試みなどが取り上げられます。研究成果は今後の研修事業や開発プロジェクトにフィードバックされるとともに、農村開発や貧困削減に対する政策に貢献することが期待されていました。

研究期間|2013年01月01日〜2015年03月31日
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開発協力戦略の国際比較研究:G20新興国を中心に

近年の新興国の台頭は政治経済に大きな影響を与えていますが、開発援助の世界においても、中国、インド、ブラジル等、DACに加盟をしていない国々による援助の増大が顕著にみられ、「新興国ドナー」として着目されています 。また、新興国による援助の実態およびその効果をめぐっては、実務上および学問上も様々な議論の対象となっています。本研究は、新興国による開発協力の多様な実態、従来の開発協力との差異を把握し、その差異の原因を特定するとともに、被援助国に与える影響を分析することを目的としました。そして、新興国を含めた開発援助コミュニティにおける日本の相対的な立ち位置を特定し、今後の開発協力のあるべき方向性への示唆を得ることも目指しました。

研究期間|2012年11月01日〜2014年09月30日
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幸福度からみた開発政策再考に関する調査研究

2011年7月に国連が幸福に関する決議を行う等、近年、国際社会において幸福度の考え方を開発政策に含める動きが大きくなってきています。一方、イースターリン氏が1974年に経済発展が必ずしも人々を幸せにしていない「幸福のパラドックス」を明らかにして以降、学術的には幸福度研究は発展しているものの、先進国(特に欧米)を中心にした研究、議論がなされてきたもので、途上国での幸福度研究は緒についたところにすぎません。そこで本研究では、途上国では欧米と違った多様な価値観をも体現しているとの仮説から、途上国の一般の方々の声に耳を傾けることを通じて、1)途上国における幸福感の定義、2)途上国における幸福度に影響を与える要素の因果関係、の2つを明らかすることを目指しました。その結果から幸福度の考え方を開発政策に加味することの意義、特に今後、本格化するポストMDGsの議論などにおいて意味を持つのかを検討しました。

研究期間|2012年08月22日〜2013年07月31日
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ポスト2015における開発戦略に関する実証研究

ミレニアム開発目標(MDGs)の達成期限である2015年が近づき、現行MDGsの枠組みや達成状況についての評価の議論が盛んになり、また2015年以降の国際目標についても様々な取組みが始まっています。本研究では、MDGsを巡るさまざまな「通説」、およびMDGsに掲げられているもののほとんど議論されていない項目に関して情報を整理し、MDGsの達成状況についての実証研究を行い、そこから得られたエビデンスをもって、ポスト2015に向けた開発戦略の方向性をさぐり、国際的な援助潮流の議論に貢献を目指しました。特に重要な視点としては、インクルーシブな開発とレジリエンスの2つを中心的なテーマとして、現行MDGsではどのような視点が欠けているのかを示しました。

研究期間|2012年08月01日〜2013年12月31日
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青年海外協力隊の学際的研究

JOCV事業は、1965年の発足以来、2012年2月末までに36,000人以上の隊員を海外へ派遣してきました。この事業は、日本人青年の参加という側面と、草の根レベルの貢献という側面があり、多面的な性格を持っています。この多面性ゆえに、同事業を一つの尺度で評価し、理解することは、難しいと同時に適切でもありません。この観点からJICA研究所では、経済学、社会学、心理学、人類学、政治学など様々な学問から、JOCV事業の分析に取り組みました。この学際的アプローチによって、JOCVの国際的、社会的、歴史的な役割や意義を捉えると同時に、日本人の国際貢献のあり方を理解しようとしました。また、政策的な含意を導き出し、効果的なボランティア活動、グローバル人材の育成、日本社会への還元などの課題にも応えようとしました。

研究期間|2011年12月01日〜2016年03月31日
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開発援助レジームにおける財政支援の意義と限界

開発援助レジームの中で、一般財政支援は、2000年前後に導入され、急激に拡大してきました。しかし、ここ数年、OECD諸国では、一般財政支援に対して、批判的な見方も広がっています。一般財政支援については、未だに、上流から下流に至るまでの一連の流れが熟考され、その効果が十分に検証されているとはいえません。本研究では、一般財政支援の紐がついていない(untied)という性質に着目したフライペーパー効果の検証による政策対話の影響の確認、一般財政支援の実施によるサービスデリバリーさらには指標への影響の検証、そして一般財政支援の実施における途上国でのボトルネックの検証などを行いました。

研究期間|2011年04月11日〜2013年03月31日
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イスラム紛争影響国における人的資本形成とジェンダー平等:イエメンにおける基礎教育の事例研究

男女問わずすべての人々に良質の教育を普及することは、社会における不平等の是正、さまざまな対立や紛争の要因を緩和するために重要なことです。本研究では、アラブ地域において最も貧しい国の一つであり、脆弱な状況にあるといわれるイエメンについて、基礎教育の普及やジェンダー格差解消へ向けての課題の進捗状況や問題点について検証し、どのような条件下でどういった政策が機能し得るのかを、文化宗教的な要素にも留意しつつ理解を深めることを目指しました。本研究では、教育機会におけるジェンダー格差解消の地域差(州、郡、コミュニティー・学校レベルでの差異)を量的側面から分析するとともに、学習成果といった教育の質的側面、ジェンダーに対する考え方や女子教育の紛争予防に対する潜在的な役割など、教育の社会経済効果についても検討しました。

研究期間|2010年04月01日〜2014年03月31日
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JICA事業の体系的なインパクト分析の手法開発

本研究では、JICA事業のインパクトについて、計量経済学の手法を活用し実証データを用いて分析することによって、具体的に検証し、説明することを目的としています。分析の過程では、プロジェクトがもたらした効果の測定・推計に加え、インパクトの発現においてどのようなファクターが重要な役割を担ったのかを明らかにする手法についても研究を行いました。本研究の当初の対象案件として、実施中のプロジェクト(教育及び保健分野から数件)を想定しており、これらのプロジェクトの進行に合わせて研究を進め、成果は事業実施にフィードバックしていくことを目指しました。

研究期間|2009年06月01日〜2014年03月31日
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事例分析に基づくCDアプローチの再検証

人、組織、社会、さらには制度を包含した現在のキャパシティ・ディベロップメント(CD)の概念は、技術協力を中心とする援助見直しのための概念として、2000年頃から援助関係者において広く共有され、これに関する事例分析などが累次なされてきました。しかし、その多くは、主に援助実務の立場からの考察にとどまっており、経済学(新制度学派経済学など)、政治学、経営学、組織論などの関係諸学問分野の蓄積を踏まえたものとなってはいません。このような問題意識を踏まえて、本研究では、過去のCDに関する調査・研究のレビューを踏まえつつ、関係学問分野の分析枠組みのCDへの適用可能性を検討しました。その上で、学術的な分析枠組みを踏まえたCD事例の比較分析を行い、 JICA事業のより有効な実施に貢献することを目指しました。

研究期間|2009年04月01日〜2013年03月31日
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アフリカの村落給水組織と協調的地域社会形成に関する研究

本研究では、アフリカの村落給水組合の形成と安定的運営に関して、対象地域の社会制度(社会構成員の行為・思考を拘束する集合的表象・行動様式・行動規範)や経済構造、自然環境などが、利用者個人の集合行為実践にかかわる合理的判断や利用者間のネットワーク形成にどのような影響を与えているか(集合行為の論理)、そしてその結果、給水組合の機能、すなわち便益の配分、制裁の適用、紛争解決などを通じた集合財の供給にどのような影響を及ぼしているか(制度パフォーマンス)という問題について明らかにすることを目的としました。さらに給水施設が広範囲の地域社会住民に利用される財であるという観点から、給水組合の運営を通じた行政、地域住民、民間企業間の協働が、当該地域社会における一般的互恵関係や協調的地域社会形成(公共領域形成)につながる可能性についても考察しました。

研究期間|2008年11月25日〜2012年03月31日
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アフリカにおける参加型灌漑管理組織と農村社会(アフリカにおける灌漑開発と農民組織化に関する社会学的分析)

本研究では、アフリカにおける潅漑開発の規模に応じた水管理・運営組織のあり方を、既存の潅漑開発事業(主に日本の支援により整備されたもの)の評価を通じて検討することを目的としました。具体的には、対象社会における基礎的食糧生産システム、社会関係資本を含む諸「資本」の賦存状況、伝統的水利・労働慣行、アクター間権力関係、行政組織能力等の観点から、水管理・運営組織の機能状況(水利費徴収、水管理、施設維持管理、紛争解決など)を検証し、事業規模、社会制度、行政能力に見合った水管理・運営組織のあり方を提示します。さらに水管理・運営組織を通じた行政、地域住民間の協働が、当該地域社会における一般的互恵関係や地方行政(国家)との共益関係を含む協調的地域社会形成(公共領域形成)につながる可能性についても考察しました。焦点はマラウイなどアフリカ諸国であるが、研究蓄積のある日本やアジア諸国の経験との比較も行いました。

研究期間|2008年11月12日〜2012年03月31日
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援助のMDGsへのマクロインパクト計測

本研究では、MDGs(ミレニアム開発目標)達成に向けた援助のインパクトを、海外労働者からの送金(remittance)も含めて包括的に計量分析することによって、MDGs達成に向けた適切な援助戦略のあり方を探求しました。インパクトの適切な計測により、現状を踏まえてのMDGsの各指標の到達度合いの予測が可能になり、またドナー全体として必要な援助量を地域別・国別に算出も可能となります。さらにMDGsの各指標達成に向けての各ドナーの貢献度合いの算出や各ドナーの援助効率について評価も可能となりました。

研究期間|2008年10月01日〜2010年07月31日
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東南アジアにおけるイスラームの位置

本研究では、イスラムに留意した国づくりとはいかなるものであるのかという視点から、東南アジアにおけるイスラムと開発の関係について考察しました。イスラム世界の開発については、一般に産業化、資本主義化、民主化、世俗主義化などがセットとなった西欧近代化モデルをどこまで適用できるのかが問われてきました。イスラム世界の一部では、グローバル化のインパクトの下で、反世俗主義が強まる一方で、活動のトランスナショナル化が起こっており、東南アジア諸国の開発を考えるに当たっては、イスラムの新しい潮流の意味を考える必要が生じています。本研究では、東南アジアのイスラムの変容と社会的な位置を地域別・国別に明らかにし、各国の制度や公共政策に及ぼす影響について分析しました。

研究期間|2008年10月01日〜2013年03月31日
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東アジアの地域統合、労働市場と人的資本形成(国際高等教育交流を中心に)

本研究の目的は、アジアの実質的な労働市場の統合における高等教育セクターの役割を検討するものです。具体的には、まず、アジア域内における国際高等教育交流に注目し、その実態を把握しました。次に、マレーシアを事例に国際高等教育交流プログラムなどの卒業生のトレースを行い、労働市場におけるパフォーマンスを分析しました。最後に、経済面におけるアジア各国の水平的な役割分担の新展開の方向性と国際高等教育交流の展開・パフォーマンスを比較し、アジアにおける今後の高等教育セクター支援のあり方について提言を行いました。

研究期間|2008年10月01日〜2013年03月31日
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