/overseas/cotedivoire/__icsFiles/afieldfile/2023/05/12/cotedivoire_1.jpg
コートジボワール
Côte d'Ivoire
コートジボワール共和国は、西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)加盟8カ国の中で約4割の経済規模を占める地域の中核国であり、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)においても重要な役割を担っています。2025年の実質GDP成長率は6.3%(暫定)と堅調で、地域経済の牽引役としての地位を維持してきました。
しかし、1990年代後半から続いた政治的混乱や内戦の影響により、国家の統治機能や社会サービスの提供能力は依然として課題を抱えており、貧困や地域間格差、若年層の雇用問題が深刻化しているほか、特に北部地域では、ブルキナファソとの国境地帯における武装勢力の活動や避難民の流入により、社会の不安定化が進行しています。
こういった課題を踏まえ、JICAコートジボワールは、地域社会の安定と持続可能な経済社会開発を支援するため、DX(デジタルトランスフォーメーション)や気候変動対策などの視点を盛り込みながら、国際機関や日本企業と協力し、イノベーティブな課題解決を図っています。
さらに、2023年からは、ベナン、ブルキナファソ、ニジェール、トーゴを兼轄する広域事務所として機能しており、西アフリカ地域全体の安定と発展に向けた支援体制を強化しています。
JICAアフリカ情報のプラットフォームです。最新のアフリカ協力の内容やイベント情報などを確認できます!
Project プロジェクト
JICAがコートジボワールで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
-
研修の様子 地域警察強化プロジェクト
コートジボワールは、1999年の軍事クーデターをきっかけとした政治危機により、約10年にわたって国土が南北に分断された時期があり、北部地域においては実質的に国家権力が及ばない状況に陥ったほか、行政・社会サービスが機能不全となりました。国家警察の機能についても、インフラの破壊や技術力の低下により弱体化し、市民の警察に対する信頼感は低下しました。政府は、国家開発計画(PND)において、国家機構の質の改善、法の支配の回復といった課題を最上位目標に掲げ、警察機能の強化を含めた治安セクター改革に取り組んでいます。 本事業は、コートジボワール全土において、地域警察の持続的な発展を可能にする制度枠組みおよび人材育成システムを強化し、パイロット地域において市民と警察の協働体制を構築します。これによって、市民と警察の間の関係性を改善し、もってパイロット地域における警察に対する市民の信頼の向上、ひいては市民と警察の協働モデルの他地域への展開を目指します。 【上位目標】 パイロット地域において、国家警察に対する市民の信頼が向上する。 住民と警察の協働モデルが他地域に展開される。 【プロジェクト目標】 パイロット地域において、市民と国家警察の間の関係性が改善する。 【成果】 成果1 地域警察の持続的な発展を可能にする制度枠組みが強化される。 成果2 地域警察の持続的な実践を可能にする人材育成システムが強化される。 成果3 パイロット地域において市民と国家警察の協働体制が構築される。
-
地方行政能力強化 キックオフミーティング 地方行政強化プロジェクト
コートジボワールは高成長を実現しているものの、地域間経済格差が広がってます。アビジャン中心の開発及びそれに起因する地域間格差や住民の不満は、過去に起きた内戦の直接の要因ではないものの、情勢の不安定化の要因となり得るため、地方における公共サービス提供能力の改善は国の安定のための重要課題となっています。 本事業は、コートジボワール全土において、公平性及び透明性に配慮した公共サービス提供ための包摂的な地域開発モデル手法(MODELI)を改善・確定し、モニタリングメカニズムを確立します。これにより、地方自治体によるMODELIの活用を図り、もって質の高い公共サービスの提供に寄与するものです。 【上位目標】 地方自治体が MODELI を活用し質の高い社会サービスを提供する 【目標】 プロジェクト目標:地方自治体が MODELI を活用するようになる 【成果】 成果1: MODELI が確立される 成果2: MODELI の実施促進を行う州モニタリング委員会が機能する 成果3: MODELI の実施を促進するため、中央レベルから州レベルに対するモニタリングメカニズムが構築される
-
ササンドラ市商業地帯開発のための船着場整備及び中央市場建設計画
本案件は水産業を基幹産業とするコートジボワールのササンドラ市を一つの経済成長の軸として開発する政策に貢献する案件です。海岸に隣接した中央市場では商業活動が増大し、店舗が水揚げ場や周辺道路にあふれ、水産物の動線は非効率かつ不衛生な状況となっています。このためこの協力では、内陸部に中央市場を建設して水産物以外の小売業者を移動させ、その跡地に水揚場を整備し、鮮魚流通にかかる小売業者を集積しました。これにより、水産物の流通が安全かつ衛生的なものに改善され、零細漁民の活動が効率的になり、また、海岸地域の集中が緩和し、市全体の均衡ある発展が可能及び地域経済の加速化に貢献しました。 【事業の目的】 本事業はササンドラ市において、水揚施設及び中央市場を整備することにより、ササンドラ市の均衡ある開発を図り、もってササンドラ市の物流及び生活環境の改善に寄与するもの。 【事業内容】 1)土木工事、調達機器等の内容 【水揚施設】荷捌場(453.6m2)、漁獲物保蔵棟(582.18m2)、魚小売場(233.28m2)、事務管理棟(491.4m2)、構内トイレ(64.8m2)、外構(構内道路、雨水排水路、ゴミ集積所等)、製氷機(2t) 【中央市場】仕立屋棟( 1,283.04m2) 、 日 用 品 棟 ( 1,710.72m2) 、 食料品棟(946.08m2)、衣料品棟(1,425.6m2)、食堂棟及びスタンド(409.86m2)、燻製品棟(544.32m2)、受変電(59.67m2)、外構(構内道路、構内舗装、排水処理設備、雨水排水路、ゴミ集積所、擁壁等) 2)コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容 詳細設計、施工監理、ソフトコンポーネントとして施設の運営・維持管理規則の立案、防火・消火体制の構築、製氷機等の関連設備の運営・維持管理にかかる支援の実施。
-
稲作分野における機械化サービス向上計画
コートジボワールは、GDPの21%を農林水産業が占め、労働人口の40%が同分野に従事していますが、米の生産量は国内需要を満たしておらず、年間185万トンを輸入に依存しています。また、稲作の現場では、換金作物(コーヒー、カカオ等)と比較し、機械化投資が遅れており、耕作面積の拡大や効率的な収穫作業が進んでおらず、米の生産増の阻害要因となっています。加えて、機械不足により、適時の圃場耕起や作付けが実施できず、収穫・出荷作業が非効率となり、籾の品質低下や収穫後ロスの要因にもなっています。 本事業では、主要稲作地域であるベリエ州、ベケ州及びヤムスクロ特別行政区を中心とした米生産地域において、米の耕作・収穫のための農機等を整備することにより、農家の機械化サービスへのアクセス向上を図ります。これをもって米の生産性及び品質向上を通じた、コートジボワールの持続的な経済成長を目指します。 【事業の目的】 本事業は、主要稲作地域であるベリエ州、ベケ州及びヤムスクロ特別行政区において、コメの耕作・収穫農機等の機材を整備することにより、農家が機械化サービスへのアクセス向上を図り、もってコメの生産性と品質向上に寄与するもの。 【事業内容】 1) 施設・機材等の内容 【機材】耕作・収穫農機(トラクタ(中型)25台、トラクタ(大型)12台、耕耘機 23台、コンバイン 15台程度等)、モバイルワークショップ1台 2) コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容 詳細設計、入札補助、調達監理等。ソフトコンポーネントでは、機材の維持管理方法にかかる研修を想定。 3) 調達・施工方法 基本的に本邦調達とし、本邦又は当国で調達困難な機材は第三国調達とする。
-
穀物バースの様子 アビジャン港穀物バース建設事業(第二期)
コートジボワールのアビジャン港は、コンテナ取扱量で西アフリカ最大の港です。同港を起点として、国際回廊や鉄道を介しマリやブルキナファソ、ニジェール等のサヘル地域内陸国につながる玄関口として、同地域のハブ機能を担っています。一方で、同国およびサヘル地域内陸国の人口増加、経済成長に伴う貨物需要の増大に見合ったインフラ整備が追いついていません。 この協力では、同港において新規に穀物バースを整備します。これにより、入港する穀物貨物の平均積載量が約2倍になり、同国およびサヘル地域内陸国の増大する穀物流通需要への対応が図られ、同地域内の経済の活性化、また食料安全保障に寄与します。 【事業の目的】 本事業は、アビジャン港において新規に穀物バースを整備することにより、当国及びサヘル地域内陸国の増大する穀物流通需要への対応を図り、もって域内の物流の活性化に寄与するもの。 【事業内容】 1)施設・資機材の内容:新穀物バースの整備(国際競争入札(タイド)) 前面岸壁及び北岸壁の整備、浚渫、埋立、小型船(タグボード等)係留施設及びハーバーマスター監視塔の建設等 2)コンサルティング・サービス(ショート・リスト方式) 入札補助、施工監理等。
-
コートジボワール国営新聞・出版新社印刷工程及びデジタルアーカイブ機材整備計画
コートジボワールでは、民族間の対立や政治紛争が繰り返された歴史があり、政府が目指す国民和解や社会調和の実現のため、メディアの多様化を通じた国民間の自由な議論の促進に取り組んでいます。国内唯一の国営新聞・出版新社(SNPECI社)が発行する「フラテルニテ・マタン」紙は、西アフリカで創刊された最初の日刊紙であり、創刊以来のバックナンバーは近隣諸国も含めた地域全体の近代史の記録として歴史的な価値を持っています。しかし、過去の記録は紙・フィルムのまま保管されており、経年劣化や自然災害による損傷・喪失が懸念されています。この協力では、製版およびデジタルアーカイブに必要な機材を同社に整備します。これにより、貴重な歴史資料の保存・継承を図り、地域の民主化促進支援に寄与します。
-
日本・コートジボワール友好交差点改善計画
コートジボワールでは、1990年代からの約20年にわたる政治・軍事危機の間に、道路インフラの新規投資や維持管理が十分になされて来ませんでした。同国の自動車登録台数の81パーセントは、アビジャン市に集中しており(陸運局統計)、朝夕のラッシュ時には、同市内の幹線道路などにおいて著しい交通渋滞が発生しています。この協力では、同市内の日本・コートジボワール友好交差点の立体交差化(フライオーバーの建設、交差点改良、信号機23基設置)を支援します。これにより、交通容量の増強および市中心部と郊外とを往来する交通の円滑化を図り、同市内の交通利便性の向上と物流改善に寄与します。
-
第二次日本・コートジボワール友好交差点改善計画
コートジボワールの経済の中心である大アビジャン圏は、同国のみならず周辺内陸諸国に向けた国際回廊の起点としての役割を担っています。しかし、高度成長を続ける一方で、1990年代半ばから約15年にわたり政治的混乱と内戦が続いた同国では、新規の道路敷設や維持管理が十分ではなく慢性的な交通渋滞が発生しています。これを緩和すべく「日本・コートジボワール友好交差点改善計画」を実施中ですが、今後も増加が見込まれる交通需要に応えるため、この第二次の協力では、立体交差の双方向化を通じて交通容量の更なる増強を行います。これにより、アビジャン市中心部と郊外とを往来する交通の円滑化を図ります。
- 事業別プロジェクト一覧
- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
コートジボワールで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
scroll