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フィリピン
Philippines
フィリピンの経済成長率は、世界金融危機の影響を受けて一時低迷したものの、2012年には6.8%の成長率を達成しています。しかし、他の先発ASEAN諸国(インドネシア、タイ、マレーシア)に比べると、過去50年間のGDP成長率は低い水準であり、貧困削減のペースも遅く、所得格差も依然として大きい状況です。また、年平均2%程度で増える人口を支えていくことも大きな課題となっています。JICAは、(1)投資促進を通じた持続的経済成長、(2)脆弱性の克服、(3)ミンダナオ紛争影響地域における平和構築を重点とした協力を実施しています。上記重点の下、現在、官民連携によるインフラ整備、投資環境改善に向けた政策制度改善、災害リスク軽減・管理能力向上、ミンダナオ紛争影響地域における人材育成等に取り組んでいます。
Project プロジェクト
JICAがフィリピンで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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既存腐敗槽汚泥処理施設 下水道整備のための包括的マスタープラン策定プロジェクト
フィリピン中部に位置するメトロセブは、セブ市を含むフィリピン第2の都市圏ですが、経済発展に伴い、都市人口が急増しているものの、下水道をはじめとした衛生施設が十分に整備されておらず、河川や沿岸域、地下水の汚染や、それに伴う住民の健康被害が問題となっています。メトロセブは観光への経済依存度が大きく、持続的な開発の実現のためにもこれらの課題の解決が重要です。 本事業は、メトロセブにおいて、汚水の集中型及び分散型処理並びに腐敗槽汚泥処理を含めた下水道整備のための包括的なマスタープラン(包括的M/P)の策定、下水道整備事業のための資金調達手法の提案及び優先プロジェクトのプレ・フィージビリティ調査(Pre-F/S)を行うことにより、同地域の衛生改善及び水質汚濁対策に寄与する。 【上位目標】 メトロセブにおける包括的M/Pに基づき事業が実施されるとともに運営・維持管理体制が構築され、同地域の衛生環境及び水質汚濁が改善される。 【成果】 成果 1:メトロセブにおける包括的M/Pを策定するにあたり必要な基礎情報が整理される。 成果 2:メトロセブにおける汚水の集中型及び分散型処理並びに腐敗槽汚泥処理を含めた包括的M/P が策定される。 成果 3:包括的M/Pで選定された優先プロジェクトの資金調達手法が提示される。 成果 4:包括的M/Pで選定された優先プロジェクトのPre-F/Sが実施される。 成果 5:MCWDの汚水管理に係る計画策定能力が強化される。
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メトロセブ水道区汚泥管理計画
フィリピン中部に位置するメトロセブは、フィリピン第 2 の都市圏で、観光業や BPO(Business Process Outsourcing)、IT産業等を主要産業として経済成長を続けており人口も増え続けています。しかし、下水分野に関しては、メトロセブ全域では一部腐敗槽汚泥の収集が行われていますが、下水処理は適切にされておらず、引抜汚泥の河川等への不法投棄等によって環境汚染を引き起こしています。これらは、今後の都市化のさらなる進行により、水環境、生活環境の悪化、ひいては都市の競争力の低下につながることが懸念されています。 本事業は、腐敗槽汚泥処理施設の建設、メトロセブ水道区の汚泥処理に係る運営体制の構築等を支援します。これによって、家庭汚泥の処理の促進を図り、もってメトロセブの水・衛生環境汚染の改善を目指します。 (1)事業目的 フィリピン中部のメトロセブにおいて、腐敗槽汚泥処理施設の建設及び腐敗槽汚泥収集車両の導入並びにメトロセブ水道区の汚泥処理に係る運営体制の構築を支援することにより、家庭汚泥の処理の促進を図り、もってメトロセブの水・衛生環境汚染の改善に寄与するもの。 (2)事業内容 ア)施設、機材等の内容 【施設】腐敗槽汚泥処理施設(400m3/日) 、付帯構造物(管理棟、場内舗装) 【機材】汚泥収集車(35 台)、脱水汚泥運搬車(4 台) イ)コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容:詳細設計、入札補助、調達監理、施工監理、運営体制構築支援、住民啓発活動支援
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先行/先進技術を通じた廃棄物適正管理能力強化プロジェクト
フィリピンにおける固形廃棄物問題は、マニラ首都圏や地方中核都市において深刻な社会問題であり、同国政府にとって最優先課題の1つです。同国政府は、2001年に施行された固形廃棄物管理法において、2006年までに全ての不適切な最終処分場を衛生埋立処分場に移行することを定めると共に、発生源における廃棄物の減量化及び排出される廃棄物のリサイクルを通じ、最終処分される廃棄物処分量を極力削減し、発生する廃棄物を適正に管理することを目指してきました。しかし、衛生埋立化は一部に留まっており、また、技術的・経済的問題から適切な廃棄物管理が行われている地方自治体は限定的で、特に都市域では中央政府が廃棄物管理施設の整備等に対し適切な措置をとる必要が生じています。本事業は同国において、廃棄物発電・エネルギー回収を含む先進技術の導入を促進するための協力を実施することで、中央政府及び地方自治体の適切な廃棄物管理の計画・形成・管理等に係る能力を強化し、同国における廃棄物管理の改善に寄与します。
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感染症検査ネットワーク強化プロジェクト
フィリピン共和国は、2009年のインフルエンザA(H1N1)の流行以降、国立検査室を支援する5つの地方検査室を設立し、国立検査室ネットワーク創設のための国家枠組を制定し、感染症サーベイランスに関する国立・地方検査室の役割拡大に取り組んできました。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行を受け、大量の検査を行う能力の限界、保健施設・地方検査室と保健省・国立検査室間の報告の遅れ、リスク評価ための不十分な能力等の課題が確認され、感染症検査・警戒体制の脆弱性が露呈しています。 本事業は、フィリピンのモデル地域において、中央・準中央・地域検査室ネットワークの強化、中央・準中央検査室のゲノム解析能力の強化、中央・地域のサーベイランスデータ分析能力の強化を行います。これによって、機能的な情報システムを備えた感染症検査室ネットワーク構築を図り、もってフィリピンの検査室データに基づく感染症サーベイランス体制強化を目指します。 【上位目標】 検査室データに基づく感染症サーベイランス体制が強化される。 【プロジェクト目標】 対象感染症に対する機能的な情報システム13を備えた検査室ネットワークが構築される。 【成果】 成果 1 中央・準中央・地域検査室ネットワークが強化される。 成果 2 中央・準中央検査室における感染症のゲノム解析能力が国家サーベイランス計画に沿う形で強化される。 成果 3 中央・地域のサーベイランスデータ分析能力が強化される。
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洪水リスク管理事業(カガヤン川、タゴロアン川、イムス川)
フィリピンは世界でも自然災害が多い国の一つで、特に台風・暴風雨と洪水による経済的、人的被害は甚大です。しかし、同国では予算や人員の制約などから、本格的な洪水対策事業が実施された河川流域は特に地方部において限定的で、毎年各地で甚大な洪水被害が生じています。この協力では、大規模な穀倉地や産業成長回廊地帯、経済特区などを抱えるカガヤン川流域、タゴロアン川流域およびイムス川流域における洪水対策の実施を支援しました。これにより、対象地域の洪水被害の軽減を図り、持続的・安定的な経済発展に寄与しました。 【事業の目的】 本事業は、フィリピンのカガヤン川流域、タゴロアン川流域、及びイムス川流域を対象として洪水対策(構造物/非構造物)を実施することにより、同地域の洪水被害の軽減を図り、もって同地域の持続的・安定的な経済発展に寄与するもの。 【事業内容】 1) 土木工事(護岸・堤防・排水施設・遊水地等の建設、掘削工事等) 2) コンサルティング・サービス(詳細設計、入札補助、施工監理、非構造物対策の計画策定・導入支援等)
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ダバオ市インフラ開発計画策定・管理能力向上プロジェクト
フィリピン第三の都市であるダバオ市(人口144万人:2010年)は、近年の急激な都市化により、無秩序な開発の進行や、交通渋滞の深刻化、河川洪水などの災害への脆弱性が顕在化するといった問題を抱えています。ダバオ市の今後の望ましい開発を見据え、長期的に都市インフラ整備を進めていくため、この協力では、道路、都市交通、防災、上下水、廃棄物管理を考慮したダバオ市の都市インフラ開発計画の策定を支援し,国家経済開発庁(NEDA)とダバオ市による都市インフラ開発に係る能力強化も行いました。
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アフリカにおける食糧安全保障(稲作分野)普及能力強化プロジェクト
サブサハラ・アフリカ諸国では、コメの消費量が増え、生産量の増加が追いつかず、コメの輸入量が拡大しています。このような状況の下、2008年に日本が開催したアフリカ開発会議(TICAD4)において、「アフリカ稲作振興のための共同体(CARD)」を立ち上げ、日本はフィリピンにある国際稲研究所(IRRI)とフィリピン稲研究所(PhilRice)の協力のもと、第3国研修を実施しました。この協力では、IRRIによる現地国内研修をさらに盛り込むなどして、CARD支援対象23ヵ国の研究員や普及員を対象に、稲作技術とその普及に関する能力強化などを支援しました。これにより、CARDの目標(コメの生産量を年間1,400万トンから2,800万トンに倍増)達成に寄与しました。 【上位目標】 CARD 支援対象国のコメSVC改善を通じ、対象国において生産されるコメの質が改善する。 【プロジェクト目標】 研修参加者(研究員・普及員等)の稲作技術とコメ SVC 改善能力が向上する。 【結果】 1)研修参加者(普及コース)が稲作技術・普及に関する基礎知識と技術を習得する。 2)研修参加者(SVC コース)が SVC に関する基礎知識と技術を習得する。 3)上記2コースの参加者が自国内外の稲作支援機関(CARD関連事業実施機関を含む)と連携関係を構築する。
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バリューチェーン分析を活用した産業振興計画策定プロジェクト
フィリピンは、過去の政策において、外国投資を地場産業に連関させる施策がとられてこなかったことなどから、他のASEAN諸国と比較して、裾野産業が育っていないとされています。また、2015年のASEAN経済共同体の発足により、中間財を多国間で流通させる域内貿易も加速し「バリューチェーンの国際化と重層化」が進んでいます。この協力では、フィリピン製造業(自動車産業)を取り巻くグローバル・バリュー・チェーン(GVC)の分析を実施し、実効性ある産業振興計画の作成を支援しました。これにより、対象産業において、外国・内国投資の増加、雇用の創出、中小企業のGVCとのリンケージ強化に寄与しました。
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技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
フィリピンで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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