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ジャマイカ
Jamaica
ジャマイカ経済は、観光業の他、鉱業(ボーキサイト及びアルミナ)、アメリカ等に移住した市民からの本国送金、砂糖、バナナ等の伝統的産品の輸出によって支えられています。一人当たりのGNIは4,990ドル(2018年、世界銀行)であり、中進国に位置付けられているものの、食糧の多く、エネルギーのほとんどを輸入に依存しているため、欧米先進国の景気、金利情勢や輸出品目の国際価格動向等の外部要因、また、頻発するハリケーン等自然災害の影響を受けやすく、一般的にその経済基盤は脆弱です。JICAは、(1)防災・環境、(2)格差是正、を重点分野として支援しています。
Project プロジェクト
JICAがジャマイカで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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緊急通信体制改善計画
大西洋のハリケーンベルトに位置するジャマイカは、大規模なハリケーン、熱帯性暴風雨による洪水、土砂災害が多く発生し、人命とインフラへの被害が拡大しています。地方政府・コミュニティ開発省災害準備・緊急管理局を中心に防災関連情報の収集と分析、予警報発信等の対策を実施していますが、防災通信網の整備が不十分なため、警報伝達、被害状況の把握・対応の遅れが課題となっています。この協力では、全国規模のデジタル無線通信システムの整備、県規模の固定・移動無線管理局の設置、FMラジオを活用した一斉予警報発信のための装置等を導入します。これにより、災害発生時に情報が迅速に的確に伝達され、人的被害と経済的被害の軽減など、自然災害に対する脆弱性の克服に寄与します。
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ジャマイカ研究所展示・視聴覚機材整備計画
ジャマイカでは、国家開発計画「Vision 2030 Jamaica」に文化・自然遺産の重要性および保護の必要性が謳われている一方で、ジャマイカ博物館(IOJ)が運営するアフリカカリブ博物館、ジャマイカ音楽博物館、ジャマイカ歴史・民族博物館、ジャマイカ自然史博物館といったいずれの施設においても、老朽化、展示品等の劣化、視聴覚機材の不足等に対応できないことが課題となっていました。この協力では、同国の文化・自然遺産への意識強化を図り、貴重な文化・自然遺産の保全・保護の推進に寄与するため、IOJに対して展示・視聴覚機材や地域での教育・普及活動環境改善用機材などを整備しました。
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南部地域保健強化プロジェクト
ジャマイカの保健指標は、中南米諸国のなかでは比較的良好な水準にありますが、高齢化および生活様式の変化に伴う生活習慣病の増加や、首都圏とその他の地域との保健サービスの格差が課題となっていました。この協力では、保健医療面で他地域よりも遅れている南部地域の3郡(マンチェスター、セント・エリザベス、クラレンドン)の保健医療従事者に対して、疾病予防プログラムの作成、健康診断、カウンセリング活動、生活習慣病予防のための健康教育の教材作成や啓発のためのイベントの実施を支援しました。これにより、対象地域住民の健康の向上に寄与しました。
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上水施設維持管理能力強化プロジェクト
ジャマイカの水道事業は、ジャマイカ国家水委員会(NWC)によって運営されています。同国の上水道普及率は71パーセント(2003年)に達していますが、計画浄水量に対して、有収水量は35パーセントにとどまっていました。NWCは自国資金や日本の有償資金協力により上水道整備を進めるとともに、経営効率化を目指し組織改革に取組んできたものの、現場スタッフの技術レベルや、それを監督する職員の管理能力が依然として低く、NWCの人材育成や管理体制の強化は大きな課題のひとつでした。この協力では、NWCの水質管理の強化や、水運用計画を通じて水供給の効率化の改善などを支援しました。これにより、NWCによる水供給の質・量の信頼性の向上に寄与しました。
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キングストン首都圏上水道整備事業
ジャマイカのキングストン首都圏の上水道普及率は、約95パーセント(1994年)と高かったものの、施設の老朽化とメンテナンス不足により漏水が多く、メーター未設置による料金徴収不足や盗水もあり、無収水率が60パーセント以上と非常に高い状況でした。このため、地域によっては1日8時間の給水制限があるなど慢性的な水不足が深刻でした。この協力では、同首都圏において、地下水による水源開発および浄水施設・送配水施設の修復・拡張を支援しました。これにより、上水供給の安定を図り、同国の住民生活の改善に寄与しました。
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技術高校職業教育改善
ジャマイカでは、全輸出の7割を農産物などの一次産品に依存してきましたが、工業製品の大部分を輸入に頼っていることから、貿易収支が赤字となっていました。同国政府は、その改善策として日用品などの国内生産の振興、繊維製品などの品質向上による輸出拡大を目指しているものの、自国企業の技術レベルが低く、中堅専門技術者の育成が急務となっていました。この協力では、同国のホセ・マルティ技術高校をパイロット校として、電子教育4学科(機械加工、CAD、電子、自動車整備)のカリキュラムの改善、教材の開発や教員に対する研修などを支援しました。これにより、同国における技術職業教育の質の改善に貢献しました。
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エネルギー管理及び効率化事業
ジャマイカは自国に化石燃料資源がなく、また再生可能エネルギーの利用が進んでいないため、エネルギー需要の9割以上を化石燃料の輸入に依存しており国家財政を圧迫しています。この協力では、キングストンを中心に国内全域の公共施設における省エネルギー技術・機器導入のための改修工事、キングストン市内の運輸セクターにおける燃料消費改善、エネルギー・科学技術省の組織強化を実施することにより、国内の官民双方の省エネルギーの促進を図り、気候変動の影響緩和及び脆弱性の克服に寄与します。
本プロジェクトは米州開発銀行(IDB)との、中南米地域に対する再生可能エネルギーおよび省エネルギー分野向け協調融資(COREスキーム)の実施枠組みに基づき、IDBとの協調融資により実施するものです。また、JICAとして初のドル建て借款として実施します。 -
モンテゴベイ上水道事業
ジャマイカ最大の観光地であるモンテゴベイ地区とその周辺地域は、1987年当時、恒常的な水不足に悩まされていました。人口増や観光客増によるさらなる水需要の増大が予想される一方、給水源であった地下水の水位低下や塩水侵入などの問題も深刻さを増しており、新たな安定供給源の確保が必要とされていました。この協力では、モンテゴベイ地区に上水道施設の整備を支援しました。これにより、給水人口は1992年から2001年にかけて37パーセント増加するなど、給水能力が改善し、住民の生活環境改善および地域経済の発展に寄与しました。
- 事業別プロジェクト一覧
- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
ジャマイカで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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