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スリランカ
Sri Lanka
スリランカは、世界各方面へのアクセスが容易なインド洋の中心に位置し、アジアと中東・アフリカを結ぶ要衝とし、重要な役割を有しています。スリランカ国内では、30年近く続いた紛争が2009年5月に終結したことを受け、内需拡大や外国人観光客数の増加が経済成長を牽引しました。しかし、2020年以降に蔓延した新型コロナウイルスに影響により、現在、世界の他国と同様に新型コロナウイルスへの対応と経済の立て直しを進めています。
JICAはスリランカにおいて、1954年から技術協力、1977年から有償資金協力を開始しました。JICAはスリランカにおける開発パートナーとし、「質の高い成長の促進」「包摂性に配慮した開発支援」「脆弱性の軽減」を重点分野とし、多様な開発課題を解決するためプロジェクトを展開しています。これらの協力は、スリランカの持続可能な開発や日本とスリランカの友好の架け橋として貢献しています。
2022年は、日本・スリランカ外交関係樹立70周年の節目の年です。JICAは、今後もスリランカの開発課題解決に向け、国際協力を推進していきます。
Project プロジェクト
JICAがスリランカで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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大コロンボ圏送配電損失率改善事業
スリランカでは、経済成長に伴い電力需要が急増しています。特に、同国の経済活動の中心地である大コロンボ圏では年率約10パーセント前後の高い割合で増加しており、現行の設備では将来の電力需要の増大に対応できない状況です。また、老朽化した設備も多いことから、送配電損失率の改善も重要な課題です。この協力では、同地域での送配電網の整備を支援しました。これにより、送配電容量の増強、送配電損失率の改善と電力供給信頼性の向上を図り、同国に対する投資および経済発展の促進、温室効果ガスの削減にも寄与しました。 【事業の目的】 本事業は、スリランカの首都圏である大コロンボ圏において送配電網の整備をすることにより、送配電容量の増強、送配電損失率の改善および電力供給信頼性の向上を図り、もって投資および経済発展の促進に寄与するもの。 【事業内容】 1) 変電所新設および既設変電所の増強(国際競争入札) 2) 地中送配電線新設(220kV、132kV、11kV)(国際競争入札) 3) 電力設備作業用特殊車両の調達(国際競争入札) 4) コンサルティング・サービス(詳細設計、入札補助、施工監理等)(ショートリスト 方式)
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国道土砂災害対策事業
スリランカでは、近年さまざまな自然災害に見舞われており、道路などの基盤インフラにも大きな被害が生じています。特に、急速な開墾や開発が進む同国中央部では、その脆弱な地質特性と急峻な地形条件から、急傾斜地の崩壊や地滑りなどの土砂災害が頻発しており、経済活動にも多大な影響を与えています。この協力では、土砂災害の危険が高い7県で特にリスクの高い主要国道の斜面16ヵ所への対策工の設置を支援しました。これにより、国道の土砂災害リスクを軽減し、道路網と周辺住民の生活の安全性の強化を通じ、同国の経済・社会開発に寄与しました。 【事業の目的】 本事業は、土砂災害危険地域7県における土砂災害リスクの高い主要国道への斜面対策を実 施することにより、基盤インフラである国道の土砂災害リスク軽減を図り、もって道路網及び周辺住民の生活の安全性強化を通じ同国の経済・社会開発に寄与するものである。 【事業内容】 1)土砂災害高リスク地域における国道斜面モデル対策工(アンカー工法等):6ヵ所(調達方 法:国際競争入札) 2)土砂災害高リスク地域における国道斜面対策工:10ヶ所(調達方法:国内競争入札) 3)早期警報システム機材の調達:30ヶ所(調達方法:国内競争入札) 4)コンサルティング・サービス(地質調査、詳細設計、入札補助、施工監理等)(ショートリスト方式)
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北中部乾燥地域における連珠型ため池灌漑開発計画策定プロジェクト
スリランカの農業・畜産セクターは、国家経済において重要な役割を果たしています。この協力では北中部の乾燥地域において、ため池を多数連結させた連珠型ため池システムの開発計画を策定し、そこで提案されたプロジェクトを実施しました。それによりシステムの灌漑・防災機能が高まり、効果的な水利用による作付け率の向上や灌漑面積の拡大に取り組むことで、コメの国内自給生産に貢献しました。
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スリジャヤワルダナプラ総合病院:PVパネル据付予定のB棟北側屋根。 病院における再生可能エネルギーを活用した電力供給安定化計画
スリランカでは近年、石炭・石油等を用いた火力発電を主要電源の一つとして利用してきましたが、2022年には、国際的な燃料価格の高騰と外貨不足の影響により、火力発電に使用される燃料の輸入が大幅に滞りました。同年8月には電気料金が約75%値上げされ、一時は計画停電が頻繁に実施されるなど、電力が安定的に供給できない状況となりました。こうした状況はスリランカの医療分野にも深刻な影響を及ぼしました。特に高度な医療の提供や大人数の入院患者の受入れなどのために多量の電力を消費する大型病院では、電気料金の大幅な値上げにより病院の財政が圧迫され、各病院で空調停止や照明の間引きなどの可能な限りの節電策が取られる事態となりました。また、不安定な電力供給に端を発する計画停電により、一部病院で予定されていた手術が中止されるなど、医療行為そのものにも影響が生じていました。 本案件は受け入れ患者数が多く、高度医療を提供する中核病院のうち、過去に日本が支援していて日本との関係が深い3つの病院(スリジャヤワルダナプラ総合病院、ラトナプラ教育病院、クルネガラ教育病院)を対象に、太陽光発電設備を導入することで、消費電力の低炭素化を促進し、かつ光熱費負担を低減するものです。これらによって、スリランカにおける安定した医療提供体制の強化を目指します。 【事業の目的】 本事業は、高度な医療サービスを提供するスリランカの病院3か所(スリジャヤワルダナプラ総合病院、ラトナプラ教育病院、クルネガラ教育病院)において太陽光発電設備を導入することにより、消費電力の低炭素化と光熱費負担の低減を図り、もって安定的な医療提供体制の強化に寄与するもの。 【事業内容】 1)施設、機材等の内容 【機材】太陽光発電設備(合計 約 900kW)等(3か所) 2)コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容 詳細設計、入札補助、調達監理、施工監理(屋根改修等)。 3)調達・施工方法 太陽光発電設備を調達のうえ現地に輸送し、据付を行う。なお、当国までの輸送費は日本側で負担する。
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プラスチック管理能力強化プロジェクト
これまでスリランカにおける廃棄物管理は、全国廃棄物管理支援センター(NSWMSC)の支援により、地方自治体の取組を改善支援してきました。一方で、プラスチックについては毎年 37〜40トンのプラスチック素材が輸入されており、不適切な廃棄が環境面や健康面で喫緊の課題となっています。 本事業は、スリランカにおいてプラスチック管理データベース及びモニタリングメカニズム構築、容器包装プラスチックと使い捨てプラスチック製廃棄物削減に関するアクションプラン策定及びパイロットプロジェクト実施、プラスチック管理センターのアクションプラン策定や人材育成を行うことにより、持続可能なプラスチック廃棄物管理システム構築を図ります。これをもってスリランカのプラスチック管理能力の強化を行います。 【上位目標】 スリランカのプラスチック管理能力が強化される。 【プロジェクト目標】 持続可能なプラスチック廃棄物管理システムが構築される。 【成果】 成果 1 プラスチック管理に関するデータベース及びモニタリングメカニズムが構築される。 成果 2 再使用、リサイクル、リカバー可能な容器包装プラスチック廃棄物資源循環に関するアクションプランが策定される。 成果 3 使い捨てプラスチック製廃棄物削減に関するアクションプランが策定される。 成果 4 プラスチック廃棄物管理に関するパイロットプロジェクトが実施される。 成果 5 プラスチック管理センターの活動計画が策定され人材が育成される。
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南部ハイウェイ建設事業(2)
スリランカのコロンボから南部地域へのアクセス手段である国道A2は、南部地域への唯一の国道ですが、交通量が激しいうえ、不十分な道路幅員などにより歩行者や低速車両が円滑な交通を慢性的に妨げ、経済活動を阻害する要因となっていました。この協力(第2期)では、第1期に引き続き、アジア開発銀行との協調融資で、コロンボ近郊から南部地域までの全長約125キロメートル(うち、JICA担当区間約67キロメートル)にわたる高規格自動車専用道路の新設を支援しました。これにより、コロンボ都市圏と南部地域との間の交通が円滑になり、同国南部の経済発展に寄与しました。
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南部ハイウェイ建設事業
スリランカのコロンボから南部地域へのアクセス手段である国道A2は、南部地域への唯一の国道ですが、交通量が激しいうえ、不十分な道路幅員などにより歩行者や低速車両が円滑な交通を慢性的に妨げ、経済活動を阻害する要因となっていました。この協力(第1期)では、アジア開発銀行との協調融資で、コロンボ近郊から南部地域までの全長約125キロメートル(うち、JICA担当区間約67キロメートル)にわたる高規格自動車専用道路の新設を支援しました。これにより、コロンボ都市圏と南部地域との間の交通が円滑になり、同国南部の経済発展に寄与しました。
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アッパーコトマレ水力発電所建設事業(2)
スリランカでは電力需要が増加する一方、発電設備容量が十分な水準に達しておらず、電力供給力が不足していました。電力供給の不安定さが国民生活や投資など、経済社会活動にとっての大きな制約要因となっていました。この協力では、同国最後の新規大規模水力発電事業として、マハヴェリ河支流コトマレ川に150メガワットの流れ込み式水力発電所の建設を支援しました。これにより、増大する電力需要への対応を図り、同国の経済成長に寄与します。
- 事業別プロジェクト一覧
- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
スリランカで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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