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インドネシア
Indonesia
インドネシアは近年着実に経済成長を続け、2022年の実質GDP成長率は5.31%と高成長を維持しています。インドネシアは東南アジア唯一のG20参加国としてグローバルサウスを代表する国の一つとなっており、2.7億人の人口を背景にASEAN地域経済をけん引する国として一段と存在感が高まる一方、国内では、大都市における交通渋滞やゴミ・水など環境問題の深刻化や地方部での地域格差拡大、また自然災害の多い国土における災害への備えや、脱炭素化等気候変動への取り組みなど、依然多くの課題を抱えています。
JICAは、長年にわたり日本の経験や強みを活かした母子手帳の普及や警察への協力といった技術協力やボランティア派遣などを行ってきています。特に最近では、深刻な首都圏のインフラ不足を解消すべく、インドネシア初の地下鉄事業として2019年に開業したMRTや港湾整備、下水道整備の他、地方部では防災や復興支援、また離島の漁港支援などにも取り組んでいるなど、ハード・ソフト両面において、日本の高い技術や知見を生かした協力を行っています。
また、インフラ整備への民間企業の参入を促進する手法としてニーズが高まっている官民連携(PPP)スキームについても、JICAは関連制度の整備支援とともに、モデル案件形成を通じて政府機関の能力向上を図るなど、包括的に協力しています。更に気候変動のような地球規模課題への対応として、脱炭素化・エネルギートランジションへの協力や、インドネシアのドナー化支援といった新たな分野への協力も展開しています。
Project プロジェクト
JICAがインドネシアで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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整備候補地の一つであるMerauke港の様子 漁港・国際魚市場統合整備セクター・ローン(フェーズ I)
インドネシアは、世界第3位の排他的経済水域(EEZ)を持つ豊富な水産資源に囲まれた地理条件を生かし、世界第2位の漁獲量を誇っており、更なる水産業の振興による経済成長への貢献が期待されています。一方、インドネシアは漁港を含む水産インフラ、及び水産物流通インフラの整備不足から、その水産ポテンシャルを活用しきれていない状況にあり、前者については、漁港の偏在による漁場へのアクセス制限、漁港インフラの老朽化やキャパシティ不足による非効率な水揚げの改善が課題となっています。 本事業は、漁港と市場の関連施設等を整備・改修することにより、水産物の水揚げ量の増加及びサプライチェーンを通じて販売される水産物の品質の向上を図り、もって地域の持続可能な社会経済の発展に寄与するものです。 【事業目的】 本事業は、漁港と市場の関連施設等を整備・改修することにより、水産物の水揚げ量の増加及びサプライチェーンを通じて販売される水産物の品質の向上を図り、もって地域の持続可能な社会経済の発展に寄与するもの。 【事業内容】 地方漁港及び市場関連施設の整備・改修を以下の通り行う。まずJICAに要請のあった8漁港に対し F/S及び詳細設計を行い、その結果を踏まえて実施機関が選定クライテリア(1漁業による経済発展ポテンシャル、2海洋安全保障の観点からの重要性、3案件の熟度、4環境カテゴリAに該当しない、等)に基づきサブプロジェクトとなる対象漁港及びスコープを検討し、インドネシア政府関係機関及びJICAから成る Steering Committee において全会一致で決定する予定。
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既存巡視船の岸壁係船状況 海上保安能力向上計画
インドネシア周辺の海域は漁業資源に恵まれているほか、日本に輸入される原油の約9割が通過するなど日本を含む国際物流の観点から極めて重要な海上交通路です。一方で、違法漁業、密航・密輸、テロ、海賊、人身売買、自然災害等が多発する水域でもあり、当国海域の哨戒の重要性はますます高まっています。インドネシア政府は国内の体制・制度及び監視強化を進めていますが、同国の広大な海域を既存の巡視船等により十分にカバーすることができず、巡視船等のアセットの増強をはじめ、海上保安機関の能力強化が喫緊の課題となっています。 本事業は、インドネシアの海上保安機構(BAKAMLA)に対し、巡視船を供与することにより、海上法執行能力の強化を図ります。これをもって、同国の海上安全の向上を通じたアジア地域及び国際社会の課題への対応能力向上に寄与するものです。 【事業の目的】 本事業は、海上保安機構(BAKAMLA)に対し、巡視船を供与することにより、海上法執行能力の強化を図り、もって同国の海上安全の向上を通じたアジア地域及び国際社会の課題への対応能力向上に寄与するもの。 【事業内容】 1)施設、機材等の内容 【機材】巡視船 1隻 2)コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容 詳細設計、入札補助、調達監理等
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ロープを使った沿岸での海藻養殖(写真提供:筑波大学) ブルーエコノミー振興のための持続可能な海藻由来機能性製品の開発プロジェクト
インドネシアは、世界最大の海藻の輸出国である一方、原料として輸出するためその付加価値は低くなっています。海藻を効率的かつ持続的に利用するシステムを構築することで、インドネシア総人口の60パーセントを占める沿岸地域社会の経済発展に貢献することが期待されます。 本事業では、インドネシアにおいて利用価値の高い海藻種の選定や効果的な栽培方法の開発、海藻の成分の機能性の評価、高度加工技術の開発、環境影響評価を行います。これにより、海藻から機能性製品を持続的に生産する基盤技術の確立を図り、もって海藻由来の機能性製品の生産促進による同国の海藻利用の多様化(ブルーエコノミー振興)に寄与するものです。 【上位目標】 海藻由来の機能性製品の生産促進を通じてインドネシアにおける海藻利用が多様化する(ブルーエコノミー振興)。 【プロジェクト目標】 海藻を利用した機能性製品の持続的生産に関する基盤技術が確立する。 【成果】 成果1: 海藻の資源データベースに基づき、価値の高い海藻種を選定し、効果的な栽培方法が開発される。 成果2: 海藻の化学成分データベースに基づき、選択された海藻種の成分の機能性を詳細に評価する。 成果3: 海藻から抽出した機能性成分を利用した機能性製品の高度加工技術が開発される。 成果4: 海藻の栽培及び機能性製品を製造する海藻関連産業の環境影響、社会受容度、経済性が評価される。
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パジャジャラン大学の研究者とのAeroHydroワーキンググループに関する協議 気候変動LULUCFセクター緩和プロジェクト
インドネシアは世界第3位の熱帯林保有国です。同時に巨大な炭素貯蔵庫と呼ばれる最大の熱帯泥炭地保有国であり、世界全体の泥炭地の約36%を保有しているとされています。しかしながら、1970年代前半から森林開発、木材生産等が増加してきた結果、顕著な森林減少、鉱業の進展や農業・プランテーションへの土地転用、森林火災、違法伐採等により、森林率は、1990年の約62%から2015年の約53%へと減少しました。こうした森林伐採、プランテーション開発等は熱帯泥炭地の乾燥を促し、大規模な森林火災の発生及び泥炭分解が進むことにより温室効果ガス(GHG)が大量に放出され、環境面でも問題となっています。 本事業は、インドネシアにおいて、泥炭地からのGHG排出量モニタリングの方法論および持続的な泥炭地利用に資する低炭素技術の方法論やLULUCF(*1)セクターにおけるGHGインベントリ及びMRV(*2)の政策策定・実施の促進を行います。これにより、LULUCF分野のNDC(*3)の達成に向けた気候変動緩和に資する持続的土地管理能力の強化を図り、もって同国のLULUCFセクターのNDC目標達成に向けた取組に寄与するものです。 【上位目標】 LULUCFセクターの NDC目標を達成するためのインドネシアの取組みが加速する。 【プロジェクト目標】 LULUCFセクターにおける、NDC達成のための、気候変動緩和に資する持続的土地管理の能力が強化される。 【成果】 成果1: NDC目標達成に向け、国および準国/州レベルで LULUCF セクターにおけるGHGインベントリ及び MRV を支援するための政策と能力強化が促進される。 成果2: 泥炭地からのGHG排出量にかかるTier3レベルのモニタリングシステムが開発される。 成果3: 先進的なAeroHydro技術によりグリーン経済が促進される。 成果4: 準国/州レベルでのREDD +の構築が支援される。 *1 LULUCF (Land Use, Land Use Change and Forestry):「土地利用、土地利用変化および林業」という意味で、気候変動枠組における森林等の陸上部門のこと。 *2 MRV (Measurement, Reporting and Verification):「(温室効果ガス排出量の)測定、報告及び検証」のこと。 *3 NDC (Nationally Determined Contribution):「国が決定する貢献」という意味で、パリ協定で掲げられた温室効果ガス削減の長期目標達成のために、各国の排出量削減と気候変動対策への努力を具体化したもの。
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スメル火山:2021年噴火直後の火砕流で被災した村落 火山防災セクター・ローン
インドネシアは、洪水、地滑り、地震、火山噴火等の自然災害が多発する国土であり、約130の活火山を含む500以上の火山が存在し、世界でも有数の火山国(世界の13%相当)です。火山噴火は火山灰堆積、火砕流、土石流等の災害を引き起こし、人命や財産、社会・経済インフラに多大な影響を及ぼすため、火山災害・土砂災害への取り組みは地域の安全と持続可能な成長を促す上で非常に重要です。 本事業は火山地域において、砂防施設の修繕・整備や非構造物対策を実施することにより、火山噴火による被害からの復旧や災害リスクの削減を図り、もって同地域の持続的な社会・経済の発展に寄与するものです。 【事業の目的】 本事業は火山地域において、砂防施設の修繕・整備や非構造物対策を実施することにより、火山噴火による被害からの復旧や災害リスクの削減を図り、もって同地域の持続的な社会・経済の発展に寄与するもの。 【事業内容】 1) 全体の事業計画の概要 スメル火山・クルド火山・アグン火山等において、砂防施設の修繕・再建・新規建設、雨量レーダーの設置、火山砂防マスタープラン作成等の非構造物対策を実施する。 2) 土木工事の内容 噴火による堆積物により機能が低下し、周辺集落・農地・漁村・観光拠点等が土石流氾濫の危険性に晒されている砂防施設、火口湖排水トンネルの復旧等、必要性と緊急性が高い砂防施設の修繕・再建・新規建設を行う。また、土砂災害・河川氾濫の早期警報のための雨量レーダーの設置を行う。本事業で対象とする砂防施設は、マスタープラン改定・作成後に確定する。 3) コンサルティング・サービス 詳細設計、入札補助、施工監理、環境社会配慮支援、火山砂防マスタープラン改定・作成支援、砂防施設維持管理支援、防災意識向上支援、火山噴火時の緊急減災対策マニュアルの策定支援
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環境管理センター 水銀ラボ外観 水銀管理能力強化プロジェクト
インドネシアは、2017年に「水銀に関する水俣条約」を批准するとともに、同年に最大の水銀汚染源である金採掘活動を中心に水銀の使用を中止し、2019年に「水銀削減と廃止のための国家活動計画(RAN-PPM)」に関する大統領規則に署名しました。同規則は水銀の削減及び廃止に向けた戦略・行動・目標を盛り込んでおり、製造、エネルギー、小規模金採掘鉱山、健康の4つの優先分野に重点を置いています。インドネシア政府による水銀管理の取り組みが一定程度進められているものの、水銀削減目標を達成するためには、法的枠組み及び法執行、インベントリー・マテリアルフロー、水銀廃棄物の収集・運搬・貯蔵及び処理、水銀管理技術において課題があります。 本事業は、水銀管理にかかる法律及び規則の制定・実施能力の強化、水銀排出インベントリー・マテリアルフローの作成、モニタリング結果に基づく解析・リスク評価等を行うことにより、環境林業省の水銀管理政策の策定・実施及びモニタリング能力の強化を図ります。これをもってインドネシア国全体の水銀管理政策の策定・実施能力の強化に寄与するものです。 【上位目標】 インドネシア国全体における水銀管理政策の策定・実施能力が強化される。 【プロジェクト目標】 環境林業省 PSLB3、CSEQI及びPPKLの水銀管理政策の策定及び実施能力及び水銀モニタリング能力が強化される。 【成果】 成果 1: 国レベル及び地方レベルの水銀管理に関連する法律及び規則の制定及び実施に関する能力が強化される。 成果 2: 国レベルの水銀排出インベントリーとマテリアルフローが作成される。 成果 3: パイロット・プロジェクトを通じて、モニタリング結果に基づく解析・リスク評価を行い、水銀管理政策に基づいて対策を立案し実施する能力が向上する。 成果 4: 国レベルの水銀管理の改善に向けたロードマップが策定される。
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前期中等理数科教員研修強化プロジェクト
インドネシアの前期中等教育では、特に理数科において、基礎教育の質が課題となっていました。日本は、これまで同国の3大学(インドネシア教育大学、マラン国立大学、ジョグジャカルタ国立大学)において、教員養成課程の質の向上について支援してきました。一方、現職教員の再訓練は、同国の教科別教員研修(MGMP)が担っていましたが地方分権化の混乱もあり、効果的に運営されておりませんでした。この協力では同3大学と教育現場の連携によるMGMPの再活性化を図りました。これにより、対象県において理数科教員の質向上に資する授業研究を活かしたMGMP活動のモデルが構築され、生徒の理数科の学力向上に寄与しました。
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チタルム川上流支川流域洪水対策セクターローン
チタムル川上流域は西ジャワ州の州都バンドン市南部に位置し、同国における繊維産業・農業の中心地域の一つとなっていますが、急速な都市化と人口増加により洪水被害が深刻化しています。本協力では、チタルム川上流の支川流域を対象に、河川改修などのインフラ整備を支援しました。また、流域管理事務所の組織強化や維持管理活動の強化、洪水被害に対するコミュニティの能力強化などを実施することで、地域住民の洪水対応能力の強化や同流域の洪水被害の軽減を図り、住民の民生向上や経済および産業の発展に寄与しました。 【事業の目的】 本事業は深刻な洪水被害に見舞われているチタルム川上流支川流域を対象に、河川改修等のインフラの整備を行うとともに、避難訓練等を通じて地域住民の洪水対応能力の強化等を行うことにより、同流域の洪水被害軽減を図り、もって同地域住民の民生向上、経済・産業の発展に寄与するものである。 【事業内容】 本事業は、河川改修を行うコンポーネントA、流域管理事務所能力強化、地域住民に対する洪水対応能力強化などを行うコンポーネントB、上流の流域保全対策を行うコンポーネントCから構成される。コンポーネントAに関しては、インドネシア政府が策定したチタルム川上流支川の河川改修と遊水地整備等から成る構造物対策(サブプロジェクト)ロングリストに基づき、治水効果、社会的な影響、環境的な影響、地域的なニーズ、コスト等をクライテリアとして構成される実施計画書を作成し、サブプロジェクト(河川改修)の手続きが整ったものから順次実施する。 1) 土木工事 コンポーネントA:洪水対策インフラ工事(河川改修:河道掘削・浚渫、護岸工事等) コンポーネントC:流域保全対策(砂防堰堤の建設) 2) コンサルティング・サービス コンポーネントB:チタルム流域管理事務所の組織強化や維持管理活動の強化、洪水被害に対するコミュニティ能力強化等のソフト対策支援の実施。 詳細設計レビュー、環境及び用地取得モニタリング、入札書類作成等の支援、施工監理等
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- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
インドネシアで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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