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コスタリカ
Costa Rica
中米に位置するコスタリカ共和国は51.100 km2の面積を有し、その領土の約25%が国立公園、生物、陸生および海洋保護区によって保護されています。住民は約5百万(2018年国勢調査)という小さな国です。一人当たりのGDPがUS10,714ドル(2017年世界銀行)と中米地域では比較的高いですが、都市部と農村部の貧困率の格差は非常に大きくなっています。
コスタリカと日本は、平和、民主主義、人権、環境保護などの価値を共有しています。 特に環境保護は両国間の良好な二国間関係の柱の一つと考えられています。
1973年に日本とコスタリカの政府の間で日本のボランティアを派遣することが合意され、法律第6938号にて批准されました。これにより、1974年10月9日に海外協力のための日本人ボランティアの最初のグループが到着しました。1986年5月6日、技術協力に関する法律第7036号が承認され、技術協力プログラムの実施が可能となりました。日本の専門家を派遣し、日本に奨学生を送ったほか、JICAが提供する他の技術協力が実施されてきました。
JICAは現地のニーズに焦点をあて、各国でプロジェクトを採択していますが、コスタリカ政府との協力は3つの分野に重点を置いています。
・環境保全
・格差是正
・その他
Project プロジェクト
JICAがコスタリカで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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グアナカステ地熱開発セクターローン(ラス・パイラス2)
コスタリカでは、近年順調な経済成長を背景に、電力需要が年々増加しており、今後更なる電力需要増が予想され、新たな電源開発による発電量の増量が必要です。2013年時点、同国は主に、再生可能エネルギーである水力に電源を頼っていましたが、乾季には発電量が低下するため、高コストの輸入化石燃料で火力発電を行っており、温室効果ガスの排気量増加や、発電コストを押上げる要因となっています。この協力では、コスタリカ北西部グアナカステ県ラス・パイラス地区に地熱発電所を建設しました。これにより、再生可能エネルギーによる電力供給の増強および気候変動への影響緩和を図り、同国の持続的発展に貢献しました。 【事業の目的】 本セクタープロジェクトローンは、コスタリカ北西部グアナカステ県に複数の地熱発電所を建設し、再生可能エネルギーによる電力供給を増強するとともに気候変動への影響緩和を図り、もって同国の持続的発展に貢献するもの。本事業は、本セクタープロジェクトローンのサブ・プロジェクトのうちの一つであり、グアナカステ県ラス・パイラス地区に地熱発電所を建設するもの。 【事業内容】 1)地熱発電所(出力 55MW)1 基建設 2)コンサルティング・サービス(詳細設計レビュー等)
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参加型生物多様性保全推進プロジェクト
コスタリカは、世界の「生物多様性ホットスポット」としてメソアメリカ地域で重要な国と位置付けられており、一時は減少の一途をたどっていた森林面積も、1980年代後半から森林保全や生物多様性保全の取り組みが実施された結果、現在は飛躍的に回復しています。しかし、自然保護区の管理体制は、人間による違法な活動を排除する管理モデルが中心で、周辺住民との対立を招くことも多かったことから、この協力では、地域住民とともに保護区管理を行う参加型生物多様性保全の強化や、地域の拠点として国内外での知識の共有活動などを支援します。これにより、同国および中南米各国における生物多様性保全に貢献します。
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ブルンカ地方における人間の安全保障を重視した地域住民参加の総合リハビリテーション強化プロジェクト
コスタリカでは、人口の5.4パーセント(1998年国勢調査)が何らかの障害を持っており、また、平均寿命が長く、リハビリテーションサービスを必要とする高齢者数の増加が見込まれていました。しかし、障害者を対象とした社会的サービスの地域格差は深刻で、地方都市を拠点として地域の住民参加を伴ったサービスの行き届くシステムを確立する必要がありました。この協力では、ブルンカ地方において、総合リハビリテーションによる障害者の社会参加支援体制の強化を支援しました。これにより、同地方の障害者の生活機能の向上に寄与しました。
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中都市上水道整備事業
コスタリカの上水道は、設備の老朽化や不適切な維持管理による漏水、貯水容量不足による断続的な供給などの問題がありました。また、水道メーターの未整備や盗水などで上水供給量の把握ができず、財務的に多大なロスが生じており、上水道設備の修復および改善が急務となっていました。この協力では、6都市の取水口、導水管、配水管、貯水棟などの整備・修復を支援しました。これにより、包括的な上水供給サービスの維持と改善を図り、地域住民の生活および衛生環境の向上に寄与しました。
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ピリス水力発電所建設事業
コスタリカでは、水力発電が全電力供給の4分の3を占めています。電力需要は経済成長に伴い年々増加してきており、早急にその需給ギャップに対処する必要が生じていました。この協力では、首都サンホセ(首都圏人口約120万人)の南方約70キロメートルに位置する中央高原地域を流れるピリス川中流部において、設備出力138メガワットの水力発電関連施設の建設を支援しました。これによりコスタリカの安定的電力供給能力の向上に寄与しました。
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コスタリカ国立劇場視聴覚機材整備計画
1897年に設立されたコスタリカ国立劇場は、法律で「最高レベルの芸術作品を上演し、以て舞台芸術を推進すること」と定められた、同国最高峰の文化芸術の発信拠点です。特に、コスタリカの舞台芸術を推進するという理念を実現するため、高齢者、障害者、学生などに配慮した時間帯・価格での芸術公演を実施するなど、幅広い層の市民が舞台芸術や音楽に親しむ機会を提供していますが、同劇場の機材は老朽化が著しく公演活動に支障をきたしており、また、撮影機材などの不足で公演記録の作成ができない状況にありました。日本は、同劇場の公演活動に必要な視聴覚機材整備を支援して、コスタリカの芸術文化の質の向上に寄与しました。また、同劇場では、日本人の指揮者や音楽家がたびたび公演を行っており、今後、両国間の芸術活動を通じた人と人との交流、文化交流の一層の促進が期待されています。
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ニコヤ湾持続的漁業管理計画プロジェクト
コスタリカでは、環境と調和した持続的な開発を目指し、貧困削減や環境保護とその適正利用などを目的とし水産分野の開発に取り組んでいます。同国有数の漁場であるニコヤ湾における水産業は、他産業からの流入による零細漁業者の増加や乱獲によって漁獲量は減少し、水産資源の枯渇が懸念されていました。この協力では、ニコヤ湾および周辺地域の漁業資源の持続的な管理と利用方法の改善を支援しました。これにより、情報のデータベース化や水産物の品質・鮮度管理技術の普及が図られました。
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国営ラジオ・テレビ局番組ソフト整備計画
国営ラジオ・テレビ局は、コスタリカ唯一の国営放送局で、文化・教育番組を中心に、科学や環境など幅広い分野の放送を行っています。同放送局は外国の文化を紹介する番組を定期的に放映しており、日本に関連した番組は幅広い層の視聴者に好評です。同国教育省と連携して教育番組を教育現場に導入することを検討しており、自力で番組の制作や番組ソフトの購入を行っていますが、質の高い番組ソフトを整備するだけの十分な予算確保は困難でした。この協力では、同放送局の日本関連番組ソフトの整備を支援し、良質なドキュメンタリー、教育番組の放映時間の増加に寄与しました。また今後、同国民の対日理解が促進されることも期待されています。
- 事業別プロジェクト一覧
- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
コスタリカで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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