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2015年08月

2015年08月21日

『レッド・ファミリー』

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韓国で暮らす一見仲の良い家族。

実は彼らは北朝鮮の工作員達。

情報収集だけではなく、脱北者の粛清など、かなり血生臭い任務をこなして来た。

彼らの本当の家族は北朝鮮におり、任務を遂行しなければ自らのみか残してきた家族の命も危ない。


そんな擬似家族は隣の韓国人家族と少しずつ交流を持つようになり、時にギクシャクしながらも親交を深めてゆく。


この映画、コメディーに徹してしまえばかなり面白くなったのではないだろうか?

隣の韓国人家族はわざと駄目でお馬鹿な家族(特に旦那と嫁)に設定されていて、それに振り回される北朝鮮工作員の擬似家族も面白い。


だが、序盤の任務での容赦無さは「やはり工作員なのだな」と感じられ、その工作員が徐々に「工作員である前に人間だ!」となって行く様には違和感を感じる。

これは北朝鮮と韓国の関係を韓国側から見たものなので、韓国においては違和感はあまり無いのだろうか?

日本人の私からは、「ても、君たち粛清で相当酷い事して来たじゃないか...」とどうもスッキリしない。

工作員の擬似家族が、本国からの指示と韓国での暮らしに板挟みになりながらも、徐々に変化してゆくのは結構好きなのだが。。。


だけれど、ある出来事を切っ掛けにした独断の作戦で、擬似家族は窮地に陥る。

擬似家族間で「お互いを一人の人間として認め合い、助けたいという思い」が生まれて来たのだ。


最終的には、「そうなっちまうか...」という結末を迎えるのだが、この擬似家族が最期にする芝居が切ない。

この擬似家族が演じたモノはそれほどまでに憧れるものだったのか...

なんて切ないのだろう。



だが、私は思う。

そういった切なさや序盤の任務遂行をもっとソフトにし、完全にコメディーに振り切ってしまった方が映画としてより面白かっただろうな、と。



poponu_august at 05:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年08月14日

『ドラフト・デイ』

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アメリカで最も人気のあるスポーツ。

それはアメリカンフットボール。

野球でもバスケでも腕相撲でなく、アメリカンフットボール。


毎シーズン行われるドラフトは昨シーズン最下位のチームから順に指名できる。

そしてここがポイントなのだが、「他のチームは同じ選手を指名することは出来ない」のだ。

日本のプロ野球のように使命が競合して抽選などはない。

指名した選手を獲得できるのだ。


毎シーズン目玉選手はおり、大学時代の試合の全てのビデオ、全てのプレイをチェックし、自分のチームに必要な選手をピックアップする。

身体能力、技術、精神力、人間性、ありとあらゆる面で評価する。

例え大学ナンバーワンの超目玉選手であっても、誕生パーティーにチームメイトが来ないという部分で人間性を疑う。

レフェリーに楯突いても(触っただけ)精神力を疑う。

現チームのレギュラーの膝の治り具合、果ては怪我をした時の状況から身体能力や技術を疑う。


オーナーは華のある選手を欲しがる。

監督は自分の戦術にあった選手を欲しがる。

財務担当はサラリーキャップに収まるような補強を要求する。

選手のエージェントや大学時代のコーチからも電話がバンバン入る。

ファンだってアイツが欲しい!コイツはいらねぇ!と騒ぎ立てる。

GM(ゼネラルマネージャー)だって自分の理想のチームを作りたいんだよ!!


ドラフト前から駆け引きは始まっていて、クリーブランド・ブラウンズのGMは全体7位指名権であったのを、来季以降3シーズンの1巡目指名権と引き換えに今季の全体1位指名権をシアトル・シーホークスから獲得するところから物語は始まる。

「ふーん、こうやって事前取引するのか。しかし向こう3シーズンの1巡目指名権と交換も出来ちゃうのか」と感心していると、NFLドラフトのえげつなさに驚くハメになる。

指名順が回ってきたら10分以内に誰かを指名しなければならない。

チーム内で意見がぶつかり合い迷っているうちに10分経過、指名権をドブに捨てる事になった例もある。

さらには刻々と刻まれるこの10分間の間に更に他のチームにハッタリきかせながら今季の指名順と来期以降の指名権や所属選手のトレードもしてしまう。

それぞれが入れ替わった今季の指名順を元に、先ほど手放した来期以降の指名権とトレードしたりする。


まあ、この映画の場合は全体1位指名権をわざわざ獲得したブラウンズのGMが、皆が全体1位指名はこの選手だと思っていたド本命選手を指名しなかった事で皆が混乱するという物語だ。

チーム関係者からもファンからもオーナーからも「クソ!!」呼ばわりされながらもその後あの手この手のハッタリでドラフトを挽回し乗り切ってゆく。

刻々と時が迫る中での駆け引きという名の騙し合いだ。

これはチーム関係者なら頭を抱え胃に穴が開くような話なのだろうが、外から見ている分には面白い。


Jリーグでもこのようなドラフト制度が導入されたら、それだけでシーズンオフは盛り上がるだろう。

そしてジェフ千葉が妙な指名なんかした日には、「クソGM辞めろや!」と叫ぶ羽目になりそうなので、当面は導入されなくてもいいと思う。


まずは今季こそJ1に復帰できるようにね。。。

poponu_august at 23:55|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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趣味は物語に触れる事です。
(本、漫画、映画、何でも) 様々な物語に救われてきました。
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