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イチロー氏 引退試合は「完璧」コロナ禍だったら「やめられなかった」引き際の美学を語る

[ 2023年1月18日 21:04 ]

自身初のインスタライブで様々な質問に答えたイチロー氏
Photo By 提供写真

日米通算4367安打を放ち、日本野球界のレジェンドでもあるイチロー氏(49=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が18日、オリックスグループ公式インスタグラム「SMILE ON」(@orix_smile_on)で、自身初となるインスタライブに登場。相談ライブ「イチ問一答」と題して、ファンからの仕事、恋愛、人間関係、人生など幅広い悩み相談に答えた。

「引き際の美学、引退後のモチベーション」について問われたイチロー氏は「僕のケースは後から分かることなんですけど、2019年3月に引退しました。その後、19年秋から今も続いてますけど、不自由というか、制限された生活」と引退後、1年もたたずに世界中が新型コロナウイルスに振り回されたと回想。「あそこで僕、やめてなかったら絶対、どこかでやりたいと思うんです。あそこでスパーンと東京ドームで終わる。ケジメをつける決断をした。自分じゃコントロールできない悪いことがいっぱい起きて、やめられなかったと思うんですよね」とコロナ禍では、引退を決断できなかっただろうとした。

そして「今、振り返って改めて思うことは、引き際は大事なんだろうと。もちろん難しいけど。僕の場合は思い切って、しました。その後の野球に迷いなく入っていけた。一歩踏み出せた」と19年3月というタイミングで引退を決断したことは良かったと振り返った。引き際を決断できた、今だと分かった理由について「分かったわけじゃない。これは後から分かること」とし「ただ、あのタイミングで日本で開幕する。それが東京ドーム。日本で僕はやっぱり育ててもらった。それがベースでアメリカでできた気持ちが強かったので、最後が東京ってのは良いんじゃないかなと」と日本で行われた試合で引退を決断した理由を説明。

その上で「ただ、それはお知らせすることでない。僕は近い数名だけ」と引退を報告していたのはごく近しい人間だったにも関わらず「でも、ゲームが終わって、ほとんどの人が球場に残ってくれて、"イチローお前出ていかなきゃ誰も帰らないよ"ってチームメートに言われて(球場内を)のぞいたら、"マジか"ってなって球場一周するわけです」と当時の状況を思い浮かべ、懐かしんだ。「それを思ったら、あれ以上のやめ方が僕にはない。だから、完璧なんですよ。引退会見で"後悔なんてあるわけない"と言いましたけど、あるわけないんですよ。あの終わり方だから。引き際、大事だと思います」と力説した。

また、引退後のモチベーションについては「今、取り組んでいることが高校野球(の指導)。高校生、こないだは中学生、プロ野球入る前の野球が大好きな子たちと僕まだ普通に動けるし、彼らの将来に何かきっかけが作れたら、嬉しいですね。それが大きなモチベーション」と中高生と触れ合いながら野球を教えていることと即答。「触れ合ってるのが1日だけでも、その後、手紙をもらうと、泣きますよ。あれは」と指導後、寄せられた手紙に感動すると明かした。

学生への指導は「僕、そんなプラン全然なかったんですけど、ある学校の応援を見て高校野球が好きになったのがきっかけです」と明かし「厳しい言い方ですけど、プロ野球選手は自分でやっていかないと。教えてくれる人もたくさんいる。高校生、中学生はこれから可能性が無限大なので、そこと触れ合うってのは僕の今の最大のモチベーションです」とした。

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