よりリアルなロードバイク(競技用自転車)体験を目指したVR研究【WISS2021 学会発表】

2021年12月25日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部三上です.

今日は大学院在籍中の学生渡邊拓人君がWISS2021(第29回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ)においてデモ発表した,「競技自転車ゲームにおける操作・知覚提示に関する研究について紹介します.

コロナ禍で多くの学会がオンラインで開催される中,インタラクティブなテクノロジーの発表のために,万全の感染症対策を施し,人数を限定し対面とオンラインのハイブリッド開催にて実施されました.

この研究は,ロードバイクのVRコンテンツの試作版を体験した渡邊が感じた課題(違和感)を解決するために,よりリアリティにこだわった体験システムを開発したいという欲求からスタートしました.(ちなみに渡邊君は自転車屋でバイトする自転車好きで,私も3年ほど前から自転車が趣味に加わりました)

ハイスピードで疾走するロードバイクは,コーナリングの際にハンドルを切るのではなく,ロードバイクや体を傾けながらバランスをとって曲がります.そして,その傾け方ですが,ロードバイクと体を一体的に傾けることもできますし,体だけは起こしてロードバイクを倒すなど様々な倒し方ができます.このような体やバイクの傾きなどをコンテンツに反映させたり,プレイヤーにきちんと知覚させたりすることに課題があるため,新しいデバイスの開発をしようということになりました.

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そもそも,実際の走行中と同じようにロードバイクを傾けたり戻したりすればいいのですが,そのためには大変大きな力が必要になり,テーマパークや大規模なアミューズメント施設でしか利用できません.また,安全性の配慮も課題になります.そこで,渡邊君はハンドルを車体と独立させてハンドルだけを傾けることで,プレイヤーは傾きを感じるのではないかと考えて装置と連動するシステム(とそのコンテンツ)を開発しました.

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開発したシステムは安全性も考慮し鉄パイプで周りを固めました(それでもまだ強度が足りなかったので改良中).
参加者は普段ロードバイクを乗らない方から,競技用自転車の経験者まで様々な方がおり,興味を持って体験してくれました.

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いろいろなフィードバックを得ることができたので,これからどんどん改良していきます.

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