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ヨルダン
Jordan
非産油国で、主要な外貨手段を持たないヨルダンは、経済のグローバル化の推進に積極的に取り組み、外貨導入と自由貿易による経済成長を図ってきており、1人当たりGNIは、この10年間で2.5倍になりました。一方、海外の動向に大きく影響を受ける経済体制であることから、2008年に始まった米国発世界的金融危機の影響を受け経済成長は鈍化しています。また、パレスチナ問題やイラク戦争、シリア内戦等、歴史的に周辺国で勃発している紛争の影響を大きく受けており、近年も一次エネルギー源の輸入滞り、大量の難民を受け入れ等により政府の財政赤字は拡大しています。JICAはヨルダンの発展のために、外貨獲得の主要手段の一つである観光開発や、限りある天然資源の有効活用を通じた「自律的・持続的経済成長の後押し」、60年以上という在歴をもつパレスチナ難民や障害者、女性といった社会的弱者の支援を通じた「貧困削減・社会的格差の是正」、近年急速に増えているシリア難民への支援や、比較的教育・技術レベルの高いヨルダンにおける周辺アラブ諸国への研修実施を通じた「平和創出に向けた地域間交流」を3つの重点分野として支援しています。
News ニュース
Project プロジェクト
JICAがヨルダンで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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南部地域給水改善計画
ヨルダンは国土の約75パーセントが砂漠地帯に属し、水資源の有効かつ公平な利用は国の重要課題です。特にヨルダン南部地域は、基幹水道システムの劣化や無収水率の高さによって、住民への送配水が不安定な状態にありました。この協力では、タフィーラ市、タフィーラ県南部を対象として、送配水システムの再構築(配水池の建設・配水管網更新・配水区の設定など)を支援します。これにより、対象地域における給水の安定化と、これまで無駄になっていた水の有効利用や送配水設備のエネルギー効率向上に寄与しました。
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北部シリア難民受入地域廃棄物処理機材整備計画
ヨルダンでは、シリア難民流入による人口増加の影響もあり廃棄物が増加していますが、廃棄物処理機材の老朽化や不足のため処理が追い付いていません。それがさらなる不法投棄の増加、廃棄物の不適正処分や野焼きの増加につながっており、環境汚染や衛生面で問題が発生しています。この協力では、ヨルダン北部シリア難民受入れ地域を対象に、廃棄物にかかる中継基地および最終処分場に必要な機材を整備することにより、同地域の衛生・生活環境改善に寄与しました。 【事業の目的】 本事業は、北部のシリア難民受入地域を対象に、廃棄物処理に係る中継基地及び最終処分場に必要な機材の整備を支援することにより、廃棄物処理状況の改善を図り、もって同地域の衛生・生活環境改善に寄与するもの。 【事業内容】 1) 施設・機材の内容 ごみ圧縮装置4台、ブルド-ザー6台、ごみ圧縮装置用の運搬車両 24台等の廃棄物処理関連機材 2) コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容 コンサルティングサービスの内容は詳細設計、入札補助、調達監理。ソフトコンポーネントの内容は、廃棄物処理機材の運営、維持管理に係る能力強化。
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コミュニティ重視型のペトラ地域観光開発プロジェクト
ヨルダンのペトラは、同国最大の観光地であり、世界遺産のひとつとなっています。しかし、同地域は遺跡観光が中心となっており、遺跡以外に観光客をひきつける地域環境の整備が十分にできていません。この協力では、ペトラ開発観光局(PDTRA)職員の能力強化を通じ、魅力的なペトラ地域の開発を図るとともに、無償資金協力「ペトラ博物館建設計画」との相乗効果を図るべく博物館の開館を支援しました。これにより、観光開発による地域振興を推進しました。 【上位目標】 ペトラ地域でコミュニティ重視型の観光/地域開発が持続的に実施される 【プロジェクト目標】 コミュニティ重視型の持続的な観光/地域開発を行うための PDTRAの実施能力が強化される 【成果】 1)観光/地域開発を実施するためのステークホルダーの連携体制が構築される。 2)観光プロモーション計画を策定し、実施する能力が強化される。 3)地域住民を巻き込んで観光商品を計画し、実施する能力が強化される。 4)ペトラ博物館の開館準備が整う。
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実技研修の様子(電子音調棒)(写真提供:株式会社TECインターナショナル) 南部地域無収水対策能力強化プロジェクト
ヨルダンは水資源が世界で最も少ない国の1つです。当国内において、南部のアカバ県では、アカバ水道公社(AWC)が水道事業を実施しており、当国で唯一の24時間給水を達成しているなど実績をあげています。ヨルダン南部3県(マアン県、カラク県、タフィーラ県)では、水・灌漑省(MWI)管轄のヨルダン水道庁(WAJ)が直轄で水道事業を運営していましたが、運営管理の能力不足等の理由から間欠給水になっており、給水水質など給水サービスのレベルが非常に低く、顧客との関係も悪い状況になっています。 本事業は、アカバ県及び南部 3 県(マアン県、カラク県、タフィーラ県)における南部 3 県の水道技術者に対するAWCの理論的・実践的な無収水対策に関する座学及び実技研修能力の強化します。これにより、ヨルダン南部の実践的な無収水対策に関する能力向上の枠組みの構築を図り、もってヨルダン南部の無収水削減活動が強化された能力・体制で継続されることを目指します。 【上位目標】 ヨルダン南部の無収水削減活動が、強化された能力・体制で継続される。 【プロジェクト目標】 ヨルダン南部の実践的な無収水対策に関する能力向上の枠組みが構築される。 【成果】 成果 1 AWCが理論的・実践的な無収水対策に関する座学研修を南部3県(マアン県、カラク県、タフィーラ県)の水道技術者に対して実施するための能力が強化される。 成果 2 AWCが実践的な無収水対策に関する実技研修を南部3県の水道技術者に対して実施するための能力が強化される
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電力システム運用能力強化計画
ヨルダンでは、化石燃料を周辺国からの輸入に頼っていますが、エネルギー安全保障の観点から再生可能エネルギー活用への転換を推進しています。そのため、発電設備容量に占める再生可能エネルギーの割合が急速に拡大し、出力と需給バランスの変動が要因となる停電が増加しています。このような状況を踏まえ、電力系統設備の整備を通じた、電力供給の安定性の向上及び再生可能エネルギーの更なる活用促進が課題となっています。 本事業は、電力系統の基幹変電所(アカバ、アンマンサウス及びアンマンイースト)において、保護リレー装置を信頼性・保守性に優れたデジタル・リレー装置に更新することにより、精度の高い系統事故の検出と保守点検の省力化を通じた電力系統運用の効率改善を図ります。これをもって電力供給の安定性の向上及び再生可能エネルギーの促進を目指します。 【事業の目的】 電力系統の基幹変電所(アカバ、アンマンサウス及びアンマンイースト)において、保護リレー装置を信頼性・保守性に優れたデジタル・リレー装置に更新することにより、精度の高い系統事故の検出と保守点検の省力化を通じた電力系統運用の効率改善を図り、もって電力供給の安定性の向上及び再生可能エネルギーの促進の後押しに寄与するもの。 【事業内容】 (ア)機材等の内容: 【機材】 アンマンサウス変電所: 400kV:送電線保護リレー、変圧器保護リレー、母線保護リレー、遮断器保護制御リレー 計 65 台 132kV:送電線保護リレー、母線保護リレー、変圧器保護リレー 計 34 台 アカバ変電所: 400kV:送電線保護リレー、変圧器保護リレー、母線保護リレー、遮断器保護制御リレー等 計 82 台 132kV:送電線保護リレー、母線保護リレー、変圧器保護リレー 計 38 台 アンマンイースト変電所: 400kV 送電線保護リレー 計 4 台 (本事業では日本企業の高性能なデジタルリレーを導入予定。) (イ)コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容: 詳細設計、入札補助、調達監理、据付に係る施工監理等。 (ウ)調達・施工方法: 機材については基本的に日本調達とし、日本又はヨルダンで調達困難な機材は第三国調達とする。施工にあたっては、現地に輸送し先方負担で評価試験及び据付を行う。なお同国までの輸送費は日本側で負担する。また、コンサルタントは試験評価及び全量据え付けまで施工監理を行う。
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#無償資金協力
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#資源・エネルギー
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シリア難民ホストコミュニティ地方部における村落保健センターのサービス向上プロジェクト
ヨルダンの合計特殊出生率は、中東の平均よりもやや高く、理由として近代的避妊法の普及率や、家族計画ニーズの充足率の低さがあげられます。また同国では、近年の内戦を逃れてシリア難民が急増し、保健医療サービスを圧迫しています。この協力では、シリア難民のホストコミュニティにおいて、村落保健センターのリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)・家族計画サービスおよび基礎的な保健サービス提供能力の強化を支援していました。これにより、対象地域に居住するより多くのヨルダン人、シリア難民が質・量の伴った村落保健センターの提供する保健サービスにアクセスできるようになりました。
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バルカ県送配水網改修・拡張計画
国土の約75パーセントが砂漠地帯のヨルダン。水資源不足は深刻で、全国で給水制限が行われ、小規模村落には給水が週10時間以下の地域もあります。この協力では、バルカ県の中でも特にヨルダン最大のパレスチナ難民キャンプ(バカア)を抱えるアインアルバシャ地区、また、貧困度が高く、ヨルダンの農業生産基地であるディルアラ地区において、送配水主管の敷設や配水池とポンプ場の建設と、送配水管、減圧装置、流量計などの機材の整備を支援しました。これにより、水圧の適正化や無収水率の低減などを通じて水道サービスの改善を図ることに加え、シリア難民が流入している同県の増加した上水需要の負荷の緩和しました。 1事業の目的 バルカ県アインアルバシャ地区及びディルアラ地区を対象とし、送配水網を改善することにより、水圧の適正化、給水時間の延長、水質の向上、無収水率の低減、消費電力の効率化等を通じて、水道サービスの改善を図ることを目標とする。さらに、これらの改善を通して、ヨルダン北部に流入しているシリア難民による水不足の緩和を図る。 2事業概要 1) 施設・機材の内容:下記の更新・拡張工事を行う。 アインアルバシャ地区:送配水管(計 20,080m)、配水池(2 か所) ディルアラ地区:送配水管(計 15,160m)、送水ポンプ(1 か所)、配水池(1 か所) 2) コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容:詳細設計及び施工監理、送配水データ管理、無収水量の算定、給水圧管理の指導 3) 調達・施工方法: 資機材は現地調達を優先するものの、品質の面から主要資機材は欧州など第三国及び日本からの調達が想定される。幹線道路での開削工事が認められていないことから、非開削(トレンチレス)工法を採用する。配管工事は現況の交通の流れを阻害しない計画とする。
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第二次バルカ県送配水網改修・拡張計画
ヨルダンのバルカ県アインアルバシャ地区には、10万人を超すパレスチナ難民が居住していますが、昨今シリア難民の流入により人口が急増しています。にもかかわらず基幹送配水網は過去25年間、改修や拡張がされておらず老朽化が進んでおり、その結果、全国平均を超える高い無収水率や不適切な配水によって生じる過剰な電力消費、水道管の摩耗・腐食による水質悪化などの問題を抱えています。この協力では、「バルカ県送配水管網改修・拡張計画」(第一次計画:バルカ県ディルアラ地区を対象)に続き、バルカ県の送配水網を改善しました。これにより、難民流入の影響を受けたヨルダンの更なる水不足の緩和に貢献するとともに、ヨルダン水道庁が推進する、より持続的・自立的な水道経営の強化に寄与しました。 1 事業の目的 バルカ県アインアルバシャ地区及びディルアラ地区を対象とし、送配水網を改善することにより、水圧の適正化、給水時間の延長、水質の向上、無収水率の低減、消費電力の効率化等を通じて、水道サービスの改善を図ることを目標とする。さらに、これらの改善を通して、ヨルダン北部に流入しているシリア難民による水不足の緩和を図る。 2事業概要 1) 施設・機材の内容:下記の更新・拡張工事を行う。 アインアルバシャ地区 送配水管(計 20,080m)、配水池(2 か所) 2) コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容:詳細設計、入札補助、施工監理。ソフトコンポーネントは、第一次計画にて実施予定。 3) 調達・施工方法:資機材は現地調達を優先するものの、品質の面から主要資機材は欧州など第三国及び日本からの調達が想定される。配管工事は現況の交通の流れを阻害しない計画とする。
- 事業別プロジェクト一覧
- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
ヨルダンで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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