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フィジー
Fiji
1970年に英国から独立したフィジーは、330の島や環礁からなる国土を有しています。人口約89万人の約6割が先住のフィジー系、約4割が英国統治時代に移住したインド系です。フィジーの主要産業は、観光、繊維および砂糖です。好調な観光業等により支えられ近年では経済成長が続いており、2016年2月のサイクロン災害により一時減速したものの、GDP成長率は3〜4%を継続しています。JICAフィジー事務所では、第7回太平洋・島サミット(PALM7)で日本政府が打ち出した重点分野に基づき、社会・経済インフラ、離島・遠隔地格差是正、教育、保健、環境、防災の各分野において事業を展開しています。
Project プロジェクト
JICAがフィジーで実施する事業・プロジェクトの情報を提供します。
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ナンディ空港VOR/DMEアンテナ 主要空港航空安全設備整備計画
フィジーにおいて、空路は海外との貿易や国内での商業活動等を行う上で重要な移動・流通手段となっており、当国最大の基幹産業の観光業にとっても不可欠なものです。しかしながら、フィジーのみならず地域のハブ空港であるナンディ国際空港には、航空機を進入経路へ誘導するための標準的な施設である超短波全方向無線標識/距離測定装置(VOR/DME)が設置されておらず、VOR/DMEよりも旧式で精度の低い無指向性無線標識(NDB)が離着陸支援のために運用されています。NDBは利用可能な航空機が限られ、空港進入時には有視界飛行となることから、天候や時刻により着陸が制限されるという課題もあります。また、最大の国内線専用空港であるランバサ空港では、VOR/DME及びNDBのいずれも運用されていないため、多くの航空機が有視界方式で離着陸を行わざるを得ない状況です。さらに、ナンディ国際空港、ナウソリ国際空港及び3地方空港(ランバサ、サブサブ、マテイ)は、空港用消防車や救難機材(救命ボート等)を保有しているものの、多くは老朽化していることに加え、一部は国際民間航空機関(ICAO)が定める基準を満たしていないため、有事に際し消火・救出活動に支障を来たしかねず、主要空港の安全機材整備は航空機運航上の安全性確保の観点から喫緊の課題となっています。 本事業は、国内最大の国際空港であるナンディ空港を含む5空港において、航空管制・安全機材等を整備することにより、航空機運航の安全性の向上を図り、もって同国の持続的成長に寄与するものです。 【事業の目的】 本事業は、国内最大の国際空港であるナンディ空港を含む5空港において、航空管制・安全機材等を整備することにより、航空機運航の安全性の向上を図り、もって同国の持続的成長に寄与するもの。 【事業内容】 1)機材等の内容 超短波全方向無線標識/距離測定装置(VOR/DME)2基(ナンディ空港及びランバサ空港)、空港用消防車5台(ナウソリ空港(2台)、ランバサ空港(1台)、サブサブ空港(1台)、マテイ空港(1台))、救命ボート 3隻(ナンディ空港) 2)コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容 詳細設計、入札補助、調達監理、飛行方式設計にかかる技術指導
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衛星解析に係る現地研修の様子(2025年5月)(写真提供:パシフィックコンサルタンツ株式会社) 気象予警報業務の高度化及び大洋州地域中核拠点の整備に係る能力強化プロジェクト
大洋州の国々は、サイクロンや局地的豪雨によりもたらされる洪水・土砂災害・高潮等の自然災害に対して脆弱であり、各国の社会・経済活動の拡大や気候変動の影響によって災害による被害は年々深刻化しています。フィジー気象局(FMS)は、同国の国家気象水文機関として暴風雨・サイクロン・高潮等の観測・予警報・情報発信を行っているほか、気象業務の体制整備が遅れている大洋州の周辺国に対して気象予警報の情報や測器校正サービスの提供、気象局職員の能力強化に係る研修も行っているものの、最新の気象技術と知識を活用した定量的な気象予報に係るさらなる人材育成が必要となっています。また、FMSは大洋州地域の拠点となる地区研修センター(RTC)及び地区測器センター(RIC)を目指しており、その体制構築も必要です。 本事業は、フィジーにおいて、FMSの気象データ解析・予警報情報の作成及び防災気象情報の発信・啓発に係る能力向上、及び大洋州地域の中核拠点として必要とされる体制の構築を行います。これにより、フィジー及び大洋州諸国の国家気象機関の能力強化を図り、もってフィジー及び大洋州諸国の気象災害に対する防災能力の向上に寄与するものです。 【上位目標】 フィジー及び大洋州諸国の国家気象機関の能力強化を通じて、フィジー及び大洋州地域における気象災害に対する防災能力の向上に寄与する。 【プロジェクト目標】 FMSによる気象予報・警報・情報伝達に係る能力が強化されるとともに、大洋州地域の中核拠点としての地区研修センター及び地区測器センター並びに防災啓発センターに必要な体制が構築される。 【成果】 成果1:気象データ解析、予警報情報の作成に係る能力が向上する。 成果2:防災気象情報の発信・啓発に係る能力が向上する。 成果3:WMOの認定に必要なFMSにおける地区研修センター(RTC)の体制が構築される。 成果4:WMOの認定に必要なFMSにおける地区測器センター(RIC)としての体制が構築される。
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タマブア・イ・ワイ橋架け替え計画
フィジー諸島最大の島であるビチレブ島には、同島の東西を結び、大型車両が唯一通行可能で、生活物資輸送のために重要な幹線道路であるクイーンズロードがあります。同道路にかかるタマブア・イ・ワイ橋(橋長90メートル)は、過積載車両による路面及び構造物の損傷に加え、塩害やサイクロン来襲時の流木等により橋脚にも深刻な損傷を受けています。そのため、同橋の応急修理は随時行われているものの、根本的な修復には至っておらず、勢力の強いサイクロン来襲時等には崩壊する恐れもあります。 この協力では、ビチレブ島首都スバ市郊外の最重要幹線道路であるクイーンズロード上にかかるタマブア・イ・ワイ橋を架け替えることにより、安全で安定した交通の確保、輸送力強化と交通安全を図り、同国の気候変動等による自然災害に対する基幹道路の強靭性の強化に寄与します。
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南太平洋大学情報通信技術センター整備計画(第1期)
広大な海洋に島々が散在する大洋州地域では、地域の情報格差が大きく、またIT産業の人材育成も難しいという問題を抱えており、域内12の島国・地域が共同でフィジーに本部を置く南太平洋大学を設立しました。日本は、これまでに衛星通信を利用した遠隔教育システム導入などの協力を行ってきましたが、域内最高水準の同大学への入学希望者は急増し、施設や機材が追いつかない状況でした。この協力(第1期)では、情報通信技術(ICT)センターの建設と情報通信技術関連機材の整備を支援しました。これにより、ICT教育環境の強化に寄与しました。
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現場作業の様子 ナンディ・ラウトカ地区における無収水対策能力向上プロジェクト
フィジー西部地区は、ナンディ国際空港を擁し、観光産業の重要拠点であるとともに、砂糖産業や製造業の中心地となっています。近年、人口増加や観光客の増加に伴い、同地域における水需要は拡大しており、水源開発及び施設整備が必要とされています。しかしながら、新型コロナウイルスの世界的流行による財政的な影響により、大規模な上水道整備の見込みは低いことから、漏水の削減などの無収水対策により追加の水量を確保することが求められています。 本事業は、ナンディ・ラウトカ地区において、効果的かつ実現可能な無収水削減計画の策定と実施、漏水探知、管路施工・漏水修理、検針・料金徴収に関する能力向上と、対象地域の住民に対して節水意識向上のための活動を実施します。これにより、ナンディ・ラウトカ地区の無収水削減能力の総合的な向上を図り、もって同地区の無収水の削減を目指します。 1)上位目標:ナンディ・ラウトカ地区において無収水率が削減する。 2)プロジェクト目標:ナンディ・ラウトカ地区における WAF の無収水削減能力が向上する。 3)成果: 成果1:ナンディ・ラウトカ地区において効果的かつ実現可能な無収水削減計画が策定される。 成果2:ナンディ・ラウトカ地区における漏水探知能力が向上する。 成果3:ナンディ・ラウトカ地区における配水圧力管理・管路施工・漏水修繕能力が向上する。 成果4:ナンディ・ラウトカ地区における検針・料金請求・徴収能力が向上する。 成果5:ナンディ・ラウトカ地区の住民の節水意識が向上する。
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【フィジー】Savusavu地区病院分娩室の様子(2023年8月1日) 大洋州地域強靭な保健システム構築のための連携強化プロジェクト
新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大・長期化する中で、大洋州地域諸国は島嶼国家ならではの交通・通信インフラの脆弱さや限られた医療資源などに起因する課題にも直面しています。水際対策強化に多くの人材と資源を投入して市中感染予防をしている一方で、母子や非感染性疾患(NCDs)患者への必須保健サービスの提供が手薄になること、また利用者が受療を控えることが課題となっています。 本事業はフィジー共和国の他に、トンガ王国、キリバス共和国、ミクロネシア連邦を対象国として、将来の健康危機時にも必須保健サービスを滞りなく届けられるよう、健康危機時及び平時の保健サービス提供能力の強化を通じて、強靭な保健システム構築を目指します。 (1)上位目標: 広域対象4か国それぞれにおいて健康危機に対応できるよう保健システムが強化される。 (2)プロジェクト目標 健康危機時における必須保健サービス継続のための能力が強化される。 (3)成果: 成果1:健康危機時における必須保健サービス提供が組み込まれている政策や指針等が整備される。 成果2:健康危機時でも継続的に必須保健サービスが提供できるよう人材能力開発が強化される。 成果3:デジタル技術パイロット地域において、必須保健サービス提供のためにデジタル技術を活用する能力が強化される。 成果4: 健康危機時における必須保健サービスの継続提供に関する経験や実践状況を共有するための大洋州諸国のネットワークが強化される。
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太平洋島嶼国のSDG14「海の豊かさを守ろう」プロジェクト
漁業資源は、大洋州の経済・社会・文化にとって重要な財産であり、大洋州の人々にとって漁業は食料や雇用等の日常生活の基盤となっています。しかし、近年、漁業資源は、絶滅や乱獲の危険性、開発による海洋環境への負荷、気候変動を主因とする沿岸の生態系や漁村への悪影響など様々な脅威にさらされています。海洋資源の保全・管理については、国連の持続可能な開発目標(SDGs)において目標14「海洋及び海洋資源の保全と持続的利用」(以下、「SDG14」)として掲げられており、大洋州各国は海洋問題対策の強化を目的とした国際会議や研修に積極的に参加し、また、関連の事業を実施する等、取り組みを強化しています。しかし、これらの活動に対応できる行政人材は、財政難により慢性的に不足しており、水産関連省庁職員を含む水産関係者のSDG14達成に資する能力強化と、そのために必要な枠組みの整備が課題になっています。この協力は、フィジーの水産関係者の技術力向上とSDG14達成に向けた南南協力を実施することにより、フィジー水産関係者の能力強化を図り、太平洋島嶼国におけるSDG14達成への取組の推進に向け、域内の水産関係者の能力強化に寄与します。
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生活習慣病対策プロジェクトフェーズ2
フィジーでは、糖尿病や心血管疾患など非感染性疾患(NCDs)に起因する死亡や障害は増加傾向にあり、感染症からNCDsへの疾病転換が急速に進んでいます。同国保健省は、「年間実施計画2020-2021」、「国家戦略計画2020-2025」等を策定し、主要NCDsの有病率や危険因子の低減等を目指して、包括的なNCDs対策を推し進めています。このような状況の下、日本政府は同国のNCDs対策を強化することを目的に、動機づけ面接法(MI)(注1)の習得を通じた医療従事者の能力強化を中心に支援しました。また、MIはNCDsだけでなく既存のカウンセリング(家族計画カウンセリングや低栄養・過栄養児のための栄養カウンセリングなど)への応用など、他の健康課題に対する医療従事者の対応能力の強化にも貢献し、同時にカウンセリングを受けた患者の保健サービス満足度やヘルスリテラシーの向上にもつながりました。しかし、ウェルネスクリニックシステム(注2)の包括的な体系化や職場健診の本格実施までには至らず、また、同国政府の予算措置、医療従事者の確保等の課題もあり、国家レベルのシステムとして根付かせることができませんでした。 この協力では、フィジー全土において、NCDs対策に従事するプライマリーレベルの医療従事者の能力強化および職場健診システムの確立を目指すことにより、持続的なNCDsの予防、コントロールの強化を図り、フィジー全体のNCDsの管理の状況が向上することに寄与します。 (注1)動機付け面接法(Motivational Interviewing):相談者中心のカウンセリングアプローチに基づく面接手法で、一方的に指示をするのではなく、相談者自らの行動変容を促すことを目指すもの。 (注2)Wellness Clinic System:健診結果のフォローアップシステムであり、基準に基づいて、再健診や通院指導などを実施している。
- 事業別プロジェクト一覧
- プロジェクト所在地図
技術協力、有償資金協力(円借款)、無償資金協力、草の根技術協力それぞれのプロジェクト情報は以下からもご覧いただけます。
フィジーで実施中のプロジェクトがどの地域で行われているかご覧いただけます。
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