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JICAインターンが見た!課題別研修「アフリカにおける女性のビジネス・起業の推進」

2025年10月23日

今年8月、横浜で第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が開催されました。この会議に関連して行われた課題別研修「アフリカにおける女性のビジネス・起業の推進」は、2013年のTICAD5を契機に横浜市との連携のもとで開始され、これまでにアフリカ30ヵ国から169人の研修員が参加しています。研修員は、自らビジネスを立ち上げた女性起業家や、女性の経済進出を支援する行政官・支援団体の職員たちです。彼女たちは、日本における女性の起業支援制度や現在直面している課題を学び、日本人女性起業家との交流を深めてきました。今夏、横浜センターで活動し、研修に同行した大学生インターンによる研修レポートをお届けします。



皆さん、こんにちは。JICA横浜研修業務課にてインターンとして活動している小川と申します。今回は、私が同行した課題別研修「アフリカにおける女性のビジネス・起業の推進」についてご紹介いたします。

本研修は、2025年7月29日から9月26日まで、オンライン研修と来日研修の二部構成で実施され、アフリカ各国から10名の研修員が参加しました。研修員は8月12日から27日まで日本に滞在し、来日研修を受け、講義や実習などを通じて幅広いプログラムを体験しました。

8月14日には、横浜市の佐藤広毅副市長を表敬訪問しました。ケニアやスーダン、セネガルなどの伝統衣装を身にまとった研修員たちが、副市長と楽しそうに会話を交わす姿が印象的でした。また、横浜市職員による女性の起業推進に関する講義を受け、研修員たちは熱心に耳を傾けていました。午後には、男女共同参画センター横浜を訪問し、職員や利用者の方々とも交流を深めました。

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佐藤副市長を表敬訪問

翌15日には、女性の起業支援を行う武蔵小山創業支援センター「MUSAKO HOUSE」を訪問しました。研修員と同センターを利用して起業した女性起業家とのディスカッションでは、ビジネスにおけるジェンダーギャップや海外展開について活発な議論が行われました。施設見学や交流会では、参加者それぞれが自らのビジネスアイデアや商品を紹介し合い、日本とアフリカの女性起業家同士が新たなつながりを築こうとする前向きな意欲が伝わってきました。

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MUSAKO HOUSEにて

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研修員の自社商品を紹介

さらに、第9回アフリカ開発会議(TICAD9)のテーマ別イベントにもいくつか参加しました。8月19日の「新時代のカイゼン〜デジタルで実現するアフリカの未来」では、JICA国際協力専門員からの事前レクチャーで学んだ日本式経営手法「KAIZEN」の考え方を踏まえて、品質向上や人材育成における実践的な取り組みに強い関心を寄せていました。

21日には「WPS+イノベーション:女性や少女とともに切り拓く、新たな平和と安全保障の時代へ」のシンポジウムにも参加しました。(WPSとは「Women, Peace and Security」の略称で、「女性・平和・安全保障」を意味し、国連で採択された女性の保護・参加促進のための国際枠組みです。)第2部としてJICA横浜でシンポジウム登壇者・研修員と一般参加者との座談会が行われ、2名の研修員が自らのビジネスや母国での活動を発表し、参加者との交流を通して相互理解を深める貴重な機会となりました。

特に印象的だったのは、大学生との一場面です。ある大学生が「女性の起業推進や権利保護の取り組みに男性はどのように関わることができるのか。」と問いかけた際、セネガルの研修員は「男性もいつでも歓迎です。例えば、私は家庭を持っていますが、私がこの研修で日本に来ている間、家のことは夫が担ってくれています。そして、あなたがこのサイドイベントに参加していること自体がすでにサポートの一環です。」と語りました。この言葉は、会場全体をあたたかな雰囲気に包み込み、私自身にとっても女性の起業推進において男女がともに協力し合う意義を改めて考えるきっかけとなりました。

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TICAD9展示会場にて

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JICA横浜で行われた座談会

インターンとして研修員に近い立場で日々を共にした私は、彼女たちがすべての学びや経験を積極的に吸収しようとする姿勢に強く心を打たれました。ビジネスの運営や女性の権利について日本での取り組みを真剣に学び取り、自らの国での活動を共有し合う姿からは、互いに鼓舞し合いながら前進しようとする力強さが感じられました。

明るく、親切で、そして自信に満ち溢れた女性たちと過ごした時間は、私にとって大変刺激的で、彼女たちから多くの元気をもらいました。また、休みの日には一緒に他の街を訪れたり、日本食を楽しんだりと、プライベートでも彼女たちと時間を共有できたことを心から嬉しく思います。
そんな彼女たちが帰国後、日本での学びと経験を活かして活躍する姿を想像すると、とても胸が高鳴ります!

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閉講式にて。またいつか会える日を願って!

日本もジェンダー平等がまだまだ達成されておらず、多くの課題があります。日本とアフリカで異なる点や共通点を、交流を通じて知ることで、日本側も多くの学びを得ることができる研修です。これからもJICAはこの研修を通じてアフリカの女性の経済進出を支援するとともに、日本の女性起業家との絆を強めていきます。

JICA横浜 研修業務課インターン 小川

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