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JICA筑波で国際協力の『共創』を実践!現場で未来を拓く一歩へ。2025年度「大学生・大学院生向け国際協力理解講座」

2025年11月06日

JICA筑波は、7月下旬から9月上旬にかけて、2025年度「大学生・大学院生向け国際協力理解講座」を実施しました。全5コースを実施し、合計41名の大学生・大学院生が受講しました。

受講者からは、「実践的な講座を通じて、国際協力の全体像がより明確に理解できた」、「多様なアクターやJICA研修員との対話や交流がキャリア形成に大きな影響を与えた」、「同じ志を持つ仲間との活発な議論で学びとつながりを深められた」などの声が届きました。それぞれ主体的な学びと貴重な出会いを経験した様子が見られ、主催者として嬉しく思うとともに、今回の講座が受講者の将来の国内外での活躍につながることを期待しています。

未来の国際協力・グローバル人材の育成〜大学生・大学院生向け国際協力理解講座とは

JICA筑波では、国際協力に関心を持つ大学生・大学院生を対象に「国際協力理解講座」を毎年実施しています。将来、国際協力に従事することに関心のある方や、グローバル人材として国際社会の発展に貢献したいと考える方向けの講座です。

国際協力に関心を持つ学生から広く受講者を募り、講義やワークショップを通じて国際協力への理解を深める「国際協力実務講座」に加えて、農業分野に強いJICA筑波の特色を活かし、JICAの研修員受入事業の一部に参加し、JICA研修員とともに講義・実習を受ける「農業コース」を実施しています。2025年度は、以下の5種類のコースを実施しました(No.2〜5が農業コース)。

No.1 国際協力実務講座
No.2 小規模農家の生計向上のための野菜生産技術
No.3 アフリカ地域市場志向型農業振興(普及員)
No.4 稲作技術向上(普及員)
No.5 天水稲栽培・種子生産及び品種選定技術

国際協力実務講座

実施期間:2025年8月25日(月)〜 8月29日(金)
受講者数:33名

<概要>
本年度は、3日間のハイブリッドと2日間の対面のプログラムにより実施しました。首都圏のみならず、全国の幅広い大学から参加した学生が顔を合わせて学び合い、議論を重ねました。

このコースの講師は、JICAや開発コンサルタント、NGO、民間連携事業を実施した企業、国立研究開発法人など、国際協力の現場で活躍する様々なプロフェッショナルにより構成されています。前半三日間は、まず国際協力の全体像やキャリアの概要を学び、その後、各アクターから、具体的事例の講義を受けました。後半二日間は、対面形式で開発コンサルタントをモデレーターとして迎え、実際に国際協力で使用されている手法に基づいてプロジェクト立案を体験したり、プロジェクト実施中に直面しうる課題の解決策をディスカッションしたり、実践的なプログラムを実施しました。また、キャリア相談会や、来日中の研修員との交流会、「JICAつくば地球ひろば」の見学も行いました。知識獲得にとどまらず、それぞれの講師の考え方やキャリアパスなども知ることで、国際協力での重要な姿勢や意識まで学ぶことができました。主なプログラム内容は次のとおりです。

【講義】
・国際協力概論(世界の課題とSDGs、日本のODAとJICA事業、多様な国際協力のアクター)
・JICA職員の仕事(ザンビア事務所よりオンライン)
・「共創」のちからを育むJICAの本邦研修
・JICA海外協力隊経験者との対話と交流
・開発コンサルタントの仕事(技術協力プロジェクト)
・NGOの現場から学ぶ課題解決のアプローチ
・民間連携事業の事例から学ぶ「Win-Win」の関係構築
・具体的事例を紹介した各JICA事業の概要(NGO等活動支援事業、中小企業・SDGsビジネス支援事業、海外協力隊)

【ワークショップ・ディスカッション】
・プロジェクト管理手法(PCM手法)を用いた事業立案体験
・プロジェクトのモニタリング体験ワークショップ
・JICA研修員との交流会
・「JICAつくば地球ひろば」見学・紹介
・国際協力実務者とのキャリア懇談会

積極的に質問する受講者

積極的に質問する受講者

プロジェクト立案に取り組む様子

プロジェクト立案に取り組む様子

キャリア相談会で熱心に質問する様子

キャリア相談会で熱心に質問する様子

研修員とアフリカンダンス!

研修員とアフリカンダンス!

<参加者の声(一部抜粋)>
・私の今後のキャリア形成に大きく影響を与えると思う。講師に加えて、運営担当者からも本質に迫った具体的なアドバイスがあり、講座全体への理解を深めることができた。また、協力隊応募に向けた覚悟にもつながった。本当に心の底から楽しいプログラムだった。
・JICAやNGO、開発コンサルタント、民間企業がどのようなアプローチで国際協力に関わっているのか、理解の解像度を向上させることができた。ここまで幅広いアクターの国際協力の仕事を学ぶ機会は初めてだったため、とても実り多い機会となった。
・この講座に集まった学生は、国際協力に関心があり、自分以上に経験や知識がある人も多かった。そうした仲間と一緒に講義を受け、一緒に議論し、ワークショップに取り組み、その他にもさまざまな交流ができたことで、学びや驚き、共感が多くあり、真正面から意見交換することもあった。何もかもが刺激的で、本当に充実した濃い五日間だった。
・国際協力に関心のある学生が知りたいであろう情報を、様々な観点から深く掘り下げて共有してもらうことができた。日本の国際協力の構造・仕組みに加え、キャリア構築のヒントも学べ、自分の関心を仕事につなげるためのアイデアを得られた。特に、国際協力の現場で働く人の話は、直接でないと聞くことができないような内容が多く、貴重だった。自身の研究や今後のキャリアを考える上で非常に有意義な内容で、「もっと早い段階で受講していたかった!」と強く感じるほどだった。
・ディスカッションやアフリカのダンスなどを通じて「一歩踏み出してみる」という姿勢を身につけることができた。また、積極的に参加することで、学びを深めるためには自ら行動することが重要であると改めて気づかされた。学びのない瞬間を探す方が難しいほど充実した5日間で、私にとって大きな成長の機会となった。

小規模農家の生計向上のための野菜生産技術

実施期間:2025年7月22日(火)〜 7月25日(金)
受講者数:1名

<概要>
この研修コースは、小規模農家への栽培・営農技術普及に携わる農業普及員を対象に、野菜の生産技術、農業経営の一環としてのマーケティング、販売方法等の基礎的な知識の習得を目指すものです。カンボジア、ガンビア、インドネシア、ラオス、ネパール、パプアニューギニア、スリランカ、トンガ、ウズベキスタン、バヌアツの研修員と、以下の講義・実習を受講しました。

・直売実習の準備(価格設定やポップの作成等)と実施
・練床作成、トマト採種、野菜苗の土壌病害防除に関する実習・実験
・JICA筑波の公開イベント「ちびっ子博士」での「スイカ博士になろう」の準備・実施

練床作成に取り組む様子

練床作成に取り組む様子

販売実習を行う様子

販売実習を行う様子

<参加者の声(一部抜粋)>
・農業に関する新しい知識や経験が得られ、また、研修員の各国が抱える問題やそれを解決するために何を学んでいるのかを知ることができ、国際協力の実際を学ぶことができた。
・海外事業を展開する企業への就職を予定しており、さらに将来には、家業の農業を引き継ぎたいと考えているため、今回得られた知識や経験を生かしていきたい。また、国際協力に関わることも、選択肢として増やすことができた。

アフリカ地域市場志向型農業振興(普及員)

実施期間:2025年7月22日(火)〜 7月25日(金)
受講者数:3名

<概要>
この研修コースは、アフリカ地域の農業普及員を対象に、(「作って売る」から「売るために作る」農業への意識変革を促す)市場志向型農業の考え方、そのために必要な野菜栽培技術、流通販売方法・普及手法の習得を目指すものです。ボツワナ、エチオピア、ガーナ、レソト、マラウイ、ナミビア、南スーダン、ウガンダ、ジンバブエの研修員と、以下の講義・実習を受講しました。

・鮮度保持、メロン品種比較、カボチャ出荷調整、間引きによる出荷規格調整に関する実習・実験
・各研修員の個別課題学習

鮮度保持試験の作業を行う様子

鮮度保持試験の作業を行う様子

個別実験を手伝う様子

個別実験を手伝う様子

<参加者の声(一部抜粋)>
・野菜の収穫から出荷、スーパーに並ぶまでの全工程と、アフリカと日本での現場の具体的な状況や農家の多大な労力を理解することができた。現地の状況を十分に踏まえた持続可能な技術を提供・提案し、現地の人々が自ら考え、手を動かすような受動的でない形の国際協力を実践できるようになりたいと考えている。
・市場のニーズを把握し、それぞれの国の市場条件に合わせて知識を柔軟に応用することの重要性を学んだ。将来、アフリカ地域で農業に携わり、栽培技術だけでなく、農家の生活向上に貢献したい。
・市場のニーズを踏まえた販売戦略まで意識する市場志向型農業支援の考え方を深く理解した。将来、国際協力などで、市場志向型農業振興のアプローチを活用することや、自身の専門分野である栄養も活用することを考えたい。

稲作技術向上(普及員)

実施期間:2025年9月1日(月)〜 9月5日(金)
受講者数:1名

<概要>
この研修コースは、稲作の栽培技術の普及に携わっている組織の技術者を主な対象とし、日本の技術や経験をベースとして、水稲を中心とした基礎的な稲作栽培技術、普及手法、栽培試験手法を学ぶものです。ブルキナファソ、ブルンジ、カメルーン、コンゴ民主共和国、ガンビア、ガーナ、リベリア、マダガスカル、モザンビーク、セネガル、南スーダン、ウガンダ、ザンビアの研修員と、以下の講義・実習を受講しました。

・光合成と乾物生産、図表の作り方の講義
・収穫と収量調査の実習
・筑波大学つくば機能植物イノベーション研究センター(T-PIRC)の圃場での収穫や脱穀などの実習

研修員を手伝う様子

研修員を手伝う様子

報告会で発表する様子

報告会で発表する様子

<参加者の声(一部抜粋)>
・当初は、参加に対する不安があり、アフリカの人々の英語が聞き慣れないという課題にも直面したが、研修員は温かく接してくれ、各国の農業や生活の状況や研修コースでの学びなど、多くの話を聞くことができた。特に、自身の国のコメの生産性向上のために強い意志を持ち、睡眠時間も削ってまでも研究に取り組む姿に、感銘を受けた。
・今回の経験を通じて、国際的な協力が食糧生産に必要不可欠であると感じたため、将来、世界中の農業従事者とともに、国内外のコメの生産を含めた食糧問題の解決に貢献したい。

天水稲栽培・種子生産及び品種選定技術

実施期間:2025年9月1日(月)〜 9月5日(金)
受講者数:3名

<概要>
この研修コースは、研究・普及人材を対象として、稲の栽培技術、種子生産技術、品種選定技術を用い、自国の天水稲作に関する課題への対策を検討できる能力の習得を目指すものです。バングラデシュ、ガイアナ、エチオピア、ガーナ、ウガンダ、アンゴラ、カメルーン、シエラレオネの研修員と、以下の講義・実習を受講しました。

・稲収量調査、純系系統・原原種種子圃場の抜き取り調査の実習
・アフリカの稲作に関する講義

収量調査に取り組む様子1

収量調査に取り組む様子1

収量調査に取り組む様子2

収量調査に取り組む様子2

<参加者の声(一部抜粋)>
・手作業での不要な物質の除去や雑草管理、酷暑での収穫作業など、農業に従事する人々の多大な労力を実感した。将来は、自身の専門を活用して、アフリカ地域をフィールドに、農民や農業普及員、研究者の時間と労力を節約することに貢献していきたいという新たな目標を持った。
・現地の事情に即した農業プロジェクトや普及活動の必要性、コミュニケーション能力と語学力の重要性を特に学んだ。この経験を踏まえて、派遣が予定されている青年海外協力隊として、アフリカで現地の資源を生かし人々と同じ目線で課題解決に取り組みたい。
・栽培技術や研修員の各国で採用されているコメの品種や栽培地域などについて、知識を得ることができた。現在取り組んでいる研究に活用したい。また、青年海外協力隊への関心も高まり、将来的な進路の選択肢に含めたい。

関連リンク:
・JICA筑波の研修事業(知識共創)
大学生・大学院生向け国際協力理解講座

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