東洋経済ONLINEで面白い記事を見つけた。冨山和彦氏が唱える日本の大学教育についてのあり方についてである。
日本の大学教育は大多数者の役に立たない 冨山和彦氏は「日本の大学の大半を職業訓練校にするべきだ」と提言しているらしい。その提言の大筋は以下のような内容だ。
大学をG(グローバル)型とL(ローカル)型に二分。G型はごく一部のトップ大学・学部に限定し、グローバルに通用する極めて高度な人材輩出を目的とする。そのほか大多数の大学・学部は、地域経済の生産性向上に資する職業訓練を行う。
この提言に対して大学関係者から反対が出ているというのが今回の記事だ。私も富山氏の意見には賛成だ。私個人の体験からすると大学で勉強したことで会社に入ってから役に立ったことはほとんどない。なにせ私はマルクス経済学専攻だったからね。(笑)
今はかなりカリキュラムが変わってしまっているのかもしれないが、大学4年間のうち前半の2年間は教養課程でどうでもいいようなことをだらだらと勉強。後半の2年間でやっと専門課程に進みゼミを中心に勉強をするというものであった。興味がわいたころには卒業だ。
これまでの日本の社会では大学卒業したばかりの新人を企業が多大な時間と費用をかけて懇切丁寧に教育するという"文化"であった。企業が採用の選考にあたって大学のブランドは役に立っているのかもしれないが、勉強した内容で採用している企業・職種は一部に限られているのではないかと思う。
国文学を勉強してきた人もマルクス経済学を勉強してきた人も、企業に採用になってしまえば一律に同じスタートラインに立つ新入社員で平気で営業や総務などに配属されてしまったりしているのが普通ではないかと思う。
欧米で転職が日本よりも一般的なのは専門職がはっきりしているからだと思う。経理や人事などの事務系の職種でも大学時代からそれらに関連した勉強をしてきているため、ある職種のスペシャリストとしてステップアップしやすい状況になっていたような気がする。
日本もそういう方向性に進むのかどうかはわからないが、少なくとも大学を卒業した時点で何らかの専門家のタマゴとして企業に迎えらる方がお互いに良いことなのではないかと思う。早期退職をして、いざ再就職先を探そうとした場合自分が強くアピールできる専門性の無さに驚く人は多いかもしれない。