クレジット
タイトル: 「SCP財団」の歩き方 改
著者: KABOOM1103 KABOOM1103 ,Tetsu1 Tetsu1 ,kagayoh kagayoh ,hikikakuanaguma hikikakuanaguma ,Hoojiro_san Hoojiro_san ,Hashibutopolymer Hashibutopolymer
作成年: 2024
はじめに
皆さんはじめまして。
こんなところまで遠路はるばる、ご苦労様です。今日はどうやってここにお越しに?
動画サイトから? SNSから? 書籍から? 友達に薦められて? それとも、たまたま?
いずれにせよ、私たちは心より貴方を歓迎します。
このサイト、「SCP財団」は怪奇創作を投稿し、掲載し、評価し合うサイトです。
何千を超えるページがこのサイトには溢れています。しかしながら、その全てのページを貴方が十全に堪能できる状態にあるかと訊かれると、自信を持っては言えません。体感2割くらいはきっと初心者が読んでもちんぷんかんぷんでしょう。バトル漫画を終盤から読んでも何をしているのか分からないように、記事を楽しむには設定の根幹をある程度把握する必要があります。
カノンとは? Taleとは? GoIFとは?
提言って? 要注意団体? ミーム?
そもそもSCPとは? どんな設定があるの?
何から読めばいいの? 何が面白いの?
そんな疑問にお答えしましょう。
このページは、「SCP財団を初めて訪れた読者の方々」へ向けたエッセイとなっています。ここで紹介する記事はほぼ全て、初心者でも詰まらず読めるよう厳選したものです。
(実は、このエッセイには前身があります。しかしながら前身となるエッセイは今ではサイトの実情からかなり離れてしまっているため、この度新しくリメイクさせて頂いた次第です。「改」とは、つまりそういうことです。)
このエッセイではサイト内の記事をジャンルやテーマで大まかに分類しており、
その分類ごとに10記事ずつ選定、紹介しています。
順に全部読む必要はありません、
以下の目次から興味のある項目を選んでみてください。
SCP-XXXX-JPとは?
このサイトの大半を占める記事はSCP報告書です。タイトルは「SCP-XXXX」や「SCP-XXXX-JP」(XXXXには数字が入ります)で共通となっており、一覧ではメタタイトルと一緒に並べられています。(JPの一覧はこちら)
SCP報告書とは「財団が異常存在を収容する為に作った書類」です。この報告書には必ず特別収容プロトコル(Special Containment Procedures)が記されており、この頭文字がSCPというわけです。特別収容プロトコル以外にも異常存在の説明や収容経緯、その他実験記録や関連する資料が報告書にはまとめられており、多くの記事ではその内容がSCPを楽しむミソとなっています。
そのため、SCP報告書は財団の職員が読むことを前提に作られています。これを知っておくと、読みやすく(又書きやすく)なるでしょう。
ちなみに数字の後のJPとは言語版がJP、つまりSCP-JP(このサイト)で作られた記事であることを示します。原語が日本語という事です。何もつかなければ英語(EN)、CNとついていたら中国語(簡体字)です。JP以外のサイトはトップページからアクセスできます。作中に出てくる「日本支部」とか、「本部」はあくまで作中世界の設定であり、執筆された言語版とは関係ありません。便宜的にENのことを本部や本家、JPのことを日本支部と呼ぶ人もいます。
また、異常性を持っている物体、生物、現象、概念を一般的に指す言葉としては、"SCP"の他にも"アノマリー"、"オブジェクト"、"SCiP"等があります。特にこれにするといった決まりはありません。本エッセイ内ではごちゃまぜに使っています。
初めに読むSCP
わかりやすい記事、他の記事の元となった記事などをいろいろと集めました。とりあえずこれを読んでもらえれば、SCP世界の一端はつかめるかもしれません。
- SCP-076 - "アベル"
SCP-076は分かりやすく、且つ派手な異常性を持った人型のSCPとして初心者には大変おすすめです! この報告書は最初期の記事でありながら関連作品が今も出続けているコミュニティに愛された記事と言えるでしょう。
- SCP-173 - 彫刻 - オリジナル
SCP-173は(メタ的な意味で)初めて作られたSCPです。実際の所、内容だけみると単純に感じますが、その分平易で読みやすいです。黎明期であるが故の拙さを見てみるのも良いでしょう。また、本記事はライセンス上の問題から画像が削除されています。ライセンスガイド(あなたがサイトメンバーならもう読んでいるしょう)と合わせてシェアワールド創作のライセンスについて学んでおくのもいいかもしれません。
- SCP-682 - 不死身の爬虫類
こちらも最初期の記事です。財団の「収容」という理念を突き通すことがどれだけ難しいか、この記事を読めばわかるでしょう。一般社会の裏側の過酷さが感じられます。記事内にはリンクが多数ありますが、ここでは読み飛ばしてもらって構いません。
- SCP-914 - ぜんまい仕掛け
上の三記事とは違い、このオブジェクトは"そこまで"危険ではありません。財団の研究という側面が分かる記事であり、シンプルな見た目から始まる展開を楽しめるようになっています。
- SCP-6287 - 小さな町での暮らし方
さて、ここまで最初期のカンタンな記事ばかり紹介しましたが、では今は複雑な記事しか書かれないのでしょうか。そんなことはありません。突き抜けるようなパンチラインがいい記事です。
- SCP-006-JP - あけろ
不安や不気味さの強い、ミステリアスなオブジェクトの記事です。意図が見えるようで見えない雰囲気が素晴らしい記事です。
- SCP-100-JP - 屋根裏部屋の宇宙
オブジェクトの中には簡単に世界を簡単に滅ぼせるほどスケールの大きいものもあります。人間をはるかに超越した神秘を感じられるオブジェクトもまた人気です。
- SCP-120-JP - 世界で一番の宝石
SCPは強いか弱いか、危険か安全か、それだけで測れるものではありません。そのオブジェクトがどんな性質や意図を持つのか、記事を読むにつれて明らかになっていくことが醍醐味でもあります。読みはじめと終わりで印象がかなり変わる良記事です。
- SCP-2048-JP - 普通のコイン
財団は「異常」を収容します。異常には様々なものがありますが、果たしてこれは異常なのでしょうか、正常なのでしょうか。読者の盲点を殴ってくるような秀逸なアイデアが光ります。
- SCP-2188-JP - 手八丁口八丁
SCPには超能力者ももちろんたくさんいます!しかしながら、財団ですらなかなか制御できない異常性、個人がそう易々と使いこなせるのでしょうか。しばしば超能力者は本人の能力に文字通り飲み込まれてしまうものです。
ホラーなSCP
SCPは「不気味な画像に設定を付ける」ことから始まりました。と言う訳で、SCPとホラーは切っても切れない関係にあるのです。
- SCP-1562 - 隧道滑り
この記事に怪物は出てきません。幽霊も、それを連想させる何かもありません。ただただ、閉所の恐怖があるのみ。
- SCP-3633 - 私は私のすぐ後ろ
国によらず、電話というものはホラーに使いやすいのです。SCPにはこういった複数の画像をメインにした記事も少なくありません。
- SCP-6794 - 五畳道
科学的な要素が強いSCPにおいて、病気 x ホラーも鉄板です。その中でもこれは、シンプルかつおぞましいと言えるでしょう。
- SCP-141-JP - 浴室
まさしく日本らしい、ジャパニーズホラーの基本形と言える記事です。JP最初のホラー記事としてお勧めです。
- SCP-289-JP - 覗き見るもの
ホラー x 科学を体現したような、ずばり「SCPらしい」記事です。画像をかなりうまく利用している例でもあります。
- SCP-300-JP - 教ぬ
徹底的な不条理、理不尽、残酷さ。まさに、道理の通じない「異常」です。
- SCP-536-JP - がきじろ
直接何かが出てくることのない、しかしじわじわと気味の悪いジャパニーズ民俗学ホラー。様々なイベントや本などでも知られる梨氏の作品です。
- SCP-1019-JP - ██県 ███市 ██町2丁目へ-9
探索系ホラーのお手本のような記事です。王道にして恐怖度の高い作品です。
- SCP-1816-JP - ニンゲンホイホイ
「日常に潜む」系です。以降もちょっとした行為から嫌な想像をさせてしまう、ある意味日本らしい記事と言えます。
- SCP-CN-2987 - みあげないで
CN、つまり中国語版サイトのホラーです。非常にシンプルですが、ページ下部の「ディスカッション」を見るとその真実が見えるかもしれません。
エモーショナルなSCP
人には感情があります。ときに暖かく、ときにほろ苦いそれは、物語に必須な存在なのです。
- SCP-348 - パパの贈り物
エモーショナルの基本形のような記事です。温かいスープの話。
- SCP-1281 - さきがけ
宇宙から見つかった不思議な機械。それは、ある大切な任務を抱えていました。
- SCP-2265 - Andrewとの夕食
いつまでも続くループ、その中で生きた「強い人」を描いた、他の記事とはベクトルの異なる「エモ」記事です。
- SCP-2295 - パッチワークのハートがあるクマ
ただただ純粋に優しく暖かい、クマのぬいぐるみの話。
- SCP-4999 - 私たちを見守るもの
報われず、愛されなかった者への、最後の手向け。
- SCP-194-JP - 記憶の中の楽園
子どもの頃の思い出をテーマにした、JPらしいエモーショナルな感情が残る記事です。
- SCP-243-JP - 恩人へ
時を越える電話と、誰よりも強かった人の話。
- SCP-548-JP - 歌う雨音
美しく、可愛らしく、切ない傘とピアノの物語。
- SCP-1340-JP - エンジンにヒビが入ってしまった車
ユミと「俺」との、悲痛で温かなストーリー。結末で、ある真実が見えてくるかもしれません。
- SCP-2040-JP - ようこそ未来へ
SCP-2265と同じくループ系の記事ですが、それとはまた別の、ループの内と外の話です。
コミカルなSCP
人生もSCPも、肩肘ばっかり張ってると疲れるものです。深く考えずに笑うのも、また一興。
- SCP-1370 - 困らせルボット
SCPは強く、恐ろしい。そんな考えを真正面から壊す、シンプルかつ面白い作品です。
- SCP-3092 - ゴリラ戦
愉快で、読んでいて楽しい。ちょっと暖かい。そんな記事です。
- SCP-4759 - ドーナツ税に抗う者
EN記事で特にしばしばみられる、不条理な記事です。こういった記事に「何で?」と突っ込んではいけません。そういうものなのですから。
- SCP-374-JP - 秘密結社キャッチ&リリース
シュールで笑える描写を実験記録の形でこれでもかと詰め込んだ名作。
- SCP-1475-JP - 標的はノースカロライナ
絵面の面白さで勝負に来た記事です。具体的な様子を想像しながら読みましょう。
- SCP-1570-JP - 無用の親切
オチが秀逸な短編記事。最後の部分で、タイトルの意味と何をしたいのかが一気にわかります。
以下は、「ジョークSCP」と呼ばれる記事です。通常の記事との違いとしては、「財団やその世界の人々がふざけている」、「他の記事のパロディ」、「通常の記事にするにはあまりにもおかしすぎる異常性」……などが考えられますが、明確な基準はありません。とりあえず、どれも基本的に「笑えること」を目指しています。
- SCP-SAFE-J - Safeがいっぱい
「金庫」は英語で"safe"と言います。とにかく画面上の字面でごり押してくるそんな記事です。
- SCP-____-J - 先延ばs
- SCP-666-JP-J - 究極的恐怖物体
派手な演出はなく非常にシンプルですが、じわじわとくる面白さの記事です。
- SCP-1210-JP-J - キメラれねぇ
とにかく勢いを重視した、単純ながら大変に笑える、そんな記事です。
番外編: 通常ナンバーでない記事について
当サイトには、ジョークSCPのように通常の「SCP-XXX」というナンバーに当てはまらない記事が存在します。最も代表的なものがジョークSCPですが、それ以外にもそういったSCPは存在します。
その一つがEX記事です。実際には異常でないと判明したり、何らかの事情で異常とはみなされなくなったオブジェクトがオブジェクトクラス「Explained」を与えられ、「SCP-XXX-EX」という独自のナンバーが与えられます。代表的なものとして以下の記事を挙げます。
SCP-1841-EX - リストマニア
これは演奏に異常に熱狂させるものとしてSCP指定されましたが、実際には聴衆はただ本当にその演奏に魅了されていただけでした。
他には、アーカイブ済み記事というのもあります。このSCPには「SCP-XXX-ARC」というナンバーが与えられています。これは基本的にメタ的につけられたナンバーであり、通常削除されるはずだったが何らかの理由により保存されることとなった記事に割り振られます。その理由とは、他の記事にそのSCPが登場するためにその参照として、などがあります。ただしこれはやや古い制度で、現在は(少なくともENやJPでは)行われていません。
更に、また別に通常ナンバーとは扱いの異なるSCPもありますが…… それは本エッセイの終盤で。
ダークなSCP
結局一番怖いのは、現実の生きているものなのです。
- SCP-1733 - 開幕戦
ループの中でおかしくなっていく群衆を、時系列記録で淡々と、だからこそ恐ろしく描いた一作です。
- SCP-5726 - きらめく魔法少女 ♥ ダーリンピンク!!
純真な魔法少女が、その純真さ故に苦しむ。読んでいてこちらまで苦しくなるような一作です。
- SCP-6502 - ハーウィック墓地
財団職員が財団からひどい扱いを受ける記事。この世界では財団職員でさえ理不尽な目に遭います。
- SCP-246-JP - 削り削られ
アノマリーの異常性と、いじめられていた人間の反逆。その二つが合わさった、意外かつ最悪な結末。
- SCP-587-JP - 死体に非ず
アノマリーよりもずっと恐ろしい、人間の一側面を見せつけられるような一作です。
- SCP-1392-JP - 地獄へのフライト
シンプルながら、これ以上ないほどエグい異常性をもつアノマリーです。
- SCP-1573-JP - 最愛の事故物件と無辜なる人々
ある恐ろしい異常性と、それを前にした人間の罪なき、しかしさらに恐ろしい考え。そんな一作です。
- SCP-1706-JP - 叩けば直してあげられる
ある純粋な善意による行動が、最悪の悲劇を生む。そんな一作です。
- SCP-2224-JP - 産地直送 〜 Be a good dinner!
ある最悪な異常性。その裏側には、一つの活動団体が関わっていて…
- SCP-2368-JP - 孤立した骸
初めて見た景色のはずなのに既視感がある、デジャブという現象があります。ただの勘違いと思うかもしれませんが、それが異常性によるものかもしれません。不安を誘う記事です。
- SCP-2687-JP - 生きる意味/死ぬ意味
一人の人物の一生と、彼の遺書、そして異常性。胸が締め付けられるような一作です。
ピースフルなSCP
SCPはしばしば「怖い」の代名詞として扱われますが、それは一部です。癒される、ほのぼのした記事のラインナップも豊富です。
- SCP-999 - くすぐりオバケ
かわいい子犬のようなアノマリー。一家に一匹欲しい程です。SCP-682(初めに読むSCP参照)が来ても大丈夫ですしね!
- SCP-1171 - 人間どもは去れ
やや物騒なメタタイトルに反して、ほのぼの異世界交流です。
- SCP-3338 - オタマトーンはあなたのルームメートになりたいです~
座敷童みたいな、かわいいオタマトーンです。大切に丁寧に扱ってあげてね!
- SCP-3375 - 旅するチンアナゴ
どこからともなくやって来て、いつの間にか去っていくチンアナゴたち。感謝の気持ちは忘れません。
- SCP-3892 - むちゃくちゃヘビメタベッドタイム
パンクでロックな骸骨野郎は、小さな子どもたちの味方なのです。
- SCP-5031 - ありきたりな殺人モンスター
どう考えても危険な見た目に、案の定危険な性質。でもだからといって、友達になれないなんてことはないのです。
- SCP-132-JP - 紙魚入る
紙の上を泳ぐ「ゆ」の文字たち。可愛らしさと発想が合わさった、そんな記事です。
- SCP-1084-JP - 傷に寄り添う
何から何まで、優しさの塊のようなオブジェクトです。どうしようもなく辛い、そんなときにいてほしい子たちです。
- SCP-1186-JP - ムスビのほらあな
おむすびころりん、すっとんとん。昔話と、可愛らしさと、ユーモアが噛み合わさった記事です。
- SCP-1371-JP - ベギーくんの大好きなおやつ
どうあがいてもシュールな見た目の、頭だけのデカいワンちゃん。ほのぼので笑えるオブジェクトです。
歴史、神話なSCP
歴史上の出来事、神話や伝説に関連するSCPの記事は多くあります。幻想的な存在を報告書の文体に落とし込めており、秀作が多いです。
- SCP-1295 - メグの晩餐
ある四騎士を連想させる、四人の老人たち。全員が異常性を持っているものの、果たしてその活動の様子は......
- SCP-2513 - ともあれ、カルタゴ滅ぶべし
ローマに存在するとある古い橋。見た目からは想像できないぶっとんだ異常性が渡ることで発現します。
- SCP-4975 - 時間切れ
古くから伝わる童謡と、不気味な生物学的性質が合わさった、シンプルながら秀逸なSCP記事です。
- SCP-115-JP - 鵺
正体が定まらず、どんなものにでも変化できるオブジェクト。財団はどうやって収容したのでしょうか。
- SCP-830-JP - 凋落一夜城
毎年現れる山城と、亡霊武士達。亡霊たちの印象が最後にがらりと変わる記事です。
- SCP-1211-JP - 5頭と4匹と2羽と空席が1つ
十二支に起きた問題を描いた、妙に現代チックでユーモラスなオブジェクトです。
- SCP-1535-JP - 画龍を継ぐ
狩野派が中世から脈々と受け継ぐ龍のオブジェクト。絵画技術を追求する人々の熱意が伝わります。蒐集院が登場しますが前提知識は必要としません。
- SCP-2050-JP - 誰
岩の中から響く女性の声。声の主はいったい誰なのでしょうか。日本神話をモチーフにした、オチに鳥肌が立つ記事です。
- SCP-CN-500 - 饕餮
CNは特に神話伝説に関わる記事が多いのが特徴です。そんな中国の怪物、饕餮(とうてつ)を描いた、寂寥感のある記事です。
- SCP-CN-900 - "罪之懲"
中国の神獣、「獬豸」の角とされる円錐状のオブジェクト。獬豸は正義の神獣としての性質が強く、このオブジェクトもある種の公正さは持っているようですが......
実験記録の光るSCP
SCPといえば実験、財団は異常性を判明させるために多くの実験をします。実験記録は展開の盛り上がらせ所であり、わくわくした記事が多いです。
- SCP-1147 - 適応性プラム
どんな物質に埋めても育つプラムの種。砂、コンクリ、ガラス......様々な素材を用いた実験記録があります。
- SCP-3671 - めっちゃ怒ってるシリアルボックス
ずばりタイトル通りです。シンプルでクスッと笑える、そんなオブジェクトです。
- SCP-4342 - 実験は継続されなければならない
実験を進めていくうちにだんだんと不穏になっていく、そういうタイプの記事です。SCP-682(初めに読むSCPの項を参照)がちょっと出てきます。
- SCP-5283 - ナーフをナーフしてください
一本のナーフダーツに翻弄される博士。ちょっとコミカルな実験記録です。
- SCP-010-JP - "Mirai PC"
実験とそれに対する分析を繰り返す、財団における実験記録の基本形のような記事です。
- SCP-207-JP - 大いなる創作のために
実際に自分も実験してみたくなるような、そんな実験記録が非常に面白い記事です。リンク先の生成実験記録も是非お読みください。
- SCP-794-JP - スクエア
公園の中である文章を読み上げると、どこからともなく遊び相手が発生します。実験記録を読み進めていくと面白い事実に気づくことになります。
- SCP-1100-JP - CAPTCHA
あるサイトのCAPTCHAモジュール。CAPTCHAの入力欄に間違えた文字を入力すると"たにへん"なことになります。
- SCP-2816-JP - 「ごめんね、でもこれ電池じゃないの」
一見ただのスマートフォンがいろいろと動くだけのオブジェクトです。しかしタイトルの意味を考えると、そのえげつなさが見えてきます。
探査記録の光るSCP
財団が異常な空間を見つけたとき、必ず探査する必要が出てきます。未知の危険な生物や物理法則に従わない現象、命を懸けて探査を行う職員達のエキサイティングな奮闘をご覧ください。
- SCP-087 - 吹き抜けた階段
長く続く下り階段、暗い為探査する人の視界は極端に狭く、想像しただけで恐怖が掻き立てられます。ただ暗いだけではなく、その階段には何かがいるようです。
- SCP-093 - 紅海の円盤
並行世界へのポータルを開く不思議な石盤。我々の世界とは少し違う奇妙な並行世界を描いた、初期の名作です。
- SCP-1689 - ジャガイモ入れの袋
通常探査対象にならないものを探査する、奇妙な世界の記事です。不思議な世界を探査するのは、SCPの醍醐味です。
- SCP-3074 - カフカの駐車場
一度入ったら脱出することのできない駐車場。電子キオスクの受話器から聞こえる機械的な音声と迷い込んだ男の音声記録が見どころの記事です。
- SCP-7819 - 満室
宿泊客を誘い込む、モーテルのような何か。不安を誘うリミナルな描写が巧みな記事です。
- SCP-557-JP - 既死
死体の出現する廃トンネル。どこかいやらしさを感じる演出から本能的な不安感を誘う記事です。
- SCP-1065-JP - 無間の部屋
フラクタル構造をしている変な間取りのアパートの一室。絶望と謎がいい余韻をもたらしてくれます。
- SCP-1452-JP – Drip Drat Drinker
コーヒードリッパーから通じる異常空間です。その中にある異空間が、異世界のコミュニティの描写としてとても興味深いようになっています。
- SCP-1777-JP - 迷いの森
やや長いですが、事前知識はほぼ不要です。不気味な存在と、人の苦悩の心情が描かれた非常に秀逸な記事と言えるでしょう。
- SCP-1783-JP - お船の中はうさぎでいっぱい
繰り返される実験記録と探索記録が特徴的な記事です。癒し系の見た目と内容の不気味さがいいギャップになっています。
- SCP-3100-JP - シンイキ
民俗的な儀式と異常性を持つ森の記事です。これまでの記事とは違い、有機的な不気味さが醸されています。
メタなSCP
報告書自体、もしくは読者の私達自身に影響を与える記事も多くあります。私たちの予測の外から襲い掛かる面白さを楽しめます。
- SCP-426 - 私はトースター
明確に文章に異常が発生し、また内容もわかりやすい、メタ記事の入り口にふさわしい記事です。
メタの超有名記事。この記事の文字数は驚異の0文字です。
- SCP-161-JP - 伊れない病
殿堂入りした超有名記事。あなたはこのSCPの影響を受けていないと思いますか?
- SCP-522-JP - 空気中フランスパン濃度測定所
「空気中フランスパン濃度」という、変な単語が強烈なフックになっています。
- SCP-1045-JP - お眼鏡にはかなわない
SCP報告書に対する独自の視点のコメントが面白いオブジェクト、かと思いきや…… メタにダークな要素を上手く絡み合わせた記事です。
- SCP-1740-JP - 通行人B役 ウォルター・シッカート
SCP-1740-JPの関連人物がひたすら羅列されていきます。しかしただストーリー展開が珍しいだけでなく…
SCP x 言葉遊び。いろは歌のように、五十音を一回ずつ使った記事です。
- SCP-287-KO - このSCP-287-KOを手に取る勝者は一体誰なのか?!
「KO」とは韓国語版のことです。勢いが良く素直に笑える、よく見たら割と大惨事、な面白い記事です。
- SCP-600-KO - 🌲
ページを開いた瞬間、目を引く大きなイラスト。見た目で楽しめるのもメタ記事の魅力です。
- SCP-779-KO - これは結果論的なオブジェクトです
文字通り一切の無駄を排したシンプルなメタ記事。本エッセイ執筆時点でKO最高評価です。
SFなSCP
SCPはもちろんほとんどが空想ですが、空想のサイエンスについてフォーカスした記事の完成度は息を飲むもの揃いです。
- SCP-1958 - 空飛ぶ魔法のバス
'50年代アメリカ独特の雰囲気のある、活気と絶望、そして美しさに満ちた物語です。
- SCP-3200 - クロノス
どこまでも広大な宇宙。途方もない時空間の、根源的な恐怖を描いた記事です。「ヒューム値」などの用語は「財団独自設定への入り口」参照ですが、知らなくても大きな問題はありません。
- SCP-4823 - 世界がバナナになっちゃった!
異世界の秀逸なパニックホラーにして、財団の致命的な失態。
- SCP-077-JP - 過去への暴走
不定期に出現する謎の機械とそれに乗った人物。記録と補遺から考察するとその正体は…
- SCP-508-JP - 巨人
SFにおいて、デカさはロマンです。SCP-508-JPの大きさはなんと…
- SCP-646-JP - 過去改変協力者
タイムスリップにより、依頼者の願いを叶える人物。もしもボックス人力版です。
- SCP-798-JP - Knock Knock
私達の身の回りに多くある「ガラス」。そのガラスに生物が潜んでいるとしたら......?
- SCP-1150-JP - プログラム・オスタハーゲン
異常に強いイネ科の植物群。異常性の感染が他の植物にも広まっていくようだが、財団は果たしてどのように対処するのでしょうか。クロスリンクが数か所ありますが前提知識は不要です。
- SCP-1910-JP - UFOラーメン
そのものずばりな宇宙人にUFOが出てくる、ある意味最高にSF(すこしふしぎ)な記事です。美味しいものは宇宙を繋ぐのです。
世界の終わりのSCP
財団の総力を以てしても、対処しようがない異常性はあります。世界の終わりを表す記事、それでも抗う者たちの物語、終わってしまった後の話、それぞれに魅力があります。
- SCP-1012 - 秘密の音色
こんなあっさりとした条件で世界が滅んでしまう、そんな「いつ起こるとも知れない恐怖」を体現したSCPです。
- SCP-1739 - もう使わないラップトップ
小さなラップトップから始まる絶望的な展望、少しづつ見えてくる異常性の全貌が衝撃的です。
- SCP-3519 - 静かなる日々
世界の終末が訪れるというミーム。終末を信じてしまった人たちは、自己破滅的な行動へと移っていきます。要注意団体が出ますが前提知識は必要ありません。
- SCP-4183 - 自動収容プロトコル
終わってしまった「後」を描いた、心を持たないはずのドローンたちの、悲しくも温かい話。
- SCP-5510 - 全世界共通リモコン
あまりにもあっけなく、あまりにも静かなおしまい。
- SCP-249-JP - 無限だった日めくりカレンダー
無限に続く日めくりカレンダー、かと思いきや......きれいにまとまった記事です。
- SCP-280-JP - 縮小する時空間異常
ギミックが特徴的な記事です。アイデア、文章、全てが革命的な記事であり、本サイトでは殿堂入り記事として登録されています。
- SCP-427-JP - 唄う草原
明るく楽しい、終わりまでの軌跡を描いた記事です。
- SCP-439-JP - ホームラン量産法
何故こんなものがKeterなのか。一件危険そうでないタイトルや説明でも、恐ろしい結果は起こりうるとよくわかる記事です。
- SCP-1857-JP - 常盤の桜
手の打ちようも容赦も一切ないけれど、何よりも美しいこれまでの世界の終わり、そして始まり。
Taleとは?
SCP報告書、要注意団体の文書(GoIFへの入り口を参照)、補足資料やサイトや世界観やエッセイ等の小さな分類、それら以外の全ての記事はTaleに属します。Taleといっても内容は全て小説じみた造りとは限らず、財団内部の報告書以外の資料もあれば詩もあり、つまるところなんでもありです。Taleの一覧はENはこちら、JPはこちらからアクセスできます。
なんでもありですが、現時点でTaleのほとんどは既存のSCP報告書、要注意団体、財団の組織、カノンをもとにした記事であり、初心者が読むには少しハードルが高いです。以下にはその中からなるべく前提知識の必要としない記事を選びました。
ホラーなTale
ホラーTaleにおいて、本サイトは豊富なラインナップを誇っています。恐怖をあの手この手で引き出すTale群をお楽しみください。
- ハチ(EN)
何かの異常の影響を受けて、ハチ以外のことを考えられなくなってしまった人の記録です。Taleは、このように報告書のような形式のものもあります。
- ドアノブ(JP)
柏木という青年の語り口が見事なホラーTaleです。
- Sa Jin(写真)(EN)
明らかにおかしいのに、誰も気にしない。誰も気にかけないからこそ恐ろしくおぞましい、そんな薄気味の悪い物語です。
今となっては馴染みの薄いVHSが、言葉にできない薄気味悪さを演出しています。また、この形式のTaleはパラウォッチであり、簡単に説明すると「財団に関係のない一般人が自身の体験した異常な出来事を共有する」という設定です。
- 順縁(JP)
語り形式のTaleが異常の肉薄するような巧みな雰囲気を作り出しています。音声、映像が含まれ、読者を五感で楽しませる記事です。
- ぱちん、ぱちん。(JP)
その場に居合わせているかのような錯覚すら覚えるホラーです。ぱちん、ぱちん。という擬音の不気味さが癖になります。
- るすばん星人(JP)
るすばん星人というキャッチ―な名前とある一家に襲う狂気、ひたすらに不快感が漂う高クオリティのパラウォッチです。
- せきみちくん(JP)
ある村に、当然のように存在する怪異。逃げようがない恐怖に追い詰められる感覚が味わえます。
- 廃墟のパン屋(JP)
ウクライナ旅行中に現れたパン屋。異国の雰囲気とホラーが相性抜群です。パラウォッチです。
これまでの記事とうってかわり、資料の集成という形で物語が展開されます。無造作に並べられたかのような資料を読み進めていく不気味さが非常に興味をそそる記事です。
番外編: クリーピーパスタについて
上に挙げた、「VHSスルー: サンデー・ディナー」や「順縁」などは「クリーピーパスタ」と呼ばれます。クリーピーパスタは、一般的には「インターネットの怖い話や画像」のことであり、スレンダーマンなどが代表例です。しかしSCPにおけるクリーピーパスタはTaleの一ジャンルであり、おおむねSCP世界とは直接関係がない怖い話を指します。クリーピーパスタには、基本的に財団やオブジェクト、その関連組織などは出てきません(実はパラウォッチは後述の「要注意団体」の一つなのですが、それ以外には特に登場しない場合はクリーピーパスタに含まれたりします)。
SFなTale
- 簡易講座:基本時制の改変について(JP)
現実改変、過去改変、未来改変について簡潔に説明するTale。スタンダードな講座形式の記事の中でもかなり読みやすい記事になっています。
- 多元宇宙とたんぽぽのお酒について(EN)
財団の存続する世界を目指し、崩壊寸前の並行世界を渡り歩くエージェント。悲惨な終末世界の描写と回想の美しい情景が印象に残る記事です。
- Ketergrams(EN)
財団職員は、いつだって死と隣り合わせです。それも、通常ありえないような死に方だって当然のごとくありうるのです。「ミーム」については「財団独自設定への入り口」の項目を参照してください。
- 核という選択肢(EN)
緊急時のために常に足元にある原子爆弾。核の重みについて改めて考えさせてくれる一作。
読み飛ばされがちな特別収容プロトコルですが、財団世界においてはむしろここが一番重要です。そんな財団における考えの一端が理解できる記事です。
クンストカンマー病という病気についての講義。リアリティのある語りと練られた病気の設定が上手なTaleです。財団内の部門である対話部門が登場しますが、前提知識は必要ありません。
- エンドコンテンツと漂うクラゲ(JP)
インターネットの中に住むクラゲという幻想的な存在を書いたTale。このクラゲは要注意団体に登録されていますが、前提知識は不要です。
人間ではない長命/不死種が、人間社会で生きていくためのアレコレをまとめた記事です。長命/不死種だからこその人間とは別の考え方が垣間見える記事です。
- 閉ざされた夜の研究棟からの脱出(JP)
突如謎の空間に閉じ込められ、そこからの脱出を目指す。パートナーは、鏡合わせの自分。「現実改変」については、「財団独自設定への入り口」を参照してください。
- オペレーション・ウォールブレイク(CN)
「第四の壁」を打ち破り、異常の発生を止めようとする者たちの物語。「演繹部門」や特定のSCPの名前が出てきたりしますが、とりあえず知らなくても問題なく読めます。
エモーショナルなTale
「初めに読むSCP」で挙げたSCP-076(アベル)と、それに深くかかわるSCP-073(カイン)のTale。彼らの数奇で、切り離すことのできない関係が見える記事です。
- 赤ずきん(CN)
オオカミの赤ずきんと、猟師との心温まる物語。「放浪者の図書館」は本エッセイで後に出てくる要注意団体「蛇の手」に関わる場所ですが、知らなくても問題ありません。
- お花見会(JP)
エージェントたちがお花見を行う、ささやかでほっこりとしたお話です。ちいさなざいだんカノンに属しますが、前提知識は不要です。
- 或る遺書(JP)
財団は常に危険がつきまとう場所です。いつ死んでしまうともわかりません。だからこそ、遺書は我々よりもずっと身近な存在なのです。
- 語りきれぬものについては(JP)
(上の記事の説明より)しかし、遺書では人生を表しきるなんてことはできないのです。財団職員たちは、思いを受け継ぎ、語り、進み続けねばならないのです。
- 蛍池のほとりにて(JP)
暗がりに光る蛍と、父子の想い。それぞれが美しく、儚く絡み合ったお話です。
- ピエタ(JP)
絶望や言葉にできない惨劇の多い財団世界に起こる救いのお話です。
- 物語の伝え方(JP)
化け物との戦い、迷宮からの脱出、物語を伝える財団職員の強さが感じられる記事です。
- 繋いだもの(JP)
母の愛は、死なんかじゃ切り離せない。どこまでも温かい、不思議なお話。
財団世界ではなく、SCP-682を読んだ我々の世界の中学生の話。何がきっかけかになるはわかりませんが、少し勇気がもらえそうなTaleです。
コミカルなTale
- 私、メリーさん......(KO)
非常に有名な怪異、メリーさん。ですがそんな彼女も財団には……
何か起きてしまった後の事後処理も財団の仕事です。それをテーマにした、ちょっとブラックなTaleです。
- 小噺〜鰐蕎麦〜(JP)
財団 x 落語の、一風変わったTale。妙に古風で妙に現代的な、大変愉快なお話です。
- 参照してください(JP)
超常組織の財団といえど、組織は組織。どうしてもお役所仕事的なことからは逃れられない運命なのです。
だいぶふざけてる世界の財団です。ふざけていようがいまいが、財団はとんでもないブラック企業です、えぇ。
- 公費旅行: ややキャン☆(JP)
財団の仕事全てが危険極まりないものとは限りません。カラ出張を楽しむ職員に訪れた困難とは。
オカルトのような存在を科学的に表現するのが、SCPの魅力の一つです。ですかそうしてしまうと、あるとてつもなく恐ろしい事実があらわになるのです……
SCP-682のTale、なのですが…… まぁページを開いたらわかる通りです。頭空っぽにして読みましょう。
- 『N/A倉庫』の休日(JP)
閑職サイトでの、一休さんのお話。財団職員にだって、一休みは必要なのです。
パワーでごり押すのもコミカルの醍醐味。財団職員がムキムキになった話です。SCP-173(初めに読むSCPで紹介済み)を読んでおいてください。
ダークなTale
- お別れ会(JP)
「メタなSCP」で挙げたSCP-1045-JPの、過去の話。これの後に改めてSCP-1045-JPを読み直すと、より心にくるものがあるかもしれません。
- 駅員の憂鬱(JP)
設定によっては、Dクラス職員が必ずしも元犯罪者という訳ではありません。そんなDクラス雇用に関する、どことなく暗く、どことなく考えさせるTaleです。
- そんな有り触れた理由で(JP)
財団では、狂った出来事、凄惨な出来事が当然のように何度だって起こります。だからこそ、こんな意見さえも普通のものとして理解されてしまうのです。
- 後輩が死んだ(JP)
財団で死は日常茶飯事とはいえ、皆が皆冷徹になれるという訳ではありません。そのような、我々からして「正常」な苦しみと悲しみのTale。
どんなにぼろぼろになろうとも、職務を全うし続ける財団職員の話。リンク先のSCPも是非お読みください。「認識災害」については、「財団独自設定への入り口」を参照してください。
- 毘見博士と最高の炊飯器(JP)
美味しいお米が炊ける最高の炊飯器!気持ち悪さを掻き立てる記事です。
- 記憶処理をしてみよう(JP)
財団には記憶処理(「財団独自設定への入り口」も参照)があり、すべて忘れてしまうことができます。それは残酷なようで、ある意味優しさでもあるのかもしれません。
- 異常の無い石(JP)
異常と正常の狭間に居ることに慣れた財団職員の心理を書いた、余韻の残る記事です。
- ねえ、先生(JP)
財団世界では、すぐ近くに財団職員がいるかもしれません。異常存在が近くにいるかもしれないし、それに出会うかもしれないし、それに殺されるかもしれない。そして、さらに別の可能性も。
- 瞬目集——機動部隊編(CN)
異常存在に真っ向から立ち向かう機動部隊。その殉職率の高さは察しが付くところでしょう。そんな機動部隊に起きる出来事をまとめた、15の超短編集。
財団独自設定への入り口
SCP財団の記事を楽しむにあたって、予め知っておくべき設定がいくつかあります。簡単なものであればSCP財団とはにまとめられているものの(機動部隊、セキュリティ施設などなど)、その設定の詳細や、記事内でどのように使われているかはまだはっきりとしていない部分もあります。ここでは、記事の紹介も兼ねてもう少し説明します。SCP財団の設定を1から知りたいという方はSCP財団とはを先に読むとよいでしょう。
反ミーム
- SCP-055 - [正体不明]
ミームとは、他の人に複製可能な情報、より狭義的な説明をするとインターネットミームのように他の人に伝わり変質しながら広がっていく物語や意匠、概念のことです。反ミームとはそれとは逆の性質、つまり「人に伝えられない」「人が認識できない、記憶できない」情報のことを指します。反ミームがどのようなものなのか、SCP-055を読むとよく分かります。
現実改変、ヒューム
- SCP-239 - 小さな魔女
- SCP-540-JP - ンボボボさん
- FAQ;〜ヒュームって一体全体なんだ?(EN)
現実改変とは、俗にいえば超能力です。無からエネルギーを作り出したり、物質を創ったり、記憶、認識を変えたり、現実の物理法則において起きないことが起きればそれは現実改変です。現実改変できる能力を持つ人を現実改変者と呼ぶこともあります。SCP-239は最初期の記事の為記事内で現実改変という単語は使われないものの、この定義に属します。
現実改変を起こすのは人だけではありません。自然に発生することもあれば、とあるきっかけによってシステム的に起こる現実改変もあります。それらをまとめて扱えるようにした設定がヒュームです。その空間の「現実の強度」を定量的に数値で示したものを「ヒューム値」といい、気圧のように連続的に分布します。ヒューム値の高いヒト、モノはヒューム値の低いヒト、モノに現実改変を起こしやすくなります。現実改変者は内部ヒューム値が高く、それを保っている人間のことですね。もちろんこの設定がヒュームの絶対的な説明ではなく、そもそもヒュームを採用している記事がすべてではありませんが、多くの記事では採用しているため知っておくと読むときに困らないでしょう。SCP-540-JP、FAQ;〜ヒュームって一体全体なんだ?はヒュームの基礎について入門と言えるでしょう。クロスリンクが多いですが、読み飛ばしても大丈夫です。
認識災害、ミーム災害
- SCP-040-JP - ねこですよろしくおねがいします
認識災害とミーム災害は混同されやすい概念です。
認識災害はタグリストの説明にもあるように五感のいずれかに記録されると対象に有害になることを指します。例えば、あなたがあるSCPを見て体調が悪くなったり、記憶や判断能力が狂わされたり、もしくはその見えているものが正常に認識できなくなったりすればそれは認識災害です。
ミーム災害は文字通りミームに有害性があればあてはまります。反ミームの所でも説明しましたが、ミームはある人の中に複製され、時に変容し、多くの人に拡散する情報のことを指します。例えば、ある一つのリンゴがあったとしましょう。そのリンゴの見た目について知っている人が知らない人に説明しようとした時、何も言っていないのに大きさや色、形を相手が確信できるほどに理解出来たらそれはミームの複製段階に異常があります。何の証拠もないのに視界に入れたリンゴが毒リンゴだと思い始めたら、それはミームの変容に異常があります。ミーム汚染という言い方もあります。
もちろん、認識災害とミーム災害両方の性質を持つオブジェクトもいます。SCP-040-JPにおいて「ねこ」の幻覚が見えるのは認識災害ですし、「"ねこ"がいる」という観念を人に伝えようとする働きが起こるのはミーム災害です。
しかしながら、ミーム、ミーム災害の定義については人によっていくらかずれがあり、無論この文がミームの定義を完全に説明できているわけではありません。そもそもミームという単語自体ごく最近使われ始めた言葉であるためです。なんとなくこのようなものかなと覚えていただければ十分です。
情報災害
- SCP-471-JP - 噂が呼んだ怪人
情報災害はタグリストの説明によると記述、言及によって発揮される効果を持つSCPの異常性を指します。記事によっては記憶することや噂として聞くことがトリガーとなる異常性も情報災害に含まれます。厳密な線引きはありませんが、とりあえず「特定の情報をいろいろすることで起きる異常性」と考えていれば問題ないでしょう。SCP-471-JPは噂を聞いて知ることで異常性を発揮するオブジェクトです。
奇跡論
奇跡論は、平たく言うと魔法です。財団やその他の要注意団体は魔法に対して科学的なアプローチを試みており、その時の呼び方が奇跡論です。魔法のみならず、陰陽道や呪術、心霊術なども奇跡論に含まれる場合もありますが、人によって実態は様々です。神秘的な未知の量子を作用させるのが奇跡論の本質とする考えもあれば、ヒューム値を上げる不思議な儀式とする考えもあります。本質に触れないのであれば、読む分書く分には適当で大丈夫です。ここで紹介するTaleは後で紹介するGOCの知識が必要なので、SCPをたくさん読んだ人でもかなり難解です。雰囲気を楽しむつもりで読んでみましょう。
セキュリティクリアランス
- SCP-1918-JP - 11次元上の犬、よって私の矜持が汚され老いに抗う術を求める。
セキュリティクリアランスは財団の職員の職務内容や地位によってアクセスできる情報を制限するシステムです。現実の機関や組織にも存在しますね。SCPの場合、特に多くの人に知られるとまずいオブジェクトや、危険なので地位が上の人には見せられない情報、ミーム災害や認識災害に耐性のある人しか見せられない報告書などがあり、より厳重にシステムが作られています。ミーム殺害エージェントという画像を用いて不正アクセスした人を殺す仕組みさえいくつかの記事には存在します。(もちろん実際に死ぬことはないので安心してください!)
職員によって与えられているセキュリティクリアランスレベルは違い、こちらで詳細に記されているように数字が大きい程重要な機密を見ることができます。SCP-1918-JPはセキュリティクリアランスレベルによってみることのできる情報の違う報告書です。
記憶処理
- 記憶処理取り扱いガイド(EN)
財団は一般人の目に触れぬようSCPを収容しますが、どうしても一般人に目撃されてしまう事例は避けられません。また、認識災害やミーム災害、情報災害の影響から職員を救うためには記憶を消すしか手段が残されていないことがあります。そのような際、財団は記憶処理を行います。多くの記事では、記憶処理に記憶処理剤という薬剤を用いています。
ここで紹介しているTaleは記憶処理剤を扱っており、その完成度には目を見張るものですが、絶対ではないことに注意してください。あくまで一サイトメンバーの考えた設定であり、記憶処理に関する設定が公式に定められているわけではありません。他の記事ではクラスAが一番強かったりしますし、薬剤ではなくパンチで記憶処理することもあります。
オブジェクトクラス
- オブジェクトクラス(EN)
- SCPオブジェクトの脅威レベル(FR)
オブジェクトクラスは、「収容難易度」を示す指標です。主にSafe,Euclid,Keterの三つであり、左から順に収容難易度が上がります。SCPの報告書にはほぼ必ずオブジェクトクラスが記述されています。オブジェクトを収容する為の書類ですから、当然と言えば当然ですね。
Safe,Euclid,Keterの他にも収容の方法やオブジェクトの性質によってより細分化したオブジェクトクラスは存在しますが、基本この三つで足りるので使わない、という人もいます。上に紹介する記事の「オブジェクトクラス」では、他のオブジェクトクラスや判別方法がより詳細に説明されています。
FR発祥の設定として、脅威レベルというものもあります。これは収容難易度だけでなくオブジェクトのもたらす被害も考慮に入れたものです。詳しくは上に紹介している記事の二つ目をご覧ください。
要注意団体の入口
SCPオブジェクトと財団のある世界。その世界において財団がオブジェクトの確保、収容、保護を目指していれば、当然ながらカウンターとしてオブジェクトを破壊する団体もいます。確保ではなく解放を謳う団体もあります。科学の原則を無視したオブジェクトを利用して自分の利益にしようと目論む団体も、新しいオブジェクトを作ろうとする団体も、知的オブジェクト自体が集まった団体も、もちろん存在します。それらの団体は財団に発見され次第「要注意団体(GoI: Group of Interest)」として登録されます。要注意団体の一覧はENはこちら、JPはこちら
世界オカルト連合 (GOC)
- SCP-1609 - 椅子の残骸
世界オカルト連合は財団とは違い、異常な存在を破壊すること、脅威を取り除くことを主な目的としています。財団程一枚岩な組織ではなく、何百もの組織が連合する組織です。また、国連下の一組織としての側面もあり、多くの点において財団とは対照的な設定を持っていると言えるでしょう。オブジェクトの破壊と保護、どちらが正しいかはケースバイケースであり、SCP-1609には異常存在へ適切に向き合う事の難しさが書かれています。
Are We Cool Yet?
- SCP-280-FR - 明くる日の動物たち
Are We Cool Yet?は異常芸術家(アナーティスト)の集団であり、異常性を持つ芸術作品を創作します。作られる作品は芸術家によってさまざまで、多くの一般人を巻き込んで殺傷するものもあれば、幻想的なもの、自傷的なもの、示唆的なもの、意味が分からないもの......たくさんあります。過激な構成員の作品が多くみられるものの、その団体の実態は曖昧です。共通点とすれば、「Are We Cool Yet?」というフレーズを頻繁に用いることでしょう。
ワンダーテインメント博士
- SCP-111 - ドラゴンカタツムリTM
ワンダーテインメント博士は団体か個人かもはっきりしていません。財団の目をかいくぐりながら異常性をもつ玩具やペット、絵本等の子供向けの商品を製造、販売しています。しかしながら、子供のことを本当に楽しませたいかについては疑がわしく、異常性そのものや商品の説明書からはしばしば隠し切れない露悪的な性根が見え隠れしています。
ウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズ(WWS)
- SCP-3466 - アメリカンドリームなんて夢見て生きるのは鳥頭だけ
ウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズは財団に協力的な団体です。異常性を持つ生物の保護を目的としており、生物のオブジェクトの収容を財団から任されることがあります。SCP-3466の内容からも分かる通り、WWSは財団よりもオブジェクトに対して温かみのある対応をすることが特徴です。実はボーリングという町の出資で作られた公的な団体です。
マナによる慈善財団(MCF)
- SCP-1176 - ミイラのはちみつ漬け
マナによる慈善財団は後援者によって運営される非営利の人道支援団体であり、世界中で活動しています。表向きは普通の支援を行っていますが、一部では隠れて異常な物品を使った活動をしています。人を救うためには非異常異常の分別なく資源を利用しますが、そもそも異常な物品は総じて人の手に扱えない重大な副作用や予想できない挙動を起こすものです。そのため、SCP-1176のように非意図的に彼らは悲惨な事故を起こすことがあります。
日本生類創研
- SCP-030-JP - 石油喰らい
日本生類創研は異常な方法で生物を改造、繁殖、育成する研究組織です。扱う生物は動物、植物、菌類すべて、もちろんヒトを扱う事さえあります。純粋な探求の為に研究することもあれば、販売するために開発することもあります。多くの異常な生物を保有しているものの、財団に比べて収容体制が杜撰な一面もあり、脱走した生物をしばしば財団が収容することになります。
酩酊街
- SCP-838-JP - 都会の波
酩酊街は異空間とされる空間に存在する居住区です。こちら側の世界から行く方法はいくつか存在するものの、帰還できるかは不安定であるため財団は酩酊街の全貌についてまだはっきりと把握できていません。「酩酊・忘却・停滞」を存在理念にしているという言及もあり、忘れられた存在がたどり着く、とも言われています。SCP-838-JPのように酩酊街で生まれた異常なオブジェクトがこちら側に現れることがあります。
アニメキャラクターと結婚するための研究計画局(PAMWAC)
- SCP-1842-JP - 天使が堕ちぬよう
アニメキャラクターと結婚するための研究計画局(PAMWAC)はダークウェブに存在するコミュニティです。このコミュニティの参加者は、日本のサブカルチャーのいわゆる「オタク」が多く、自身の欲望を達成するために異常な方法を用います。構成員の殆どは財団が追跡できないよう巧妙に自身を隠蔽しています。
日奉一族
- SCP-745-JP - 日奉樹
日奉(いさなぎ)とは、財団が収容する人型異常実体の数例に共通する姓であり、彼らは全員植物に関連した名前を持っています。日奉姓の人物同士の関係性は家族であることもありますが不明なことも多いです。日奉姓を持つ人の多くは各々が多様な異常性を有していますが、全員が連帯しているわけでもなく財団に対して友好的か非友好的かはそれぞれです。
如月工務店
- SCP-544-JP - 孤独な放送室
如月工務店は文字通り異常な建造物、施設の建築に関連する団体です。表向きは一般の企業を装って依頼者を募るものの、しばしば依頼者の要望をはき違えた恐ろしい成果物を齎します。彼らの素性は明らかになっていないものの、「鬼」という存在との関連がいくつかの記事でほのめかされています。
番外編: 要注意人物・要注意領域について
SCP世界には、要注意団体のほかに、要注意の人物やエリアも登場します。
要注意人物(PoI: Person of Interest)は、要注意団体の構成員や、SCPオブジェクトの性質や起源に深くかかわる人物などを指します。SCP指定こそされていないものの、彼ら自身が何らかの異常性を有していることも少なくありません。例えば、後に「キャラクターの入口」で紹介する「dado」は要注意人物です。
要注意領域(LoI: Location of Interest)は、異常性を持っていたり、異空間に存在する空間を指し、異常存在が居住していたり、多数のSCPオブジェクトの起源となっている場合も多くあります。住民がいる異常領域は「ネクサス」とも呼ばれ、さらにそのうち異空間に存在し、異常存在の隠蔽や収容を必要としない「フリーポート」もあります。その代表がスリー・ポートランドです。
カノンの入口
カノンとは、有り体に言えば「共通設定」です。特定のカノンに属する記事は、その共通設定の下で展開されます。設定と言うのは、特定の組織や人物、異常存在などに焦点を当てたもの、ある出来事を経て財団や世界が大きく変わってしまったもの、そもそも根本的に標準的な財団の設定と大きく異なるものなど、様々なパターンがあります。また属する記事自体も、明確な続き物から、互いに直接的つながりがほぼないカノンまで存在します。カノンに属するということは、ある程度の制約を受けることになりますが、だからこそ通常の記事では経験できない、独自の面白みがあるのです。カノンの一覧はENはこちら、JPはこちら
死の終焉
- 生に捕われて(EN)
「死の終焉」は、文字通り世界中のあらゆる生き物が死ななくなった世界のカノンです。不老不死になった訳ではありません。老化は普通に進行しますし、苦痛もそのままなので、身体がバラバラになれば激痛の中で苦しみ続けることになります。そんな圧倒的に残酷な世界を描いたカノンです。「生に捕われて」は、その始まりを描いたTaleです。なお、ここに出てくる「MC&D」(マーシャル・カーター&ダーク株式会社)とは、簡単に言えば異常なアイテムを収集・販売する要注意団体です。
壊された虚構
- 見出しを切り取った(EN)
「壊された虚構」は、財団の、そして異常の存在が大衆に露見してしまった世界のカノンです。その原因は記事によって様々ですし、設定されていない記事も少なくありません。その対応に苦労するSCP財団、異常の存在を知った民間人の思惑や出来事、独自に動き始める要注意団体など、様々な視点で描ける自由度の高いカノンです。「見出しを切り取った」は、財団の存在を知って間もない、民間人の一幕です。
AIAD
- AIAD ホーム画面(EN)
「AIAD」は、財団のIT部門である人工知能適用課(AIAD)と、そこが作成した最先端AIの人工知能徴募員(AIC)たちのカノンです。AICたちは、人間と遜色なく会話し、(大きな個体差はありますが)感情を表現します。一方で機械らしく高速で判断したり、人間が影響を受けてしまう認識災害などに妨げられることなく職務を遂行することができます。「AIAD ホーム画面」はその設定をまとめたページです。特にそこの「オリジナルAIADシリーズ」は、ストーリー面でも、世界観を理解するうえでも時間がありましたら読むことをお勧めします。
わるいざいだん -確保・収容・支配-
「わるいざいだん」は、財団が巨悪かつ強大な存在である世界のカノンです。この世界では財団は自らや異常の存在を秘匿せず、明白に世界の支配者として君臨しています。異常なオブジェクトを好き勝手に振るい、反対勢力は武力で黙らせ、Dクラス職員を強制的に徴集する。そんなことができてしまうため、この世界の財団は通常の財団よりリソース面、技術面で遥かに強力です。このカノンの記事は、そんな財団内部の狂気ともとれる出来事や、財団に抑圧される人々、あるいは対抗しようとする人々などを描いています。
扶桑紀
- SCP-1701-JP - 海神のそらごえ
「扶桑紀」は、幕末から戦後にかけての、日本近代史を舞台に据えたカノンです。当カノンの記事は、終戦直前の財団の進出以前に日本で独自に活動していた超常組織や、日本において財団が力を手に入れていく過程などを描写しています。また当カノンは、実在の人物や組織と、架空の人物・組織・出来事が絡み合うのが特徴です。さらに、蒐集院、IJAMEA、負号部隊を始めとした日本で活動する要注意団体も多数登場します。SCP-1701-JPは、太平洋戦争と異常存在、超常組織を上手く合わせた記事の一つです。
1998年
- 1998年 ハブ(JP)
「1998年」は、「壊された虚構」のJPにおける発展形のようなカノンであり、日本、もとい世界でも最大級のカノンです。舞台は、1998年にポーランドで起きたインシデントにより財団の存在が知られた世界での出来事を描いています。カノン内部も複数の章に分かれ、「マンハッタン・クライシス」や「東京事変」などのインシデント、人が獣人化する奇蹄病など、様々な設定が生まれ、それぞれが発展し、巨大な独自の世界線を形成しています。
スシブレード
- SCP-1134-JP - 爆転ニギリ スシブレード
3、2、1、へいらっしゃい!「スシブレード」は、スシを回し、ぶつけ合う、そんな競技のスシブレードを描いたカノンです。何を言っているのかわからない、という方は上のSCP-1134-JPを読んでみてください。これが全ての始まりの記事です。魂を燃やす熱いバトル。邪道なスシを回して暗躍する要注意団体「闇寿司」。そういった様々な要素が心を掴み、今ではかなり大きなカノンに発展しています。「そうはならんやろ」と言えてしまう理論を、勢いと情熱で納得させる、そんなカノンです。
共異廻歴
- 視怪啓雲(JP)
「共異廻歴」は、文明が滅んだあと、そこに残された人々や異常存在と、彼らの下を訪れる「探訪者」を描いたカノンです。もはやこの世界に財団は残されておらず、異常な存在は外に解き放たれました。人々は集まっていくつもの集村を作り、そこでそれぞれ自分たちなりの形で異常と共存することにしました。このカノンに属する記事の多くは、村を回る探訪者の視点から、特定の村を訪れた際の出来事をテーマにしています。それは時に、人間の在り方を問うものとなるでしょう。「視怪啓雲」は、そんなカノンの導入と言えるTaleです。
氷我記
- SCP-2203-JP - リセット
「氷我記」は、地球が全て凍り付いてしまった世界を舞台としたカノンです。基本的に共通設定はそれだけであり、それ以外は自由です。凍り付き、従来の文明が維持できなくなってしまった世界で、人々はどう生きていくのか。それをテーマとしています。SCP-2203-JPは、地球が凍り付いた原因となったかもしれないSCPオブジェクトです。ただし、当カノンにおいて必ずしもこれが原因とは限りません。
財団4K
- ようこそSCP財団へ(CN)
「財団4K」は、西暦4000年の遠い未来をテーマにしたCNのカノンです。財団世界には、これまでの記事を見てもらえればわかる通り極めて危険なオブジェクトが無数にあります。人類を滅亡させうるのだって少なくありません。それゆえに、数多の危機に対処し、生き延びてきた人類は、財団は、とてつもなく強力です。技術力・科学力は極致に達し、ほぼあらゆるものを制御できるようになりました。「ようこそSCP財団へ」は、そんな発展の結果を知らしめるものとしてふさわしいTaleです。
連作、taleシリーズの入口
ENには、カノンではないもののある世界観や人物に着目したシリーズが存在します。JPには、連作ハブ-JPにカノンにならないシリーズがまとめられています。カノンではないため、一部は著者が限定され他の人が執筆に参加できません。そのかわり、綿密に詰められた設定を楽しむことができるシリーズもいくつか存在します。
例えば、私立探偵マーフィー・ロゥ - マーフィー・ロゥのハブにはマーフィー・ロゥというカッコいい探偵に関する記事が揃っています。妙麗寺 ハブでは四辻喜劇というカノンの下の、京都にある妙麗寺を舞台とした記事があります。
より統一感のある記事群を探したいのであれば、カノンハブではなくこれらから探してみるのも良いでしょう。
財団組織への入口
財団は全国に監視の目を回し、世界中のあらゆる異常に駆けつける巨大組織です。各地域を管轄するサイトとは別に、組織の中には特定の職務に応じて縦割りの部門や委員会もあります。組織をまとめ上げる役職もあります。ちなみに内部部門の一覧はENはこちら、JPはこちら
O5司令部
- O5司令部書類(EN)
O5司令部、もしくはO5評議会は財団の最高指揮権を持つ、とされる役職の職員達です。彼らは秘密組織のトップという事もあり、外見や人格に関する情報を知る職員は非常に少ないと描写されることがほとんどです。13人いるという設定が一般的であるものの、誰がどんな人物かは記事の著者によって大きく違う場合があります。ここで紹介している記事はそれらについてまとめたものであり、その設定の多様さが分かります。
倫理委員会
倫理委員会はその名の通り財団内で行われる研究や収容活動が倫理的に許容できるものであるかどうかを判断します。時々エスカレートしてしまう財団の非人道的な行いに対してストッパーとなる、重要な役割です。倫理委員会の設定はこのTale等を始めとして、多くの記事で採用されています。
反ミーム部門
- 055についてお話ししましょう(EN)
反ミーム部門とは、反ミーム性を持つオブジェクトの収容や反ミーム性について研究を行う部門です。このTaleを一話目とする「反ミーム部門は存在しない」シリーズは反ミーム部門を扱ったシリーズであり、高い評価を得ています。少し難解な部分はあるものの、壮大なSFとして至上の出来となっています。
誤伝達部門
- SCP-4467 - あー、はい、アレね
誤伝達部門は、オブジェクトの異常性により、正確でわかりやすい記述ができない異常存在を担当する部門です。その性質上、報告書の内容は通常の記事に比してかなり奇妙な表現や描写が含まれることが多いです。また、直接伝えられないものを婉曲的に表現することもあるため、考察を必要とする記事も珍しくありません。
神話・民俗学部門
- SCP-1602-JP - 通りゃんせ(通れるとは言ってない)
神話・民俗学部門は、その名のとおり人類文化に根付く民間伝承を研究の対象とする部門です。財団世界には、そういった物語由来であったり、その中で別の形で表現されていた異常存在が多数存在します。だからこそ、その伝承内に性質や収容方法のヒントが隠されていることもあるのです。
戦術神学部門
- SCP-2105-JP - 神身事故
戦術神学部門は、神学的アノマリー……言ってしまえば神(およびその関連存在)の捕獲、収容、無力化を担当する部門です。そう、財団世界では神だって平然といるのです。また、この部門と奇跡論がセットとなり登場することも多いです。聖職者など宗教的な存在と、現代的な兵器が複合したギャップが魅力的な部門です。
財団日本支部理事会
- 日本支部理事会書類(JP)
O5が財団のトップなら、日本支部理事会は財団日本支部のトップといえるでしょう。基本的に"獅子"・"若山"・"千鳥"・"鳳林"・"升"・"稲妻"・"鵺"の7人からなり、O5と同様その人物像は記事により異なります。留意点として、上記の「日本支部理事会書類」は「O5司令部書類」と違い公式的な設定集ではないことに注意してください。
対話部門
- 対話部門のオリエンテーション(JP)
対話部門は、財団職員のメンタルケアを担当する部門です。財団では、仲間たちが命を落としたり、他の人物やアノマリーに対し非情な判断を下さねばならないことも多々あります。そこで消耗した精神を支えるのがこの部門の役目です。ただし、あくまでも「財団職員としての」精神的健康を目指すため、一般的な道徳、倫理とはやや異なる可能性もあります。
異常発見部門
- 異常発見部門のオリエンテーション(JP)
異常発見部門は、全国各地に出向いて異常をひたすら探す部門です。あるかどうかもわからない、ないことの方がずっと多い中で、かすかな可能性を信じて動き回り、万が一見つけた場合その後は他の部門に任せる…… はっきり言ってしまえば、ここは基本的に左遷先です。良く言えば多様性がある、悪く言えば散らかった部門といえるでしょう。
SCPフロント-JP
財団は一般的な企業/組織に見せかけたフロント組織をいくつも設立しています。目的は、一般社会の情報を収集したり、収入を財団の財源としたり…… 全てではありませんが、その多くは頭文字をとると「SCP」となっています。上の記事で挙げられている中では「信濃中央新聞」と「プリチャード学院」が有名です。
キャラクターの入口
各記事に出てくる博士や研究員、エージェントは一話限りの登場が大半ですが、魅力あるキャラクターは世界線や著者の垣根を越えて多く用いられます。財団のある世界を生きる彼らにフォーカスした記事を読んでみるのもSCPの一つの楽しみ方です。有名なキャラクターの一覧はENはこちら、JPはこちら
ジャック・ブライト博士
- SCP-963 - 不死の首飾り
ふざけた行動の目立つ危ない博士として人気なブライト博士。一方では財団の中枢に密接に関わったり人並外れた有能さを示す描写も多い、属性の過積載のような博士です。そんなブライト博士の一番の特徴といえば、SCP-963の影響下にあることでしょう。
アルト・クレフ博士
- エージェント・ウクレレ(EN)
元世界オカルト連合(財団と違い、オブジェクトの破壊を積極的に行う要注意団体。詳しくは「要注意団体の入り口」をチェック)の工作員である博士。財団に所属してからもオブジェクト、特に人型のオブジェクトを破壊したがる荒っぽい性格の博士です。世界オカルト連合所属時の彼の記録を見ればその本質が分かるかもしれません。いや、分からないかも......
ベンジャミン・コンドラキ博士
- SCP-408 - 幻想蝶
クレフ博士に負けず劣らず口が悪く、性格も悪い博士です。しかしながらSCP-408と友好な関係を築いていたりと、別の側面を見せることもあります。
チャールズ・ギアーズ博士
- SCP-1799 - ミスター・おわらい
これまでの三名とは打って変わって、ギアーズ博士は真面目で感情の起伏の乏しい博士です。その仏頂面加減はSCP-1799の影響を受けないほどであり、非常に職務に忠実な博士であることが分かりますね。(この記事には「要注意団体の入口」で紹介した「ワンダーテインメント博士」が登場します。)
エヴァレット・キング博士
- SCP-294 - コーヒー自動販売機
キング博士に関してはそこまで強烈なキャラが立っているわけではありません。(そういう世界線もありますが。)ただ、彼は多くの記事に少しだけ出現します。実験記録やインタビュー記録に少し出ては、必ずリンゴの種と関連する結果になるという、ちょっとしたユーモアの存在として愛されています。
dado
- SCP-3521 - 強制的バナナ等価線量 by dado
dadoは財団職員ではなく、オブジェクトを作る要注意人物です。dadoの作るオブジェクトはSCP-3521のような薬剤が主であり、誰かからの発注で作ることが多いです。発注者とのやりとりに可愛げがありつつも、作る薬剤はしばしば発注者の意図から外れた危険なものになっており、大惨事となることがよくあります。
前原 愛 博士
- 収容はランチの後で(JP)
前原博士は豪胆な性格の女性の博士です。とんでもない怪力を持っており人型オブジェクトを簡単に制圧することができます。そのことから他の職員からはゴリラに例えられることがありますが、本人はその呼ばれ方を(呼んだ人を半殺しにするほど)嫌っています。
桑名 博士
- 多次元迷宮の歩き方(JP)
愛らしい見た目と強い好奇心を持つ、癒し系の博士です。悲運なことにそこそこの頻度で桑名博士は異常空間に飲まれてしまうことがありますが、彼の実直さ、素直さはどんな困難も乗り越えられるものです。
エージェント 蒼井 啓介 & エージェント 戸神 司
- SCP-606-JP - 拷問教会
エージェント蒼井はエージェント戸神の指導教官であり、二人は師弟の関係にあります。しかしSCP-606-JPによってその師弟関係にも暗雲が立ち込めることになります。ぜひ関連Taleも読んでみてください。
キャラクターの良さを引き出すには、他のキャラクターとの交流が欠かせません。本記事から連なるシリーズには大量のキャラクターが登場し、流麗な群像劇を織りなします。
番外編: 著者ページについて
一定数の記事を執筆したり翻訳したサイトメンバーは、「著者ページ」という自分用のページを作成できるようになります。
著者ページの一番の目的は、そのメンバーが執筆/翻訳した記事を一覧で見られる参照用のページとしてですが、それ以外にも自由に装飾したり、自己紹介したりできます。また、そこに「人事ファイル」としてオリジナルキャラクターの情報を記載するメンバーも少なくなく、著者ページ発のキャラクターも多くいます。さらに、自身の著者ページで「個人コンテスト」を開催するメンバーもいます。「イベントを見てみよう」の項でも軽く紹介しています。
GoIFへの入口
GoIフォーマット、通称GoIFは、SCP財団ではなく要注意団体の視点から何らかの存在/事項についてまとめたものです。いわば「SCP報告書の要注意団体版」と考えていただければ概ね問題ありません。団体によってまとめる形式やその観点は大きく異なり、SCP報告書にはない独自の面白さを有しています。なお、上の「要注意団体の入口」で挙げた要注意団体については、団体それ自体の説明は省略します。GoIFの一覧はENはこちら、JPはこちら
Are We Cool Yet?
Are We Cool Yet?のGoIFは、定期的に開催される展覧会における、作品の「企画案」の形式をとります。それぞれが自分なりの「クール」を異常な芸術作品として思い描き、表現します。その裏には彼らに降りかかった経験があることが多いです。また、企画案の後にそれに対するコメントがあり、そこで裏のエピソードが判明したり、その案が辛辣に酷評される、というパターンが定番となっています。
黒の女王
- パリスの大虐殺(EN)
黒の女王は要注意団体の中でも特殊であり、「アリソン・チャオ」という名の女性です。彼女らは様々なタイムラインにバラバラに存在しながらも、互いにコンタクトし、とある目的のために活動しています。そしてその正体は、なんと上に挙げたチャールズ・ギアーズ博士の娘です。
黒の女王のGoIFは、ある主題に対し、様々なタイムラインにおけるそれに関して、複数の黒の女王たちが話し合うという形式をとります。彼女らは一応は同一人物といえど、各タイムラインの状況は多様であるため、性格や口調などはかなりバラバラです。様々な世界線の状況が描かれ、黒の女王らのフランクな対話も相俟って、GoI自体のミステリ性の割に比較的ユーモラスな記事が多く見られます。
蛇の手
- 東洋の鳥法師の精拄杖(EN)
蛇の手は、知性ある異常存在たちの集団からなる組織です。異常存在を閉じ込める財団には敵対的であり、しばしば財団から異常存在を奪取することもあります。当然、それを破壊する世界オカルト連合にはなおのこと極めて敵対的です。彼らは異常なポータルから侵入できる「放浪者の図書館」と呼ばれる場所を本拠地としており、財団はそこへのアクセスを確立できていません。
蛇の手のGoIFは、財団と同じようにある異常存在についてまとめ、記述した形式をとりますが、大きな違いとして、その内容は異常存在に寄り添ったものとして描かれるということが挙げられます。特にそれに知性があれば、しっかりと敬意をもって表現されます。あくまでも収容/研究対象としてみる財団とは対照的です。また、脚注の形式で、頻繁に蛇の手構成員らのコメントが挟まることも大きな特徴です。
サメ殴りセンター(SPC)
サメ殴りセンターは、名前の通りサメを殴ることに命を懸ける要注意団体です。普通のサメであろうと、異常なサメであろうと、あらゆる手段を用いて殴ります。理由? そこにサメがいるからです。
……メタ的なことを言うと、元々「SCP」を「SPC」と間違える例が多発していたために生まれたジョーク的なもので、いつの間にか正式な要注意団体になっていました。
SPCのGoIFは財団の報告書に類似しており、各報告書では、異常なサメではなく、サメを殴る手段について解説しています。ただしその方法が特定の異常なサメを殴ることに特化している場合、結果的にそのサメの解説にもなります。言ってしまえばおふざけで作られた団体なので、基本的にジョークSCPと同じように見てもらえれば構いません。ただしここに挙げたSPC-796-JPは、SPCの理不尽ともいえる容赦のなさが表れていると言えましょう。
ウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズ(WWS)
- 生き物プロフィール: クララ!(EN)
WWSのGoIFは、ある異常動物についての、性質や経歴、起きた出来事を説明する形式をとります。財団とは大きく異なり、その動物たちは仲間あるいは友達のように扱われ、フランクな口調も合わさって基本的にほんわかしたものが大半です。内容も、心が温かくなるようなものが多いです(当然ながら例外はあります)。動物たちに様々な名前が付けられていることからも、財団とは異なるとわかるでしょう。
日本生類創研
日本生類総研のGoIFの多くは、当団体が作成した異常な生物やアイテムなどの販売カタログの形式をとります。あくまでもカタログなので、魅力がアピールされていたり、開発者や顧客のコメントが入るのが特徴的です。ただしやはりというか、全体的に倫理感が欠如していたり、危険性が極めて高い商品が販売されていることが頻繁にあります。「お客様の声」でもしばしば倫理を度外視したようなコメントが見られ、全体的にブラックなものが多いです。
闇寿司
闇寿司自体については「カノンの入口」の「スシブレード」の項目を参照してください。
闇寿司のGoIFは、彼らが発案した邪道なスシについて説明した、「闇寿司ファイル」が大部分を占めます。そのスシ自体の説明や性能、それにまつわるエピソードなどからなります。ただしスシといっても、寿司屋で見かけうるものならかなりまともで、どう見ても食べ物ですらないもの、果ては概念まで彼らはスシと言い張ります。上記の記事の対象は概念ですが、一応スシを回しているのでまだマシです。めちゃくちゃな理論を読者に無理やり納得させる、そんな記事が多くあります。
蒐集院
- 第〇九一四番 - 「座敷童」(JP)
蒐集院は、かつて日本で異常存在を記録・収集していた組織であり、財団日本支部の前身となりました。その大部分は財団やその他のGoIに吸収されましたが、現在も残党が活動を続けており、日本における復権を企んでいるとされています。
蒐集院のGoIFは、彼らの収集物についての報告書、という形式をとります。彼らの収集物は妖怪や日本神話にまつわるものが多く、古めかしい用語や、古典資料が頻繁に引用されることからも、全体的に日本の歴史を感じさせるものとなっています。ただし、現在も活動は続いているので、つい最近発見されたものや、やたらと現代的な用語が現れることも少なくありません。そのような「古き日本らしさ」と「SF」が混ざったフォーマットと言えるでしょう。
アニメキャラクターと結婚するための研究計画局(PAMWAC)
PAMWACのGoIFは、5ちゃんねるなどの掲示板におけるスレッドの形式をとります。彼らは全盛期の2ちゃんねるよろしく、くだらないことに全力で命を賭けます。馬鹿らしい欲望を異常に高度な技術で満たそうとするのが基本形であり、深く考えずに笑えるのが特徴です。その特性上、内容には新旧のネットスラングやネットミームが多用されるので、知っている方ならより楽しめると思います。
なお、上に挙げた記事中の「遠野妖怪保護区」は、多数の妖怪たちが住んでいる異空間です。
恋昏崎新聞社
恋昏崎新聞社は、夕方と夜しか存在しない異空間「恋昏崎こいがれざき」に居を構える新聞社であり、超常社会のニュースを新聞にして報道している組織です。特に財団に対して敵対的で、その悪評を広めるために捏造や偏向報道も辞しません。ただ報道するだけでなく、独自にアノマリーを制作することもあります。
恋昏崎新聞社のGoIFは、そこが報道したニュースの形式をとります。上の記事もそうですが、やはり財団に対する敵対的な報道がよく見られます。また、複数の要注意団体が絡み合うニュースも少なくありません。上の記事にも登場する「広末孝行」を始めとしたデスクがコメントを残して締める、というパターンが基本形です。なお、関連記事や広告は他のSCPオブジェクトやGoIなどに関連する場合が多く、知っていれば小ネタとして楽しめます。
Anomalousアイテムの入口
SCP財団において、SCP指定して特別な管理を必要とするほど重要でない異常存在は、SCPではなく「Anomalousアイテム」として管理されます。ENの一覧はこちら、JPにおける一覧はこちらです。見ての通り、SCPよりも大幅に説明が短く、それに関するバックストーリーなどもほぼ語られません。各言語版サイトによってさまざまに特徴が出ますが、ことJPにおいては、クスッと笑えるような、一発ネタ系がその多くを占めます。
これに似たものとして、一回程度だけ発生した現象をまとめた「超常現象記録」、Anomalousアイテムの場所版といえる「未解明領域記録」もあります。
アートワークの入口
当サイトは、SCPやTaleのような文章メインの創作物以外にも、いわゆる「ファンアート」のようなものも投稿することができます。ファンアートというとイラストのようなものを想像してしまうでしょうし、実際にイラストが多くの割合を占めますが、幅がかなり広いのが特徴です。イラスト以外にも、立体物、(要注意団体などの)ロゴ、漫画、動画、さらにはこのサイトの機能を存分に利用したものまで、様々な形があります。
また、ものによっては(主に漫画)「Taleかつアートワーク」という記事もいくつか存在します。
イベントを見てみよう
当サイトでは、しばしばイベントが実施され、サイトトップで大々的にアピールされます。その期間は、多数の記事が投稿されて大変な盛り上がりを見せます。
イベントといえば、メインとなるのはコンテストです。主に記事の評価を競い合い、優勝を目指すことになります(そこまで考えずとも、折角だからということで投稿されるものも多いですが)。その中でも代表的なものを以下にいくつか示します。
SCP-X000コンテスト
「キリ番コンテスト」などとも呼ばれるこのコンテストは、SCP-1000、2000、などのキリのいいナンバーのSCPを決定するためのコンテストであり、SCPのコンテストの中で最も盛り上がり、話題性のあるものとなります。優勝作は、名誉を獲得するだけでなく、SCP-X000というナンバーを獲得することができ、コンテスト終了と共に新たなシリーズが解放されます。全体的に壮大な記事が多くなる傾向にあり、特に最近は非常に長大な記事が数を増やしています。
夏季重賞コンテスト
4年目の死のコンテスト以降、JPにおいて毎年夏に開催されているコンテストです。今のところ、コンテスト名は全て「█のコンテスト」という形で統一されており、そのテーマに沿った記事を投稿することとなります。現在ではSCP部門、Tale部門、GoIフォーマット部門の三部門に分かれ、それぞれで優勝者が決定されます。
重賞コンテストの大きな特徴として、決選投票の存在が挙げられます。一定の評価を獲得した記事が決選投票に進出し、そこでは単純な記事の出来ではなく、「その記事がテーマに合っているか」を評価対象とします。そして記事自体の評価と、決選投票の評価を合計して受賞作を決定することになります。そのため、一番評価の高い記事が優勝するとは限りません。
新人コンテスト
JPにおいて、春〜夏に隔年で開催される、文字通り自作の記事をほとんど/一切残していない新人執筆者向けのコンテストです。今まで本格的に記事を書いたことがない人が初めて挑戦する良い機会となりますし、ここで活躍した著者が今後多数の名作記事を生み出すこともあります。ただし、SCP、Tale、GoIフォーマットの三部門が置かれ、それまでSCPをたくさん書いたがTaleは書いたことがない……という人がTale部門で参加し、「新人……?」となることもあったりなかったり。
ジャムコンテスト
お題が発表されてから数日以内に書きあげて投稿する、という地獄のようなコンテストです。ENとJPで数回開催されており、その厳しい条件にも拘らず多数の名作記事が投稿されています。いかに早くアイデアを思いつき、いかに早く書きあげるかが試されます。
他にもTaleだけに限定したコンテストや、チームを結成して競い合うコンテストなど、様々なコンテストが開催されています。
キャンペーンについて
時折、コンテストと違い賞を競わない「キャンペーン」が開催されています。数は少ないですが、代表的なものとして10周年を記念したOverキャンペーンがある他、常設されているものとして強化月間というものもあります。
個人コンテストについて
一部のメンバーが、自身の著者ページにおいてコンテストを開催していることがあります。あくまで非公式なためトップページに載ることはありませんが、記事作成のモチベーションなどとして機能します。
ちなみにイベントアーカイブはこちら
提言へチャレンジ
さて、ここまであえて触れてこなかったものがあります。SCP-001です。もしかしたら、「SCP-001は最初に読まない方がいい」という話を聞いた方や、いきなり手を出してよくわからないまま撃沈した方もいるかもしれません。
財団世界においてSCP-001は最高機密とされ、そのため複数のファイルが作成され、虚偽のファイルを混ぜてどれが本物かわからなくする、あるいは複数のファイルが事実、はたまた全て虚偽であるかもしれない、という設定です。そうしたファイル群をまとめて「001提言」と呼称し、ページ名はほとんどが「〇〇の提言」となっています。
その内容は財団や異常の起源やその存在の根幹に関わるものが主となっていますが、特に最近ではそれにとらわれず、「通常ナンバーではしっくりこないような」(基本的に壮大な)記事がSCP-001となる事例も多くあります。また、当然001提言の大部分はSCPですが、ごく一部Tale、さらにはGoIフォーマットの提言も存在します。
性質が性質なだけあって、001提言は基本的に壮大であったり、難解なものが多いので、初心者には厳しいかもしれません。しかし、本エッセイではあまり事前知識を必要としないものを選んだので、ここまで読まれた皆さんならきっと問題なく読めるはずです。
- ジョナサン・ボールの提言 - 論文の束
開くと、そこに書かれたSCPが実際に出現する(可能性のある)論文。異常の起源として、001提言としては最も基本的で、最もわかりやすいものと言えるでしょう。
- クレフ博士の提言 - ゲートガーディアン
こちらは財団の起源となったオブジェクトです。宗教的要素が深く関わっており、またSCP-073(カイン)とSCP-076(アベル)も関係しているようです。
- SCP-001:O5 - ファクトリー
Taleの形で、財団が成立する過程を表した提言です。かつて彼らが犯した過ち。それは、別の複数の記事にも関わってきます。
- S・アンドリュー・スワンの提言 - データベース
「第四の壁」を扱った最初期の記事。「我々」上位存在の掌の上で踊らされる運命と、それに抗おうとする者たちは、以降多数の記事で描かれることとなります。
- S. D. ロックの提言 - 夜明けの刻
これは何かの起源などには関係していません。ただ、恐ろしく、容赦なく、絶望的で、しかしどこか美しい、そんな終末を描いた記事です。カノン「破暁」の根幹記事です。
- リリーの提言 - うつくしい世界へ
恐怖と悲しみと絶望にまみれた財団世界。最後のその日だけは、どうかみんな幸せにいられますように。
以下はJPの提言です。
- Kwanaの提言 - 艦橋
JP最初の001提言。説明だけでは理解できないでしょうが、映像記録を読めば、異常存在が何であるか見えてくるでしょう。
- Ikkeby-Vの提言 - 群盲
財団は、これだけ大量のSCPをどうやって管理しているのか? どこから途方もない量のリソースを得ているのか? そんな問いに答える記事です。
- 飯落の提言 - 時刻
自分以外何もかも止まった世界、永遠の時間の中で与えられた使命。独りでも、最後まで闘い続ける財団職員の物語。カノン「極夜灯」の根幹記事です。
高難易度へチャレンジ
はい、以下の記事は完全におまけです。数多あるSCPの中でも、特に難易度が高いものを集めました。超長編だったり、大量の要注意団体やキャラクターが出てきたり、内容が極めて難解だったり…… はっきり言ってしまえば、基本的にここまで挙げた記事を全て読んだだけでは全くもって不十分です。まだまだ多数ある記事たちを読んで、SCP世界の知識と自信をつけてから立ち向かうようにしましょう。
- SCP-1730 - サイト-13に何が起こったか?
構文含め9万字を超える超長編。雰囲気だけでも楽しめますが、タイトルの答えにたどり着くには、その上でかなりの考察も必要となります。
- SCP-4231 - モントーク・ハウス
SCP記事ですが実質的にTale、「緋色の王」に迫る長編。ただし性的・残虐な描写を多数含むアダルト記事なので、18歳未満の方は閲覧をお控えください。
- SCP-5500 - 作者の死
第四の壁関連の強烈なメタ記事にして、まさかの演出。ちなみに似たような演出のある記事としては、SCP-2975やペダンティークの提言なんかがあります。
- SCP-⌘ - 慄ける王国の下
財団超現実部門の代表記事にして、恐らく当サイトで最も頭のおかしい記事。もしほんの少しでも理解できたというのなら、相当に誇ってもいいでしょう。
- SCP-6500 - 避けえないもの
現状、SCP史上最長記事です。異常が消えつつある世界で、多数の物語があり、そこで多数のGoIや多数のキャラクターが活躍します。カノン「ノー・リターン」の根幹記事。
縦書きというかなり珍しい記事にしてGoIフォーマットの001提言。扶桑紀に属し、多数の要注意団体が複雑に物語を織りなします。本格的な日本史の物語なので、そこの知識がある方なら一層楽しめるでしょう。
- 或る西瓜の提言 - 焚書坑儒計画
第四の壁をテーマにした、超本格的なSF記事。難解な用語や表現が頻繁に用いられていますが、読者が理解しやすいよう配慮されているので、思ったよりも読みやすいです。実はマルチエンディング方式。
- SCP-1054-FR-J - シスマ
恐らく最も情報量の多いジョーク記事。雰囲気で一気に進めるのもいいですが、是非細かいところまで読んでみましょう。パソコンでの閲覧を強く推奨します。