アイテム番号: SCP-522-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-522-JPはその大きさから一般的な収容は難しいため、SCP-522-JPそれ自体をサイト-81██としています。周囲に警備員を配置し、一般人の侵入を防いでください。SCP-522-JPを用いて空気中のフランスパン濃度測定を行う場合は、セキュリティクリアランス2以上の職員の許可が必要です。測定を行った後は、SCP-522-JP-1による現実への影響を計算し、提出してください。
説明: SCP-522-JPは群馬県████市の██山の山頂に建設された一般的な中規模空気中フランスパン濃度測定所です。内部には7m級チャールズ式反射測定器が存在します。
SCP-522-JPの異常性は、SCP-522-JPを用いて実際に空気中のフランスパン濃度を測定した際に発生します。その測定結果には、通常検出されうるフランスパンの他に、常に未知のフランスパンでないパン(以下、SCP-522-JP-1)が1%~2.5%ほど混じります。これは財団の所有する簡易測定器では通常観測されないものです。
SCP-522-JP-1は、SCP-522-JPの「内部メモリ」にSCP-522-JP-1を含む計測データが存在している間だけ、現実に存在することが判明しました。内部メモリ内のデータは、測定終了時に自動的に紙媒体に出力された後、リセットされるため、SCP-522-JP-1の存在する時間はごく短いものです。SCP-522-JP-1の特性は現在研究中です。詳細情報は文書522-JPを参照してください。
SCP-522-JP-1の存在による現実への影響はわずかなものですが、測定毎のSCP-522-JP-1のデータは必ず提出してください。
アイテム番号: SCP-522-JP-T
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 現在SCP-522-JP-Tには、閲覧終了と同時に閲覧記憶を抹消するミーム処理が施されています。この処理はセキュリティクリアランス2以下の職員にのみ働きます。セキュリティクリアランス3以上の職員は、本報告書を読んだ後、各自記憶処理をしてください。
また本来のSCP-522-JPの記事の内容も真実です。SCP-522-JPも現在収容対象となっています。SCP-522-JPについては、SCP-522-JP-Tの影響を受けていない職員に必要事項だけを伝え、管理を行ってください。
説明: SCP-522-JP-Tは、異常性を持ったSCP-522-JP報告書です。SCP-522-JP報告書を読み、その内容が記憶に残っている間、読者(以下、SCP-522-JP-R)はその時点まで保持していたフランスパン濃度に関する記憶を完全に失い、またSCP-522-JP-T以外のフランスパン濃度に関しての情報を認識することが出来なくなります。
この異常性により、SCP-522-JP-RはSCP-522-JP-Tに対して、通常「意味不明な報告書」もしくは「たちの悪いジョーク」という意識を持ち、人物によってはSCP-522-JP-Tの削除を求めます。また、SCP-522-JP-Rは日常生活において違和感を感じます。これはたとえば、「TV局で行われるフランスパン濃度予報コーナーを全く認識できなくなる」等の、断片的な記憶喪失によるものだと考えられます。
現在この異常性はSCP-522-JP-Tの記憶を全て取り除く事で対処できることが分かっています。この報告書を読んだ財団職員は、各種実験や研究を行う前に必ず記憶処理を行ってください。
補遺:
あなたが混乱していることは分かっています。しかし、今これを読んでいるあなたがどんなに否定しても、現にフランスパン濃度は存在します。フランスパン濃度は「湿度」や「気温」のような日常にありふれた数値であり、あなたは今日の朝もTVでフランスパン濃度予報を観たはずです。
財団の行う研究、実験にはフランスパン濃度が必要です。記憶処理をして、あなたの職務に戻ってください。
████博士