クレジット
SCP-1783-JPから回収されたウサギの一例
アイテム番号: SCP-1783-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1783-JPは財団が所有する港湾に建設された船舶収納倉庫内に格納します。SCP-1783-JPに関する調査は、当該オブジェクトの収容管轄サイトの管理官の指示により禁止されています。
説明: SCP-1783-JPは船内にウサギ科の動物が大量に詰め込まれた状態の船舶です。SCP-1783-JP内には最低でも██万羽のウサギが存在しており、その重量はウサギだけでも██万トンに及ぶと推定されますが、SCP-1783-JPをけん引する際に行われた計測では全体でおよそ9万トン程度の重量であることが判明しています。これは船舶自体の重さが重量の95%を占めており、SCP-1783-JPにはなんらかの質量異常が発生しているものと推測されています。SCP-1783-JPは扉、窓、煙突、換気口など、あらゆる開口部にウサギが過密状態で存在しています。このウサギは取り出すことが可能ですが、何羽取り出してもSCP-1783-JPの重量は変化せず、ウサギの密度もほぼ変化しないことが観測されています。ウサギはSCP-1783-JP内に存在している間は不老であり補給や排せつを行いません。睡眠は行いますが必要からではなくライフサイクルのひとつとして行われているものと推測されています。SCP-1783-JPから取り出されたウサギは異常性を失い、通常の代謝を開始します。このウサギは食肉に加工することができ、その味を確認した職員からは総じて好評を得ています。
SCP-1783-JPから回収されたウサギの一例
SCP-1783-JPからウサギを取り除き空間を得る試みはほとんど成功していませんが、ウサギを押しのけることでSCP-1783-JP内部に侵入することは可能です。SCP-1783-JP内部はウサギの体温と呼気により非常に蒸し暑く、職員による探索活動は深刻な熱中症を引き起こすリスクを伴います。蛇型ドローンによる探索の結果、SCP-1783-JP内でウサギが詰まっていない場所はガスタービンの中のみであると確認されました。なおガスタービンに接続された燃料パイプの中にはウサギが詰まっており、仮にSCP-1783-JPのガスタービンが稼働しようとした場合、SCP-1783-JPは動力を得ることができないか、ウサギを燃焼させることで動力を得ることになるものと推測されています。
探索記録1783-JP-1:
実験記録1783-JP-1〜5:<記録開始>
D-1882: なんだこりゃあ。
マンデラ博士: 私語は禁止です。探索を開始してください。
D-1882: 探索って...このウサギの中にか?
マンデラ博士: 押しのけて侵入してください。
D-1882: 噛んだりしないだろうな...うわ...こりゃ...思ったより大変だな...
マンデラ博士: 奥へ進んでください。
D-1882: やってはいるけど、暑い...すごく蒸し暑い!あとなんか変なにおいがする。ウサギはふかふかだけど、なんかいやなにおいがする。
マンデラ博士: 進んでください。
D-1882: なんだよ、くそっ...ウサギばっかりだよ。ずーっとウサギだ!手を伸ばせば壁には触れるけど、目の前も股の間も全部ウサギだ!
マンデラ博士: そのまま奥へ進み続けてください。
D-1882: くそっ。
マンデラ博士: 私語は慎んでください。
[靴を引きずる音、衣ずれの音、荒い呼吸音が約8分続く]
D-1882: あっ。
マンデラ博士: 何か見つけましたか。
D-1882: 反対側のドアに着いた。もう出てもいいか?暑くて暑くて...。
マンデラ博士: 待機してください。観測班の準備は?できてる?はい、D-1882、ではそのまま退出してください。
[D-1882が扉から退出する。その際、6羽のウサギがSCP-1783-JPの外へ押し出される]
D-1882: あ、これ、ウサギ...
マンデラ博士: 回収します。待機してください。
<記録終了>
方法: 標準小型動物収容プロトコルに従い飼育する。
結果: 通常のウサギと同様の代謝を行なっている。
方法: SCP-1783-JPへ戻す。
結果: 通常のウサギと同様の代謝を行なっている。一度SCP-1783-JPから切り離されると、異常性を取り戻すことはないことが判明。
方法: 焼却する。
結果: 通常通り炭化した。
方法: 焼却する。
結果: 通常通り炭化するか火傷を負った。直後に別のウサギが次々と手前へ移動しはじめ、死亡または負傷したウサギは他のウサギの奥へと失われた。その後の探索においても、死亡または負傷したウサギを発見することはできなかった。
方法: 血抜きをして肉を切り出し調理する。
結果: シチューが完成した。D-1882は肉質は柔らかく極めて美味であったと感想を述べた。健康被害は見られなかった。
探索記録1783-JP-2:
実験記録1783-JP-18〜38(抜粋):<記録開始>
D-1882: またこれか。
マンデラ博士: 私語は禁止です。探索を開始してください。
D-1882: この中はあんたらが想像している以上に暑いんだよ...相変わらずウサギはぎゅうぎゅうに詰まってるし...
マンデラ博士: 押しのけて侵入してください。
D-1882: わかったよ...ふかふかなのは悪くないんだけど、やっぱり何か、変なにおいがするんだよな...
マンデラ博士: 奥へ進んでください。
D-1882: ああ...でも、このまままっすぐ行くとまた反対側の扉に出るだけなんじゃないか?
マンデラ博士: 進み続けてください。
D-1882: まあいいけど...ほら、な?
[D-1882が反対側の扉に到達。扉から退出する際、8羽のウサギがSCP-1783-JPの外へ押し出される]
<記録終了>
方法: 骨格標本を作成する。
結果: 異常性のない骨格標本が完成した。
方法: D-1882の居住エリアで飼育。
結果: 通常のウサギと同様に成長した。
方法: 継続して飼育。
結果: 通常のウサギと同様に成長し続けている。D-1882によりキングと命名された。
方法: D-1882により芸を教える。(お手、その場で回る、糸巻を転がす、他)
結果: いずれの芸も習得できなかった。D-1882は調教を継続中。
方法: アクリル製コンテナにウサギを詰め、SCP-1783-JP内と同程度のウサギ密度になるよう調整する。
結果: ストレスと衛生面の問題から複数のウサギが負傷するか疾病にかかった。(すべて焼却処分済み)
探索記録1783-JP-4:
実験記録1783-JP-40〜72(抜粋):<記録開始>
D-1882: なあ、何回同じことをやらせるんだ?
マンデラ博士: 私語は禁止です。探索を開始してください。
D-1882: もしかしてこれ自体が何かの実験なのか?
マンデラ博士: 押しのけて侵入してください。
D-1882: 会話くらいしたらどうなんだよ。
マンデラ博士: 奥へ進んでください。
D-1882: ああ。いつも通りにな。「進み続けてください」だろ?
マンデラ博士: 進み続けてください。
D-1882: アイ、アイ、キャプテン。
[D-1882が反対側の扉に到達。扉から退出する際、6羽のウサギがSCP-1783-JPの外へ押し出される]
<記録終了>
方法: 剥製を作成する
結果: 異常性のない剥製が完成した。マンデラ博士の研究室にて保管中。
方法: 異常性のない一般的なウサギと交配させる。
結果: 正常な妊娠期間を経て、7羽のウサギが誕生した。(すべて焼却処分済み)
方法: D-1882の一部を飼料として与える。
結果: キングはD-1882を食べ残した。
方法: キングを昼食に与える。
結果: D-1882はキングを食べ残した。
探索記録1783-JP-8:
実験記録1783-JP-101〜106(抜粋):<記録開始>
マンデラ博士: 私語は禁止です。探索を開始してください。
D-1882: (無言)
マンデラ博士: 押しのけて侵入してください。
D-1882: (無言)
マンデラ博士: 奥へ進んでください。
D-1882: おまえらはクソッタレだ。
マンデラ博士: 進み続けてください。
[D-1882が反対側の扉に到達。扉から退出する際、9羽のウサギがSCP-1783-JPの外へ押し出される]
<記録終了>
方法: D-1882に与える。
結果: D-1882はウサギに興味を示さなかった。
方法: D-1882に与える。
結果: 対象は床に叩きつけられた。
方法: ウサギに与える。
結果: D-1882はウサギの尿で濡れた。
探索記録1783-JP-10:
実験記録1783-JP-107〜108:<記録開始>
マンデラ博士: 私語は禁止です。探索を開始してください。
マンデラ博士: 押しのけて侵入してください。
マンデラ博士: 奥へ進んでください。
マンデラ博士: 進み続けてください。
[SCP-1783-JP内のウサギの1羽がクゥと小さく鼻を鳴らす]
<記録終了>
方法: D-1882に与える。
結果: D-1882はウサギに興味を示さなかった。
方法: ウサギに与える。
結果: ウサギはD-1882に興味を示さなかった。