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2016年02月29日

大岡俊彦の映画批評まとめ(-2016.2)

時々書いてる映画批評、まとめます。
ここは脚本を論じる場なので、主に脚本、ストーリーについての批評です。
ストーリーがこの世に存在する意味、つまり作品論も時々言ってます。
大体ムカついたダメ映画を、理論的に批判していることが多いですねえ。

その時々書いてる脚本論にひっかけてが多いので、
当該記事の日付の前後に、関連記事がある可能性あり。
しょっちゅう出てくる「ロッキー」「ルパン三世/カリオストロの城」、
自作「風魔の小次郎」「いけちゃんとぼく」については個別記事を検索のこと。

ムカついた奴ほど長いです。
様々な角度から問題点、批判点が見えるからです。
名作とは、どの角度から見ても素晴らしいものをいいます。

逆に名作は、「研究」と銘打って深い部分に潜ってます。

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大局的勝利は、局地的勝利の末にある

一発逆転を目指す奴ほど、
大局的勝利を経験したことがない。

局地的勝利を重ねて、地道に勝利半ば、
という経験も積んでいない。

だが局地的勝利をただ積算しても、
大局的勝利は訪れない。
リーチ目が沢山揃ったときに、
何かが化けないと、大局的勝利にならない。

その発明や発見や偶然は、
局地的勝利の積み重ねが必要条件で、
局地的勝利ゼロの所にはいきなり訪れない。


世の中の真実でもあるし、物語の中にもよく出てくることだ。

書かない脚本家、小説家

どうして、「脚本家や小説家を(ひそかに)目指してます」という奴に限って、
かなりの確率で、一本も完成したものがないのだろう?

先日この話をしていて、
「一本も書いてないと、無限に可能性があると思えるから
(もし最初の一本が駄作だと、プライドが傷つくから)」
という話になった。

童貞が、童貞を捨てるのは初恋のスーパー美人、
と思い詰めて、こじらせているのと同じであると。

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大雑把な構成の共有2

苦い思い出を記録し、後進の為にしよう。

「いけちゃんとぼく」の編集作業でのこと。
三幕のクライマックス、野球シーンを削ってはどうか?
と言ってきたプロデューサーに、
僕は耳を疑った話。

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2016年02月28日

セルフパロディは寒い

色々やっちゃいけないこと
(たとえば夢落ち、出落ち、vsシリーズ、出落ち落ち)
の中の、ひとつ。

セルフパロディほど、寒いものはない。

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完成したあと何が起こるか

一本も完成させたことのない人には、
恐らく分からない。

短編だろうが長編だろうが、
書き終えた作者の脳内に起こること。

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他人に見せよう

経験則。

必ず「目の前で、他人にみてもらう」こと。
相手の視線から、今どこを読んでるか推測し、
どういうリアクションをしているか観察すること。
受けてるのか、受けてないかは、顔をみればわかる。

ネットで発表するとこれが出来ない。
一人でも二人でもいい。リアルに見てもらうことだ。

あと、何故だか、
「一人の時は気づかなかったのに、
他人に晒した瞬間に気づくミスや破綻」というものが、
必ず見つかる。
胃や心臓が痛くなる。
他人の目を意識するって大事だぜ。

大雑把な構成を共有しよう

とかくプロの世界は共同作業だ。
「こういう感じのものを作ってくれ」というのは、
大抵イメージのかけらもない曖昧な注文であり、
いざ作ってみると「イメージと違う」と言われて、
組み上げたパズルを全解体しなければならない羽目に陥る。

それは、間に入る人の問題ではない。
注文する側の問題を、注文主自身や、
チームが分かっていないことに起因する。
そう断言する。

ということで、出来うるなら、
注文の場で、大まかな構成を示して、
その時点でOKを取っておくのが賢いやり方である。

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出落ちは、物語ではない

前記事で、「受信寮の人々」を酷評した。
あれは、しろまる話、と銘打って置きながら、
一本もストーリーになっていない。

何故だろう?
出落ちだからである。
出落ちは、物語ではない。
つまり、ストーリーとは何か?を究明しようとしている、
我々にとって、最もどうでもいいもののひとつである。

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プロの現場から2:トーン&マナー

この企画を考える上で、
広告主のトーン&マナーというものがある。

それを外して持っていっても、
うちのカラー分かってます?と跳ねられるに決まっている。

一応、今回の広告主のトーン&マナーを書いておく。

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2016年02月27日

プロの現場から1

この二ヶ月ぐらいで、なかなかの良作を作ったので、
ドキュメンタリー的に解説をして、
後進の役に立てようと思います。

30秒60秒の、短編映画的なCM。
昔はこういうのがよくあって、
こういうのを作りたくて業界に入ったのに、
最近全然なくなってしまった。
暗いと不平を言うよりも、進んで灯りをつけましょう。

ということではじまりはじまり。

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2016年02月26日

で、再びオデッセイ批判

これまでの議論の総合。

つまり、人は、内面を晒す勇気とその動機を、見に来る。
そのオープンハートを見に来る。
それが映画である。

「オデッセイ」などという閉じた心の、
カタカナタイトルをつけた馬鹿は、
何も分かってない、無知もいいところだ。
映画のえの字も、今後言ってはならない。

恥ずかしさと向き合う

さらにつづき。

つまり、物語を書くという行為は、
半脱ぎという恥ずかしさを、
クリアしなければならない。

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いい台詞とは

前項までの議論を総合できる。

いい台詞とは、半脱ぎの台詞だ。

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空気の正体

前記事のつづき。

つまり、物語における空気とは、
半脱ぎである。

心がひらき、他人と心を交わしたあとにある、
目に見えない絆のようなものである。

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半脱ぎ

普段僕が下ネタを言うのは、人間の本質に迫るからである。
決して下ネタ好きだからではない。
人間の本質が好きなだけである。
人間はエロスとタナトスとリビドーと...まあどうでもいいや。

半脱ぎは、みんな好きだろう。
正確に言うと「異性の」半脱ぎね。
パンチラとか腹チラとか、眼鏡を取った瞬間とか、
ヘルメットや手袋や鎧を取った瞬間とか。
勿論ライダースーツのジッパーを開ける瞬間も。
靴やブーツを脱いで裸足を出した瞬間も。
気を抜いてる瞬間、オフショットが好きなのも、この一種だろう。
美人のすっぴんも俺大好き。

今作ってる作品は、普段前髪が印象的な娘を、
わざとデコだしにした。これも半脱ぎの範疇だろう。
つんくの前髪理論(過去記事参照)を思い出してのことだ。

さて、半脱ぎはビジュアルの話だが、
これは人間の本質に関係がある。
「心の半脱ぎ」の話に関係すると、それは脚本のことになる。

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2016年02月25日

【風魔】アレグラ、紫炎に戻った?

良かった良かった。(なにが)
紫のヅラが似合う日本人は、
大野くんか丸山しかいないぜ。

まさか紫のヅラの人が、ここまで語り草になるとはねえ。

空気

いい物語は空気が違う。

緊張感、楽しそうな感じ、阿吽の呼吸、
言わずに伝わる感じ、信頼、刺々しさ。

それは役者同士が作るのか?
否だ。
それは、脚本に書いてある。
つまり、空気はあなたが作るのである。

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伏線の効果

伏線はなんのためにあるのか。
驚かせるためか。
それはどちらかというとどんでん返しの技術に含まれる。

普通の伏線は、のちのちの唐突を防ぐためにある。
布石、のようなものである。

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ドラマが詰まらなくなった理由

前記事のつづき。

何故ドラマが詰まらなくなったのか?
ストーリー型CMがなくなった理由。
面白い映画が減った理由。

それは、皆が決断を怖がっているからではないか?

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決断

物語の中の人間が魅力的に見えるのは、
この瞬間があるからではないかと思う。

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2016年02月24日

カットを割るのは、間を盗む為

以前にも書いたかも知れない。

編集でカットを割ると、現実の間よりも進行を早めることが出来る。
省略する、という言葉の感覚よりも、更に微細な感覚でだ。
今日は編集論だ。

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分かりにくいタイトルをつける奴

これまでのカタカナタイトル議論も含む。
これを一言で示す言葉を思い出した。

カタカナ邦題、分かりにくいタイトルをつける奴は、
ブラフなのだ。

あなたは、
ブラフをかまして騙したり、見抜かれて落胆される人生を歩むのか?
誠実に中身のあるものを作り、小さいながらも充実したものを作るのか?
選べ。

僕は前者を、やり逃げする連中を、叩き殺したい。


(小説の名訳には翻訳者の技量が左右するというのに、
洋画の邦題が左右しないわけないよね?)

2016年02月23日

熱意は、体力を食いつぶして燃える

今週の「特撮ガガガ」(ビッグコミックスピリッツ)の、
この言葉を読んで何故だか泣いてしまった。

みんな無理するなよ。
体力をつけて、うまい飯食って寝ろ。
ゴールは死ぬまでだ。
それでも、何と命を引き換えにするかは、自分で選んでいい。

カタカナタイトルをつける奴の心理

たとえば「THX-1138」。
(ジョージルーカスの卒業製作のSF短編。
コンピューターの管理社会からの脱出劇。
音響システムTHXはここからの命名)
たとえば「es」。

どうして、タイトルから内容を想像しづらいものをわざわざつけるのか?

それは、自信がないからだ。

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カタカナ邦題を批判する

最近の洋画にいまひとつ食指が動かないのは、
邦題がダメ過ぎることも大きいような気がする。

昔浜村淳が映画コーナーの中で、
同じ批判をしていた。
「全部カタカナやと意味わからんから、行かへんで」ってね。
「全部カタカナやとおしゃれやわー言うてるアホは、
どうせ中身も見てないから、あとで口コミにもならん」とも。

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2016年02月22日

どっかで飽きる

相変わらず、「最後まで書けない」という検索ワードがあとをたたない。
みんなよっぽど苦労してるんだろう。

今日は別の角度から検証してみる。
自分が最後まで出来たことと、
最後まで出来なかったことの、
差はなんだろうか?

僕は、途中で飽きたかどうかの差だと思うのだ。

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写経

どの分野でも、勉強の仕方の基本のひとつ。

先人の優れた動きを、そのままなぞる方法。

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場所の名前で何かを示す

日本語の特徴。

たとえば「殿」は、殿に住む偉い人の意味だ。
直接名前を言うのが憚られるぐらい偉いので、
場所で擬人化するのである。

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2016年02月21日

順番を意識しよう

お話は、一次元だ。
正確にいうと、ことばそのものが、一次元である。

お話とは、何次元か分からない世界を、
一次元の文章で切り取る形式だ。

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構成とストーリーの違い

という検索ワードで来た方がいるようで。
考えてみよう。

昔話の桃太郎を例に。

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言いたいことを100%言うのが台詞ではない

言えなかったことが言えないのが、台詞だ。

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2016年02月19日

悪役を演じるときに気をつけること

という興味深い検索ワードを見つけたので、
書いてみる。

どうすれば悪役を上手く演じられるか?

見ている人の知性や年齢に合わせた、
悪を見せることではないだろうか?

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タイトル詐欺(オデッセイ批評)

ホメロスの漂泊としての叙事詩に重ねた、
オデッセイというタイトルが果たして適切だったか?

火星のサバイバルが面白くなかった。
ドラマ(人と人のコンフリクト)は地球側にあるのだから、
タイトルは、
「火星救出作戦」が適切だったのではないか?

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途中で雨が降るシーンの、柱のたて方

細かい技術論。
こういう検索ワードで来た方がいるようで。

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中二病ノート

お話を作り始めるには、早ければ早いに越したことはない。
小学校レベルでの作り話、兄弟友達を夢中にさせる嘘話。
少なくとも中二ぐらいには、
みんな中二病創作ノートを作っていたことだろう。

改めて見る拷問を受けなくてもいい。
大切に封印しておこう。

今日は「小からはじめ、大に至る」原則と、
中二病ノートの関係。

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2016年02月18日

【風魔】ああ聖剣戦争編つくりてえ...

CR風魔の小次郎、色々と資料が出揃ってきた模様。
なんていうのかな、そうじゃねえんだよ。
風魔原作を規定原作として、
それをただ移植してもダメなんだよ。

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芸術は人を救うか?

どうして創作をするのだろう。
映画にとどまらなくともよい。
絵を描く、音楽を作る、芝居をやる、立体物を作る、文を書く。
それでどうするのだろう。いや、どうもこうもない。
本人には分かっている。
ただ内なる衝動に従っているだけだ。

ところが、受け手側から見てみると、
その衝動などどうでもいいということが分かる。

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2016年02月17日

過去の重大な決断

厚みのある人物像を作るコツ。

過去に重大な決断をした、という設定を作るとよい。

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テンポの図り方

とても簡単なのは、
「最初から最後まで、口で演じてみること」。

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ストーリーのテンプレ2

「あれっ?これ、進研ゼミでやったパターンだ!」
つまり、テンプレとはパターンだ。

それに気づけるのは、数多い経験でしかない。

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【日記】サーフェス3充電出来ない問題

小説家、脚本家でワード使う人は、
縦使いサーフェス3に、
USBキーボード(家使い)か
Bluetoothキーボード(外使い)、
というのが現在の僕のオススメだ。(過去記事参照)

で、サーフェス3が時々充電されない問題がある。
色々調べて情報共有。
(マイクロソフトの対応ページがスマホで文字化けする問題を、
誰か解決してくれ!)



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ストーリーのテンプレ

そういうのが存在すると、夢想する時期もあった。
「ヒットした物語には、深層構造がある」とか、
「ヒットする物語の構造を利用して、
あとはちょっと改造すれば名作をつくれる」とか、
そういうのに憧れた時期もあった。

だがね。
それで出来るのは、模倣作だけだぜ。
既視感のあるやつしか出来ないぜ。

ハリウッドには、「プロデューサー」なるストーリー制作支援ソフトがあって、
ストーリーのテンプレをくれるのだそうだ。

そんなんで作った話が、面白いわけないやんけ。
大きく外してない、マニュアル男のデートコースと一緒やで。
ほんまにおもろいのは、
「見たことのない、全く新しい、これまでにない考え方のもの」やぞ!
「大外しするかも知れないハラハラから、大成功へ大逆転するもの」やぞ!

初心者のうちは、作劇を学ぶのにテンプレを学ぶのは悪くない。
だがテンプレで出来るのは、テンプレに似たものだけ。
それをなんという?
イミテイティブ。クリエイティブの反対の名。

簡単な性格設定2

前記事の捕捉。

名は体を表すとしても良いが、
そもそも人の名は、大概ライトサイドの名前ばかりで、
ダークサイドの名前がないのに気づいた。
(例外は悪魔ちゃんぐらいか)

ということで、名前を仇名ぐらいまで拡張しよう。

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2016年02月16日

簡単な性格設定

名前にそれをこめること。
たとえば涼平は、クールな性格、というように。

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性格分析の言葉

試しに、心理学での性格分析の言葉に触れてみるとよい。
大抵は注意欠陥障害とかの、
発達心理あたりにそういう言葉が多いかも知れない。
「性格的に問題があるところ」が、
現場の最前線だからね。

さて、どんなものでもよいから、
性格分析の言葉で、いくつかの典型的性格を知ろう。

問題は、「その性格を知ったからと言って、
その性格の行動や発言を作り出すことはすぐには出来ない」
ということである。

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2016年02月15日

映画と小説の違い:思索

今特別そういう小説を読んでいるからかも知れないが。

小説は思索を書ける。
映画は思索を書けない。
思索の結果としての行動や主張することは書けるが、思索の過程は書けない。

逆に、
小説は行動を説明(描写)しなければならないが、
映画は行動を見れば一発で分かる。
小説では「やつは何をした?」はOKだが、
映画ではしたことは見たまんまだ。

つまり。
小説では目を奪われている。
映画では思索を奪われている。

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2016年02月14日

気持ちの緩衝地帯

激しい展開のあとや、
次への立ち上がりの前など、
静かなシーンがあることがある。

これは登場人物の、気持ちの緩衝地帯になる。

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2016年02月13日

目的の確認

どんなお話にも、殆どこれがある。

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他者とどう折り合うか

人間にとって、永遠の課題だ。

自分以外は他者。
そんなことは頭では分かっているが、
心ではなかなか承服出来ないものである。

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