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[改訂版] 近代ジャーナリズムの誕生

イギリス犯罪報道の社会史から

[改訂版] 近代ジャーナリズムの誕生

19世紀半ばのイギリスにおける犯罪報道の成立と公開処刑の廃止がどう結びつくのか。

著者 村上 直之
ジャンル ジャーナリズム
出版年月日 2010年12月29日
ISBN 9784877984700
判型・ページ数 A5・296ページ
定価 本体2,500円+税
在庫 在庫あり

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イギリスにおいて、今日ある犯罪報道が成立するのは19世紀半ばである。それと同時に公開処刑がなくなる。犯罪報道の成立と公開処刑の廃止がどう結びつくのか。イギリス社会史を丹念に追って解明する。岩波書店版(1995年)を大幅改訂して世に問う。
改訂版に寄せて

第一章 イギリス民衆世界の中のニュース

第一節 セヴン・ダイヤルズの出版王
バラッド売りとメイヒュー/セヴン・ダイヤルズの出版王/サーテル事件のもたらしたもの/
「赤い納屋の殺人」の教訓/コックスとキャッチペニー
第二節 ブロードサイドの歴史
民衆活字文化圈のはじまり/ロビン・フッド伝説/狩猟法・密猟そしてアウトロー・バラッド/
国家の検閲とステイショナーズ・カンパニーの独占/ニュース観念のめばえ
第三節 ニュース・バラッドの謎
ニュース・バラッドの成立/〈速報性〉の意味するもの/改悛の舞台としての公開処刑/犯罪原因についての無関心
第四節 日付のないニュース
〈日付〉の意味するもの/恋愛・悲劇バラッドの系譜


第二章 知識への課税との戦い--自由と干渉の結節点

第一節 近代ジャーナリズムの神話
ジャーナリズムの歴史-その通説/ピータールーの虐殺/一八二〇年代の静穏
第二節 ラディカル・プレスの戦い
『プアマンズ・ガーディアン』の登場/遍歴の騎士ヘザリントン/「廉価な知識」の象徴的意味
第三節 新聞業界のジェントルメン
『タイムズ』の場合/T・バーンズと《世論》の発見/レスペクタブルな新聞の場合/時代のキーワード
第四節 ブルジョワ階級の改革論議
ホイッグの改革キャンペーン/自由放任か国家干渉か/チャドウィックとベンサム主義者/
教育改革論者とその言説/自由貿易論者とその言説/郵便改革論者その他の言説/プレイスとそのロビー活動
第五節 リットンの演説と刑罰のメタファー
リットンの下院演説/演説の政治的効果/刑罰のメタファーとその歴史的コンテクスト



第三章 ロンドン首都警察の誕生--統計と予防

第一節 イギリス刑事司法政策の転換
イギリス刑事司法政策の転換-その通説/犯罪統計と警察の誕生/建物なきパノプティコン/
P・カフーンの『首都警察論』/「危険な階級」の創出/犯罪統計の読解法/一九世紀初頭の「犯罪の波」
第二節 ポリス・ガゼットの系譜
警察広報の歴史/貧民の道徳教育/チャドウィックふたたび/ピール卿の懐疑


第四章 近代ジャーナリズムの誕生

第一節 ブルワー=リットンとその時代
感性の変容/死に対する態度の変容/ブルワー=リットンとニューゲイト小説/
殉教者としての犯罪者/『英国と英国人』/リットンの死刑廃止論
第二節 ヴィクトリア朝の殺人嗜好
一八三六年法の影響/レスペクタビリティと殺人嗜好/絵入り新聞の隆盛/イエロープレスの先駆者/
日曜新聞とペニー・ドレッドフル
第三節 新聞の自由の最後の勝利
「新聞印紙税特別委員会報告書」/証言者たち/進歩と改良への信仰/「新聞の自由」の最後の勝利/
大衆ジャーナリズムヘの道


補論 スキャンダリズムの起源
魔女裁判のニュース・パンフレット/ランターズ、その恐怖と神話


図版解説
各章全注
旧版あとがき
あとがきにかえて?インターネット時代へ問いかけるもの
イギリス・ジャーナリズム史年表
主要引用文献

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