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令和5年4月21日(金) 春季特別展「古墳時代の技術革新」の開会式を挙行しました。  昨年度まではコロナウイルス感染対策として、会場の座席の間隔を広げ参加人数を制限していましたが、今年はメインホールいっぱいの72席を設けました。  いよいよ開幕!これだけ、座席が埋め尽くされると「いよいよ春季特別展が始まるんだ」という気持ちがこみ上げてきます。  当館の和田館長からの挨拶で開会式が始まりました。  ご来賓として、(左から)播磨町副町長の平野祐次様、兵庫県議会議員の山本敏信様、公益財団法人兵庫県まちづくり技術センター理事長の寺谷毅様にご臨席いただきました。  ご臨席いただいたご来賓を代表して、平野祐次 播磨町副町長からご挨拶をいただきました。コロナ禍から普段の生活に戻りつつあり、たくさんの方々が参加できる喜びや今回の特別展が現代社会から離れて悠久の世界に想いをはせるいい機会になるのでは、といったお言葉をいただきました。 掘井けんじ衆議院議員、山本敏信県議会議員からお祝いのメッセージをいただきました。  本展覧会の担当学芸員、(右から)主担当の篠宮・副担当の渡瀬とデザイン担当の坂東です。 前日までの大忙しの準備から解放されてホッと一息の表情です。たくさんの方々に見に来てほしいな。  テープカット    これより開幕!  開会式後の内覧会です。学芸員からの説明でさらに興味が深まります。  右はしにある穴の開いた土器は県指定重要文化財です。市之郷遺跡(姫路市)から出土した韓式系軟質土器の甑(こしき)です。甑とは穀物などを蒸すための土器です。  市之郷遺跡は姫路駅の東側にある弥生時代から室町時代にかけての遺跡で、特に播磨における5世紀の渡来文化受容の様相を考える上で貴重な資料となっています。  内覧会が終了しても、皆さんは学芸員への質問など引き続き鑑賞をされており、特別展示室から離れられません。うれしい限りです。 なお、特別展の展示解説を5月20日(土)と6月3日(土)の二日間に実施します。 時間は13:30~14:00で、当日受付で要観覧券となっています。 ぜひご利用ください。
いよいよ春の特別展が開幕します。 今回は4月22日(土)から7月2日(日)までとなっています。 準備作業も大詰めを迎えました。 右側の扉の向こうでは、急ピッチで準備がすすめられています。 今回の展覧会では、古墳の副葬品などの代表的な出土品から 古墳の変遷や技術革新と それに伴う人々の生活の変化が紹介されます。 公開を待ちわびる展示資料たち。 後ろの説明パネルと位置を調節しながら、 ていねいに並べていきます。 見やすいように、角度も調整しながら・・・ 人々の生活様式が新しい技術によってどのように変化していったのか、 興味深いテーマです。 春季特別展にあわせて、各種講演会や古代体験講座も開催されます。 ご来館をお待ちしております。
ほったんが考古博物館を見学して、ふと疑問に思ったことを博物館の学芸員さんにおしえてもらうという新シリーズが誕生しました。 記念の第1回はズバリ「土器(どき)」です。 (ほったん) ボクほったん。去年、全国の博物館マスコットキャラクター大会で第2位になった人気者。(惜しい) さ~て、博物館の中をいろいろと探検するぞ!   ん!? 玄関を入ってすぐのところにいろんな焼きものがたくさん並んでるよ。これは何のために使うものなのかなぁ。 (学芸員) たくさんあるだろう。これらは土器(どき)といって、3500年ほど前の縄文時代のものから、200年ほど前の江戸時代のものまで、89個の土器が時代順に展示されているよ。 手前の下にある大きな土器は弥生時代前期につくられたもので、加古川市の美乃利(みのり)という場所で見つかったんだ。地面に穴を掘り、すえられた状態で見つかったよ。 うわーっ!この土器はとっても大きいね。これも「弥生土器」なんだね。 水を貯めたり、食べ物を保存するためにつくられたのかなぁ。 美乃利遺跡(加古川市)弥生時代 大きな体はたくさん入るように、小さな口はほこりや虫が入らないように考えてつくったんだろうね。発掘調査では中から何もみつかってないので、ひょっとしたら大切な水でも入れていたのかもしれないね。 こんな大きなものは粘土で作るのも、焼くのも大変だったと思うよ。 縄文時代から江戸時代までいろんなものが並んでるけど、材料やつくり方は同じなのかなぁ? 材料にはねん土や石の粉を使ったり、焼くときはたき火ていどだったのが大きな窯を使って高温で焼くようになったり。それから、きれいな文様を描くようになったり、目的に合わせて種類が増えたりしているね。 時代と共に技術が高くなっていく様子がよくわかるよ。 うんうん。 大昔から身の回りにある土や石をうまく利用して、みんなで協力しながら焼き物をつくってきたんだね。 昔の人もなかなかやるなあ。 ほったんも、家に帰ったらいつも使ってる食器や調理具を見てごらん。いろんな種類のものがあるから、なぜそんな材料を使っているのか、なぜそんな形をしているのか、何の文様が描かれているのか、などなど、昔と今を比べて考えてみるのもおもしろいかもね。 おっけー、わかったよ。 じゃあ次にいくよ!
 当館の所在する大中遺跡では、季節ごとに木々たちが目を楽しませてくれます。 お隣の播磨町郷土資料館さんの前には、たくさんの八重桜の木があります。 例年4月後半が見ごろなのですが、今年は暖かさのせいか早めに開花しました。 この写真は11日の火曜日に撮ったものですので、今はもっと咲いています。 明日の雨でかなり散ってしまうかもしれませんが、今週末くらいまでは花が楽しめるかと思います。 公園内の木々や芝生も緑が輝く季節となってきました。 風が爽やかで気持ちのよい季節。 博物館の観覧とともに、大中遺跡公園の散策はいかがでしょうか。
 近隣の学校も新学期が始まり、元気に登校する姿が見られるようになりました。 そろそろコロナ禍からも脱却し、普段の日常生活に戻れればいいですね。 以前お知らせをしていました、全国の子どもたちが作成した「第3回Kid's考古学新聞コンクール」の入賞作品を当館の西側通路に展示しています。 今回初めての展示となりますが、どの作品も力作ぞろいで大人が読んでも十分に読み応えがある内容となっており、また、子どもたちの柔軟な発想力や視点の幅広さに驚かされます。 最優秀賞を獲得した京都市の小学5年生の西脇くんは「古墳はいつの時代もこわされ続けてきました」といった視点から、いろいろな古墳の保存・破壊(はかい)をテーマにしています。 いま私たちが古墳を見ることができるのは、それをこわさず守ってくれた人たちがいたから・・・。自分たちも守り続けていかなくてはいけない。 西脇くんからあらためて大切なことを教わりました。 兵庫県内からも2作品が入賞し、「五色塚古墳」や「昔の人のくらし」をテーマにイラストや写真使ったり、姉妹の会話形式にしたりと楽しい紙面になっています。 子どもたちの熱意あふれる作品を、この機会にぜひご覧ください。6月末まで展示予定です。 コンクールに関しての詳しい情報は、 こちらの 【全国子ども考古学教室(主催者サイト)】 をご覧ください。
  奈良時代はじめ頃の播磨地域について詳しく書かれている『播磨国風土記』には、今で言う「心霊スポット」についての記述があります。それらは「荒ぶる神伝承」「交通障害説話」などと呼ばれていて、特定の場所を行き交う人のち半分が死んでしまう、といった、今の心霊スポットよりもずっと被害に遭う確率が高く、恐ろしいものだったようです。   荒ぶる神の鎮祭伝承一覧(参考文献より)  そのうち、③と④は同じ「神尾山」に接する地域に残された伝承です。  いずれも地域住民にとっては迷惑な神ですが、「一定のリズムと具体的数値をともなう定型句が配置」されていて、それぞれの土地がなぜそういう地名になったのか(地名起源説話)について記されています。  こうした荒ぶる神伝承は、自然災害(洪水、濃霧、鉱毒など)によってもたらされた交通の障害に対する祭祀説話であるとされています。古代には荒々しい自然現象は荒ぶる神によるものと考えられていたのでしょう。そして、①⑤以外は、結局荒ぶる神が祭祀によって鎮められ、行き交う人々に平和と安全が保障されるようになる、という点で共通しています。  このような風土記に記された伝承はそれぞれの土地の人々によって語り継がれていました。そして上記の「荒ぶる神鎮祭伝承一覧」の例を見ると、神を祭り鎮めた者として具体的な氏族、個人名が記されている場合があるので、彼らは荒ぶる神を祭り鎮めたご先祖様であり、土地の人々にとってはその土地の開拓者といった性格を持っていたようです。だからこそ、こうした説話を語り継いできたのでしょう。  「荒ぶる神」の舞台となったのは人の往来の多い交通の要衝でもありました。時代が下って現在、大きな道は道路法の規定によって国や地方自治体などによって管理されています。現代における「荒ぶる神」はこうした組織によって鎮められている、といえるのかも知れません。 (館長補佐 中村 弘) <参考文献> 坂江 渉 2022 年 「 『 風土記 』 の 荒ぶる 神 鎮 祭 伝承と 倭王権 の 地域 編成 」 『 ひょうご 歴史 研究室 紀要 』 第 7 号
明日4月1日から当館で、「第3回 Kids考古学新聞コンクール」の入賞作品の展示が始まります。 kids考古学新聞コンクールは、鳥取県の「むきばんだ応援団」主催のWebサイト『全国子ども考古学教室』内で開催される、全国の小学生を対象にした壁新聞コンクールです。 新聞を飾る“壁”を設置中の職員 その第3回の入賞作品20点を、下記の期間、当館でも展示します。 全国で巡回展を実施されていますが、当館での展示は初めて。 新聞には、私たちが読んでも、知らないことがたくさん書いてあります。 どの新聞も、素晴らしい出来栄えです! 兵庫県内の小学生も受賞されています。 子どもたちの熱意あふれる作品を、この機会にぜひご覧ください。 ◆展示期間:令和5年4月1日(土)~6月30日(金)予定 ◆実施場所:当館1F 西入口側通路(無料ゾーン) コンクールに関しての詳しい情報は、 こちらの 【全国子ども考古学教室(主催者サイト)】 をご覧ください。

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