「マラッカ」に活きる淡路島のタイル 南あわじ市「珉平焼窯跡」で出土し、戦前に淡陶(株)が生産したタイルがマレーシアの世界遺産に登録されている「マラッカ」の都市に息づいている。 考古博の地下1階にある収蔵展示コーナーの一角に「珉平焼窯跡」出土の色とりどりの陶器やタイルが展示されています。 その中に白地に ライムグリーンの花柄 があしらわれたタイルがあります。 淡路島で生産された淡陶タイルは大正時代や昭和時代(戦前)に大量に東南アジアにも輸出されました。 その形跡を追い、マレーシアのマラッカに日本製タイルが使われていることをつきとめるべく、旅立ちました。 その結果、珉平焼窯跡で出土したものと同じ銅版で作られたタイルを発見しました。 珉平焼窯跡で出土したタイル 地下1階の収蔵展示コーナー 引き出しの中にそのタイルはあります! マレーシアのマラッカにあるカンポン・クリン・モスク (旅行ガイドに同様のモスク写真があり、タイルが写っていたので、もしかして・・・と思い入ってみました) モスクの回廊外壁に見覚えのあるタイルが!! 出土したタイルと文様の細部に至るまで同じ!考古博に展示されているタイルと同じ型でつくられた”兄弟タイル”と言っていいでしょう。 このタイルこそ淡路島で作られ、遠く運ばれて約90年を経た現在も生きながらえているのです!!! (これでモスクの建築年代あるいは改修年代の決めてになるのでしょう) わずか数十年前に生産されたものも場合によって埋蔵文化財に認定され、歴史を解明する手がかりになるのです。 どうぞ! 珉平焼窯跡出土タイルを見に来てください!!
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”自己流 子持勾玉”づくりに挑戦!! 今回は”自己流 子持勾玉”づくりに挑戦しました。 私が作りたい”子持勾玉”を設計図に描き、館内のカフェ(神戸風月堂)で購入した黒色勾玉キットで挑戦しました。 考古博の古代体験の作り方とは違いますので、あくまで自己流ということで、ご了承のほどを。 製作工程 黒色勾玉キットの中身と右下の設計図 石材を有効に使うため、勾玉の設計図(平面と側面)を方眼紙に書きます。 キリで紐通し孔をあけ、設計図の粗い斜線部分を砥石で削ります。 両側面の小勾玉を削り残します(削る量が多いので慎重に根気よく!) 全ての小勾玉(外側3個、内側1個、両脇4個)を削りだします。 この時にノギスで小勾玉の大きさを測りながら作業します。 彫刻刀やヤスリで角を削って、丸くします。 細かな作業が続きます。削りすぎに注意!慎重に! 紙やすりで最初は粗いものから、最後は細かいものに使い分け、万遍なく削って完成!! 左:古代体験で作った白い普通の勾玉 右:自分で設計し作った黒い子持勾玉 光沢を出すため、車用のワックスを使いました!おかげで”ピッカピカ” 館内のカフェ(神戸風月堂)で勾玉キットを販売しています(左:白350円、中:ピンク500円、右:黒500円)。 私が設計した子持勾玉を作った際の道具(中央:ノギス、右:ヤスリ、左:彫刻刀、左上:老眼鏡、このほかサンドペーパー、キリなど) ちなみに、白の普通の勾玉の製作時間は約1時間。 私が設計した子持勾玉製作時間は約8時間! 4日間で仕上げました。とても根気のいる作業です。古代人もたいへんな苦労をして作ったのでしょう。 なお、普通の勾玉をづくりは、当日考古博の体験コーナーに申し出てください。 開館日(10:00~12:00・13:30~15:30)に古代体験として勾玉づくりに参加できます。 ご注意:自分流の子持勾玉は考古博の古代体験ではつくれませんので、ご自宅で挑戦してみてください。 お知らせ: 考古博の古代体験が実施されます。予約が必要です。 8月24日(土) チャレンジ!本格まが玉づくり 定員2...
メインホール展示が替わりました! 8月の学芸員が選ぶ「私のイチオシ館蔵品」は、 「 西木之部(にしきのべ)遺跡出土の墨書土器 」です! 西木之部遺跡は、篠山市東木之部に所在する奈良時代から鎌倉時代まで続く遺跡です。 この遺跡からは、墨書土器が多数出土しています。欠けていて全体が分かるものは少ないですが、 「井」「廣」「東」などの文字や則天文字と思われる文字が読み取れます。 上の「黒」は薄すぎて見えにくいですね。 下の文字は、則天文字と思われます。 どれもうっすらとしているので、ん~読めるか読めないか。。。 これは、両方とも一字ずつ何とか読めそうです。 墨書土器の勉強中 水戸光圀の「圀」って則天文字なの?! 古代の人が書いた文字を見ることが出来るって、なんだか不思議ですよね。 自分の書いた文字を1000年後の人たちが見ると考えると、嬉しいような、恥ずかしいような。 これを書いた人たちもそう思っているかもしてませんね(笑) こうして、今、私たちがこの墨書土器を見るのも、何かの縁です! この夏は、古代の人が書いた文字にふれてみませんか?
4日の日曜、シンポジウム「 邪馬台国時代の摂津と播磨 」 が川西市中央公民館で開催されました。当日は定員を超える211名の方にご来場いただきました。 地元をはじめ、遠方からもご来場いただきました この催しは、現在、県立考古博物館と川西市文化財資料館の共同で開催している展覧会「 邪馬台国時代の摂津と播磨 」の関連イベントとして行われました。 まず、4人の講師の方々による基調報告から始まりました。 川西市教育委員会 岡野慶隆様より 「 邪馬台国時代の川西とその周辺 」 日本考古学協会理事 森岡秀人様より 「 邪馬台国の時代とその前史~摂津と播磨の集落や人々・品々の動き 」 大阪大学大学院教授 福永伸哉様より 「 邪馬台国時代の主流派―摂津3地域と播磨―」 当館 石野博信館長より 「 邪馬台国時代のヤマト・纏向王宮 」 その後、シンポジウムの開催となりました。 皆様より多数のご質問をいただき、シンポジウムの内容に反映させていただきました。 約1時間にわたり、意見交換が行われました お暑い中、多数の方々にご来場いただいたシンポジウムは、お蔭様で盛況のうちに終了いたしました。 展覧会「 邪馬台国時代の摂津と播磨 」 につきましては、引き続き開催中です。会場の川西市文化財資料館は、弥生時代の大規模環濠集落があった加茂遺跡の地にあります。会期は9月1日までです。古代に思いを馳せつつ、ひと夏の思い出にぜひおたちよりください! 詳細はこちらをご覧ください http://www.hyogo-koukohaku.jp/events/p6krdf0000001vu1.html
「この夏は博物館・美術館が 動 物 園 になる!」 現在、下記の4つの博物館・美術館で動物に関する展示を行っています♪ ① 兵庫県立考古博物館 「はかせからの挑戦状 こうこはく動物園」 http://www.hyogo-koukohaku.jp/events/p6krdf0000001hr5.html ② 奈良文化財研究所 平城宮跡資料館 「平城京どうぶつえん-天平びとのアニマルアート」 http://www.nabunken.go.jp/heijo/museum/ ③ 神戸市立埋蔵文化センター 「発掘された骨たち-人と動物-」 http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/center/ ④ 横尾忠則現代美術館 「横尾忠則どうぶつ図鑑 YOKOO'S YOKOO ZOO 」 http://www.ytmoca.jp/ この夏、色んな動物を観察してみてはいかがでしょうか?
これも タ イ ル ?! 珉平焼窯跡の 千鳥 のなぞ! 7月のメインホール展示コーナーには珉平焼窯跡から出土した”動物たち”が展示されていました。 その中でも平らな板状の” ちどり ”が・・・ 「淡路島 かよふ 千鳥 の 鳴く声に いく夜寝覚めぬ 須磨の関守」 源 兼昌が詠んだ百人一首78番にあるように、淡路島に 千鳥 が有名! 淡路島で江戸時代後期に創業した珉平焼でしたが、明治18年に淡陶社(だんとうしゃ)が珉平焼の窯を継ぎます。それ以来明治時代に淡陶社の社印には” 千鳥 ”が用いられます。 下の写真の” 千鳥 ”は明治時代につくられた 千鳥 の”形象タイル”というものです。 失敗品として捨てられました。 完成品があるはずですが、まだ使われたところが判っていません。 どなたかこの” 千鳥 ”を見られた方は考古博まで ご一報を!! 型に土を押し込めてつくられた”千鳥”の形象タイル 明治40年代のタイル(裏面)中央に淡陶会社の商標”千鳥”が誇らしげに! 珉平焼窯跡(淡陶社)のタイルや陶器は地下1階の収蔵展示コーナーでも観覧できます!! 兵庫県立考古博物館の8月のメインホール展示コーナーは篠山市西木之部遺跡の墨書土器です。 是非ご覧ください!!