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大中遺跡発見60周年記念春季特別展「弥生集落転生-大中遺跡とその時代-」が、4月23日(土)に開幕します。今回も恒例の列品作業の様子をご紹介します。 プリントアウトしたキャプションをパネルにきれいに貼り付ける作業です。 空気が入ってしわにならないようにタオルで空気を逃がしながら慎重に貼っていきます。 特別展示室に資料が集まりました。写真の大きな銅鐸は、川西市出土の「栄根銅鐸」の複製品です。(原品は東京国立博物館蔵) 高さが1.14mもある大きなもので、これは弥生時代後期の特徴で、音を鳴らして聞くための銅鐸から「見る銅鐸」へと変わっていったとのこと。ぜひ実際の大きさを感じていただきたい逸品です。 県内、県外の多くの博物館や教育委員会から協力をいただいて借用した箱詰めの資料です。 専門の業者が丁寧に搬送・搬入し、梱包を解きます。 岡山県古代吉備文化財センターさんにお借りした資料です。中身は短剣と書かれています。 漁に使っていたであろう網の複製品です。網の端に土製のおもりを取り付け、いろいろ想像しながら当時の網を再現します。 資料の展示作業です。どのように置けば見やすいか、お見せしたい部分がよく見えるか、いつも綿密に計算して置き場所を決めます。 大まかに配置が済んだあとは、細かな調整作業に移ります。もうすぐ完了です。 当館のマスコットキャラクター『ほったん』が、子どもたちにもわかりやすいように、随所で説明してくれるようです。 「展示資料にはいろいろ目玉商品をご用意していますが、今回の展覧会は大中遺跡が主役ですので、この『大中遺跡の盛行』のコーナーをぜひご覧ください。」と、担当の藤原学芸員から力強い言葉が出ました。ご期待ください! *  *  *  *  * 大中遺跡発見60周年記念春季特別展 「弥生集落転生-大中遺跡とその時代-」 会 期  4月23日(土) ~ 7月3日(日)       月曜日休館(5月2日は開館)   みなさまのお越しをお待ちしています。  
大中遺跡公園の晩冬~早春の梅とともに、毎年4月中~下旬は八重桜が通り行く人たちの目を楽しませてくれます。 今年も郷土資料館の前の道は八重桜のトンネルになりました。 ここ3~4日で急に花が開き、すでに満開は過ぎた様子です。この景色もあと2~3日かもしれません。早いうちにお越しください。 郷土資料館では、企画展「大中遺跡の始まり-氷河期を生きた旧石器人-」を開催中です。 今年、播磨町が町制施行60周年、大中遺跡は発見60周年を迎える記念の年です。 八重桜とともにぜひご覧ください。 (資料館前の掲示板) *  *  *  *  * 当館は、4月24日(土)から大中遺跡発見60周年記念春季特別展「弥生集落転生-大中遺跡とその時代-」を開催します。現在列品作業の真っ最中です。(列品の様子は後日ブログでご紹介します。) 開幕まであとわずか、楽しみにお待ちください。
 1922年(大正11年)4月12日、平和記念東京博覧会が上野で開催され、建築に使われていたやきものの名称を「タイル」という名称に統一するという宣言が発表されました。その宣言からちょうど100周年を迎えました。  この記念日にあわせて、タイルを所蔵する施設では、「タイル」にまつわるイベントや展覧会など、タイルを紹介するプロジェクトが開催されています。  当館では、珉平焼(みんぺいやき:南あわじ市)のタイルを展示していますので紹介します。  地下1階の収蔵展示コーナーに展示しています。この案内の通りに進んでください。  棚の横に説明書きを掲示していますので、すぐにわかります。  珉平焼タイルは、平成14年に南あわじ市北阿万で発掘調査された珉平焼窯跡で見つかりました。展示しているのは淡陶株式会社(現在のダントー株式会社)の製品で、タイル生産の初期である明治時代のタイルなど貴重な資料も含まれています。  引き出しを開けていただくと、まるで絵画のようにカラフルなタイルが並べられています。  テーマ展示室の出口近くでも紹介していますが、ご覧になられましたでしょうか? *  *  *  *  *  2020年(令和2年)4月22日の当館のスタッフブログで「自宅でも考古博4『カラフルな陶器やタイルの展示』」と題して少し詳しく紹介していますので、よろしかったらご覧ください。  また、全国タイル工業組合タイル名称統一100周年記念プロジェクトのHPで当館の展示について紹介されています。ぜひご覧ください。                                    こちら →  https://touchthetiles.jp/
当館の令和4年度のイベントガイドです。 すでにご覧になられた方もいらっしゃるかとは思いますが、あらためてご紹介します。 表紙には銅鐸のデザインに当館のSNSのQRコードを配しました。ぜひご覧くださいね。 今年度も講演会や古代体験講座、各種イベント等盛りだくさんです。 お隣の播磨町郷土資料館の新しい案内リーフレットもご紹介します。地元の貴重な展示資料が紹介されています。 「播磨大中古代の村」の案内も充実しています。 ARアプリで大中遺跡を巡ると楽しいですよ。 さあ!ダウンロードして大中遺跡へ! 兵庫県立考古博物館と播磨町郷土資料館、お越しの際は両館セットでお楽しみください。 今年度もよろしくお願いします。
3月27日(日)、竪穴住居復元プロジェクトの今年度の最後の活動日です。週半ばまでの雨の予報が一変し、好天の下、作業をすることができました。 【参加メンバーの皆さん】 【前回の3月12日終了時の写真】 前回(3月12日)は棟木(建物頂部に設置する横に長い木)を設置するところまで済んでいました。 今回は、屋根の上部、両端の破風の部分を形づくる 垂木(たるき:一般には屋根の斜面を支えるための太い木) を設置します。 垂木や木舞(または小舞:こまい 垂木と垂木をつなぐように横に設置する細めの木で、竹を使用したりします)は当時のように釘は使わず、縄で縛って固定します。 ここが出入口になります。出入口には庇をつけたりしますので、ちょっと細工が必要になります。 予定通り今年度の最終日で垂木の設置が終了しました。竪穴住居の雰囲気が漂ってきましたね。 4月からは、屋根の上部に木舞を細かく設置していく作業になります。それが済めばいよいよ屋根を葦(アシ)で葺いていくことになります。 完成はいつの日か、乞うご期待! 気候がよくなったので、大中遺跡公園を訪れた多くの方々が声をかけてくださったり応援をしてくださいました。ありがとうございました。
講演会「兵庫の弥生土器」を開催しました。 今年度の “兵庫考古学研究最前線2021” の締めくくりです。 講師は、(公財)兵庫県まちづくり技術センター埋蔵文化財調査部調査第2課の篠宮課長です。講演では弥生時代中期の東播磨地域の土器を中心に、土器の形の移り変わりや地域性などを詳しく解説されました。 最初に、"長い研究の第一歩”として、昭和 57 年~平成3年にかけて行われた玉津田中遺跡(神戸市西区)の発掘調査の話がありました。 「6年間関わったなかでの1番の成果は、弥生時代中期の集落に関するもので、墓・水田(生産域)・集落(居住域)の三拍子が揃っていたことです。沖積地にあるため、洪水に遭った遺構から大量の残りの良い土器が出土しており、土器の変遷や、播磨地域の様相を調べるのに非常に役立ちました」とのことでした。 【玉津田中遺跡出土の甕の使用痕跡を紹介】 (内部に米粒やコゲ、外側にススや吹きこぼれがみられる) 次にいろいろな土器の変遷表を見ながら、形の移り変わりや、文様の特徴を解説されました。文様は今でいう「デザイン」ではなく「マーク」で、地域を主張するものであったようです。 【東播磨地域の広口壺の変遷表】 播磨地域の広口壺は、頸部と体部の境いめ(くびれの部分)に複数の突帯(とったい=粘土紐を貼り付けてつくった凸部分)があるものが多いのですが、少し時代がくだって中期後葉になると、この凸部分はなくなり、粘土紐を貼り付けずに強くなでて凹線をつくるだけになるとのこと。 【東播磨地域の土器の、口縁部の文様】 東播磨地域では、東側にある摂津地域の影響が強く、体部の上半分に直線文と波状文を交互に櫛状の工具で描いています。 西播磨地域では、西側にある吉備地域の影響を受けて、貝殻の腹縁を押し付けた列点文をつけたものが多く見られます。 このように文様を見ることで、隣りあった地域から土器そのものが移動してきたり、あるいはデザインや技法の影響がうかがえるなど、他地域と交流があったことがわかります。 *  *  *  *  * 最後に、「このように、出土数の多い土器を見ていくことで古代の生活が見えてきます。土器研究は考古学研究の全ての基準になります。個人的にはまだまだ研究途中ですので、これからも他地域との比較なども含めて研究を続けていきたい」と結ばれました。
当館で体験講座やイベントに参加していただいた際、 袖のない 青いユニフォーム を着用した方々を見かけたことはありませんか? この方々は、当館の活動を支援してくださっているボランティアの皆さんです。 当館では、毎年3~5月にボランティアを新規に募集し、研修(5~8月に8回)を修了した後、館にボランティアとして登録した方々です。 以下の写真は、昨年10月末に行った、ボランティア研修閉講式の様子です。 【赤のユニフォームは研修中のしるしです】 本格活動を前にした皆さんに、当館の開設メンバーでもある高瀨事業部長がエールを贈りました。 「博物館は、令和4年度で15周年になりますが、ボランティアさんは今期で20期生。なぜかというと、博物館ができる前から共に考え、支えてくださったからです。この博物館に、力を貸してください。一緒に楽しさをつくっていきましょう!」 令和4年度の募集期間は、5月8日までです。 当館ホームページで詳しくご案内していますので、興味のある方はぜひご覧ください。(応募多数の場合は抽選になります) *  *  *  *  * ちなみに 緑色のユニフォーム を着用している方々も見かけたことがあるかと思いますが、この方々は、ボランティア研修の修了生からなる任意団体「ひょうご考古楽倶楽部」の皆さんです。体験講座の講師や展覧会への協力など、ボランティアスタッフと共に館の活動を支えてくださっており、当館を拠点に、土器づくりの会や古代の木製品をつくる会等のいろんな同好会活動を行いながら考古学を楽しんでいます。 あなたも考古学を楽しむ「考古楽者」になりませんか?  ご応募、お待ちしています!

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