小学生限定の、バックヤード見学ツアー こどもスペシャルーツアーを実施しました。 子供たちに実際の作業を体験してもらう特別版です。 最初に体験する仕事について、発掘体験コーナーで説明がありました。 発掘して、調査して、遺物を保管して、記録をして…という一連の作業があることを知ってもらいました。 この扉の向こう側が バックヤードです。楽しみですね。 まず、地下2階の写真撮影室に入りました。 「まが玉」「どうたく」「はにわ」の3班に分かれて、遺物になった気分で撮影の様子を見てもらいました。 この写真は、ツアーの記念としてプレゼントします。 体験も3班に分かれて3つの体験をしてもらいます。 ここでは土器の複合・補強を体験します。 土器の破片を根気よくつなぎ合わせます。 刷毛で破片を磨いたり、ボンドで貼りつけたりします。 体験の2つ目は拓本の製作です。 昔のお金(古銭 寛永通宝など)を使います。 いろんなお金の表面の模様を紙に墨で写しとります。 どんな模様が写るでしょうか。きれいに写せるといいですね。 3つ目の体験を行う保存処理室の様子です。 博物館のバックヤード見学デッキからは、こんな感じで作業の様子を見ることができます。(平日の9時30分~12時と13時から15時半) 木片の表面処理をしています。木片の白い色はトレハロースという砂糖に似た粉を溶かした液が乾いたものです。高温のスチームクリーナーできれいにします。 錆びだらけになった鉄を処理する作業です。 実際に使う道具に触れながら、どんなことをするか説明を受けます。 これは貴重な体験ですね。 2時間にわたるバックヤード体験ツアー、無事終了です。 みんな楽しかったと言ってくれました。 感想やアンケートにも答えてくれました。 この中に将来考古博で働いてくれる子がいてくれると嬉しいですね。 通常のバックヤード見学ツアーは8月21日(水)と、8月28日(水)にも行われます。各日とも13時30分~14時20分、14時30分~15時20分の2回実施で、13時から受け付けています。 体験はあり...
投稿
暑さも盛りの8月3日(土)、 企画展「壱岐の古代文化」関連講演会第2弾として、 「畿内からみた弥生・古墳時代の壱岐」を開催しました。 講師は、当館の和田晴吾館長です。 この日も会場は満員です。 はじめに、館長が壱岐島の調査に訪れた際に撮影した写真をスライドで 紹介しながら、壱岐島の風土について説明がありました。 その位置が、東アジアにおける壱岐の重要性を表している、とのこと。 今回の企画展で展示中の遺物を中心に、多様な出土品から 弥生~古墳時代の 一支国の交流について探っていきます。 日本の弥生時代、朝鮮半島にあった三韓や楽浪で使われていたものと 共通する特徴の土器をはじめ、中国大陸で作られたとみられる青銅製の 鏡 やガラス製のトンボ玉など多様な遺物が出土している原の辻遺跡。 東アジアの交易拠点と考えられるこの遺跡では、天秤ばかりの錘=権(けん) が 出土、この時代から交易の場で天秤を使っていたことがわかります。 また五銖銭(ごしゅせん)や貨泉(かせん)といった中国の貨幣も 出土していますが、今のように売り買いで使われたのではなく、 銅製品の素材の交易品として持ち込まれたと考えられています。 さらに西日本各地から運ばれた土器も多く出土し、 九州や瀬戸内の土器とともに、近畿地方で使われていた土器も見つかっています。 一支国が幅広い交流をしていたことがわかります。 海に囲まれた壱岐の漁撈文化について、触れられました。 生産の拠点と考えられるカラカミ遺跡では、鯨の骨を使ったアワビオコシや 鉄のヤスなど、潜って魚を捕る道具が数多く出土しています。 また、大阪湾周辺で出現し、弥生時代の終わりごろに西方へ広まっていった棒状の土錘が原の辻遺跡から出土するなど、ここでも畿内との交流がみられます。 続いて、古墳時代の壱岐の様子について、説明が移ります。 5世紀後半の大塚山古墳に始まって6世紀後半から7世紀初頭に盛期むかえる 壱岐には280基あまりの古墳があり、横穴式石室に注目して紹介されました。 基本は中国北朝の影響を受けた九州系石室が使われますが、 7世紀ごろに畿内で多くみられる石室と 共通するものが...
ふだんは見ることができない考古博物館の舞台裏をご案内する、夏休み恒例のバックヤード見学ツアーです。 今年の第1回目は、7月31日に実施しました。 まちづくり技術センター埋蔵文化財調査部の協力で、遺跡から出土した遺物について調べる様子を直接見ていただきました。 貴重な遺物をたくさん見ていただきますので、 最初に見どころや、注意点を聞いていただきました。 では出発! まず、遺物整理室で土器の破片を合わせて接合させる作業をみました。 実際の土器の破片をさわって、割れた土器をくっつける様子を見てもらいました。 遺跡から発掘調査で見つかった土器の破片と聞いて、少し緊張する子どもたち。 遺物整理室で使われる道具です。 ここでは、真ん中に置かれた遺物のサイズを測り、そのデータを方眼紙に詳しく図で記録します。 ここは、精密機器が置いてある資料室です。遺物の分析を行う部屋です。 見ているのは拡大して画面に映す装置です。顕微鏡のような使い方をします。 表面から見ただけではわからない内部を見るため、エックス線写真を使うこともあります。 保存処理室では、遺跡から出土された修復前の鉄の刀を見ていただきながら、錆とり作業の説明をしました。 子どもたちも興味深く聞いていました。 今回は、写真撮影室も見学しました。 ここでは、大小様々な遺物に応じた写真撮影ができます。 ツアーの最後はみなさんに、遺物や展示品などを運ぶ大型のエレベーターに乗ってもらいました。 普段はまず乗れませんよ。 当館では、ネットワーク広場からも、こんな感じで遺物整理室の作業を見学することができます。 (公開時間 平日 9時30分~12時と13時~15時30分の2回) バックヤード見学ツアーは、8月21日(水)と8月28日(水)にも行います。 各日とも13時30分~14時20分、14時30分~15時20分の2回実施です。 受付は当日の13時からで、各回定員15名です。 参加には観覧券の購入が必要です。(高校生以下は無料です) 「博物館のうらがわ」というと、何やら難しい印象があるかも知しれませ...
(公財)兵庫県まちづくり技術センターが、発掘調査を行っている宗佐遺跡 (加古川市八幡町)で、7月27日(土)に現地説明会が開催されました。 台風接近で朝から降っていた雨も、開会予定の午後にはあがって、 現地説明会には90名近くの方が参加されました。 調査区の南端で見つかった弥生時代後期~古墳時代初め (今から約1,800年前)の竪穴住居は、円形で中央に炉跡が残っていました。 調査区の北側で見つかった住居跡は方形で、南側よりも小さいものでした。 昨年度の調査で見つかった住居跡の南半分とわかり、これまでの調査で 見つかったものと合わせて14棟の住居跡見つかりました。 継続的に人が暮らしていたことが判りました。 調査区の南東隅から北西隅には、住居跡と同じ時期の川跡があり、 中からは土器が数多く出土しました。 今から約1000~800年前の平安時代後半から鎌倉時代にかけては、 お墓、鍛冶の痕跡、多数の柱穴が見つかっており、 この時代にも集落の営まれていたことがわかりました。 そして、戦国時代(約500年前)に発生した洪水が運んできた土砂で、 調査区の西半分は覆われていました。 調査区の説明の後、出土した遺物の解説が行われました。 弥生土器をはじめ、鍛冶に関係するフイゴの羽口や 不純物が多い鉄の塊など、また平安時代から鎌倉時代に使われた 須恵器や白磁などの説明に、参加者の皆さんは熱心に聞き入っていました。 ※発掘調査の概要については、兵庫県まちづくり技術センターの ホームページ(https://www.hyogo-ctc.or.jp/ctc/business/storage/new.php) でも公開していますので、ご参照ください。 現地説明会当日は、「考古博DE夏まつり」にあわせて、現場の様子を博物館に ライブ中継する「GENBAビューイング」も実施されました。 現地は解説者・カメラマン・ディレクター・ルーター担当(写真右から) の4人編成で中継作業にあたりました。メインの役割である解説者は、 今年採用された新人職員が担当、 緊張しながら?遺跡の説明と来館者の質問にあたりました...
考古博DE夏まつり、無事終了しました。 急に発生した台風の接近で、朝から天気はよくありませんでしたが、 午後には 雨も上がり、 多くの皆さんにお越しいただきました。 提灯が夏のおまつり気分を盛り上げてくれます。 「しょうゆ鯛で金魚すくい」 このお二人はとても上手で、1分でほぼ満杯になるくらいすくっていました。 「ゴム火縄銃で射的」 どっちがいい点とれるかの競争です。 息を止めて…真剣に的を狙います。 「本物の土器をさわってみよう」 遺跡で見つかった弥生時代の土器を触っています。 約2000年以上前の人が作ったホンモノの土器、緊張でドキドキです。 古代の遊びをモチーフに、朝顔形埴輪目がけてに矢を投げ入れる「はにわ投壺」 小さいお子さまから大人まで、幅広くご参加いただきました。 ルールは単純ですが、“意外と難しい” と皆さんおっしゃいます。 何度も挑戦する方もいらっしゃいました。 長崎県壱岐島の一支国(いきこく)博物館の「壱岐いきクイズラリー」には、 開始前から順番待ちの列ができました。 開催中の企画展、「壱岐の古代文化」もう見ていただきましたか。 前日の新聞で紹介された加古川市の宗佐遺跡の発掘現場からの LIVE中継「GENBAビューイング」では、積極的な質問がいくつも出ました。 天気が不安定で無事に現場とつながるか心配でしたが、順調に実施できました。 ひょうご考古楽倶楽部による、恒例の「紙芝居」。 倶楽部のオリジナル作品や夏場にうってつけの少しこわ~い話など、 盛りだくさんの出し物で、楽しめました。 兵庫県立の博物館・美術館で開催中の「ミュージアムスタンプラリー」紹介コーナー。 兵庫県にまつわるクイズに挑戦して、正解するとテーブルにずらっと並べられた 各館のオリジナルグッズのプレゼントがありました。 「毎日できる古代体験」も、夏まつりのお客様で大賑わいでした。 * * * 年に一度の夏まつり、多くの方にご来場いただきありがとうございました。 考古博物館では、11月2日の大中遺跡まつり、 来年1月2日の考古博DEお正月など...