2025年5月
スイスという国の文化について(3)
2025年5月30日 (金) 投稿者: メディア社会コース
みなさんこんにちわ。メディア社会コースの進藤です。
スイスには外国人,移民が多い国で、2024 年時点では,スイスの総人口 900 万人のうち,656 万361 人がスイス人,244万2,402人が外国人となり,スイスでは居住者のうち,外国人が27.1%を占めています。外国人,移民にとって魅力のあるスイスには,世界から最良の芸術家が集まりやすく,文化の集積が進んでいるのです。スイスにおいては,4 つの公用語と地域の多様性が文化を育んでいることも文化の発展に寄与しています。
「2024年度メディア学部長賞」授賞式を開催しました!
2025年5月30日 (金) 投稿者: メディア社会コース
こんにちは。メディア学部社会コース助教の陳かいんです。
5月28日(水)の昼休み、研究棟Cの大会議室で「メディア学部長賞」の授賞式が行われました。
この賞は、メディア学部の学生たちの学びや活動の成果をたたえるもので、毎年、学年ごとに選ばれた学生が表彰されます。
今年も多くの学生や先生方が会場に集まり、賞状を受け取る姿にはそれぞれの頑張りと達成感が滲んでいて、拍手に包まれる場面もたくさんありました。また、メディア学部長の三上先生と学生委員長の山崎先生から、受賞者に向けたお祝いの言葉が贈られました。
さて、今年の学部長賞は、学年ごとに以下のような基準で選ばれています。
- 1年次(現2年生)
「フレッシャーズゼミ」におけるメディア学調査研究のグループ発表が評価の対象になりました。教員による採点と学生同士の投票の結果をもとに、総合順位で上位6グループから候補者が選ばれました。さらに、教員の推薦なども参考にして、最終的に21名が選ばれました。
- 2年次(現3年生)
「メディア基礎演習II」「アカデミックスキルズI・II」の3科目を対象に、それぞれ2:1:1の比率で成績をポイント化し、スコア上位の学生の中から、21名が選ばれました。
- 3年次(現4年生)
「創成課題賞」の発表内容をもとに、教員の評価と学生投票の総合結果で上位20名が選ばれました。
上記の選考を経て、今年も各学年から優れた成果をあげた学生たちが表彰されました。
試験の成績だけではなく、プレゼンテーション力やチームでの取り組み方なども評価のポイントになっているのが、メディア学部らしいところです。受賞された皆さん、本当におめでとうございます!
これからも、それぞれのフィールドでのびのびと活躍してください!
いよいよ6/15(日)東京工科大学オープンキャンパス!◆だいやまーく(メディア学部 藤崎実)
2025年5月29日 (木) 投稿者: メディア社会コース
みなさん、メディア学部の藤崎実です。
いよいよ2025年6/15(日)は、2025年度オープンキャンパスの第2回目があります!
今日はそのお知らせです!
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当日は、体験講義をはじめ、学部の説明会はもちろん、キャンパスツアーやキャンパスランチ、各研究室の公開など、バラエティー豊かなコンテンツを揃えています。
当大学に興味のある人には、是非とも参加していただきたい内容が充実しています。
どうかお早めにお申し込みいただき、是非ともご参加ください!
参加の受付はこちらです!
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オープンキャンパスでは、キャンパスを実際にいろいろ見学できます。
在学生や、研究室の様子を実際に体験できるので、みなさんの参考になると思います!
何より、楽しい体験ができると思います。
本校に少しでも興味のある人はぜひともお越しいただき、実際にいろいろ体験してくださいね。
東京工科大学では、6/15(日)だけでなく、7/20(日)、8/3(日)、8/17(日)の日程でオープンキャンパスを開催します。
https://jyuken.teu.ac.jp/jyuken/visit_oc.html
ぜひともご参加ください!
大学の職員や教員、学生はみなさんをお待ちしています!
(メディア学部 藤崎実)
スイスという国の文化について(2)
2025年5月28日 (水) 投稿者: メディア社会コース
みなさんこんにちわ。
メディア社会コースの進藤です。
前回に続きスイスの文化についてお話します。
スイスの地域主義の考え方は,芸術団体の支援においても採用されています.芸術団体への支援は原則として「基礎自治体(コミューン,ゲマインデ)」で行われています.スイスでは地方の基礎自治体の力が強く,文化を含めた様々な意思決定を市民が行っているため,文化政策において独自性を出しやすいのです。
スイスという国の文化について(1)
2025年5月26日 (月) 投稿者: メディア社会コース
みなさんこんにちわ。メディア学部進藤です。
今週はスイスという国の文化についてお話します。
まず今日はスイスの概況をお話しましょう。
スイスは地理的にヨーロッパの中央に位置し,フランス,ドイツ,オーストリア,リヒテンシュタイン,イタリアと国境を接する内陸国です。スイスは,各地の領土が徐々に集まって国を形成した歴史を持ち,連邦国家や州に先立ち,基礎自治体レベルの政治的集合体が存在していためスイスでは中央集権をとらず、地域をすべての基礎とする地域主義の伝統があります(岡本,2010).
(参考文献)
岡本三郎(2010)「スイスの都市自治体における政治参加〜5大都市を中心に〜」東海大学紀要政治経済学部 第42号
URL: https://www.u-tokai.ac.jp/uploads/sites/10/2021/03/03_okamoto-1.pdf
消えていくゲームを未来に残すために
2025年5月23日 (金) 投稿者: メディア技術コース
こんにちは。メディア学部 技術コースの羽田です。
今日は「ゲームの保存」をテーマに、私たちの研究についてご紹介します。
メディア学部では、ゲームに関連した多彩な研究が行われています。私の研究室でも、プレイヤーがゲーム中に感じる「臨場感」を高めるための試みとして、ジャンプや落下の場面に風を当てる装置の開発などを行ってきました。こうした取り組みは、VR(仮想現実)を活用した研究ともつながっており、広い意味で「ゲームの技術開発」に貢献しています。
みなさんには、どんなゲームの思い出があるでしょうか?
私たち世代には、ファミコンやプレイステーションといった家庭用ゲーム機、ゲームボーイのような携帯ゲーム機で遊んだ記憶がある方も多いかと思います。一方、最近の高校生にとっては、スマートフォンやPCで遊ぶゲームのほうが身近かもしれません。特にスマートフォン向けのゲームは、世界中で多くの人に親しまれています。
しかし、こうしたスマホやPC向けのオンラインゲームには大きな課題があります。
ゲームのデータがサーバ側に保存されているため、サービスの提供が終了すると、たとえ端末にアプリが残っていても、プレイできなくなってしまうのです。
過去にも同様の問題がありました。今ではあまり知られていませんが、20年ほど前にはiモードなどのフィーチャーフォン(いわゆる「ガラケー」)向けに、Mixi、GREE、モバゲーといったプラットフォームが数多くのゲームを提供していました。これらのゲームの多くは現在プレイする手段がなく、当時の様子を振り返ることも難しくなっています。
このような「消えゆくゲーム」を、どのようにして後世に残していけるのか。私たちの研究室では、こうした問題に取り組んでいます。
その第一歩として、「プレイ動画の保存」を試みています。
YouTubeなどにはたくさんのゲーム実況動画がありますが、それらは多くの場合、エンターテインメント性が重視されており、ゲームの世界観や操作性を記録する目的では撮影されていません。
私たちは、「ゲームを後世に伝える」ことを目的に、どのような視点や操作を映像として残せば、ゲームの本質が伝わるのかを検討しながら、記録動画を制作しています。最終的には、記録すべき映像の要素を体系化し、保存に適した撮影手法を提案することを目指しています。
現在広く楽しまれているオンラインゲームは、カセットやディスクのように「モノ」として残すことができません。だからこそ、文化としてのゲームを未来へ継承するためには、今のうちに「記録」しておくことが必要なのです。
ゲームの研究というと、「ゲームを作る」「分析する」といった側面に注目されがちですが、「ゲームを残す」という視点もまた、非常に重要で、面白いテーマです。今後は、ゲームセンターでしか体験できない大型筐体ゲームや、体感型ゲームの保存についても研究を広げていきたいと考えています。
このテーマに関心を持った方は、ぜひ今後の情報にもご注目ください。
入学時に購入するノートPCはどんな機種がよいか
2025年5月21日 (水) 投稿者: メディア技術コース
メディア学部の渡辺です。こんにちは。
東京工科大学の学生は、ノートPCを必携としています。毎年、全学部で共通の「推奨ノートPC」を用意するのですが、その選定委員を昨年まで担当していました。
入学前の学生から、よく「メディア学部の授業は推奨ノートPCでは性能不足ではないのか?ゲーミングPCの方が良いか?」という質問が来ます。また、在学生も様々な意見を SNS を通して入学予定学生に助言しているようです。ノートPCは安くても10万前後、高額なものなら30万以上することもありますから、新入生にとっては非常に気になることだと思います。在学生の中には推奨PCではパワー不足を感じ、「メディア学部の新入生にはGPU搭載型のPCの方が適している」という意見を持つことも少なくないようです。そこで、メディア学部の教員としてどのような見解を持っているかについてをここで述べたいと思います。これは私の個人的な意見というわけではなく、ゲームやCG制作を担当している教員での共通の見解です。
実際のところ、CGやゲームでの制作だけに特化すれば GPU は搭載されていた方が望ましいことは事実です。制作するコンテンツによっては、推奨ノートPCでは快適な動作ができなくなるケースも発生します。しかしながら、様々な要因から、大学全体としては GPU 搭載型のノートPCは推奨しておりません。具体的には、GPU 搭載型には以下のような問題があります。
- 外国語系の科目等の教室は、椅子と作業台が一体化しているタイプの椅子で作業をすることになるが、そういった椅子では大型のノートPCを置くと非常に不安定になる。
- 教室の席はあまり広くないところもあり、そういったところで大型のPCを置くと他の資料を机上に置けなくなったり、隣席に迷惑がかかるなどの問題がある。
- ファンの音が大きい傾向があり、特に夏季ではファン音が周囲に迷惑となる。
- キャンパスは広大であり、教室移動にはかなりの歩行量が必要となるため、重いPCでは持ち運びの際に負担となる。
- 電源をつながない場合のバッテリー継続時間が短めであり、電源をつなげない場合に途中で PC の電源が切れてしまう可能性がある。(外国語系科目用の教室では、電源が用意されない場合もあります。)
これらの問題点を克服した GPU 搭載型ノートPCも製品として存在はしていますが、それらはかなり高額となってしまう傾向があります。
一方で、CGやゲームを制作することを想定とした演習教室にはデスクトップPCが常設されており、高負荷処理が必要な作業はそれらの教室で作業をすることを推奨しております。教員として推奨したいのは、以下のような構成です。
- 学内で持ち運ぶノートPCは軽量なものにする。
- 学内での制作作業はデスクトップPCが設置されている演習室で行う。
- 自宅でも制作作業を快適に行いたい場合は、別途デスクトップPCを購入する。
とはいえ、GPU 搭載型のノートPCを使ってはいけないというわけではありません。これまで述べた問題点を踏まえた上で、GPU 搭載型が良いと考えるのであれば、GPU 搭載型を購入しても構わないと思いますので、改めてよく検討してもらえればと思います。
次回のブログでは、「Mac でも良いか?」という疑問について述べたいと思います。
(メディア学部教授 渡辺大地)
インタラクション2025参加
2025年5月19日 (月) 投稿者: メディア技術コース
メディア学部の加藤です。
少し前のことなのですが、2025年 3月2日〜4日に開催されたインタラクション2025に参加しました。
インタラクションは、Human-Computer Interaction(HCI)分野の国内学会のひとつで、毎年 3月に都内で開催されています。
査読付きの口頭発表のほか、ポスター・インタラクティブ(デモ)セッションなどがあり、多くの研究者・学生が発表を行っています。
東京工科大学からも毎年多くの発表があり、メディア学部からは太田研、三上研、羽田研など複数の研究室が参加をしています(他にもCS学部からも参加あり)。
今回、4件の研究を発表してきました。
(口頭発表 1件、ポスター発表 1件、インタラクティブ発表 2件)
インタラクティブ発表の内、1件は太田・加藤研究室の学生(B4劉天鑑くん)の発表でした。
劉 天鑑, 加藤 邦拓, 太田 高志. 思い出を再び体験するVR日記. インタラクション 2025 論文集, 3B-26, pp.1117–1122, (2025). [Link] [PDF] [Video]
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インタラクティブセッションではもう1件、陶磁器上に回路を作成する手法のデモ発表を行いました。
この研究は、アーティストの方たちとの共同研究として発表をしており、インタラクティブセッションのプレミアム発表として採択されました。
またこの研究は、当日の参加者による投票の結果、インタラクティブ発表賞を受賞しました。
坂田 亮一, 吉松 駿平, 星川 あすか, 加藤 邦拓. 金彩技法を用いた陶磁器表面への回路作成. インタラクション 2025 論文集, 3B-48★, pp.1221–1225, (2025). 【プレミアム発表】【インタラクティブ発表賞 (一般投票)】 [Link] [PDF] [Video] Img_20250304_100446639_hdr_ae
口頭・ポスターセッションでは、慶應義塾大学・杉浦研究室、LINEヤフー研究所との共同研究を発表しました。
一居 和毅, 池松 香, 礒本 俊弥, 加藤 邦拓, 杉浦 裕太. ユーザの自然なインタラクションに基づく操作ミス推測. インタラクション 2025 論文集, pp.60–69, (2025). [Link] [PDF] [Presentation Video]
田島 孔明, 池松 香, 礒本 俊弥, 加藤 邦拓, 杉浦 裕太. スマートフォン利用時の手の疲労度推定. インタラクション 2025 論文集, 2P-70, pp.886–890, (2025).[Link] [PDF]
それぞれの研究の詳細については、上記リンクから、論文や動画を御覧ください。
【学部長Blog004】コンテンツとの出会い(2)<ゲーム編>
2025年5月18日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース
メディア学部長の三上です
ゴールデンウィークで少しお休みさせていただいておりましたがまた再開したいと思います.
前回に続き,私がコンテンツに興味を持つきっかけになり,今でも影響を受けていると思うコンテンツについて紹介してみようと思います.まず今回はゲームの方から.
私はアーケードゲームだと「パックマン」と「ゼビウス」が大好きで,近所の「牛乳屋」や「饅頭屋」と呼ばれる,ゲーセンではないけどゲームが置いてある商店で並んでプレイしていました.そんな私がいわゆる家庭用ゲーム機を購入したのは中学1年(1985年)の冬でした.それまでは任天堂のゲームウォッチを小学校5年ごろに買ってもらって遊んでいましたが,そこまでのめりこむことはなかったです.
最初の家庭用ゲーム機は任天堂のファミリーコンピュータで,当時発売され大人気だった「スーパーマリオブラザーズ」がどうしてもやりたくって,お年玉を使って購入しました.ところが当時のカートリッジソフトはソフトと言ってもハードウェアでしたから,すぐに大量生産できるわけがなく,欲しくても購入できませんでした.
そこで,ハードと一緒に買ったのは当時アーケードから委嘱されたばかりだった「シティコネクション」(ジャレコ)と「ジッピーレース」(アイレム)と「エレベータアクション」(タイトー)でした.「スーパーマリオブラザーズ」は手に入らなかったものの,アーケードゲームとしてもプレイしていた作品が無限に自宅でプレイできるのは本当にうれしい限りでした.
そして,その後私が出会ったのは,今でもシリーズが脈々と続く「ドラゴンクエスト」でした.
まあ,同世代の結構な人数が当時この大ヒットゲームに魅了されたので,今となってはそれほど新鮮味はないかもしれませんが,それまでのゲームと違って,継続してプレイしてストーリーをたどっていくという遊びは斬新でした.
当時はネットなどもなく,攻略サイトは存在していません.ファミコン通信などの雑誌は存在し,攻略本が出始めたころですが,そこまでタイムリーで詳細な情報は出ていないので,学校では攻略の話でもちきりでした.
どれぐらい時間かけたかわかりませんが,それは夢中になってマップ上を探索しまくりました.そして第2作ももちろんのめりこみました.この当時はプレイデータをゲーム機に保存するという概念はなく,プレイデータは「復活の呪文」と呼ばれる,ドラクエ1では25文字,ドラクエ2では52文字のひらがなによる暗号がセーブデータになっていました.一語づつ間違えなく記すのですが,もし間違えているとその日のプレイの記録がなくなり,前の日に逆戻りしてしまいます.スマフォなどもありませんので,画面を写真でとるようなこともできません.インスタントカメラでも持っている人であれば写真に残すこともできたでしょうが・・・(チェキが発売されるのは1998年なのでまだ敷居が高い).
そして,第3作のときはちょうど高校受験のタイミングでした.プレイを始めたら絶対にのめりこむをはわかっていたので,購入はしたものの手を付けずにずっと保管して,試験が終わった日からプレイしました.
ドラゴンクエストは今でも発売されると必ずプレイするゲームとなりました.ドラゴンクエストの作者である堀井雄二さんとはデジタルコンテンツ協会のデジタルコンテンツグランプリで表彰する側として参加して,受賞される堀井さんと直接お話しする機会がありました.とにかく感謝を伝えたことを覚えております.
ファミコン以前に夢中になった「パックマン」の岩谷徹さんや「ゼビウス」の遠藤雅伸さんには,日本デジタルゲーム学会で理事として学会運営をご一緒したり学会で議論する機会にも恵まれ,子供のころに私に影響を与えた皆さんと,社会人になって今度は次の人材を育成する側としてご一緒できたのは本当にうれしい限りでした.
P.S
当時購入したファミコンのゲームはまだ資料として持っています.意外と几帳面な私はパッケージから出した後,外箱や取説は大切にしまっておきましたので,ほぼ新品に近い状態で保存しております!(今度その写真も紹介します)
【授業紹介】情報の「見せ方」「伝え方」をデザインする──「情報デザイン入門」の世界
2025年5月16日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース
本ブログをご覧の皆様,こんにちは.
メディア学部教授 菊池 です.
メディア学部では,昨年度から1年次向けの新しい授業「情報デザイン入門」がスタートしました(担当は私です).
この授業は「情報をどのように人に伝えるか」をテーマに,日常の中にある"情報"を見つめ直し,それをわかりやすく,効果的に伝える方法を考える内容です.
たとえば皆さんが目にする駅の案内板,アプリの画面,Webサイトのレイアウト,動画のサムネイルや編集.
これらはすべて「情報のデザイン」の成果物です.
情報がただ存在しているだけでは意味が伝わらない場合も多く,それを"誰にでも伝わるように整える"のが,情報デザインの役割です.
授業では,情報デザインの考え方や歴史,そして「センスメーキング(Sensemaking)」といった情報を理解・整理するための方法論も学びます.センスメーキングとは,混沌とした情報の中から秩序を見出し,意味を構築していく人間の活動のこと.こうした理論に基づいて,紙のレイアウトやポスター,インフォグラフィック,さらには映像表現など,実際に手を動かしてデザインを行う課題にも取り組みます.
また,近年の情報デザインでは,単に「きれい」「見やすい」だけでなく,「使いやすい」「気づきを与える」ことも重要です.
授業では,ユーザの視点に立ったデザイン(ユーザ中心設計)や,人とモノとの"対話"を生み出すインタラクションデザインなども扱い,Apple Watch や Spotify などの実例をもとに分析を行います.
情報デザインとは,まさに現代を生きるための"読み書き能力"を磨く学びとも言えるかもしれません.
私たちの生活はますます情報に囲まれ,その取捨選択や見せ方が人生を左右する時代です.
「デザインはアートとは違うの?」と思っている人もいるかもしれません.でもこの授業では,情報を"誰かに届けるための工夫"こそがデザインであるという視点から,身近な例や実践を通して学んでいきます.
将来,メディア・コンテンツ制作,広告,アプリ開発,UX/UIデザインなどに関心のある人には,とても魅力的なスタートアップ科目になるでしょう.
文責:菊池 司
【授業紹介】メディア学部でのグラフィックデザイン系の授業
2025年5月14日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース
本ブログをご覧の皆様,こんにちは.
メディア学部教授 菊池 です.
東京工科大学にはデザイン学部がありますが,メディア学部でもデザインに関することを学ぶことができる授業が複数あります.
それは当然,「メディア学」と「デザイン学」が密接に関りがあるからです.
たとえば,グラフィックデザインの知識は,映像での画面構成やカメラワーク,ゲームでのユーザインタフェースのデザイン,商品パッケージやポスターのデザインなどに必要となります.
今期は 4 月から3年次前期の「メディア専門演習:ビジュアルコミュニケーション」が始まっています.
本授業に関しては,こちらのブログで紹介していますのでご覧ください.
後期は1年次を対象として「視覚デザイン入門」があります.
また,今年後期(第3クォーター,第4クォーター)からは新しく「Create with AI」という演習も始める予定です.
機会がありましたら,またこのブログで授業を紹介したいと思います.
文責:菊池 司
【研究紹介】ドライアイスの CG
2025年5月12日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース
本ブログをご覧の皆様,こんにちは.
メディア学部教授 菊池 です.
先日,私たちの研究グループによる研究成果が「International Journal of Asia Digital Art and Design」という国際的な論文誌に採録されました.
この研究では,「ドライアイス」を CG で表現するための手法を提案しています.
ドライアイスは,学校の授業や工場,映像制作などでよく使われています.水などの液体に入れると,モクモクとした白い霧が出て,見た目もとても印象的です.動画では霧がたくさん出てくるシーンがよくありますが,実は「水に入れてから霧が出るまでの流れ(たとえば,ドライアイスが溶ける様子や泡が上がる様子,霧があふれる様子)」は,コンピュータグラフィックス(CG)の世界ではあまり詳しく表現されていませんでした.
なぜかというと,ドライアイスがどうやって霧を出すのか,その正確な仕組みがはっきりしていないため,CGで本物のように再現するのは難しいからです.
そこで私たちの研究では,ドライアイスが水の中で霧を出す様子をCGでリアルに再現する方法を考えました.
まず,ドライアイスが水に入るときの様子を「炎のシミュレーション」を応用して表現します.これにより,水の中で上がってくる泡を滑らかな球体として CG にします.そして,CG の中でドライアイスや容器,泡がぶつかる様子も再現し,よりリアルな動きを出しています(これはAPIC という技術を使っています).
次に,霧を出すために,水面から出てきた泡の位置をもとに「霧のもとになる点(ポイントクラウド)」を作り,それを霧の形に変えます.そのあと,霧が広がる様子を計算するシミュレーションを使って,容器の中に広がる霧を再現します.
霧が上にのぼっていく速さ(風のような流れ)は,この研究で新しく考えた式を使って計算します.
この式では,最初の霧の速さも考えに入れています.また,霧がだんだん薄れて消えていく様子は,水の中に含まれる水蒸気の量によってコントロールしています.
この方法を使えば,水の中でドライアイスが溶けて霧が出る様子や容器から霧があふれてくる様子を,現実に近い形で効率よく CG で表現できます.さらに,今までの「ただ下に流れる霧」だけでなく,もっと自由な霧の表現も可能になります.
論文では,動画へのリンクも紹介していますので,是非ご覧ください.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/adada/28/4/28_97/_article/-char/en
文責:菊池 司
2025年度学会報告の見通し
2025年5月 9日 (金) 投稿者: メディア社会コース
今年度も以下のとおり多くの参加可能な学会が予定されています。今年も、地方会場は旅費/宿泊費の値上がりもあって予算上厳しいものの、今後の自発的な参加に期待しているところです。以下、現時点での予定です。
ビジネス科学学会全国大会(明治大学7月5日)
日本地域政策学会2025年度愛知・名古屋大会(中京大学6月28日)
情報コミュニケーション学会社会コミュニケーション部会(場所未定8月開催予定)
社会情報学会全国大会(東京大学本郷9月27~28日)
情報文化学会北海道支部研究会(北大9月ないし10月開催予定)
情報文化学会全国大会(10月)
ビジネス科学学会九州支部会(熊本学園大学12月開催予定)
社会情報学会第一回中国四国支部会(鳥取短期大学12月開催予定)
情報文化学会九州支部研究会(2026年2月11日開催予定)
社会情報学会第二回中国四国支部会(香川短期大学2026年3月開催予定)
情報コミュニケーション学会全国大会(2026年3月開催予定)
これまで社会情報学会第一回中国四国支部会は、島根大学松江キャンパスで実施してきました。島根大学の野田先生が本年3月末をもって定年退官されたことから、今年から鳥取県倉吉市に所在する鳥取短期大学で開催される予定です。風情のある松江で開催されなくなるのは残念ですが、倉吉市も初めて訪れる地であるため学生ともども楽しみにしています。また、情報文化学会北海道支部研究会も久々の現地開催で、銀杏並木の色づくキャンパスも大変楽しみです。
(メディア学部 榊俊吾)
2025年度卒研の紹介
2025年5月 7日 (水) 投稿者: メディア社会コース
2025年度卒研生の研究テーマを紹介しましょう。当卒研では、およそ社会/経済/ビジネスに関するものであれば、ほぼ制約なく、学生の最も興味のある対象をテーマに選択しています。本年の研究テーマの中からいくつか事例を紹介しましょう。今年はすでに2、3年次に学会で報告をした学生もいます。
アニメ産業の現状と展望
eSportsに関する研究
アナログレコード産業の復活について
廃棄物処理と持続性に関する研究
ゲーム業界のオフラインイベントに関する研究
ゲームプロモーションにおけるSNSの活用範囲とその効果に関する研究
テレビ放送の将来性について
例年、夏学期は就職活動に多忙な時期で、研究に時間を割くことが難しいこともあります。学生にはいつも言うことですが、毎日30分、1時間のわずかな時間でも継続的に調査を行い、事項を引用とともに記録し、自分の仮説を追加し、時にそれまで収集した事例同士の関係を整理していくと、自分の研究の方向性が見えてくる瞬間が訪れます。毎日の小さな努力が実を結ぶ、これが人文社会科学系学問の特徴です。夏休み前をめどに、就職活動を終えて研究に専念してくれることを期待しています。
(メディア学部 榊俊吾)
2024年度後期学会報告
2025年5月 5日 (月) 投稿者: メディア社会コース
本日より5月5日、7日、9日の3回を担当します。第1回の本日は「2024年度後期学会報告」、6日「2025年度卒研の紹介」、7日は「2025年度学会報告/見通し」です。
当研究室では例年8割以上の学生が学会で報告を行なっています。2024年はやや少なく4年次生4名、3年次生1名でしたが、いずれも良い報告ができ、質疑を通じて充実した経験ができたものと思います。それでは、2024年後半期の報告実績を紹介しましょう。
ビジネス科学学会九州支部会/中村学園大学/12月7日
Hさん「アナログレコード産業の復活について」
社会情報学会中国・四国支部第1回研究発表会/島根大学松江キャンパス/12月14日
O君「日本の自動車産業の現状と展望」
I君「日本のコーヒー普及と現状」
社会情報学会中国・四国支部第2回研究発表会/香川短期大学/2025年2月22日
K君「ジャイアントキリングの歴史と傾向:過去の事例から学ぶ」
M君「映像コンテンツジャンルにおけるプロダクトプレイスメントの表現と効果」
上記のHさんは3年生で、2年生の時に先端ゼミを履修し、この時も学会で報告を行いました。
また、社会情報学会中国・四国支部第2回研究発表会には、本学部の伊藤先生の研究室からも一人参加しました。
Oさん「映画『菊次郎の夏』における音楽と映像の関連性について」
実は学内の卒研最終発表会で筆者が伊藤先生の研究室のレビューを行い(伊藤先生には当研究室のレビューを行っていただきました。)、僭越ながらその場で学会報告を強く勧めた学生でした。研究内容自体は筆者の専門外ですが、その緻密な方法論は当学会のような社会科学領域でも注目を集めるだろうと考えたからです。実際、当日は香川短期大学の中俣先生はじめ、映像製作に造詣のある方々からOさんの研究は絶賛されていました。
余談ですが、伊藤先生も大の鉄道好きで、陸路岡山からJR四国の誇る2700系振り子式気動車特急「南風」で現地入りしたそうです。筆者もごくわずかな時間ながら(わざわざ)乗車してみました。ぜひ大歩危/小歩危を堪能したいと思っています。
(メディア学部 榊俊吾)
ACM CHI2025参加
2025年5月 2日 (金) 投稿者: メディア技術コース
メディア学部の加藤です。
2025年4月28日〜5月1日に横浜で開催された国際会議、ACM CHI 2025に参加してきました。
CHIは Human-Computer Interaction (HCI)の研究分野における、トップカンファレンスのひとつなのですが、
今年は 5,500人以上もの研究者が参加し、発表された論文(Full paper)も 1,249件と、過去最大の規模の会議となっていました。
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今回、太田・加藤研究室からは 1件のポスター発表をしました。
詳細はこちら
20250502-164912
来年、CHI 2026はスペイン・バルセロナで開催されるようです。
メディア学部からも引き続き、発表ができるよう、準備をしていこうと思います。
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