入学時に購入するノートPCはどんな機種がよいか

2025年5月21日 (水) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の渡辺です。こんにちは。

東京工科大学の学生は、ノートPCを必携としています。毎年、全学部で共通の「推奨ノートPC」を用意するのですが、その選定委員を昨年まで担当していました。

入学前の学生から、よく「メディア学部の授業は推奨ノートPCでは性能不足ではないのか?ゲーミングPCの方が良いか?」という質問が来ます。また、在学生も様々な意見を SNS を通して入学予定学生に助言しているようです。ノートPCは安くても10万前後、高額なものなら30万以上することもありますから、新入生にとっては非常に気になることだと思います。在学生の中には推奨PCではパワー不足を感じ、「メディア学部の新入生にはGPU搭載型のPCの方が適している」という意見を持つことも少なくないようです。そこで、メディア学部の教員としてどのような見解を持っているかについてをここで述べたいと思います。これは私の個人的な意見というわけではなく、ゲームやCG制作を担当している教員での共通の見解です。

実際のところ、CGやゲームでの制作だけに特化すれば GPU は搭載されていた方が望ましいことは事実です。制作するコンテンツによっては、推奨ノートPCでは快適な動作ができなくなるケースも発生します。しかしながら、様々な要因から、大学全体としては GPU 搭載型のノートPCは推奨しておりません。具体的には、GPU 搭載型には以下のような問題があります。

  1. 外国語系の科目等の教室は、椅子と作業台が一体化しているタイプの椅子で作業をすることになるが、そういった椅子では大型のノートPCを置くと非常に不安定になる。
  2. 教室の席はあまり広くないところもあり、そういったところで大型のPCを置くと他の資料を机上に置けなくなったり、隣席に迷惑がかかるなどの問題がある。
  3. ファンの音が大きい傾向があり、特に夏季ではファン音が周囲に迷惑となる。
  4. キャンパスは広大であり、教室移動にはかなりの歩行量が必要となるため、重いPCでは持ち運びの際に負担となる。
  5. 電源をつながない場合のバッテリー継続時間が短めであり、電源をつなげない場合に途中で PC の電源が切れてしまう可能性がある。(外国語系科目用の教室では、電源が用意されない場合もあります。)

これらの問題点を克服した GPU 搭載型ノートPCも製品として存在はしていますが、それらはかなり高額となってしまう傾向があります。

一方で、CGやゲームを制作することを想定とした演習教室にはデスクトップPCが常設されており、高負荷処理が必要な作業はそれらの教室で作業をすることを推奨しております。教員として推奨したいのは、以下のような構成です。

  • 学内で持ち運ぶノートPCは軽量なものにする。
  • 学内での制作作業はデスクトップPCが設置されている演習室で行う。
  • 自宅でも制作作業を快適に行いたい場合は、別途デスクトップPCを購入する。

とはいえ、GPU 搭載型のノートPCを使ってはいけないというわけではありません。これまで述べた問題点を踏まえた上で、GPU 搭載型が良いと考えるのであれば、GPU 搭載型を購入しても構わないと思いますので、改めてよく検討してもらえればと思います。

次回のブログでは、「Mac でも良いか?」という疑問について述べたいと思います。

(メディア学部教授 渡辺大地)

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