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「自分たちを超えてゆく。」ロッテ、吉井監督の生きざまに重なるチームスローガン

[ 2024年2月4日 08:00 ]

石垣島キャンプ初日の1日、囲み取材を受ける吉井監督(撮影・長久保 豊)
Photo By スポニチ

2024年春季キャンプがスタートした。今年6月で60歳になる。記者という職業は中学時代から抱いていた夢ではあるが、まさか還暦を迎える年まで現場で取材しているとは想像していなかった。自分が担当するロッテの吉井理人監督(58)は1歳年下で、ほぼ同世代。白髪の多さは同じぐらい?だが、いつも過ごしてきた時間の重みが違うと感じさせられる。自分の人生がぬるま湯だったとは思いたくないが、厳しい勝負の世界の第一線を歩んできた吉井監督とは比較できるはずもない。

もちろん、同世代ならではの共通点はたくさんある。例えば中学時代にアルバイトしてギターを買ったこと。自分は新聞配達だったが、吉井監督はみかんの収穫だったそうだ。当時、聴いていた音楽も松山千春だったり、長渕剛だったり似たような感じだ。キャンプ地の沖縄・石垣島入りする前日の1月29日、吉井さんはBAYFM78の音楽番組「9の音粋」に生出演した。自ら選曲したのはゴダイゴの「THANK YOU,BABY」、YMOの「BEHIND THE MASK」、ARBの「Black is No.1」、佐野元春の「グッドバイからはじめよう」の4曲。いずれも自分も聴いていたアーティストだが、ゴダイゴなら「ガンダーラ」や「モンキー・マジック」、YMOなら「テクノポリス」や「ライディーン」など誰もが知っているヒット曲止まり。入り口は同じでも吉井さんはそこから先に進んでいた。

番組の最後にはビートルズの「Blackbird」を生演奏で披露。その渋い選曲とギターの腕前に脱帽させられた。少年時代から物事を突き詰める探究心が違う。それが長い年月の間に大きな差になったのかなと納得した。もちろん、与えられた才能にも大きな違いがあったと思いたいが...。

キャンプイン前日の全体ミーティングで発表されたロッテの今季のチームスローガンは「自分たちを超えてゆく。」。吉井監督は「個人個人がそれぞれ考える、感じる意味があっていい」とした上で「経験したことを教訓にして次に進んでいくぞ、そういう意味が込められている」と説明。「日々成長。自分たちを超えてゆく。それがアスリートの基本。結果とはその先に待っているもの」と訴えた。どんな時も、何事にでも次に進んでいこうとする吉井監督の生きざまにも重なるスローガンは発展途上のチームにピッタリだと思った。あくまでも戦うのは選手たち。「選手優先主義で、選手がやりやすい環境をつくっていきたい」と話す指揮官がどうチームを導いていくのか?キャンプを見守っていきたい。(記者コラム・大内 辰祐)

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