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日本ハム・有薗 万波打法で"12球団1号"プロ3年目20歳バット寝かせてお目覚めの予感

[ 2024年2月4日 06:00 ]

日本ハム紅白戦 紅組2―0白組 ( 2024年2月3日 名護 )

4回、先制ソロを放つ有園(撮影・高橋 茂夫)
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日本ハムは3日、12球団最速の紅白戦を行い、紅組の「5番・三塁」で先発出場した有薗直輝内野手(20)が4回に"12球団1号"となる左越えソロを放つなど2安打をマークした。2年連続最下位から巻き返しを狙う新庄剛志監督(52)と同じ入団3年目のチルドレンが、アピールに成功。過去2年は1軍で無安打の長距離砲が、一気にブレークする可能性もある。

リラックスした状態で右肩にバットを乗せ、一塁側に視線を移す。有薗が新たに加えたルーティンは尊敬する大先輩と同じ。「万波さんも軸が大切と言っている。自分もそういう感じかなと意識しています」。昨季25本塁打とブレークした万波を参考にした新打法がさく裂したのは4回だ。

先頭で迎えた2打席目。2ボールから山本晃の内角高め直球を振り抜いた。打球は逆風を切り裂いて左翼芝生席に飛び込む12球団最速の1号ソロ。「甘い球を狙って強く振ることができた」。2回先頭では右中間二塁打を放っており、2打数2安打1打点。今キャンプ初の土曜日で、1300人の観衆が20歳の猛アピールに沸いた。

千葉学芸から21年ドラフト2位で入団。高校通算70本塁打と大砲候補として期待されるも、過去2年間は通算5試合出場で12打数無安打で8三振を喫した。まだまだ高卒3年目ながら危機感は強く、コンタクト率をアップさせるため今季からバットを寝かせて構える新フォームに修正。万波のように構えた時に正面を見つめることで軸を意識して頭が投手方向に突っ込まなくなり、手元まで見極めることが可能となった。

キャンプイン直前に三塁の筆頭候補だった清宮が負傷離脱。定位置奪取の好機でもある。「自分が入ってやるという気持ちでキャンプに入った」と有薗。自身と同じ入団3年目の20歳について新庄監督も「いいじゃない。この調子が続いたらポンッとレギュラー入るかも」と期待する。

入団時に「本塁打王」と「ゴールデングラブ」と記した紙を千葉・鎌ケ谷の寮の自室の扉に張った。練習に向かうために部屋を出る際、必ず目に焼き付ける。だから結果が出なくても目標を見失うことなく練習を重ね、今ここにいる。「明日(4日)も紅白戦がある。また一からアピールしていきたいです」と有薗。勝負の3年目で、覚醒の予感が漂う。(清藤 駿太)

◇有薗 直輝(ありぞの・なおき)2003年(平15)5月21日生まれ、千葉県旭市出身の20歳。1メートル85、98キロ。右投げ右打ち。

☆球歴 中学では佐倉シニアに所属。千葉学芸では1年春からレギュラーとなり、3年春は「3番・三塁」で同校初の県大会優勝に導いた。甲子園出場なし。高校通算70本塁打。

☆史上初 母校・千葉学芸は野球部が00年創設と歴史が浅く、同校出身初で唯一のプロ野球選手。

☆打球速度 昨年に計測した打球速度は、万波や巨人・岡本和らに匹敵する170キロ台中盤をマーク。

☆性格 目立つのは苦手なタイプ。学生時代はクラスの学級委員長の経験はなく、書記役などを務めていた。

☆ぬいぐるみ 2年前の入寮の際には妹がクレーンゲームでゲットしたゾウのぬいぐるみを持ち込み、抱き枕として使用。

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