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南風原事件 DNA鑑定と新しい冤罪

南風原事件 DNA鑑定と新しい冤罪

知られざる冤罪事件。捜査・裁判の問題点を指摘し,DNA鑑定の危険性を明らかにする。

著者 木谷 明 編著
佐藤 博史 編著
岡島 実 編著
ジャンル 法律 > 刑事法 > 一般書
出版年月日 2013年11月10日
ISBN 9784877985639
判型・ページ数 4-6・240ページ
定価 本体2,000円+税
在庫 在庫あり

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南風原事件は、自宅にあった被告人の上衣から抽出されたDNAが被害者のDNA型と一致したとして起訴された強盗致傷事件である。第一審(裁判員裁判)は、鑑定資料の保管・鑑定過程が不明瞭で資料の汚染が疑われるとする弁護側の主張を無視して有罪判決を下した。DNA型が一致したとする鑑定結果だけを見れば、誰もが有罪に間違いないと判断する。しかし、この事件のように、疑わしい鑑定が法廷に提出された場合、取り返しがつかない冤罪を生む。捜査・裁判の問題点を指摘し、DNA鑑定の危険性を明らかにする。
まえがき

第1部 南風原事件とはどのような事件か.........岡島実
第1章 南風原事件の経過
1 事件発生
2 事件の受任
3 否認
4 取調べの状況
5 処分保留で釈放
6 家宅捜索
7 起訴
第2章 公判前整理手続の経過
1 1年4か月余りに及んだ公判前整理手続
2 公訴事実と検察官の主張
3 検察官が開示した証拠の問題点と弁護団の反論
4 自白調書の撤回
第3章 第1審公判の経過
1 審理期間4週間の裁判員裁判
2 裁判所が提示した6つの争点
3 証拠調べに関する検察側の意見
4 検察に迎合した裁判所の審理計画
5 浮き彫りになったDNA鑑定の問題点
6 赤色付着物鑑定の擬装
7 防犯ビデオが語る犯人の姿
8 犯人の髪型との相違
9 第1審有罪判決

私は絶対やっていない.........赤嶺武
武は絶対やってない(家族からのメッセージ).........信子・秀子・登美子・静子・初枝

第2部 第1審はいかにして誤判に陥ったか.........岡島実
第1章 第1審有罪判決の問題点
1 「被告人」を犯人と決めつけ、その声に耳を傾けないこと
2 DNA鑑定の過信
3 犯行現場の著しい軽視(1)--第三者の犯行を窺わせる現場痕跡
4 犯行現場の著しい軽視(2)--防犯カメラに映った犯人と赤嶺さんの不一致
5 犯行現場の著しい軽視(3)--被害者の口腔内細胞採取に始まる判決の記述
第2章 第1審判決の理由付けと判断構造
1 被害者の唾液以外の事実は「可能性」レベルの判断
2 上衣から検出された唾液の問題点
3 防犯ビデオ映像から目を逸らした判断
第3章 本件にとっての防犯ビデオ映像の意味
1 防犯カメラの設置状況
2 犯行の一部始終をとらえている防犯ビデオ映像
3 防犯ビデオ映像は犯行そのものを立証する直接証拠
第4章 防犯ビデオ映像が語る事実
1 防犯ビデオで判別できる犯人の外見
2 身長・肩幅の識別
3 耳の形の識別
4 小川鑑定を無視した第1審
5 髪型の相違
6 犯行状況と証拠の整合性
7 上衣の形状
第5章 DNA鑑定はどういうものであったか
1 上衣のDNA鑑定が意味するもの
2 DNA鑑定に関する判決の論理
3 アプリケーターチップとは何か
4 アプリケーターチップはどこにあったのか
5 同じ管理者の下にあった上衣とアプリケーターチップ
6 赤色付着物は何であるのか
7 上衣の唾液とは一体何か
8 捜査の実相に迫ろうとしない第1審判決
第6章 赤嶺さんのアリバイ
1 アリバイ証言を偏見・思い込みで排斥した第1審
2 事件のあった4月16日の赤嶺さんの行動
3 アリバイに関する検察官の強弁を追認した第1審
4 アリバイに関する第1審の問題点

第3部 冤罪に克つ--刑事裁判の仕組みに潜む誤判の危険性
冤罪をどうやってなくすのか.........木谷明
DNA鑑定の罠--足利事件と南風原事件の教訓.........佐藤博史

資料 南風原事件第一審判決文(全文)
沖縄県の中南部(地図)
事件の経過一覧
現場見取図

あとがき

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