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人民網日本語版>>経済

低欲望社会の日本 ユニクロ人気、村上春樹も古着

人民網日本語版 2018年12月11日09:26

消費せず、出生率が低く、高齢化し、若者に向上心がない。これは日本の経営コンサルタントで数々の著作を発表してきた大前研一氏が、「低欲望社会」の日本の特徴として挙げるものだ。今年10月、大前氏の著書「低欲望社会 『大志なき時代』の新・国富論」の中国語版が上海訳文出版社から出版された。日本社会に広がるこうした状況について、翻訳者の姜建強氏に話を聞いた。「第一財経日報」が伝えた。

大前氏によると、日本では若者が物欲を失い、闘志も失ったという。日本に暮らす中国人の姜氏は、「日本人は闘志を失ったのではなく、経済の高度成長の後、一種の美しき『衰退』期に入ったというべきだ。低欲望といっても、この『低』は『高』を経験した後の『低』だ。ということで、この『低』は実際には低くない。日本の若者はやはり豊かな暮らしをしているし、家や車がほしいと思えば、ローンの金利もまだまだ低い。日本人がモノに心を動かさなくなったのは、モノが自分にとってそれほど重要だと思えなくなったからだろう。よって日本人は自分たちにとって好ましいミニマムライフを追求するようになった」との見方を示す。

また、頻発する自然災害も日本人に影響を与えた。東日本大震災により大規模な津波が発生し、あっという間にすべてを押し流したあの情景を、日本人はその目で見て、心には「無常」の思いがわき起こった。日本人は時折、モノを所有するのと借りるのとにどんな違いがあるのか。結局は同じことではないかと考えるようになったかもしれない。こうした考え方は日本で各種レンタル市場が活発な理由の一つでもある。こうした観点から眺めると、日本人の「低欲望」には積極的な意味あいがあり、日本人はある種の「身軽な」文明スタイルを探求しているのだといえる。

人々が商品に対して徐々に淡泊になるのは、実は先進国ならどこでも経験してきたプロセスだ。日本社会はこうした状態が広がる中でどのような特徴をみせるのだろうか。姜氏は、「『低欲望』は確かに先進国に共通する現象で、米国人も欧州人も同じような状況を経験している。だが日本は欧米よりもより典型的に、よりはっきりとこうした傾向が現れている。それは日本の文化と関係がある。日本文化の根底には簡素とわびさびを重んじる意識が流れており、日本人は欲望を内在化し、より深く内在化し、最終的に無欲化してしまう。今の日本ではシェアリング消費が流行っており、これは三浦展氏が(著書「第四の消費 つながりを生み出す社会へ」で)いう「第四の消費」だ。「第四の消費」とは何か。それは価格に多くの付加価値を含まない、あるいはまったく付加価値を含まない商品をいう。無印良品はミニマム主義と無個性を提唱するが、こうしたコンセプトの価値は商品価格に計上されており、実際にはミニでも無でもない。無印良品のモノが高いのは、付加価値がついているからだ。それと反対に、ユニクロの商品には付加価値がそれほどないか、まったくなく、価格は安い。ユニクロにもデザインはあるが、その価値は商品として販売されて多くの人が共有するものであり、価格システムに反映されるものではない。よって日本では無印良品よりユニクロの方がはるかに人気がある。また日本では中古市場も発達している。誰かが着た服に袖を通すのをいやがる風潮はなく、あの村上春樹でさえ中古市場で服を買うことを楽しんでいる。こうしたスタイルは環境に優しく、価格も安く、非常に実利的だ。

大前氏は著書の中で経済と人口のデータに基づき、日本人は「大志なき時代」に突入したと結論づける。しかし、日本人の別の方面での成功例が、こうした見方に異を唱える。それは2000年以降、日本人のノーベル賞受賞者が18人を数え、分野が自然科学に集中していたことだ。これについて姜氏は、「日本でノーベル賞受賞者が輩出する原因はいろいろあるが、最大の原因は背後に持続的で根気強い研究への投資があることだろう。なぜこうした持続的で根気強い研究への投資があるかといえば、それは日本人があまり強い欲望をもたないことと関係がある。あまり強い欲望をもたないのは、日本人が現在の暮らしぶりに満足できているからだ」と分析する。

日本人は安定していられる。それは外の世界から受ける影響が小さいからだ。そして日本人は過分な欲望ももたない。今の日本はちょうど低欲望の状態にあり、日本人は安定していられるし、高すぎる目標を追いかけることもせず、掌中にある課題にじっくり取り組んでいられる。また日本人には匠と呼ばれる人が多く、匠の生み出すものが多いことは、あまり過分の欲望をもたず、高すぎる目標を追いかけないという社会のムードと関係がある。こう考えると、日本人は確かに「カワイイ」人々で、カワイイが必ずしも知能が低いというわけではない。(編集KS)

「人民網日本語版」2018年12月11日

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