2025年3月

2024年度冬の三上・栗原研究室学会発表

2025年3月31日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

こんにちは。メディア学部助手の栗原です。

本日は他の先生方も報告されていますが、2024年度冬に開催された学会における本研究室の発表についてご紹介したいと思います。

本研究室では2月に行われた日本デジタルゲーム学会第15回年次大会(松山大)、3月に行われた情報処理学会インタラクション2025(一橋講堂)、映像表現・芸術科学フォーラム2025(東京工芸大)の3つでポスターやデモを用いた発表をし、参加者にシステムのデモを体験してもらったり議論をしました(写真はインタラクション2025の1枚)。Img_20250302_135007

その中で学部4年生の発表人数はなんと15名、研究室の配属が16名だったのでほぼ全ての学生が少なくとも1回は(1名は夏と合わせて2回)自身の卒業研究について外部発表を行ったことになります。もう1名についても成果がなかった・間に合わなかったわけではなく、やむを得ない諸都合で見送ったためでした。さらに、学部生だけでなく大学院生4名も映像表現・芸術科学フォーラム2025に発表し、3名は口頭発表を行いました。

このように、たくさんの学生が外部に自身の研究成果を発表できたのは学生が興味のあるテーマを選択し、紆余曲折はありましたが目標に向かって地道に進めることができたからに他なりません。私個人としてはまだまだ伝えきれていない点はあったかと思いますが、研究を進めていく上で得た知見や視点をこれからのキャリアのどこかで活かしてもらえればと思います。

ちなみに、映像表現・芸術科学フォーラム2025では学部生1名と大学院生1名が優秀発表賞を受賞しました。受賞したと聞くと特別優秀という印象があるかもしれませんが、個人的には最後は運も絡むところで多くの他の学生とそこまでの差はないと思っています。ただし、先ほども述べましたがどれだけ研究を地道に続けたか、という点をきちんとクリアしたからこそだと思いますので、そこは忘れないで欲しいと思います。

ここからは個人的な話になりますが、着任1年目で初めて経験することも多く、いくつかのプロジェクトに携わることにもなり大変なようであっという間の1年でした。それらを踏まえて来年度からはパワーアップして励んでいきたいと思います。

それではまた新年度にお会いしましょう。では。

発表した学会のリンク

日本デジタルゲーム学会第15回年次大会: https://digrajapan.org/?page_id=10347

情報処理学会インタラクション2025: https://www.interaction-ipsj.org/2025/

映像表現・芸術科学フォーラム2025: https://expressive-japan.art-science.org/

アーティストの社会学

2025年3月28日 (金) 投稿者: メディア社会コース

昨年11月9日・10日、京都産業大学にて第97回日本社会学会全国大会が開催されました。

今年は新たなテーマセッションとして「アーティストの社会学」が設けられ、ボディビルダー、バーテンダー、ロックバンド、演劇、アートセラピー、女性や移民としてのアーティスト...などなど、「美意識」に関係する幅広い人間の活動を分析した研究報告がおこなわれました。

「アーティストの社会学」ってなに?という疑問を抱く多くの方に向けて、簡単に説明してみたいと思います。

「好きなことで生きていく」って本当にできるの?

「好きなことを仕事にしよう」「クリエイティブな仕事で生きていく」——こうした言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれません。YouTuberやデザイナー、ゲームクリエイターなど、自分の創造力を活かして働くことに憧れる人は多いでしょう。

しかし、本当に「好きなこと」で生きていくことは可能なのでしょうか? そして、その働き方はどんな未来をもたらすのでしょうか?

イギリス・ロンドン大学ゴールドスミス校の名誉教授で、文化研究者のアンジェラ・マクロビー(Angela McRobbie)は、著書『クリエイティブであれーー新しい文化産業とジェンダー』(花伝社、2023)のなかで、クリエイティブ産業における労働の現実について考察しています。

もともと、アートやデザイン、音楽などの仕事は、資本主義的な労働のルールに縛られず、自由な自己表現を追求する場とされてきました。ところが、現在のクリエイティブ産業では、むしろ「好きなことを仕事にする」ことが、労働の無限搾取につながってしまっているのです。

クリエイティブな仕事には、明確な労働時間の境界がありません。たとえば、デザイナーや映像クリエイター、ライターなどの仕事では、「もっと良いものを作りたい」という情熱があるがゆえに、仕事とプライベートの境界が曖昧になり、際限なく働いてしまうことがよくあります。また、「好きなことをやらせてもらっているのだから」という空気感が、正当な報酬を支払ってもらえない一因になってもいます。

マクロビーはさらに、フリーランスの世界のジェンダー問題にも警鐘を鳴らします。プロフェッショナルな訓練を長く受けてきた女性であっても、育児や家庭生活とを両立する制度が整っていないことが原因で、安定的にキャリアを築けないことを指摘しています。実際、多くの会社員の女性が受け取れる産休育休手当がありますが、フリーのカメラマンやデザイナー、アーティスト、ダンサーの女性たちはこれを受け取ることがでません。

社会学的視点を持つことの大切さ

「好きなことで生きていく」ことは可能ですが、持続的なキャリアを築いていくためには、労働の仕組みや社会的な課題について理解することが必要です。日本社会学会のテーマセッション「アーティストの社会学」は、マクロビー氏の問題提起を手がかりに、それを日本の文脈や状況と接続させながら、アーティストの生き方を支えるための社会制度や方法論を考える場となりました。

本学でメディア学を学ぶ皆さんも、映像、ゲーム、広告といった分野で活躍する際に、クリエイティブなスキルだけでなく、労働の仕組みや社会構造について考え、これらを改善しようとする視点を持ってみませんか?

ニューヨークのストリートアート2

2025年3月26日 (水) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは。

2024年度後期にメディア社会コースに新たに着任しました、助教の陳海茵(ちん・かいん)です。

前回の記事に続いて、2017年の夏にニューヨークのブッシュウィック地区で撮影したストリートアートを紹介しながら、都市と移民とアートの関係について考えてみたいと思います。

Photo_20250314132601

エスニックマイノリティたちの声を映す壁画

ニューヨークのブルックリンにあるブッシュウィック地区。ブッシュウィックの街を歩いていると、移民たちの歴史や苦悩、誇りを描いたアート(壁画)が目に飛び込んできます。ここ数年でアートとカルチャーの街として注目されるようになりましたが、以前は犯罪の巣窟と言われるほど治安の悪いエリアでした。

かつてはドイツ系やイタリア系の移民が多く住んでいましたが、20世紀後半になるとプエルトリコ系やドミニカ系、メキシコ系の移民が増え、現在ではラテン系住民が多い地域になっています。ニューヨークという都市が経済的に急速に発展していくなか、工業地帯で低賃金で働く移民たちの声はしばしば社会の中でかき消されてきました。

とくに移民の子どもたちが描かれた壁画を多く見かけますが、これは「自分たちもこの街の一員であり、どうか1人1人の存在に目を背けないでほしい」というメッセージを込められているように思います。私が訪れた2017年は、移民政策に厳しい姿勢を示すドナルド・トランプ大統領のお姿もありました。

Photo_20250314132701

ジェントリフィケーションとストリートアート

近年、ブッシュウィックをはじめとする様々な場所で「ジェントリフィケーション」と呼ばれる現象が進んでいます。これは、都市の再開発によって地価が上がり、もともと住んでいた低所得層の住民が押し出されていく現象のことです。おしゃれなカフェやギャラリーが増え、アーティストやクリエイターが流入する一方で、長年住んでいた移民たちは高騰する家賃のために住み続けることが難しくなっています。

これに伴い、ストリートアートの風景も変わりつつあります。かつて移民たちが描いた壁画の上に、新しいアーティストが別の作品を描いたり、あるいは再開発のために壁ごと取り壊されたりすることもあります。

まとめ

ストリートアートは単なる「落書き」ではなく、都市の歴史や社会の変化を映す鏡です。都市が変われば、アートも変わる。それでも、そこに込められた「見えない人々の声」を伝える役割は、これからも変わらず続いていくでしょう。もし、ニューヨークを訪れる機会があれば、ぜひブッシュウィックの街を歩いてみてください。(夏のNYは大変な猛暑なので、レンタサイクルをおすすめします・・・苦笑)

きっと、壁に描かれたアートを通して、この都市に生きる人々の声を感じ取ることができるはずです。

ニューヨークのストリートアート1

2025年3月24日 (月) 投稿者: メディア社会コース

皆さん、初めまして。

昨年9月にメディア社会コースに助教として着任しました、陳海茵(ちん・かいん)と申します。

私の専門は、アートに携わる人々の言説や相互行為、芸術家の国際移動とキャリアに関する社会学的研究です。

私が現代アートの研究をはじめるきっかけとなったのは、大学1年の時に約10カ月滞在していたニューヨークでの体験でした。

なにより衝撃を受けたのは、美術館やギャラリーではなく、街を歩けば目に飛び込んでくるカラフルなストリートアートでした。ビルの壁一面に広がるカラフルなグラフィティ、地下鉄のトンネルに堂々と描かれたメッセージ、歩道に並ぶステンシルの作品——どれも、私がそれまで考えていた「(高尚な)アート」とは全く異なるエネルギーを放っていました。

ストリートアートとは?

ストリートアートとは、公共の空間に描かれるアートのことです。日本では、バンクシー(Banksy)が特に有名ですよね。

グラフィティと混同されることもありますが、グラフィティが主に文字を使ったスタイル(タグやロゴなど)であるのに対し、ストリートアートはより幅広く、壁画やポスター、ステンシル(型紙を使った絵)、モザイクなどさまざまな表現が含まれます。特にニューヨークは、1970年代からストリートアートの中心地となり、多くのアーティストが活躍しました。その代表的な例が、バスキア(Jean-Michel Basquiat)やキース・ヘリング(Keith Haring)です。彼らはギャラリーに作品を発表する前から、街の壁に絵を描き、同性愛者への偏見や黒人差別の問題など、多くの社会的なメッセージを届けていました。


なぜストリートアートには価値があるのか?

「壁に落書きするなんて、アートなの?」と思う人もいるかもしれません。(前任校の授業で扱った時も、200名を超える受講生たちがストリートアートの違法性と意義をめぐって意見がかなり分かれ、ちょっとした白熱議論になるテーマでした。)

ストリートアートの価値は、単に「絵が上手いかどうか」ではなく、そのメッセージ性と都市との関係にあります。
例えば、ある地域の壁に描かれた大きな壁画が、その街の歴史や文化、社会問題を表現していることがあります。ニューヨークでは、人種差別や貧困、LGBTQ+の権利など、さまざまな社会的テーマを扱ったストリートアートを見ることができます。街を歩くだけで、そこに生きる人々の声が感じられるのです。また、ストリートアートは、一般の人々が無料でアクセスできる「開かれた美術館」とも言えます。美術館やギャラリーに行かなくても、街を歩けばアートに出会える。これは、アートが一部の特権的な人々だけのものではなく、すべての人に開かれているというメッセージでもあります。

次回は、私が2017年の夏に訪れたニューヨークのブッシュウィックのストリートアートと、その背景にある移民たちの物語を写真とともにご紹介したいと思います。

言語処理学会第31回年次大会に参加してきました

2025年3月21日 (金) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部講師の松吉です。私が専門としている「自然言語処理」の分野では毎年3月に研究発表の全国大会が開催されます。言語処理学会 年次大会という名称であり、今年は31回目の開催となりました。今年は長崎県長崎市の「出島メッセ長崎」という会場で、2025年3月10日(月)から14日(金)にかけて開催されました。「出島」という名前が付いていますが、歴史的に有名な「出島」の近くにあるのではなく、JR長崎駅に直結しています。

Dejima_messe Nagasaki_station

深層学習と大規模テキストデータを組み合わせて構築する「テキスト生成AI」は、自然言語処理分野が誇る研究成果物の一つです。今年の全国大会には2,200人以上の研究者・学生が参加し、777件の研究発表がありました。(運営からの情報によりますと、777という数字は全くの偶然だそうです。) 例えば、以下のようなテーマに関する研究発表がありました。多くの研究が生成AIに関するものでした。

  • 機械翻訳、自動対話、情報抽出、マルチモーダル、教育応用
  • 生成AIモデルの評価・安全性・信頼性・解釈可能性

発表論文のタイトルはこちらのページで公開されておりますので、ぜひ一度眺めてみてください。学会発表の論文本文は参加費を支払った方しか読めないことが多いですが、言語処理学会年次大会の発表論文は誰でも自由に無料で閲覧することができます。先ほど紹介したページにおいて、「PDF」のアイコンをクリックすると、それぞれの論文の本文を読むことができます。気になるタイトルの発表論文がありましたら、ぜひ本文に目を通してみてください。専門知識が不足している状態ですと、最後まで通読することは難しいかもしれませんが、図表を眺めるだけでも勉強になると思います。

本学メディア学部や本学コンピュータサイエンス学部には人工知能や自然言語処理を専門とされている教員がたくさんいらっしゃいます。興味がある方はぜひ一緒に本学で研究をしましょう。

追伸:
3月12日(水)に長崎出島ワーフで懇親会があり、そこも大盛況でした。

Konshinkai2

(文責: 松吉俊)

卒業する皆さんへ

2025年3月19日 (水) 投稿者: メディア技術コース

本日3月19日に、東京工科大学および東京工科大学大学院の学位記授与式が行われました。本学での学びを終えて新しい世界に旅立つ皆さんに、心よりお祝い申し上げます。

4年前の4月6日、皆さんの入学式の日に、こんな記事を書きました。そこで私が勧めたのは「自分の目標に固執しない」ということでした。さて、卒業生の皆さんが4年前の自分を振り返ったとき、どんなことを感じるでしょうか。4年前に抱いていた目標に固執し、がんばりぬいたことの達成感を感じている人もいるでしょう。途中で方向転換して、思いがけない分野でやりたいことを見つけたという人もいるはずです。一方、あれをやったりこれをやったり、右往左往しているうちに大学生活が終わってしまったという人もいるかもしれません。でも、心配しなくても大丈夫です。今は寄り道だったと感じることも、いつか役に立つ日が来るはずです。

4年間の大学生活を通じて一所懸命にやったことがあるなら、たとえそれが4月からの仕事に結びついていなくても、作品や資料は捨てずに取っておいてください。10年後でも20年後でも、思いがけない形で役立つかもしれません。それは新しい仕事かもしれないし、あるいは生活を潤わせる最高の趣味かもしれません。そして、もしもそんな日が来たら、東京工科大学で学んだ日々のことを、懐かしく思い出してください。それが教員としての何よりの喜びです。

皆さんの未来に期待しています。

(メディア学部長 大淵康成)

映像表現・芸術科学フォーラムでサウンドロゴの発表

2025年3月17日 (月) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

3月10日に行われた「映像表現・芸術科学フォーラム」は、毎年メディア学部から大勢の方が発表する学会です。私の研究室では、昨年は残念ながら発表できなかったのですが、今年は2年ぶりの発表となりました。発表してくれたのは、卒研生の高田啓祐さんで、発表題目は「マルコフ連鎖を用いたサウンドロゴの自動生成の研究」です。企業名や商品名を伝えるときに、ちょっとした音のジングルのような形にしたものを「サウンドロゴ」といいますが、それを自動生成しようという研究です。

この研究で使ったマルコフ連鎖というのは、情報科学の世界では昔から良く知られている、比較的シンプルな枠組みです。実はこの研究、最初は今はやりのtransformerという仕組みを使おうとしていたのですが、いろいろ考えてこの方法に乗り換えました。複雑なアルゴリズムはブラックボックスになりがちで、「どこをどう変えたからどうなった」みたいなことがわかりにくいのですが、あえてシンプルなアルゴリズムを使うことで、研究のロジックがすっきりしたのではないかと思います。

高田さんはこの3月で卒業ですが、何らかの形でこのあとも研究を引き継いでいければと思っています。

「侍タイムスリッパー」のインパクト

2025年3月14日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

2025年度から「映像創作入門」を担当するので、いろいろ映像の基本をおさらいしているのですが「ストーリーが面白ければ映像は二の次」という作品にまた出合いました。それが「侍タイムスリッパー」です。インディーズ作品でありながら、日本アカデミー賞を取って話題になりました。

もちろん「映像」には映像そのもののインパクトがあります。ウェス・アンダーソン監督作品シンメトリーな左右対象の映像の美しさは、もともと映像が「静止画の連続」だったことを思い出させてくれます。ビビッドな色使いとんがった選曲は、映画という「総合芸術」の教科書といえるでしょう(「ダージリン急行」「ムーンライズ・キングダム」「グランド・ブダペスト・ホテル」は必見!)。

「侍タイムスリッパー」も、時代劇でよく使われる「長玉(望遠レンズ)」、腰の位置でどっしり構える「低目のカメラアングル」など。映像の部分でも解説できないことはないのですが、それ以上に暑苦しい圧力を感じるのです。

まず、脚本がよく考えられています。ストーリー展開が奇抜で、ダレるところがありません。そして何より出演している俳優さんが「初めまして」の方々ばかり。普通、俳優さんというと有名人なので、良くも悪くも私たちは先入観を持って見てしまいますが、この作品ではそれが一切ない。まるでその俳優さんが、映画の中の実在の人物のように見えるのです。これは「カメラを止めるな!」「ぴあフィルムフェスティバル」出品作品でも感じられるところです。

個人の感想になりますが、大資本が繰り出す完璧なCG映像よりも人間的な暑苦しい(一所懸命ともいう)足りなさの方が心を打つことがある。かつてヌーヴェル・ヴァーグに感じたインディーズの可能性を思い出させてくれる作品でした。

先日、「ぴあフィルムフェスティバル」事務局の方と話しましたが「コロナ後、大学生の出品が増えている」そうで、「東京工科大学さんの作品もお待ちしています」とのことでしたが。。。

メディア学部 山脇伸介

シューカツはしなければならないんですか?

2025年3月12日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

大学3年生になると、そろそろあいつがやって来る。そうシューカツだ。

30年前は放ったらかしだったらしいけど、今では保護者だけでなく大学までぎゃあぎゃあ言ってくる。それがシューカツ

最近は少子化で労働力が足りないらしい。初任給を引き上げる企業も増えてるって、ネットニュースでも言ってたぞ。売り手市場で、若者はのどから手が出るほど欲しいって。それなのにシューカツは早まってるって。それってなんか矛盾してないか?

昔は永久就職なんて言葉もあったみたいだけど、最近は転職してキャリアアップするのが当たり前って先輩も言ってたじゃないか?それなのに、なんでいまシューカツしなけりゃならないんだ?

ゼミの先生に聞いてみた。「シューカツはしなければならないんですか?」って。そしたらしれっと言いやがった。

シューカツするのは、君の自由。したくないなら、しなくてもいい。でも人生の中でいちばんシューカツしやすいのが、大卒院卒のタイミングなのさ。だから、周りはそう言ってくる。でも決めるのは、君自身さ」

「君もまもなく社会人だ。いろいろな仕事を知ってて損はあるまい。シューカツは最高の社会見学だよ。だから、就職なんかしなくっていいけどシューカツはオススメだ(笑)」

はあ!?

(注記) 実際の学生さんとの会話をもとにしたフィクションです。お粗末。(メディア学部 山脇伸介)

「松任谷由実SURF&SNOW in Naeba Vol.45」の立ち会い

2025年3月10日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

2月のことになりますが、今年もプロジェクト演習「インテブロ」の学生の皆さんが、苗場プリンスホテルで行われる松任谷由実さんコンサートのネット配信を担当しました。正確には、コンサート期間限定のインターネットサイト「Y-topia」のコンテンツ制作全般にかかわります。毎年、プロジェクトに参加する学生さんたちが、企画・撮影・収録・編集すべてを担当しています。

その中でもメインとなるコンテンツが、松任谷由実さんコンサートのネット配信です。実は、私は去年もこのコンサートに一般客としてお邪魔していました。東京工科大学の学生さんが撮影・中継・配信をしていることは知っていましたが、今回初めてその全貌を見ることになりました。

コンサート(ライブ)中継はある程度段取りが決まっているとはいえ、プロでも難しい仕事です。それを大学3年生中心の学生さんたちがカメラ撮影、音声収録、そして生配信まで一手に引き受けるのですから、驚きです。八王子キャンパスでさまざまな練習を積んできたとはいえ、プロのコンサート会場は規模も緊張感もまったく異なります。

苗場では、配信をしない日でも本番通りの設定で「想定練習」が行われました。そして練習で収録した映像をもとに、それこそ1カットごとに映像の検討を全員で行います。「この歌詞の場面で、この映像のサイズで良かったのか?」「カメラの動きは、パンで良かったのか?」「ズームで良かったのか?」「映像の切り替えのタイミングは?」。学生リーダーを中心に、それこそあらゆる角度から「映像の検討」を重ねていきます。これほど丁寧に映像の検討をすることは、私の33年間のテレビマン時代にもなかったと思います。

こうして今年も「インテブロ」の学生さんたちは見事なコンサート配信をやってくれました。あまりレベルを上げすぎると後輩たちが大変だよなあ、と心配しています・・・(苦笑)。

メディア学部 山脇伸介

写真の発明者たち

2025年3月 7日 (金) 投稿者: メディア社会コース

今日3月7日は、発明家ニセフォール・ニエプスの生まれた日です。ナポレオン・ボナパルトと同時代の人物です。

ニエプスは、世界初の写真画像の製作者として知られています。自らがヘリオグラフィと名付けた写真エッチングを発明しました。最近ではネイルなどに使われるようになっているのと同様な、光を当てると硬化する物質を利用して版を作り、印刷するという原理でした。原版も残っていて、現代でもオークションで高値取引された時にはニュースになりました。ヘリオグラフィは技術を引き継いだダゲールによって、ダゲレオタイプ、いわゆる銀板写真として実用化されることになります。

ヘリオグラフィやダゲレオタイプの技術は、当時でも、すでによく知られていたことがらを組み合わせて、つくりだされたものです。よく知られていることでもクリエイティブに組み合わせるという発想が重要でした。メディア学部に入って、こうしたことを含めて勉強していただければと考えています。

(メディア学部 小林克正)

専門でなくても

2025年3月 5日 (水) 投稿者: メディア社会コース

今日3月5日は、数学の研究をおこなったウィリアム・オートレッドの誕生日です。16世紀のイギリスに生まれました。

オートレッドについて聞いたことがない人も多いと思いますが、実は、オートレッドは、今も使われている数学記号などの発明者です。もっとも使われているのは、掛け算の記号(乗法記号)×ばつ です。また、2つの対数尺を利用した計算尺も発明しました。計算尺は卓上計算機(電卓)が普及する前まで使われていたアナログ計算器です。

オートレッドは、専門の数学者ではありませんでしたが、数学の教科書を多く執筆しました。

これは、数学が、必ずしも専門でなくても、勉強し応用できる分野だということが大きいと思います。高校生のみなさんも、文系であっても、ぜひ数学を勉強し応用することを考えてみてください。

(メディア学部 小林克正)

無限の理論の開拓者

2025年3月 3日 (月) 投稿者: メディア社会コース

今日3月3日は、数学者ゲオルグ・カントールの誕生日です。

カントールは、ほとんど独力で、集合論、無限に関する理論を創始したと考えられています。19世紀末のことです。自然数全体・整数全体・有理数全体が同じ濃度(無限の尺度にあたります)であること、それらと実数全体が異なる濃度であること、実数全体と3次元空間全体が同じ濃度であることなどを示しました。

ただ、当初は、これらの結果も受け入れられず、重要性が認識されるまでには、だいぶ時間がかかりました。

時代ということもあるでしょうから、いい考えでもきちんと伝わるまでには時間がかかることもあると知っておいたほうがいいかもしれません。

(メディア学部 小林克正)

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /