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201009serou 『世界の労働』9月号は「企業再編と労働法」という特集で、有田謙司、高橋賢司、細川良の各氏が各国の法制を書かれていますが、わたくしもEU指令について「ジョブ型社会のジョブ保護規制-EU企業譲渡指令について」という文章を書いております。
http://homepage3.nifty.com/hamachan/jobgata.html
その冒頭のところで、日欧の労働社会の対照性を指摘しておりますので、ご参考までに:
>EU企業譲渡指令(既得権指令)については、今から11年前、本誌1999年11月号に「EU労働政策の最近の動向(下)-企業譲渡における労働者保護指令」を執筆したことがある。ちょうど前年の1998年にかなり大幅な指令改正がされたこともあり、改正指令の条文に沿う形で、累次の欧州司法裁判所の判例を紹介しつつ、改正に至る政治的経緯を解説しようとしたものであった。同改正指令の紹介としては、もっとも初期の論文と思われる。
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水口さま
同じ『世界の労働』9月号で細川良さんが述べているように、フランス法が承継拒否権を認めていないのに対して、ドイツ法は承継拒否権を認めていると言うことは、ドイツの方がフランスよりも(ベースはジョブ型といえども)やや企業メンバーシップに近いものを認めているということなのかもしれません。
法制的にはドイツの公務員のうち雇員(アンゲシュテルテ)傭人(アルバイター)が民法上の雇用契約で基本的にジョブ型であるのに対して、官吏(ベアムテ)は民法上の雇用契約ではなく「身分」ですから、まさにメンバーシップ型なんだと思います。
カードルがどうなのかは、フランス法の専門家に聞きたいところですね。
投稿: hamachan | 2010年10月12日 (火) 13時50分
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なるほど、会社分割の厚労省の指針で、「職務の保護」ということがどういう意味か、理解しかねていたのですが、よく分かりました。
メンバーシップ型労働契約、ジョブ型労働契約という切り口は、わかりやすいですね。
ところで、西欧で、メンバーシップ型というのはあるのでしょうか?うろ覚えですが、フランスでカードルという管理職制のことを聞いたことがあります。一般の行員、従業員とは入り口も違う幹部管理職のことですよね。日本の場合の特徴は、メンバーシップ型が、一般社員も含むことが違いということでしょうか。
投稿: 水口 | 2010年10月12日 (火) 12時10分