[フレーム]
新聞購読とバックナンバーの申込み

どん底から年俸3倍増 オリックスの30歳右腕の「1回死んでいて」という覚悟は変わらない

[ 2024年12月8日 07:15 ]

契約更改を終え、取材に応じる井口(撮影・平嶋 理子)
Photo By スポニチ

オリックスの井口和朋投手(30)が5日の契約交渉で今季年俸800万円から3倍増の2400万円(推定)でサインした。昨オフに日本ハムを戦力外となり、育成契約で入団。新天地でどん底から復活した。

「去年クビになってから、もう1回チャンスもらって、キャンプから新鮮な気持ちでやってきた。"怖い物がない"じゃないけど、開き直って野球に向き合えている。僕の中でやっぱり1回死んでいて、そこからもう1回チャンスをもらえているという気持ちはずっと消えることはない。毎年挑み続ける、そこは変わることはないんじゃないかと」

古巣では21年に43試合で1勝2敗11ホールド、防御率1・86をマークするなど、中継ぎとして217試合に登板。過去最少の5試合に終わった昨オフに非情通告を受け、考え方から見つめ直した。

拾ってくれた中嶋前監督、中垣前巡回ヘッドコーチらの助言には「何でも聞こうと思いましたし、何でも吸収してやろうと」とハングリー精神をむき出しに。32試合で1勝2敗3ホールド、防御率4・18だった今季は、勝っていようが負けていようが、どんな状況でも勇んでマウンドに上がった。

「正直、数字の目標は全くない。便利屋さんじゃないけど、チームが難しいところとか、本当にどこでも"とりあえず、井口"みたいな。難しいところで使おうと思ってもらえる選手で居続けられるのが僕の生きる道」

ハイレベルな若手投手が多いオリックス。来年1月で31歳の右腕にも、厳しい競争が待っているが「一度死んだ身」という覚悟は、他にはない強みにもなり得る。いつも礼儀正しい好漢が、来季も貴重な戦力になってくれることを願っている。(記者コラム 山添 晴治)

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

野球の2024年12月8日のニュース

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /