1:
GAP ◆だいやまーくSFvhMvS7IY:2017年01月04日(水) 23:54:13.94 :
kX9WeCIdo
「そろそろ起きてヨ〜」
P「んあ?」
誰かに揺さぶられ、目を覚ます
「やっと起きたネ」
P「ん...エレナ?」
エレナ「エレナだヨ〜」
P「どうしたんだ?」
エレナ「どうしたんだ?じゃないヨ、もうとっくにホームルーム終わってみんな帰っちゃったヨ」
P「えっ、マジか」
3:
GAP ◆だいやまーくSFvhMvS7IY:2017年01月04日(水) 23:58:05.15 :
kX9WeCIdo
エレナ「あ、そうそう、Pが寝てる間に委員会の所属が決まったんだけド...」
P「えっ」
嫌な予感がする
P「俺、どっかの所属に?」
エレナ「ウン」
P「あー...どこ?」
エレナ「誰もやりたがらなかったからワタシがPを図書委員にスイセンしてあげたヨ〜」
P「お前の仕業かよ!?」
5:
GAP ◆だいやまーくSFvhMvS7IY:2017年01月05日(木) 00:04:54.52 :
L9ACsipRo
エレナ「冗談だヨ...多分」
P「おい待て、今多分って言わなかったか」
エレナ「気にしない気にしない!それよりも図書委員は図書室に行くようにってセンセイが言ってたヨ」
P「うわー面倒くせー」
エレナ「それじゃあ頑張ってネ!」
そう言って机から降りたエレナは鞄を持って教室から出て行った
誰も居なくなった教室で俺はため息を漏らす
P「はー...」
バッくれても良いのだが後々面倒になりそうなので大人しく図書室へ向かうことにした
6:
GAP ◆だいやまーくSFvhMvS7IY:2017年01月05日(木) 00:12:10.08 :
L9ACsipRo
図書室に向かう途中、学内地図を見ながら唸っている女の子を見つけた
制服のマークから察するに1年生だろう
俺は声をかけることにした
P「どうしたんだ?」
「ひゃあっ!?」
P「うおっ」
予想以上に驚かれ、俺の方も驚いてしまう
7:
GAP ◆だいやまーくSFvhMvS7IY:2017年01月05日(木) 00:18:10.75 :
L9ACsipRo
「びびびびっくりしました!」
P「あー、悪いいきなり声をかけて」
「い、いえ、私の方こそいきなり大声を上げちゃって...」
「私、人見知りであまり声をかけられることに慣れてなくて驚いちゃいました」
P「あ、それよりも地図を見て唸ってたみたいだけど、どうかした?」
「あ、そうでした」
女の子は思い出したように手を叩く
「実は私図書室を探していて...でも高等部は今日来たばかりで場所がわからなくなったばかりか私自身が今どこにいるのかさえわからなくなって...」
P「ああ...」
要するに迷子か
8:
GAP ◆だいやまーくSFvhMvS7IY:2017年01月05日(木) 00:23:26.31 :
L9ACsipRo
「そして私は気付いたんです、実は私は今居るのは現実ではない、現実の世界に似せられて創られた異世界にいるのではないかと!」
P「...ん?」
おかしいな、話が飛んだ気がする
「知らず知らずに異世界に迷い込んだ私は一人
、現実世界と異世界を往き来しながら世界の謎を解明するために未知の領域に足を踏み入れるんです」
P「...」
...長くなりそうだ
「世界の謎を解いていくうちに私はあることに気が付きます、異世界で体験した出来事が微妙に形を変えて現実世界でも起きていると」
P「あー、そろそろ良いか?」
9:
GAP ◆だいやまーくSFvhMvS7IY:2017年01月05日(木) 00:26:10.20 :
L9ACsipRo
「え?」
P「君は図書室に行きたかったんじゃないのか?」
「あっ、そ、そうでした」
P「ちょうど俺も図書室に用事があるからさ、良かったら着いてくる?」
「え?良いんですか?」
P「ここで放っていったらまた迷子になりそうな気がするからさ」
「ま、迷子...でも否定出来ない」
10:
GAP ◆だいやまーくSFvhMvS7IY:2017年01月05日(木) 00:31:24.91 :
L9ACsipRo
「えーっと...よろしくお願いします」
P「ああ、じゃあこっちだ」
図書室へ向けと歩き出す
女の子がちゃんと着いてこられるように微妙に歩行速度を調整し、図書室へ向かった
「わあっ...ここが高等部の図書室なんですね!」
P「中等部の図書室にはない本が沢山あるらしいな」
「はい!それを知ってからここに来るのがずっと楽しみでした!」
女の子が目を輝かせながら言う
どうやらかなりの本好きのようだ
11:
GAP ◆だいやまーくSFvhMvS7IY:2017年01月05日(木) 00:35:51.85 :
L9ACsipRo
「...図書室では、お静かに」
「あ、ごめんなさい」
去年C組にいた髪の長いストールを羽織った女の子に咎められる
P「ごめん」
「あ、あの本は」
本棚に向かい背伸びをする女の子
しかし手が届かないようで、足がぷるぷるしていた
P「仕方ない、ほら」
俺は女の子の後ろに立ち、本を取る
「あ、ありがとうございます」
24:
GAP ◆だいやまーくSFvhMvS7IY:2017年01月05日(木) 22:09:27.25 :
WRPHbLunO
P「この本で合ってる?」
「は、はい!ありがとうございます!」
本を大事そうに胸に抱く女の子
とても嬉しそうなその顔に思わずほっこりする
「...あの、あなたのお名前を」
女の子が何かを言いかけた時、図書委員集合の声がかかった
P「おっと、集合みたいだな」
P「ところで今何か言ってなかった?」
「い、いえ、何でも無いです」
P「そうか?」
25:
GAP ◆だいやまーくSFvhMvS7IY:2017年01月05日(木) 22:16:25.69 :
L9ACsipRo
くじ引きで図書室を担当する日を決めるようで、俺が引いたのは月曜日だった
P「月曜か...相方は誰だ?」
ホワイトボードに貼られていくクラス名
同じ月曜日に貼られていたのは1-Aクラスだった
P「1年生か」
「あ、あの!」
P「ん、さっきの子か、どうしたんだ?」
「私の担当、月曜日なんです」
P「あ、じゃあ君が」
「はい、先輩と同じ日の図書委員です」
26:
GAP ◆だいやまーくSFvhMvS7IY:2017年01月05日(木) 22:20:54.12 :
L9ACsipRo
P「そっか、じゃあよろしくな...えっと」
百合子「百合子です、七尾百合子!気軽に百合子って呼んでください!」
P「わかった、よろしく百合子」
百合子「はい!よろしくお願いします、先輩!」
こうして俺は七尾百合子と同じ図書委員になった
百合子「ああ〜何から読もうかな〜!」
百合子からは何となく面白そうな匂いがする
不本意でなってしまった図書委員だが、退屈せずに済みそうだ
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