推計によると、モスクワ-カザン高速鉄道プロジェクトの事業費は1兆683億ルーブル(約213億ドル)に上り、中国がプロジェクト融資の一部を提供する。プロジェクトが完了すれば、沿線の観光スポットの多くが鉄道で結ばれることになり、魅力溢れる観光のゴールデンベルトが形成されることになり、地域の観光資源の統合や沿線の観光産業の発展加速にとってプラスになる。予測では20年の旅客輸送量はのべ1050万人に達する見込みだ。
▽ロシア高速鉄道と中国にはどのような結びつき?
ロシアの高速鉄道と中国にはどのような結びつきがあるのだろうか。将来的には烏魯木斉(ウルムチ)まで路線が伸びて、新しいシルクロード経済ベルトの沿線地域の経済貿易に利便性を与えることになる見込みだ。
中国中鉄の戴和根総裁は、「モスクワ-カザン高速鉄道はロシアの高速鉄道網計画の重要な構成要素であり、高速旅客輸送ルートのモデル路線でもある。将来の計画では、モスクワ-カザン高速鉄道はカザンを出発し、東に向かってエカテリンブルブに到達し、さらに中国新疆維吾爾(ウイグル)自治区の烏魯木斉(ウルムチ)に到達し、中国の蘭新旅客専用路線(蘭州-新疆・烏魯木斉間)、宝蘭旅客専用路線(宝鶏-蘭州間)、西宝旅客専用路線(西安-宝鶏間)に乗り入れて中国の「四縦四横」の高速鉄道ネットワークに連結し、鄭徐高速鉄道(鄭州-徐州間)、京滬高速鉄道(北京-上海間)、滬漢蓉高速鉄道(上海-武漢-成都間)、哈大高速鉄道などの高速鉄道を経由して、上海、広州、成都、哈爾濱(ハルビン)といった重要都市へと結ばれる予定だ」と話す。
朱総経理は、「新しいシルクロード経済ベルトは東の起点からは中国を通過してアジア・太平洋経済圏につながり、西の起点からはロシアを通過して欧州経済圏につながるもので、『世界で最も長く、発展の潜在力を最も多く秘めた経済の大回廊』といわれる。モスクワ-カザン高速鉄道は沿線国家および新しいシルクロード経済ベルトの沿線地域の経済貿易交流に便利な一大ルートを提供することになる」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年5月13日