構造色を持つ宝石のCG表現
2017年4月19日 (水) 投稿者: メディア技術コース
3月に開催された情報処理学会第79回全国大会で、メディア学部4年(当時)熱田一仁君が卒業研究で取り組んだ研究を発表しました。
熱田一仁, 藤堂英樹, 柿本正憲, "構造色を持つ宝石のCG表現," 情報処理学会第79回全国大会, 7X-05, 2017.3.
発表した熱田君は、「モデリング・レンダリング」セッション7件の発表中2件選ばれた学生奨励賞のうちの1件として表彰されました。
宝石の中には、見る角度によって色が変わるようなものもあります。たとえばブルームーンストーンと呼ばれる宝石は内部に微妙な虹色の部分があり、向きを変えるとその虹色が変化したりします。
この現象は「構造色」と呼ばれ、宝石に限らず物体表面の微細な構造を持つ物体で見られるものです。代表的なのが玉虫やモルフォ蝶など昆虫の体表です。
今回の研究では、透明な宝石の内部に薄い膜があってその膜が虹色を発すると仮定して、CGプログラムを作ってシミュレーションしてみました。原理としては、シャボン玉の表面が虹色に見えるのと同じです。
下の画像は、実際のブルームーンストーンの写真と、構造色を模擬して作ったCGの宝石の表示結果です。
構造色の見え方はまだだいぶ違っています。そもそもCGの方の形が違うのは、作るのが簡単だという理由で丸みのないスクエアカットという形にしたためです。0からすべてプログラムで作ったのでこの辺は正直言って時間節約しました。
あと、本物のブルームーンストーンは白い雲のようなものが中に見えますが、ここもCG表現では省略しています。虹色の部分の色のつき方を再現してみようというのが今回の卒業研究です。
CGでのシミュレーションだと、条件を変えることによって、さまざまな状況を再現することができます。例えば、想定した薄膜の厚みを変えることによって、色の見え方が変わります。
見る角度を変えると、次のように微妙に色が変化して見えます。
このように、自分の設定で小さな世界をあたかも神のように制御できるところは、CG研究の面白いところです。
(メディア学部 柿本正憲)
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