2015年09月
食品メーカーや上下水道関連会社で広まってきている、「予知保全」の考え方。(関連記事→【コラム】回転機の異常発生の3割は●くろまる●くろまるが原因?)。先日、製品プレゼンをする機会があったのですが、そのお客様も適切なタイミングで軸受を交換したいという想いのもと、診断ツールを探しているとのことでした。
実は私がこの業界に入って初めに苦労したのが、保全に関するワードでした。BMやらCBMやら、何の略語かもわからないまま、とりあえずメモを取り、後で調べる。今思えば、言葉の意味がわかっていれば、その場で理解できることも多かっただろうし、何よりヒアリングも楽だったのに...。
最近、またこれらのワードを耳にすることが増えてきましたので、復習も兼ねて保全に関連した用語を少し深堀してみようと思います。
保全方式の分類
さっそく「予防保全」と「事後保全」が出てきました。この二つの大きな違いは、保全のタイミングですね。故障の前に行うのが予防保全、故障してから行うのが事後保全で、事後保全はBM(Breakdown Maintenance)とも呼ばれます。
でもちょっと待ってください。この定義では予知保全ではなく、予防保全という言葉が使われています。この二つの違いは何なのでしょうか。
ネットで調べたところ、同じ定義で使用していることが多いようですが、このような表現をしているサイトもありました。
予防保全や予知保全では、"未然に防ぐ"という概念がベースになっているんですね。
各用語を端的に、このように表現している書籍がありました。
TBMでは、"時間"を基準に、CBMでは"劣化傾向"を基準にしています。確かに、ある箇所で部品が毎回1年弱で壊れているなら、交換してから1年後に再度交換を行えば、また1年は問題なく稼働できそうです。では、"劣化傾向"はどのように管理すればいいのでしょうか。
実は、劣化には部品によって個有の劣化パターンがあります。特に有名なのは、「バスタブ曲線(またはバスタブカーブ)」と呼ばれ、回転機で故障発生が多い箇所として知られる「軸受(ベアリング)」はこの劣化パターンに当てはまるといわれています。
劣化パターンと深い関係があるバスタブ曲線。こちらは次回以降に解説します。
◇◆だいやまーく編集後記 vol.10 「スーパームーン」◆だいやまーく◇
昨日は月が大きく見えるスーパームーンでしたね。実は別の内容を用意していたのですが、昨日帰宅してからスーパームーンであることを知り、急きょ差し替えることに。私のカメラの腕ではこれくらいが限界でした...。
P9281613
『スーパームーン (Supermoon) とは、満月または新月と、楕円軌道における月の地球への最接近が重なることにより、地球から見た月の円盤が最大に見えること(引用元Wikipedia)』だそうで、昨日の月は約14%大きく、明るさは3割増しだったそうです。夜11時ごろ撮影したのですが、いつもより周りが明るかったです。
次回のスーパームーンまでにはもう少しカメラの腕を上げたいものです...。
鉄原実業 石田
実は私がこの業界に入って初めに苦労したのが、保全に関するワードでした。BMやらCBMやら、何の略語かもわからないまま、とりあえずメモを取り、後で調べる。今思えば、言葉の意味がわかっていれば、その場で理解できることも多かっただろうし、何よりヒアリングも楽だったのに...。
最近、またこれらのワードを耳にすることが増えてきましたので、復習も兼ねて保全に関連した用語を少し深堀してみようと思います。
設備のさまざまな保全方式
まずは、保全の定義を調べてみました。保全は保守あるいは整備ともいわれ、設備を運転可能状態にし、故障や欠点などを回復するための処置および活動である。
保全は管理上、設備の故障発生を未然に防止するために行う予防保全と、故障発見後に設備を正常状態に修復させるために行う事後保全に大別される。
引用元:機械設備の状態監視と診断【第3版】 振動技術研究会
保全方式の分類
さっそく「予防保全」と「事後保全」が出てきました。この二つの大きな違いは、保全のタイミングですね。故障の前に行うのが予防保全、故障してから行うのが事後保全で、事後保全はBM(Breakdown Maintenance)とも呼ばれます。
でもちょっと待ってください。この定義では予知保全ではなく、予防保全という言葉が使われています。この二つの違いは何なのでしょうか。
ネットで調べたところ、同じ定義で使用していることが多いようですが、このような表現をしているサイトもありました。
「事後保全」や「予防保全」を見直して考えられるようになったのが「予知保全」あるいは「状態監視保全」などといわれる方法です。機械設備がこわれたら直すとか、常に部品の定期交換をするというのではありません。機械設備の定常的な運転状態を計測して、その結果から故障や異常の発生する前ぶれを察知して修理・復元を行うのです。定常的な運転状態の計測。これが今までの保全と違う点です。
引用元:機械の予知保全とは JUNTSU NET21
予防保全や予知保全では、"未然に防ぐ"という概念がベースになっているんですね。
故障を未然に防ぐために考えられた2つの手法 「TBM」と「CBM」
ここで"図 保全方式の分類"を見てみると、予防保全には2つの方式があることがわかります。「時間計画(基準)保全」と「状態監視保全」ですね。それぞれ「TBM(Time Based Maintenance)」、「CBM(Condition Based Maintenance)」という略語が使用されることも多いようです。各用語を端的に、このように表現している書籍がありました。
「TBM」:周期を決め、その周期に従い、定期的に保全を行う。
「CBM」:劣化傾向を管理し、故障にいたる前の最適な時期に最善の保全を行う。
「BM」:機械に故障が発見された段階で保全を行う。
引用元:『一番最初に読む機械保全の本』 吉川達志著 日刊工業新聞社
TBMでは、"時間"を基準に、CBMでは"劣化傾向"を基準にしています。確かに、ある箇所で部品が毎回1年弱で壊れているなら、交換してから1年後に再度交換を行えば、また1年は問題なく稼働できそうです。では、"劣化傾向"はどのように管理すればいいのでしょうか。
実は、劣化には部品によって個有の劣化パターンがあります。特に有名なのは、「バスタブ曲線(またはバスタブカーブ)」と呼ばれ、回転機で故障発生が多い箇所として知られる「軸受(ベアリング)」はこの劣化パターンに当てはまるといわれています。
さいごに
保全の手法としては「ヒト」がメインの聴音や触診、「ツール」がメインの振動法やオイル分析が挙げられます。以前ブログでもご紹介しているので、参照いただければと思います。劣化パターンと深い関係があるバスタブ曲線。こちらは次回以降に解説します。
◇◆だいやまーく編集後記 vol.10 「スーパームーン」◆だいやまーく◇
昨日は月が大きく見えるスーパームーンでしたね。実は別の内容を用意していたのですが、昨日帰宅してからスーパームーンであることを知り、急きょ差し替えることに。私のカメラの腕ではこれくらいが限界でした...。
P9281613
『スーパームーン (Supermoon) とは、満月または新月と、楕円軌道における月の地球への最接近が重なることにより、地球から見た月の円盤が最大に見えること(引用元Wikipedia)』だそうで、昨日の月は約14%大きく、明るさは3割増しだったそうです。夜11時ごろ撮影したのですが、いつもより周りが明るかったです。
次回のスーパームーンまでにはもう少しカメラの腕を上げたいものです...。
鉄原実業 石田
- 2015年09月29日09:00
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こんにちは。石田です。気が付けば蝉の鳴き声が聞こえなくなっていて、夏の終わりを感じずにはいられません。今年の夏は本当に短かったですね。
さて、本日はメディア掲載のお知らせです。
先日、仕事で風車に昇ってきましたので、その体験記にしました。
ある程度、話の枠組みを決めてから、30分ほどで書き上げて提出し、ほっと一安心。
さて、本日はメディア掲載のお知らせです。
以前、ご紹介したベアリング新聞。今回は製品紹介ではなく、なんと最終ページに私が執筆したコラムを掲載いただく運びとなりました。
このブログの編集後記から、このようなご依頼に至ったようです。Webってすごいですね...!
これもご縁なので、快諾させていただきました(正確には上長の許可を得るため少しお時間いただきましたが)。
先日、仕事で風車に昇ってきましたので、その体験記にしました。
ある程度、話の枠組みを決めてから、30分ほどで書き上げて提出し、ほっと一安心。
文章を考えているときに、しみじみ思ったのが、私以外とこの作業好きだなぁということ。
学生時代の国語の成績は決して良いとはいえなかったですし、だからこそ理系を選択したのですが、人生どこでどう転がるかわからないものですね。
これからも地道にコツコツ、想いや知識を書き留めていきたいと思いました。
貴重な機会をご提供くださったベアリング新聞編集部の皆さま、ありがとうございました。
『ベアリング新聞』(2015年9月20日号)
発行元:新樹社
ベアリング新聞_随筆_20150920号
◇◆だいやまーく編集後記 vol.9 「下の下」◆だいやまーく◇
『ベアリング新聞』(2015年9月20日号)
発行元:新樹社
ベアリング新聞_随筆_20150920号
◇◆だいやまーく編集後記 vol.9 「下の下」◆だいやまーく◇
今日のタイトル、ある魚を指しているのですが、ご存知ですか?実はこれ、高級料亭などで珍重されている、「げんげ(幻魚)」のことなんです。
げんげは富山湾でとれる深海魚で、少々グロテスクな見た目なこともあり、昔は下の下の魚とされ、浜辺に捨てられていたとのこと。
今はそのうまさが評判になり、幻の魚=幻魚という字が当てられたそうです。
今はそのうまさが評判になり、幻の魚=幻魚という字が当てられたそうです。
"魚"生もどこでどう転がるかわからないものですね...!
(一部の内容は『大人の遊び、33の富山旅。』 富山県観光連盟他発行から引用しました)
鉄原実業 石田
鉄原実業 石田
- 2015年09月24日09:30
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こんにちは。私は今まで社外向けに複数の提案書をつくってきました。最近、社内向けにプレゼン資料を作成することになったのですが、いざ作ろうと思うと、「社内向けプレゼンってどんなポイントを押さえればいいの?」「営業用に作成するプレゼンと同じでいいのだろうか?」と、迷う点がありました。
そこで今回は、社内向けプレゼン作成について、ポイントとなる点を考えてみました。
作る必要がある、と答える方の中には「上司に作っといてと言われているから」「社内回覧の際に資料がないと困る」といったご意見をお持ちの方もいるかもしれません。
確かにどれも当てはまると思いますが、一番大きな目的は「社内稟議を通すこと」だと、私は思います。プレゼン資料はそのお手伝いをする役割を担っている、もしくはすべての責を負っているといっても過言ではないのです。
では、社内向けでも同じように話し手がすばらしくないとだめなのかというと、そんなことはありませんよね。基本的に社内で発表する方々はそのような理由でプレゼンテーターに抜擢されるわけではありません。その提案内容を熟知した人間であれば、たとえ新卒1年目の方であっても、大人数の前で発表する機会が巡ってくるかもしれません。「プレゼンテーター>プレゼン資料」である必要はないわけです。
【骨子】
1. 現状報告
2. 課題
3. 提案(解決策・改善案)
一から立ち上げる事業などでない限りは(もちろん立ち上げる事業自体が何らかの課題を解決する場合もありますが)、現状何らかの課題を抱えており、それを解決するための手段などを提案するのではないかと思います。
そして1.現状報告の中から、対象となる「課題」とその「原因」をピックアップし、最終的な結論である「提案(解決策・改善案)」につなげていきます。
原因と課題をクリアにするには?
企画をする際に明確にしなければならないのが、「原因」と「課題」です。これがはっきりしていて、説得力のある内容でないと、「提案」に訴求力がなくなってしまいます。
私のおすすめは「So What?(だから何なのか?)」「Why so?(なぜそうなのか?)」の問いの繰り返しです。この二つはロジカルシンキングの手法として有名です。
So what?→今ある情報の中から「自分の中の結論は何か」を引き出す
Why so?→その結論が「どのような情報・論理から成り立っているのか」を確認する
これらの質問は「根拠から成り立つ結論」と、「結論を支える根拠」に整合性がとれているかを確認するために有効です。
プレゼン下書き用templete
基本的には1スライドのタイトル、2中身のキーメッセージ(もしくはイメージ図)のみを簡単に記します。そのあと、それを印刷してはさみで切り取り、スライドの順番(構成)を練っていきます。
(もちろん、初めから順番通りに手書きでノートに書いていく方法でも問題ありません)
ここまで完了すれば、プレゼン作成の7割は終了です。
できるだけ細かく付記されている情報(例:グラフの罫線)や3Dグラフ、多色使いなど、見るときにノイズになるものは排除し、シンプルで見やすい構成になるように整えます。
あとは表紙とブリッジスライド(目次)を挿入すれば完了です。
「骨子」作成に力を入れて、各スライドの準備の段階では前回作成したものの構成を踏襲すれば、時間をかけずに説得力のあるプレゼンがつくれそうですね。
あとは、このプレゼンの中では説明しきれなかった情報を発表時に捕捉したり、資料の最後に補足資料を準備しておけばスムーズなプレゼンが実施できるのではないでしょうか。
鉄原実業 石田
そこで今回は、社内向けプレゼン作成について、ポイントとなる点を考えてみました。
まずは目的を明確に。
アンケート作成の時と同様、まずは目的から考えてみます。社内向けプレゼン資料作成の目的ってなんでしょう?そもそも社内に提案したり、発表したりするためだけに、プレゼン資料を用意する必要はあるのでしょうか。内容やボリュームにもよりますが、資料をつくるということはそれだけ手間もかかって大変です。必要ないのであれば口頭での発表だけで済ませてしまいたい、と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。作る必要がある、と答える方の中には「上司に作っといてと言われているから」「社内回覧の際に資料がないと困る」といったご意見をお持ちの方もいるかもしれません。
確かにどれも当てはまると思いますが、一番大きな目的は「社内稟議を通すこと」だと、私は思います。プレゼン資料はそのお手伝いをする役割を担っている、もしくはすべての責を負っているといっても過言ではないのです。
プレゼンテーター:プレゼン資料=?:?
一般的によいプレゼンとされるものは、プレゼンテーター(話し手)が注目されていることが多いと思います。最も有名なのはスティーブ・ジョブズでしょうか。iPhone人気が今でも続いているのは、彼のメディアへの発信力の表れなのでしょう。では、社内向けでも同じように話し手がすばらしくないとだめなのかというと、そんなことはありませんよね。基本的に社内で発表する方々はそのような理由でプレゼンテーターに抜擢されるわけではありません。その提案内容を熟知した人間であれば、たとえ新卒1年目の方であっても、大人数の前で発表する機会が巡ってくるかもしれません。「プレゼンテーター>プレゼン資料」である必要はないわけです。
プレゼン資料をメインで考えてみる
「プレゼンテーター<プレゼン資料」になるようにするには、プレゼン資料をしっかり作りこみ、その補足をプレゼンテーターが口頭で行うという図式にする必要があります。そのために、まずは一番の大枠となる部分=「骨子」を組み立てます。【骨子】
1. 現状報告
2. 課題
3. 提案(解決策・改善案)
一から立ち上げる事業などでない限りは(もちろん立ち上げる事業自体が何らかの課題を解決する場合もありますが)、現状何らかの課題を抱えており、それを解決するための手段などを提案するのではないかと思います。
そして1.現状報告の中から、対象となる「課題」とその「原因」をピックアップし、最終的な結論である「提案(解決策・改善案)」につなげていきます。
原因と課題をクリアにするには?
企画をする際に明確にしなければならないのが、「原因」と「課題」です。これがはっきりしていて、説得力のある内容でないと、「提案」に訴求力がなくなってしまいます。
私のおすすめは「So What?(だから何なのか?)」「Why so?(なぜそうなのか?)」の問いの繰り返しです。この二つはロジカルシンキングの手法として有名です。
So what?→今ある情報の中から「自分の中の結論は何か」を引き出す
Why so?→その結論が「どのような情報・論理から成り立っているのか」を確認する
これらの質問は「根拠から成り立つ結論」と、「結論を支える根拠」に整合性がとれているかを確認するために有効です。
プレゼン作成にとりかかる前に
Powerpointなど、プレゼン用のドキュメントを開く前に、そのプレゼンのフレームワークを完成させましょう。下図のような簡単な用紙に、どのような順番で資料を展開していくかを書いていきます。プレゼン下書き用templete
基本的には1スライドのタイトル、2中身のキーメッセージ(もしくはイメージ図)のみを簡単に記します。そのあと、それを印刷してはさみで切り取り、スライドの順番(構成)を練っていきます。
(もちろん、初めから順番通りに手書きでノートに書いていく方法でも問題ありません)
ここまで完了すれば、プレゼン作成の7割は終了です。
各スライドを準備する
続いて、スライドの中身を作成していきます。基本は「一つのスライドに、一つのメッセージ(+グラフ)」のみ記載します。できるだけ細かく付記されている情報(例:グラフの罫線)や3Dグラフ、多色使いなど、見るときにノイズになるものは排除し、シンプルで見やすい構成になるように整えます。
あとは表紙とブリッジスライド(目次)を挿入すれば完了です。
さいごに
社内用プレゼン(特に決裁者に発表するもの)であれば、アニメーションやカラフルな色使いは必要ありません。(私自身、アニメーションに凝ってしまい、派手なプレゼン資料を作っていました時期もありますが...)「骨子」作成に力を入れて、各スライドの準備の段階では前回作成したものの構成を踏襲すれば、時間をかけずに説得力のあるプレゼンがつくれそうですね。
あとは、このプレゼンの中では説明しきれなかった情報を発表時に捕捉したり、資料の最後に補足資料を準備しておけばスムーズなプレゼンが実施できるのではないでしょうか。
鉄原実業 石田
- 2015年09月15日10:00
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