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一昨年、脳梗塞に倒れた祖母が、今年の8月に病院を退院し、現在拝島の介護付きの老人ホームに入っている。祖母の家は、今は完全な空き家状態である。そこで、この家を人に貸そうということになった。

とはいえ、そこは人が60年以上住んでいた場所である。様々な〈記憶〉が、有形・無形に残っている。僕自身、書籍を始めとして、いろいろなものを置かせてもらっている。これをどうにかしないことには、人には貸し出せない。

整理はすでに8月の終わりからとりかかっていたのだが、遅々として進まず、まともにできるようになったのは11月から今月にかけてである。

最初は何をしていいか分からず、ただ無駄に右往左往していた。だんだん要領を得てきて、なんとなく「片付いてきたな」と思えるようになったのは、今月の後半である。それでも、完了には程遠い。

8月から9月は、とにかく、どう考えても捨ててよさそうなものを捨てた。これがマンションと違い、収集日が決まっているので、なかなか進まない。

10月以降は、最初に揃いでない漫画や、あまり価値の高くない本をブックオクに売った。台車に積んで90冊ほど持って行ったが、売れたのは70冊程度、一冊10円である。買い取れないと言われた20冊はむこうで処分してもらった。

その後は、ヤフオクとアマゾンで売却しようとしたが、アマゾンは全く売れないので、すべてヤフオクに切り替えた。これまで50点(揃いものや本でないものもあるので、冊ではない)程売れたが、まだまだである。

ヤフオクで本を売るのは、古書店に売るのとは違い、いちいち写真を撮って、書誌や汚れ具合、サイズのデータを取らなくてはならないから、なかなか面倒くさい。だが、そのぶん、その本を買った時のことや読んだ時のことを思い出す。

もちろん、細かくは覚えていないが、「これはしろまるしろまるにハマっていた時に買ったんだな」とか、「あの論文を書くために買ったな」とか、いろいろ思い出す。「何でこんなの買っちゃったんだろ」とか、「ほとんど読んでません」というのも多い。というか、そっちの方が多い。

ヤフオクで本を売るのは、なかなか難しい。売れないときは売れないし、売れるときはぱっと売れてしまう。しょうもない本が売れると、買った人に申し訳ないような気がするし、いい本が売れると、惜しいような嬉しいような、複雑な感覚になる。

なかなかきついが、まだまだやらねばならない。 (追記) (追記ここまで)

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