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2023年12月

コロナ禍も三年をこえ、今ではマスクをしない生活が基本になった。僕は満員電車と教室ではマスクをするつもりだったのだが、今年の夏はあまりに暑かったので、なし崩しに着用しなくなってしまった。

マスクを外したからすべてがコロナ前にすべて戻ったかというと、ぜんぜんそうではない。外食はあまりしなくなったし、運動もしなくなってしまった。地上波や衛星放送のテレビも見なくなったし、海外旅行にも行っていない。ほかにも、いろいろと変わってしまったことがある。これは個人的なことばかりではなく社会的なことも同じである。

コロナ禍が始まったころ、数年もすれば終わるだろうとは思っていたが、なんとなく政府から終結宣言でも出てスパッと終わり、元の生活に戻ると思っていた。しかし、今のところそうなってはいない。もうまともに数を数えてきないからはっきりとはわからないが、感染者は以前より増えているのは間違いない。僕の父はほとんど外出していないのに、今年二回もコロナにかかった。僕自身も去年までは一度も風邪をひかなかったのに、今年は三回もひいてしまった。たぶんコロナにもかかっているだろう。

コロナは終わっていないのに、社会がもとに戻りつつある。僕は、電車に乗るときには再びマスクをするようになった。どこを戻して、どこを戻しちゃいけないのか、試行錯誤の日々である。

これが時代の変わり目というものなのだろう。時代は急に変わるのではなく、いつの間にか変わって、あとで気づくものらしい。今回はコロナという分かりやすい契機があったが、それでも今が変化のとば口なのか、半ばなのか、終わりなのか、まだ誰にも分からない。

今年印象に残った事件というと、ジャニー喜多川の性加害と自民党清和会のパーティー券問題だが、どちらも時代の変わり目に対応できなかったからである。ジャニー喜多川の方は1988年の北公次の暴露本以来周知のことだったし、清和会のパー券も「まあそのぐらいしているだろうな」程度のことで、やっていること自体に驚きはない。最近報道されたダイハツの不正も、ダウンタウン松本も同様である。これまで社会や周囲が見てみぬふりをして許してきたことが、時代の変わり目とともに表に現れたというこだろう。

時代の変化に抗うことはできない。なんとか自分を変えて対応するか、さもなきゃ隠居するかしかない。

今年は夏むちゃくちゃ暑かったので、冬は寒くなる・・・というようなことをいわれていたが、これがまったくの間違いで、前半は春みたいな生暖かい風が吹く日すらあった。さすがに年末は寒くなったが、それでもたいしたことはない。そんな気候のせいか、今月の前半風邪をひいてしまった。熱が出たのでコロナだったのかもしれない。

後半は細々とした用事が入りやたらと忙しかったのだが、そんな中、コンセント増設工事をした。第二種電気工事士の資格を取って以来、記念すべき最初の工事である。

最初の工事は、スイッチやコンセントを取り替える程度の簡単なものをやろうと思っていたのだが、ヒマがなくて手がつけられなかった。これも急を要するものではないのだが、年内に初電気工事をしておきたかったのである。

現場は実家の脱衣所である。去年、ここに暖房器を設置してもらったのだが、母が工事代をケチってコンセントを増設してもらわなかった。そのため遠い壁から延長コードで電気を持ってきているので、どうにもブサイクだし、その上電力を食う器具なのであまり良いことではない。

そこで、先日実家に行ったときに浴室のスイッチを確認してみたら、ここから100Vが取れることが判明した。暖房器はスイッチの上なので、壁の中にケーブルを入れればいい感じに増設できるはず。

このスイッチから電源を取る。普通はそんなことはできないのだが、二つある上のスイッチのパイロットランプを点灯させるために中性線が来ていた。上のスイッチは換気扇のスイッチなのだが、電気食わないのになぜか専用回路になっている。おかげで脱衣所の照明をつけたままで作業できたし、電気を食う暖房器をつけても全く問題ない。
スイッチ
ボード開口。本当はケガキの線にしたがって開口しようと思ったのだが、なぜだか妙なところに角材が入っていて急遽上に上げた。これでは金具が角材に干渉して付けられないので、やむなく金具をちょっと加工するハメに。
ボード開口
完成!一時はどうなるかと思ったが、なかなかいい感じだ。
増設完了
扇風機の上のコンセントが今回増設したもので、扇風機と暖房器のプラグが刺さっている。コードが長くてブサイクなので、これは今度どうにかしよう。

実はほかにもいろいろ予想外のことがあったのだが、初めての工事で精一杯で写真もないし、説明も面倒くさいのでやめておく。30分もあればできると予想していたが、なんだかんだで1時間半ぐらいかかってしまった。まあ、初めてなんてこんなもんだ。

これでペーパー電気工事士からペーペー素人電気工事にクラスチェンジすることができた。
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#電気工事士
#電気工事

『一言芳談抄』の電子テキストを公開しました。

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慶安元年版本『一言芳談抄』:やたナビTEXT

底本は慶安元年版本です。いつもどおり、翻刻部分はパブリックドメインで、校訂本文部分はクリエイティブ・コモンズライセンス 表示 - 継承(CC BY-SA 4.0)で公開します。

『一言芳談抄』は中世に成立した仮名法語集で、その名の通り、浄土教の高僧の短い言葉が集められています。『徒然草』98段に引用されていることでも知られています。

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仏教の考え方は、ものすごくざっくりいうと「悟りを開いて仏になろう」というものです。その方法によって宗派が分かれるのですが、なかでも浄土宗の主旨は「環境の悪い現世でいくら修行してもムダ。阿弥陀如来におすがりして、来世は極楽浄土に生まれ変わりそこで仏になろう」というものです。

ですから、やることは非常にシンプルで、ひたすら「南無阿弥陀仏」と阿弥陀如来の名前(名号)を唱えればいいわけです。

一見簡単そうに見えますが、本当に簡単でしょうか。実際にやってみると、理論は勉強しなくていいのかとか、本当に救ってもらえるのかとか、どう唱えればいいのかとか、飽きたらどうすればいいかとか、いろいろと疑問が湧いてくるはずです。『一言芳談抄』はそういった疑問に対して、たくさんの高僧たちが答えています。

こう書くと、これは浄土教のことだから信者以外は関係ないように思えます。しかし、念仏を唱えるように反復しなければならないことは、日常でもよくあります。

勉強でも、仕事でも、スポーツや音楽などの練習でも、何も考えずに繰り返しやらなければならないこと、そしてそこに疑念を持つことは山ほどあります。『一言芳談抄』が読まれたのは、信仰としてだけではなく、彼らの言葉に汎用性があったからでしょう。

実際に話した言葉なので、ときどき短すぎて意味が分からないものもあります。例えばこれ。

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顕真座主の云はく、「轆轤(ろくろ)かまへたることぞ」。
轆轤というと陶芸でつかうクルクル回る台のことだと思っていたので、最初さっぱり意味が分かりませんでした。実は滑車(ウィンチ)のことで、「(阿弥陀仏におすがりすることは)ウィンチを用意した(ようなもので、浄土に引き上げてもらえる)」という意味です。

分かるかこんなもん。
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毎年11月は学校行事で授業が潰れるもなく、細々とした仕事が増えて忙しい。おかげで11月の総括を12月に書く羽目になってしまった。

学校の仕事ばかりではなく、今年は個人的なイベント盛りだくさんだった。ほとんど個人的なことばかりなので、ここに書くようなことではないが、印象に残ったこと二件だけ書いておく。

11月11日に久遠の絆ファンサイトの浦木裕さんが出張で台湾から来日した。コロナ禍以来初めての出張だという。会ったのはいつぶりだかよく覚えていないが、最後に会って5・6年は経っていると思う。

出張先は遠く山梨県で、帰りの飛行機に乗る前にGUNDAM FACTORY YOKOHAMAに行くというので横浜の会場前で会った。開口一番、「中川さん、ガンダムと戦ってください」というので撮った写真がコレ。あとで見えない何かと戦ってみたに入れる予定。見えるけど。
見えるガンダムと戦ってみた
出発まで時間がないのであまり長く会えなかったが、たまたま赤レンガ倉庫でやってたヒストリックカーを見たり・・・。
ポルシェ911
北朝鮮の工作船を見たりした。
北朝鮮の工作船

初めて浦木さんと会ったのは16年ほど前である。彼は当時大学院生で、東大の生産技術研究所に留学(?)のために初めて来日した。僕は成田空港まで迎えに行ったのだが、これまで会ったことがない。分かりやすいように半切1/2に「歓迎光臨 浦木裕先生」とデカデカと書いて持っていった。実はゲートから出てきてすぐに浦木さんだと分かったのだが、せっかく書いたのに使わないともったいないと思い、眼の前で開いて見せた。

この「歓迎光臨 浦木裕先生」は勤務先の学校で授業中に書いた。その時僕が書くのを見ていた生徒が現在神職をしているのだが、11月14日某家で地鎮祭をするので、僕からお願いして執り行ってもらった。こちらは彼が高校生のとき以来だから、16年ぶりの再会である。
地鎮祭
天気は暑くもなく寒くもなく最高の日和で、青空に祝詞の声が朗々と響いた。それだけでなく、彼は儀式の次第と意味の説明を交えながら、見事に地鎮祭を執り行ってくれた。出席するのは初めてだったが、とてもいい地鎮祭だった。

コロナ禍以来、家族や職場の人以外の人と会う機会がめっきり減った。古い友達と教え子に会って、少しコロナ禍以前を取り戻せたような気がする。

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