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ここ数年「しろまるしろまる大学?どこだそれ?」とか「しろまるしろまるしろまるしろまる学部?何勉強するの?」というのが増えてきた。

聞いたことのない大学の多くは、全くの新設ではなく、元短大だったところが4年生に移行したとか、専門学校が大学を作ったというのが多い。そういうところの学部は、なぜか何を勉強するのかよく分からない長い学部・学科名が付いている。

そういう大学に通っている人には申し訳ないが、少子化が進んでいるのにそんなに大学を増やしていいのかという疑問が湧いてくる。実際、ノリピーが入学したので話題になった創造学園大学(堀越学園)は先日経営破綻してしまった。

大学が多すぎる。たぶん田中真紀子文部科学大臣もそう思ったのだろう。来春開設予定だった、秋田公立美術大(秋田市)・札幌保健医療大(札幌市)・岡崎女子大(愛知県岡崎市)の三つの大学を不認可にした。

これは正当な手続きだが、大学側からしたらこれはたまらない。なにしろ何年も前から文科省と連絡を取り合って、認可と同時に開学できるよう、施設を増設し、教員を手配し、宣伝をしていたのが、一瞬にしてパーになってしまうのである。これは莫大な金額になるだろう。下手をすればそれで経営が傾くこともありうる。大臣の思いつきで不認可で済む話ではない。

しかし、それでは大学の設置を認可するのは官僚であって、大臣の権限は形だけのものということになる。なにしろ大臣が判子をおすときにはすべて出来上がっているのである。官僚が大学の理事に天下りというのはよくある話で、認可する権限が官僚にあるなら、自分たちの都合のいいように無制限に大学ができてしまうということになりかねない。

要するに、システムの問題なのだ。最初から大臣が関わって、本当に必要な大学と判断されたものだけ認可すればいい。これまた「たぶん」だが、田中文大臣が新基準で再審査するというのはそういう意味なのだろう。
大学新設不認可:田中文科相「新基準で再審査」:毎日jp
田中真紀子文部科学相が来春新設予定だった3大学を不認可とした問題で、田中文科相は6日、閣議後の記者会見で「できれば年内に認可基準を見直し、新しい基準に照らしてもう一回審査する」と述べ、認可に可能性を持たせた。ただ、3大学は認可が決定するまで学生募集などはできず、来春の開学に向けて難しい状況が続いている。

とはいえ、仮にシステムの更新後認可されたとしても、一年は無駄になる。秋田公立美術大・札幌保健医療大・岡崎女子大はスケープゴートにされた格好で、やはり田中大臣のやり方は乱暴に思える。

そう考えると、この三つの大学はとりあえず認可して、そのあと、現在審査中の大学を新基準で審査するというのが常識的なやり方だろう。しかし、そのころ田中真紀子氏が文部科学大臣をやっているかどうか、いや、それどころか民主党が政権を取っているかさえ分からない。

あまりに大臣がころころ変わりすぎること。問題はそれに尽きるのではないだろうか。
(追記) (追記ここまで)
タグ :
#大学
#教育
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#田中真紀子

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