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フリマで文房具を売ったの続き。

今回、フリーマーケットに参加して驚いたのは、開始前からたくさんのお客さんが来たことである。僕はもっと牧歌的なものだと思っていた。

たぶん、この人たちはフリーマーケットの常連なのだろう。厳しく値切ったり、オマケを要求したりと、なかなかイヤらしい買い方をする。

こちらは、とにかく一つでも多く売って、在庫を減らし、お金に換えたい。だから値段なんかどうでもよく、一つでも多く買ってもらえればそれでいいのだが、それでも、市場価格の10パーセントとか5パーセントの値段で売るのは複雑な心境だ。

もちろん、ネットオークションかなんかで売れば、もう少しいい値段で売れるだろう。しかし、それには相当な手間と時間がかかる。在庫はまだまだたくさんある。あらかた在庫を始末した後、リフォームする予定なので、のんびり売っている暇はない。

物の売り買いとその値段には、時間と場所が強く関係してくる。

リフォームの予定がなければそこまで急いで売る必要はなかった。せいぜい半額ぐらいにして、店で何年かかけてゆっくり売ればよかったのである。祖母は今93歳だから、そんな悠長なことは言っていられない。

また、フリーマーケットという場所でなければこんなに早く売れなかっただろう。フリーマーケットの客は安いものが出ると知ってくる。少々汚いのも織り込み済みだから、ほこりまみれでも買っていく。まさに蚤の市とはこのことだ。

市価で売っている自分の店で、フリーマーケットと同じ値段を付けたとしても、せいぜい近所の人が来るぐらいだろう。ほとんど開店休業状態とはいえ、店で売っている以上ほこりまみれというわけにいかない。結局、時間と手間がかかってしまう。

僕は株式投資をしているので、こういうことは頭では分かっていたつもりだった。どこの市場で売買するか、いつ売買するか、それによって損益が変わってくる。ときにはやむなく買値よりも安く売らなければならないこともある。売買する場所と時が大事なのだ。今、話題のTPPも同じことである。

頭では分かっていたが、実際に目の前でお金とモノが動くのを見て初めて実感がわいた。動いているのは小さな額だが、コンピュータのスクリーン上の数字ではない。ブリキの缶にチャリーンとお金を投げ込むたびに、物を売ることの痛みと快感を感じたのである。
(追記) (追記ここまで)

コメント

コメント一覧 (1)

    • 1. 履歴書の封筒の書き方
    • 2011年11月18日 19:56
    • とても魅力的な記事でした!!
      また遊びに来ます!!
      ありがとうございます。。
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